「通所介護(デイサービス)の人員基準って、結局どの職種を何人配置すればいいの?」「地域密着型だと基準は変わる?設備はどこまで必要?」——開設準備や運営指導の対策で、こうした疑問にぶつかる管理者・生活相談員は多いのではないでしょうか。

この記事では、通所介護・地域密着型通所介護の人員基準と設備基準を、厚生労働省の基準にもとづいて整理します。介護職員の配置数の計算例や、令和6年度介護報酬改定での管理者要件の変更、実地指導で見られやすいポイントまで、現場で使える形でわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 通所介護と地域密着型通所介護の違い(定員の区分)
  • 配置が必要な職種ごとの人員基準(生活相談員・看護職員・介護職員ほか)
  • 介護職員の配置数の計算方法と具体例
  • 食堂・機能訓練室など設備基準のポイント
  • 令和6年度改定での管理者の兼務要件の見直し

通所介護・地域密着型通所介護とは?まず違いを整理

ちびウルフちびウルフ

「通所介護」と「地域密着型通所介護」って、どう違うの?

リハウルフリハウルフ

いちばんの違いは「利用定員」だよ。定員18人以下の小規模なものが地域密着型、19人以上が通常の通所介護。人員・設備の考え方は共通点が多いけど、地域密着型には少し緩和もあるんだ。

通所介護とは、要介護者を老人デイサービスセンター等に通わせ、入浴・排せつ・食事等の介護、日常生活上の世話、機能訓練を行うサービスです(出典:厚生労働省)。利用定員によって2つに分かれます。

種類利用定員指定・指導の主体
通所介護19人以上都道府県・指定都市・中核市
地域密着型通所介護18人以下市町村

地域密着型通所介護は、原則としてその市町村の住民が利用する小規模サービスです。以下では、まず基本となる通所介護の人員基準から見ていきます。

通所介護の人員基準(厚生労働省)

通所介護で配置が必要な職種は、管理者・生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員です。それぞれの基準を順に確認しましょう。

管理者

事業所ごとに専従・常勤で1名の配置が原則です。なお、令和6年度介護報酬改定により、管理上支障がない場合は、同一敷地内の他の事業所・施設等の職務との兼務がより柔軟に認められるよう見直されました。

生活相談員

事業所ごとに、サービス提供時間に応じて専従で1名以上を配置します。生活相談員の勤務時間数には、サービス担当者会議や地域ケア会議等への参加時間も含めることができます。

看護職員

単位ごとに専従で1名以上を配置します。ただし、通所介護の提供時間帯を通じて専従している必要はなく、訪問看護ステーション等との連携によって確保することも可能です。

介護職員

介護職員は、単位ごとにサービス提供時間に応じて、次の数以上を専従で配置します。

利用者の数必要な介護職員数
15人まで1以上
15人を超える場合1に、15人を超える分につき「1人増えるごとに0.2」を加えた数以上

さらに、単位ごとに常時1名が確保されるよう配置する必要があります。なお、この人数基準と常時配置の条件を満たす場合は、当該事業所の他の単位の介護職員として従事することも可能です。

ポイント(計算例)利用者20人の単位の場合:15人までで1、超える5人分は 5×0.2=1.0 を加算し、合計2以上が必要です。利用者25人なら 1+(10×0.2)=3以上となります。

機能訓練指導員

1名以上の配置が必要です。機能訓練指導員は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師などの有資格者が担います。

常勤要件

生活相談員または介護職員のうち、1人以上は常勤でなければなりません。

地域密着型通所介護の人員基準の違い

地域密着型通所介護(定員18人以下)も基本的な考え方は通所介護と共通ですが、小規模ゆえの緩和があります。

ポイント利用定員10名以下の地域密着型通所介護事業所では、看護職員または介護職員のいずれか1名の配置で足りるとされています。

つまり、ごく小規模な事業所では看護職員と介護職員を別々に置かなくてもよい、という緩和です。ただし機能訓練指導員などその他の職種の考え方は通所介護に準じます。

各職種になれる資格要件

人員基準を考えるうえで、誰がその職種を担えるのかも押さえておきましょう。資格要件のあらましは次のとおりです。

職種担える人(主な要件)
生活相談員社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格など(自治体により取り扱いに差がある場合あり)
看護職員看護師・准看護師
機能訓練指導員理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護職員・柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・一定要件を満たすはり師・きゅう師
介護職員資格要件は必須ではないが、加算等では研修修了等が問われる場合がある
注意生活相談員の資格要件は、自治体(指定権者)によって認められる範囲が異なることがあります。採用・配置の前に、必ず指定権者の取り扱いを確認しましょう。

「単位」とサービス提供時間の考え方

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人員基準でよく出てくる「単位」って何のこと?

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「単位」は、同じ時間帯に一体的に提供されるサービスのまとまりのこと。午前と午後で別々に利用者を受け入れるなら、それぞれが別の単位になるイメージだよ。

人員基準が「単位ごとに」と定められているのは、サービス提供のまとまりごとに必要な体制を確保するためです。複数単位を運営する場合は、単位ごとに看護職員・介護職員の配置を満たす必要があります。提供時間の長さによって必要な介護職員数も変わるため、勤務シフトを組む際は単位と提供時間をセットで確認しましょう。

通所介護の設備基準(厚生労働省)

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部屋はどれくらいの広さが必要なの?

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覚えておきたいのは「食堂+機能訓練室で、利用定員×3.0㎡以上」という数字。この2つは兼用してもOKなんだ。

通所介護に必要な主な設備と基準は次のとおりです。

設備基準
食堂・機能訓練室合計面積が利用定員×3.0㎡以上(食堂と機能訓練室は兼用可)
静養室体調不良時などに静養できる場所を確保
相談室相談内容が漏えいしないよう配慮された区画
事務室個人情報の管理や備品の収容ができる専用区画(パーテーション区切りも可)
非常災害に必要な設備消火設備その他、非常災害に際して必要な設備
注意指定通所介護事業所と他の指定居宅サービス事業所等が併設している場合、利用者へのサービス提供に支障がなければ、基準上両方のサービスに規定がある設備などは共用が可能です。ただし運用は指定権者の判断によるため、事前に確認しましょう。

令和6年度介護報酬改定での主な変更点

人員・設備の基本構造は維持されつつ、令和6年度介護報酬改定では運営の柔軟化に関わる見直しが行われました。代表的なのが管理者の兼務に関する取り扱いです。

  1. 管理者は引き続き専従・常勤での配置が原則
  2. 管理上支障がない場合に、他の事業所・施設等の職務との兼務がより明確に認められる方向で整理された
  3. あわせて、テレワーク等の柔軟な働き方に関する考え方も示された
注意報酬・基準の細目は改定や解釈通知で変わることがあります。最新の単位数・要件・取り扱いは、必ず厚生労働省の改定資料と、指定権者である自治体の通知で確認してください。

運営指導(実地指導)で見られやすいポイント

基準を満たしていても、書類や勤務実態とのズレが指摘されることがあります。実務上、とくに整えておきたいのは次の点です。

  • 勤務形態一覧表と、実際の勤務記録(タイムカード等)が整合しているか
  • サービス提供時間に応じた介護職員数が、各単位で確保できているか
  • 常勤要件(生活相談員または介護職員のうち1人以上常勤)を満たしているか
  • 機能訓練指導員の資格証の写しが整備されているか
  • 相談室・静養室など、設備が基準どおりに確保・運用されているか
ポイント人員基準は「配置している」だけでなく、勤務時間と記録で客観的に説明できる状態にしておくことが重要です。日々の記録の積み重ねが、運営指導での安心につながります。

よくある質問(FAQ)

通所介護と地域密着型通所介護の違いは何ですか?
主な違いは利用定員です。19人以上が通所介護(指定は都道府県等)、18人以下が地域密着型通所介護(指定は市町村)です。人員・設備の考え方は共通点が多いものの、小規模な地域密着型には一部緩和があります。
介護職員は何人配置すればよいですか?
利用者15人までは1以上、15人を超える分は1人増えるごとに0.2を加えた数以上です。例えば利用者20人なら2以上、25人なら3以上となり、加えて単位ごとに常時1名の確保が必要です。
看護職員は提供時間中ずっと事業所にいる必要がありますか?
通所介護の提供時間帯を通じて専従している必要はありません。訪問看護ステーション等との連携で確保することも認められています。
食堂と機能訓練室は別々に用意しないといけませんか?
兼用が可能です。ただし合計面積が利用定員×3.0㎡以上である必要があります。
定員が小さければ看護職員を置かなくてもよいのですか?
利用定員10名以下の地域密着型通所介護では、看護職員または介護職員のいずれか1名の配置で足りるとされています。事業形態によって扱いが異なるため、指定権者に確認しましょう。

まとめ

ちびウルフちびウルフ

職種ごとの基準と、食堂+機能訓練室の3.0㎡だけは覚えておくね!

リハウルフリハウルフ

うん、その2つが軸だね。あとは細かい数値や最新の取り扱いは、厚労省の資料と自治体の通知で必ず確認しよう。

まとめ
  • 通所介護は定員19人以上、地域密着型通所介護は定員18人以下で分かれる
  • 配置職種は管理者・生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員
  • 介護職員は15人まで1以上、超過分は1人ごとに0.2加算+常時1名確保
  • 設備は「食堂+機能訓練室=利用定員×3.0㎡以上」が要。静養室・相談室・事務室も必要
  • 令和6年度改定で管理者の兼務が柔軟化。最新の細目は厚労省・自治体で必ず確認

出典:厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)、厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」。人員・設備・報酬の最新の取り扱いは、厚生労働省の改定資料および指定権者(都道府県・市町村)の通知でご確認ください。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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