「訪問リハビリに転職したいけれど、どこを選べばいいのか分からない」「訪問リハと訪問看護ステーション、自分にはどちらが合っているの?」——PT・OT・STとして在宅分野への転職を考えると、こうした疑問が次々に出てきますよね。

訪問リハビリの職場は、母体や給与体系、働く仲間の構成までさまざまです。だからこそ、求人票の条件だけで選ぶと「思っていた働き方と違った」というミスマッチが起きがちです。この記事では、訪問リハ・訪問看護を10年以上経験した理学療法士の視点で、後悔しない職場選びの考え方と、訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションの違い・向いている人を整理して解説します。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリ転職で最初に決めるべき「優先順位」の考え方
  • 訪問リハビリテーションと訪問看護ステーションの違い
  • それぞれに向いているセラピストの特徴
  • 令和6年度改定で知っておきたいリハ職の減算ルール
  • 転職でよくある疑問(Q&A)と求人の探し方

訪問リハビリ転職で最初に決めるべきこと

職場選びはとても重要です。なぜなら、職場は人生のなかで多くの時間を過ごす場所だからです。訪問リハビリの職場にも「合うところ」と「合わないところ」があり、その差は条件のよし悪しというより自分の価値観と合っているかで決まります。

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条件がいい職場を選べば失敗しないんじゃないの?

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すべてが完璧な職場はほぼ無いんだ。だから「自分が何を一番大事にするか」を先に決めるのが失敗しないコツだよ。

まずは、次のうち自分にとって優先順位が高いものは何かを書き出してみましょう。

重視するポイントこんな人におすすめ
給料収入を上げたい・歩合で稼ぎたい
勤務地通勤負担を減らしたい・地域で働きたい
職場の雰囲気人間関係を大切にしたい
やりがい専門性を高めたい・難病や小児に関わりたい
休みの取りやすさ家庭やプライベートを優先したい
福利厚生長く安定して働きたい

すべてを叶える職場はほとんどありません。だからこそ、自分のなかで優先順位を決めることが、訪問リハに限らずすべての転職で大切になります。

訪問リハに転職?訪問看護ステーションに転職?

PT・OT・STが在宅でリハビリを提供する職場は、大きく分けて次の2つです。どちらも理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が働けますが、性格はかなり異なります。

訪問リハビリテーションの特徴

訪問リハビリテーションは、病院・診療所・介護老人保健施設(老健)・介護医療院が母体となり、医師の指示のもとでリハビリを提供します。

訪問リハビリテーションの特徴
  • 母体は病院・診療所・老健・介護医療院(事業所に医師がいる)
  • セラピスト中心の職場(看護師は在籍しないことが多い)
  • 異動や他部署との兼務がある場合も
  • 回復期・地域包括ケア病棟・通所リハ・老健入所などとの連携が求められる
  • 活動・参加に焦点を当てたリハビリが期待される
  • 病院内と同じ給与体系のところが多い

訪問看護ステーションの特徴

訪問看護ステーションは看護師が中心の事業所で、リハビリ職もチームの一員として在宅を訪問します。人員基準として看護職員を常勤換算で2.5人以上配置することが義務づけられており、PT・OT・STは事業所の実情に応じて適当数を配置できる扱いです。

訪問看護ステーションの特徴
  • 事業所に看護師が常勤換算2.5人以上在籍
  • 体調変化など困ったときに看護師へ相談できる
  • 事業所に医師はいない
  • 0歳〜高齢者まで対象で、医療ニーズの高い方も多い
  • 異動・兼務がない場合が多い
  • 訪問件数に応じた給与体系(歩合制のところもある)
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それぞれ、どんなセラピストに向いてるの?

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経験や、相談できる環境がほしいかどうかで分かれるよ。下にまとめたね。

それぞれに向いている人

訪問リハビリテーションに向いている人訪問看護ステーションに向いている人
セラピスト経験がある程度ある新卒でどうしても訪問リハをやりたい
フィジカルアセスメントがある程度できるフィジカルが苦手で看護師に相談したい
病院・老健など大きな組織に所属したい歩合制の給与体系が合っている
大人数の勉強会に参加したい小児の訪問リハに関わりたい
異動を覚悟できる難病・終末期・中重度者に関わりたい

令和6年度改定で知っておきたいリハ職の減算ルール

転職前にぜひ知っておきたいのが、訪問看護ステーションからのリハビリ提供に関する報酬ルールの見直しです。令和6年度の介護報酬改定では、理学療法士等の訪問が看護職員の訪問より評価が下がる方向に整理されました。

注意訪問看護ステーションで、PT・OT・STの訪問回数が看護職員の訪問回数を超えている場合、理学療法士等による訪問1回につき所定単位数からの減算が設けられました。介護予防訪問看護で12カ月を超えてリハ職が訪問する場合は、さらに減算されます(連続して2回訪問した場合は1回として数えます)。

これは「訪問看護ステーションは看護がメイン」という制度上の位置づけが強まったことを意味します。リハビリ中心の運営をしているステーションでは、求人や働き方に影響が出ることもあるため、面接時に事業所の方針(看護とリハの比率など)を確認しておくと安心です。報酬は今後の改定で変わる可能性があるため、最新の情報は厚生労働省の資料で確認してください。

転職前に確認しておきたい5つのチェックポイント

求人票の給料や勤務地だけで決めると、入職後に「思っていた働き方と違った」というギャップが起きやすいものです。訪問リハの職場を比べるときは、次の5点を見学や面接で確認しておきましょう。

チェック項目確認したい理由
看護とリハの人員比率ステーションの方針や減算リスクが分かる
給与体系(固定/歩合)収入の安定性・1件あたりの単価を把握できる
1日の訪問件数の目安体力的な負担と移動時間を見積もれる
教育・同行訪問の有無未経験でも安心して始められるか分かる
オンコール・緊急対応の体制休日や夜間の負担を事前に確認できる
ポイントとくに1日の訪問件数は、収入にも体力にも直結する重要な指標です。「件数が多い=稼げる」とは限らず、移動時間や記録の負担まで含めて考えることが大切です。

また、歩合制の事業所は頑張りが収入に反映されやすい一方、利用者のキャンセルや体調不良で件数が減ると収入が下がるという側面もあります。安定志向なら固定給中心、収入を伸ばしたいなら歩合の比率が高い職場と、自分の優先順位に合わせて選びましょう。

訪問リハ転職に関するQ&A

訪問リハを10年以上経験した立場から、よく聞かれる疑問にお答えします。

新卒で訪問リハビリは可能ですか?
不可能ではありませんが、急性期や回復期の病院などで少し経験してからの転職をおすすめします。在宅では一人で判断する場面が多いため、基礎的な評価力があると安心です。
何年くらい経験したら転職してよいですか?
明確な決まりはありません。ただ、少なくとも1年は急性期や回復期で経験を積むことをおすすめします。フィジカルアセスメントの基礎があると、在宅での対応力が大きく変わります。
はじめての訪問リハなら、どんな職場がおすすめ?
「リハ職より看護師が多い」「リハ職もある程度いる」「規模が大きい」「教育システムが整っている」「歩合制ではない」訪問看護ステーションがおすすめです。相談できる環境と教育体制が、最初の不安を和らげてくれます。
訪問リハと訪問看護で、利用者の介護度に差はありますか?
介護保険のデータ上、両者の利用者の介護度に大きな差はありません。ただし訪問看護では難病など一定の条件を満たす方が医療保険の対象となるため、医療保険対象者を除いて比べると差はほぼないといえます。
病院・老健などからの訪問リハは軽度の人ばかり?
そんなことはありません。終末期・難病・末期がん・人工呼吸器・在宅酸素療法(HOT)を使う方など、医療ニーズの高い利用者に関わる場合もあります。
訪問リハに転職すると給料は上がりますか?
一概には言えません。歩合制のステーションでは件数しだいで収入が上がることもありますが、件数が伸びなければ下がるリスクもあります。病院母体の訪問リハは病院と同じ給与体系のことが多く、安定はしますが大きく増えるとは限りません。収入の見込みは、給与体系と1日の訪問件数の両面から確認しましょう。
転職活動はどのくらい前から始めればよい?
一般的には、希望する入職時期の2〜3カ月前から情報収集を始めると余裕を持って動けます。見学や面接で職場の雰囲気を確かめる時間も確保できるため、早めの準備がミスマッチ防止につながります。

訪問リハビリの求人の探し方

  1. 自分が職場選びで一番重視する条件(給料・休み・やりがいなど)を1つ決める
  2. 訪問リハビリテーションか訪問看護ステーションか、働き方の方向性を絞る
  3. 求人票だけでなく、看護とリハの比率・教育体制・歩合の有無を確認する
  4. 気になる事業所は見学や面接で「人員の余裕」「雰囲気」を自分の目で確かめる
  5. 迷ったら経験者やリハ専門の転職サービスに相談し、情報を集める
ポイント条件の良し悪しよりも、自分の優先順位と職場の特徴が噛み合っているかが、訪問リハ転職の満足度を決めます。
まとめ
  • 訪問リハ転職は、まず「自分が一番大事にする条件」の優先順位を決めることから
  • 訪問リハビリテーションは医師がいる組織型、訪問看護ステーションは看護師に相談できる環境
  • 新卒や未経験は、教育体制の整った大規模な訪問看護ステーションが安心
  • 令和6年度改定でリハ職の訪問に減算ルールが追加。看護とリハの比率は面接で確認を
  • 条件より「自分の価値観と職場の特徴が合うか」がミスマッチを防ぐ鍵

出典)厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」/同「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(訪問看護)

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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