「新卒で訪問リハビリをやってみたいのだけれど、注意点ってあるの?」
「新卒で訪問リハビリをやってみたいけど、そもそもできる?」
このような疑問を解決できる記事です。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の学生が下記のような想いを抱くこともあるのではないでしょうか?
- 訪問リハビリは給料面が良さそう
- 臨床実習で訪問リハビリに魅力を感じた
- 家に訪問してリハビリすることがカッコ良い感じがする
- 実際に生活している場面でリハビリをやってみたい
今回は、「新卒で訪問リハビリに挑戦してみたい」という人に向けて現役訪問セラピストからアドバイスをしたいと思います。
私は、「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」の監著・編集をしている訪問リハビリ10年以上の理学療法士です。
新卒で訪問リハビリに行く前には必見の書籍だと思いますので、ぜひ手にとっていただけたら嬉しいです。
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この記事を読むと以下のことが分かります。
- 新卒で訪問リハビリはできるのか?
- 新卒で訪問リハビリに就職するときの注意点
- 新卒で働くPT、OT 、STに私からのアドバイス
新卒で訪問リハビリはできるのか?
そもそも、新卒で訪問リハビリはできますか?
できます。
しかし、色々と注意すべきことがあります。
「新卒でも訪問リハビリができますか?」と聞かれることが結構あります。
それに対する答えはYESです。
なぜならば、資格があるからです。
利用者さんのお宅に訪問してリハビリをして帰ってくることは、最低限の資格があればできます。しかし、質に関しては保証できません。
その質のことを言ってしまえば、「1年目ならできる?」「2年目ならできる?」「3年目ならできる?」「10年目ならできる?」・・・といつになったらできるかなど言えないと思います。
ですので、私の意見としましては、新卒でも訪問リハビリはできると思います。
しかし、新卒で訪問リハビリをするためには色々と注意すべきことがあります。
その点をお伝えしたいと思います。
新卒で訪問リハビリに就職する時の注意点
新卒で訪問リハビリに就職する時に注意点は以下の通りです。
- 病院とは異なり1対1の空間で関わるため最低限の知識や技術、引き出しは必要
- 最低限のリスク管理能力は必要
- 最低限の社会人能力は必要
- 1日に8件以上訪問するような事業所には就職しない方が良い
- 指導してくれる優しい先輩がいる職場を選んだ方が良い
一つずつ新卒での訪問リハビリにおける注意点について解説していきますね!
最低限の技術や知識が必要
病院や施設などでのリハビリと一番違うことは、原則1人で訪問するということです。
最初は同行訪問をしたり、フォローをしてもらったりすることもありますが、原則、1人で訪問するのが訪問リハビリです。
リハビリをする空間には専門職は1名だけとなります。
ですから、その専門職がその利用者さんの人生を左右させてしまうと言っても過言ではありません。
大袈裟かもしれませんが、本当にそうなのです。
もし、入院患者に対してリハビリをしている病院などでは、新卒の理学療法士が少し間違えた方法でリハビリをやっていたとしても、同じ空間にいる先輩がアドバイスをしてくれる可能性もあります。
しかし、訪問リハビリでは、原則、1人ですので、間違えたことをやっていても、間違えた知識を与えていても、誰も気づいてくれることすらないという状態になっていることも多いにあります。
理学療法士等は、リハビリを通して患者さんや利用者さんの生活をより良いものにしていくことが大事です。
だから、自分自身が「新卒で訪問リハビリに行きたい!」という気持ちがあったとしても、最低限の知識や技術は見つけるべきだと私は思います。
最低限のリスク管理は必要
訪問リハビリでは最低限のリスク管理能力が必要になります。
例えば以下のようなリスク管理です。
- 感染
- 転倒、転落
- 服薬
- フィジカルアセスメント
- ハラスメント
- 交通事故
- 対人関係
リスク管理というと、緊急時の対応のようなイメージをされるかもしれませんが、何か起こった時の対応より、何かが起こらないようにするためにすべきことの方が大切です。
もう少し具体例をあげてみましょう。
例)
- 何日も排便がない状態が続いていた。しかし、訪問セラピストは聴取をしていなかったためその事態にも気付いていなかった。そのため、体調が悪化して、緊急入院になってしまった。
- 血圧が毎回高くて、運動ができていなかった。その状態が数ヶ月続いた。実は処方されていた血圧を下げる薬を全然飲んでいなかった。
これらのように、しっかりと生活をみて、フィジカルアセスメントをしなければ気づけないこともあります。早期発見に努めることもリハビリ専門職としては大切なスキルです。
何かあった場合は、正直誰かに頼めば代わりにフォローしてくれます。
大事なリスク管理は、何か内容に事前に対策するために様々なことができるか?ということです。
このような技術や知識がなければ、利用者さんに迷惑がかかってしまうと思います。
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最低限の社会人能力
訪問リハビリでは、多くの人たちとやりとりをします。
例えば以下のような人たちです。
- 利用者さんとそのご家族
- ケアマネージャー
- 福祉用具業者
- 医師
- 訪問看護師
- 訪問介護士
- デイケアやデイサービスの職員
名刺の渡し方、挨拶、電話のかけ方、話し方など社会人としての接遇面もしっかりとできなければいけません。
リハビリの知識や技術だけではなく、医療人としてもビジネスマナーも大切になります。
どんなにリハビリの知識や技術があっても、ビジネスマナーや接遇ができていないとそれだけで拒否をされてしまうことも多いです。
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ブラック訪問リハビリ事業所は避けよう
訪問リハビリはお金稼ぎをしているブラックな訪問リハビリ事業所があります。
例を挙げると以下のような事業所です。
- 1日に8件以上訪問する事業所
- 直行直帰の事業所
- 卒業という概念がない事業所
- だらだらリハビリ&マッサージリハビリをしている事業所
- 歩合制の事業所
- 自家用車での訪問の事業所
ブラックな事業所については重要なので困ったら参考にしてください。
»訪問看護のブラック企業の8つの特徴!当てハマったら危険です!
»訪問看護で1日8件はブラックです!辞めるべき3つの理由
親切な先輩がいる職場を選ぼう
新卒で訪問リハビリをすることは努力をすれば可能です。
しかし、社会人としても、リハビリ専門職としてもまだまだ一人前ではないため、他の職員からのフォローが必要になります。
ですから、親切で指導してくれる先輩がいる職場を選ぶことをおすすめします。
どんなに優秀なセラピストであったとしても、新卒1人では解決できないこともありますので、その辺は仲間にフォローしてもらいましょう!
新卒のPT、OT、STへのアドバイス
今回は、訪問リハビリは新卒でも可能ではあるけれど、利用者さんのことを考えたら、「新卒で訪問リハビリは厳しいのでは?」みたいなことを書かせていただきました。
正直、その通りだと思います。
しかし、新卒で訪問リハビリをすることを全て否定しているわけではありません。
それは、私は色々なことに挑戦する人が好きだからです。
ですので、もし「新卒で訪問リハビリをやりたいんだ!」という人がいたら、他の人より何十倍も努力してください。全ては利用者さんのためです。
そして、そこまで新卒で訪問リハビリをすることに執着心がないのであれば、最初の1年だけは回復期や急性期で働いてみてください。その方が3年後、良いセラピストになっているはずです。
重要なので困ったら参考にしてください。