中山間地域等における小規模事業所加算とは?単位数・要件【令和7年最新】

「中山間地域等における小規模事業所加算とは、どんな加算なの?」「単位数や算定要件、対象になる地域がよく分からない」——山あいや離島など、利用者宅まで距離のある地域で在宅サービスを提供していると、こうした疑問にぶつかる方は多いはずです。
この記事では、中山間地域等における小規模事業所加算の単位数・算定要件・対象地域を、訪問介護・訪問看護・訪問リハビリなどサービス種別ごとに整理して解説します。あわせて、令和7年5月から訪問介護で始まった「要件の弾力化」という最新情報まで、公的資料をもとに分かりやすくまとめました。
- 中山間地域等における小規模事業所加算(10%)の意味と対象サービス
- サービス種別ごとの算定要件(対象地域・月あたりの訪問回数の上限)
- 「中山間地域等提供加算(5%)」「特別地域加算(15%)」との違いと併算定の可否
- 令和7年5月から訪問介護で適用された要件弾力化(最新版)のポイント
中山間地域等における小規模事業所加算とは?
中山間地域等における小規模事業所加算とは、山間部や離島など条件不利地域に所在する小規模な在宅サービス事業所に対して、所定単位数の10%を上乗せする加算です。距離が遠く、移動に時間とコストがかかっても在宅サービスを維持できるよう、経営面を下支えする目的でつくられています。
まず押さえておきたいのが、「中山間地域等」に関わる加算は次の3種類があり、混同しやすいという点です。
| 加算の名称 | 上乗せ率 | ざっくりした対象 |
|---|---|---|
| 特別地域加算 | 15% | 離島など特に条件の厳しい地域に「所在する」事業所 |
| 中山間地域等における小規模事業所加算 | 10% | 中山間地域等に「所在する」小規模な事業所 |
| 中山間地域等提供加算 (中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算) | 5% | 通常の実施地域を「越えて」中山間地域等の利用者に提供した場合 |
ちびウルフ3つもあると、どれを取ればいいのか混乱しちゃうよ…?
リハウルフポイントは「事業所が条件不利地域にあるか(=所在地で取る加算)」と「遠くの利用者まで出向いたか(=提供で取る加算)」の違いだよ。この記事では10%の小規模事業所加算と5%の提供加算を中心に整理していくね。
中山間地域等における小規模事業所加算の対象サービス
小規模事業所加算(10%)の対象となる主な在宅サービスは次のとおりです。
- (介護予防)訪問介護・訪問入浴介護
- (介護予防)訪問看護・訪問リハビリテーション
- (介護予防)居宅療養管理指導
- (介護予防)福祉用具貸与
- 居宅介護支援
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護/夜間対応型訪問介護
- (介護予防)小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護
小規模事業所加算の単位数(所定単位数の10%)
福祉用具貸与を除き、単位数の考え方はシンプルで、サービスの所定単位数の10%を加算します。たとえば訪問リハビリで所定単位数が一定額あれば、その10%が上乗せされるイメージです。
注意したいのは、この加算は区分支給限度基準額(支給限度額管理)の対象外である点です。限度額の枠を圧迫せずに算定できるため、利用者の他サービス利用を妨げにくい設計になっています。
小規模事業所加算の算定要件(対象地域と訪問回数)
算定要件は大きく「①どの地域にあるか(対象地域要件)」と「②規模が小さいか(施設基準=訪問回数等の上限)」の2つです。
① 対象地域(厚生労働大臣が定める地域)
次の法令で指定された地域などが該当します。自分の事業所が対象地域に入るかは、必ず所在地の市町村・都道府県の一覧で確認してください。
- 豪雪地帯対策特別措置法に基づく豪雪地帯・特別豪雪地帯
- 辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律の辺地
- 半島振興法の半島振興対策実施地域
- 特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律の特定農山村地域
- 過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法の過疎地域 など
② 規模の基準(サービス種別ごとの訪問回数等の上限)
「小規模」と認められる目安は、サービスごとに月あたりの延べ訪問回数等で定められています。介護と介護予防で基準が異なる点に注意しましょう。
| サービス種別 | 規模の基準(1月あたり) |
|---|---|
| 訪問介護 | 延べ訪問回数200回以下 |
| 訪問入浴介護 | 延べ訪問回数20回以下(予防は5回以下) |
| 訪問看護 | 延べ訪問回数100回以下(予防は5回以下) |
| 訪問リハビリテーション | 延べ訪問回数30回以下(予防は10回以下) |
| 居宅療養管理指導 | 延べ訪問回数50回以下(予防は5回以下) |
| 福祉用具貸与 | 実利用者数15人以下(予防は5人以下) |
| 居宅介護支援 | 延べ訪問回数200回以下 |
| 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 延べ訪問回数5回以下 |
【令和7年5月~】訪問介護で要件が弾力化されました(最新版)
ちびウルフ最近、要件がゆるくなったって聞いたけど本当なの?
リハウルフ本当だよ。厚生労働省が令和7年5月2日付の「介護保険最新情報Vol.1382」で、訪問介護に限って要件を当分の間弾力化すると示したんだ。中山間地域の小規模事業所の経営を早く安定させる狙いだよ。
弾力化されたのは「訪問回数の基準」と「対象地域」の2点で、令和7年5月の算定分から適用されています。
- 訪問回数の基準:従来の「200回以下」から、前年度のいずれかの月における総訪問回数がおおむね200回以下であれば算定可へ。この「おおむね200回」は400回程度を想定しており、前年度の平均延べ訪問回数が600回以下の事業所等も対象となり得るとされています。
- 対象地域:従来より対象となる地域の範囲が広げられています。
中山間地域等提供加算(5%)との違い
中山間地域等提供加算(中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算)は、通常の事業の実施地域を越えて、中山間地域等に住む利用者へサービスを提供した場合に所定単位数の5%を加算するものです。
10%の小規模事業所加算が「事業所の所在地」に着目するのに対し、5%の提供加算は「遠方の利用者まで出向いたかどうか」に着目する点が決定的な違いです。提供加算を算定するには、運営規程に通常の実施地域を定めておく必要があります。
特別地域加算・提供加算との併算定はできる?
厚生労働省のQ&Aでは、特別地域加算(15%)または小規模事業所加算(10%)と、提供加算(5%)の同時算定について次のように示されています。
また、月の途中で利用者が転居し、中山間地域等かつ通常実施地域内→それ以外(またはその逆)に住所が変わった場合は、実際に対象地域外に居住していた期間のサービス提供分のみが加算対象となります。
事業所・専門職が押さえたい実務ポイント
制度を正しく算定し、返戻や指導を防ぐために、現場で意識したい手順を整理します。
- 自事業所の所在地(または利用者の居住地)が、対象地域の一覧に含まれるかを自治体資料で確認する
- サービス種別ごとの規模の基準(訪問回数等)を、直近の実績で満たしているか確認する
- 提供加算を取る場合は、運営規程に「通常の事業の実施地域」を定めておく
- 都道府県・市町村へ体制等に関する届出を行い、受理後に算定を開始する
- 実施地域を変更したときは、改めて都道府県知事へ届け出る
よくある質問(FAQ)
小規模事業所加算は支給限度額の枠を使いますか?
10%の小規模事業所加算と5%の提供加算は両方取れますか?
令和7年5月の弾力化は訪問看護や訪問リハビリにも適用されますか?
対象地域かどうかはどこで確認できますか?
- 中山間地域等における小規模事業所加算は、条件不利地域の小規模事業所に所定単位数の10%を上乗せする加算(福祉用具貸与は別計算)。
- 算定要件は「対象地域」+「サービス種別ごとの規模の基準(訪問回数等の上限)」の2つ。支給限度額の対象外。
- 5%の提供加算は「通常実施地域を越えて中山間地域等の利用者へ提供した場合」に算定。所在地で取る10%加算とは着目点が異なる。
- 令和7年5月(Vol.1382)から、訪問介護に限り訪問回数の基準と対象地域が弾力化された。他サービスは従来基準のまま。
- 対象地域・要件は法令改正で変わり得るため、最新の自治体・厚生労働省資料で必ず確認を。
参考:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1382(令和7年5月2日)」/各都道府県・市町村の特別地域加算・中山間地域等の加算に関する案内ページ ほか


-640x360.png)

-320x180.png)