認知症で日付や曜日がわからなくなるのは、「今がいつか」をつかむ力(時間の見当識)が弱くなるためです。何度も「今日は何日?」と聞かれると家族は疲れてしまいますが、聞かれるたびに答えるより、本人が自分で確かめられるしくみを家の中につくるほうが、本人も家族も楽になります。

この記事では、認知症で日付や曜日がわからなくなる理由と、家族の声かけのコツ、日付・曜日を自分で確かめられるカレンダー時計の選び方をまとめました。商品の仕様はメーカーの公式ページで確認しています。

この記事でわかること
  • 認知症で日付や曜日がわからなくなる理由
  • 「今日は何日?」と何度も聞かれたときの対応
  • 日付・曜日を確かめやすくする家の中の工夫
  • 認知症の人に向いたカレンダー時計の選び方
  • 日付と予定の確認に使えるおすすめ4選
ちびウルフちびウルフ

母に1日に何回も「今日は何曜日?」って聞かれるんだ。答えてもすぐまた聞かれて、ついイライラしちゃう…。

リハウルフリハウルフ

何度も聞くのは、本人が不安だからなんだよね。答えるのが大変なら、本人が自分で見て確かめられる時計やカレンダーを置くのがおすすめ。聞かれる回数が減ったという家族は多いよ。

認知症で日付や曜日がわからなくなる理由

認知症になると、時間・場所・人などを正しくつかむ力(見当識)が少しずつ弱くなります。中でも時間の見当識は早い段階から弱くなりやすく、日付や曜日、季節がわからなくなります。

よくある様子本人の中で起きていること
「今日は何日?」と何度も聞く聞いたことを覚えていられず、確かめたくなる
デイサービスの曜日を間違える曜日の感覚がなく、予定と結びつかない
紙のカレンダーをめくり間違えるどこまでめくったかがわからなくなる
夜中なのに出かけようとする朝か夜かの区別がつきにくい
季節に合わない服を着る季節の感覚があいまいになる

また、毎日家で過ごしていて予定が少ないと、認知症でなくても曜日の感覚はあいまいになりがちです。生活の中で「今日は何の日か」を感じられるきっかけが少ないことも、日付がわからなくなる一因です。認知症の症状と対応の全体像は「認知症のBPSD周辺症状とは?種類と対応方法解説」でまとめています。

「今日は何日?」と何度も聞かれたときの対応

同じ質問をくり返されると、つい「さっきも言ったでしょ」と言いたくなります。しかし本人にとっては、毎回はじめて聞いている感覚です。次のような対応を心がけましょう。

  • 否定せずに答える:「さっきも言った」は本人を傷つけ、不安を強める
  • 答えといっしょに見る場所を示す:「今日は水曜日。ほら、時計にも書いてあるね」と、確かめられる場所を指さす
  • 予定とセットで伝える:「今日は水曜日だから、デイサービスの日だね」と、曜日に意味を持たせる
  • 不安の理由を聞く:何度も聞くのは、予定が心配だからかもしれない。「何か気になることある?」と聞いてみる
  • 答えるのがつらいときは離れる:家族がイライラしたら、少し席を外して気持ちを落ち着ける

訪問の現場でも、「時計を見て」と言える場所ができただけで、家族の表情がやわらいだケースを何度も見てきました。家族が毎回答えなくても、本人が自分で確かめられることが、本人の自信にもつながります。

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紙の日めくりカレンダーを置いてたんだけど、めくり忘れたり、何枚もめくっちゃったりするんだよね。

リハウルフリハウルフ

紙のカレンダーは、めくる人がいないと日付がずれてしまうんだ。ずれた日付を見て、かえって混乱することもある。電波で自動的に日付が変わるデジタルのカレンダー時計なら、その心配がないよ。

日付・曜日を確かめやすくする家の中の工夫

道具を置くときは、置き場所と使い方を工夫すると効果が上がります。

①いつも目に入る場所に置く

本人がいちばん長く過ごす場所、たとえば居間でいつも座る椅子の正面や、ベッドから見える壁に置きます。朝起きて最初に目に入る場所に置くと、1日のはじまりに日付と曜日を確かめられます。

②表示はシンプルなものを選ぶ

温度や湿度、六曜など、表示が多すぎると、どれが日付なのかわからなくなることがあります。アデッソの公式ページでも、「1つの画面上に数字表示が多くあると、それらの数字が何を意味しているか分からなくなる」という声を受けて、時刻表示をオフにできる機能を付けたと紹介されています。

③予定は1か所にまとめる

通院やデイサービス、ヘルパーの訪問などの予定は、カレンダー時計の近くにボードを置いて1か所にまとめます。家族、ヘルパー、ケアマネジャーなど、関わる人みんなが同じ場所に書くと、本人も家族も同じ情報を確かめられます。

④生活の中に「その日らしさ」をつくる

朝に新聞を読む、決まった曜日にデイサービスに行く、季節の行事を家族で楽しむなど、生活の中で日付や季節を感じられる機会をつくることも大切です。生活の中での関わり方は「認知症のリハビリ|生活の中でできる関わり方」で解説しています。

認知症の人に向いたカレンダー時計の選び方

日付や曜日を表示するデジタル時計は、さまざまな種類があります。認知症の人に使ってもらうなら、次の点で選びましょう。

チェックポイント理由
電波時計かどうか日付と時刻が自動で合うため、家族が設定し直す手間がない
曜日の表示が大きいかデイサービスなど、曜日で予定を管理している人には曜日が重要
午前・午後がわかるか朝と夜の区別がつきにくい人には、時間帯の表示が役立つ
表示が多すぎないか温度・湿度・六曜などの表示が多いと混乱することがある
置き方を選べるか壁掛けと卓上の両方に対応していると、置き場所の自由度が高い

日付と予定の確認に使えるおすすめ4選

ここからは、メーカーの公式ページで仕様を確認できた商品を紹介します。価格はいずれもメーカー公式ページの記載(税込)です。

1. アデッソ デジタル日めくりカレンダー電波時計 HM-9280

時刻・日付・曜日を大きく表示する、電波式のデジタルカレンダー時計です。公式ページによると、時間帯の表示(午前・午後表示にも切り替え可能)や「第何曜日」の表示、時刻表示をオフにする機能があります。日付だけを知りたい人は、時刻を消して表示をすっきりさせられます。電池切れ注意アイコンも付いています。サイズは高さ241×幅223×奥行25mm、単3電池4本(付属)で動き、置き・掛けの両方に対応。価格は11,000円です。

2. アデッソ メガ曜日日めくり電波時計 HM-704

曜日の表示を大きくした電波時計です。公式ページでは、デイサービスやヘルパーの訪問など、日々の予定を曜日で管理している高齢者には曜日の感覚が大切だとして、曜日表示を最大7cmにしたと紹介されています。漢字の表記も、高齢者にわかりやすいようにこだわったとのことです。ボタン1つで時刻表示のオン・オフを切り替えられます。サイズは高さ230×幅127×奥行27mm、単3電池2本(付属)。価格は7,700円です。

3. アデッソ デジタル日めくり電波時計 NAR-102

時刻・日付・曜日を表示する電波時計で、アラーム、スヌーズ、温度・湿度、六曜、第何曜日の表示機能もあります。日付の確認に加えて、部屋の温度や湿度も見たい人に向いています。表示が多いぶん、混乱しやすい人には、先に紹介したHM-9280やHM-704のほうがすっきりしています。サイズは高さ235×幅165×奥行30mm、単3電池3本(付属)で、置き・掛けの両方に対応。価格は6,600円です。

4. マグエックス マンスリースケジュールボード A3

1か月分の予定を書き込めるホワイトボードです。裏面にマグネットがついていて冷蔵庫などに貼れるほか、吊り下げても使えます。通院やデイサービス、ヘルパーの訪問の予定を書いておくと、本人も家族も同じ情報を確かめられるので、同じ質問のくり返しが減ることがあります。カレンダー時計のそばに置いて、「今日」と「予定」を1か所で見られるようにするのがおすすめです。

日付がわからない以外の変化にも気をつける

日付や曜日がわからなくなるのは、認知症の初期によく見られる変化です。ただし、次のような場合は、早めに医師に相談しましょう。

  • 急に日付や場所がわからなくなった:数日〜数週間で急に混乱した場合は、せん妄の可能性もある
  • 夜になると混乱がひどくなる:夕方から夜にかけて落ち着かなくなる
  • まだ認知症の診断を受けていない:物忘れが気になり始めたら、かかりつけ医やもの忘れ外来に相談する
  • 昼夜逆転している:夜に眠れず、昼間にうとうとしている

また、カレンダー時計を置いたあとも、本人の様子を見ながら使い方を調整しましょう。時計を見て「今日は〇曜日だからデイサービスだ」と自分で言えるようになったら、うまく使えているサインです。反対に、時計の数字を見て混乱しているようなら、表示がもっとシンプルなものに替える、時刻表示を消すなどの工夫を試してみてください。

急な混乱は、認知症ではなく、体の病気や薬が原因のせん妄であることもあります。詳しくは「高齢者のせん妄|認知症との違いと家族の対応」をご覧ください。夜に眠れない場合は「高齢者が眠れない原因|寝床にいる時間を見直す」も参考になります。

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時計を置いても、見てくれなかったらどうしよう。

リハウルフリハウルフ

最初は家族が「時計を見てみようか」と声をかけて、一緒に確かめることから始めよう。毎日くり返すうちに、自分で見るようになる人も多いんだ。置いただけで終わらせないことがコツだよ。

よくある質問

認知症で日付がわからなくなるのはなぜですか?

時間・場所・人などをつかむ力(見当識)が弱くなるためです。時間の見当識は早い段階から弱くなりやすく、日付や曜日、季節がわからなくなります。

何度も同じことを聞かれたとき、どう答えればいいですか?

否定せずに答え、「時計にも書いてあるね」と確かめられる場所を示しましょう。予定とセットで伝えると、曜日に意味を持たせられます。

紙のカレンダーではだめですか?

めくる人がいないと日付がずれ、ずれた日付を見てかえって混乱することがあります。電波で自動的に日付が変わるデジタルのカレンダー時計が便利です。

カレンダー時計はどこに置けばいいですか?

本人がいちばん長く過ごす場所の、いつも目に入る位置に置きます。居間の椅子の正面や、ベッドから見える壁などがおすすめです。

表示が多い時計は使いにくいですか?

温度や湿度、六曜などの表示が多いと、どれが日付なのかわからなくなることがあります。混乱しやすい人には、表示がシンプルなものや、時刻表示をオフにできるものが向いています。

曜日を大きく表示する時計がいいのはどんな人ですか?

デイサービスやヘルパーの訪問など、曜日で予定を管理している人です。曜日がわかると、その日の予定と結びつけやすくなります。

カレンダー時計で認知症はよくなりますか?

認知症を治すものではありません。日付や曜日を自分で確かめられるようにして、本人の不安や家族の負担を減らすための道具と考えましょう。

急に日付がわからなくなりました。認知症ですか?

数日〜数週間で急に混乱した場合は、体の病気や薬が原因のせん妄の可能性もあります。早めにかかりつけ医に相談しましょう。

まとめ
  • 認知症で日付や曜日がわからなくなるのは、時間の見当識が弱くなるため
  • 何度聞かれても否定せず、自分で確かめられる場所を示す
  • カレンダー時計は、いつも目に入る場所に置き、予定は1か所にまとめる
  • 電波時計・曜日の大きさ・午前午後の表示・表示のシンプルさで選ぶ
  • 急に混乱した場合は、せん妄の可能性もあるため医師に相談する
参考にした情報

※商品の仕様と価格は2026年11月8日時点のメーカー公式ページの記載にもとづいています。仕様や価格、販売状況は変わる可能性があるため、購入時にご確認ください。紹介している時計は医療機器ではなく、認知症を治療するものではありません。声かけや置き場所のポイントは、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味