訪問リハ計画診療未実施減算とは?50単位減算と要件を解説【令和6年度改定】
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「訪問リハ計画診療未実施減算って、結局なんのこと?」「うちの事業所は対象になるの?単位数は?」——訪問リハビリの算定に関わるPT・OT・ST、看護師、ケアマネジャー、管理者にとって、避けて通れないのがこの減算です。要件が細かく、改定のたびに経過措置が動くため、混乱しやすいポイントでもあります。
結論から言うと、診療未実施減算とは事業所の医師が診療できない場合に、別の医療機関の医師の情報をもとに計画を立てて算定する仕組みで、減算は1回につき50単位です。この記事では令和6年度(2024年度)介護報酬改定に対応し、要件・単位数・適用しないケース・最新Q&Aまで、厚生労働省の一次情報を踏まえて整理します。
- 訪問リハ計画診療未実施減算とは何か(令和6年度改定対応)
- 減算の単位数(50単位/回)と訪問時間ごとの減算額
- 診療未実施減算で算定するための要件
- 減算が「適用されない」ケースと、研修要件の経過措置(令和9年3月末まで)
ちびウルフそもそも訪問リハビリって、お医者さんの診療が必要なの?
リハウルフそうなんだ。本来は事業所の医師の診療をもとに計画を立てるのが原則だよ。でも、それができないときの「例外ルール」が診療未実施減算なんだ。順番に見ていこうね。
訪問リハ計画診療未実施減算とは?(令和6年度改定対応)
訪問リハビリテーションは、原則として次の流れで実施されます。
- 事業所の医師が利用者を診療する。
- 事業所の医師と理学療法士等が共同で訪問リハビリテーション計画を作成する。
- 理学療法士等が訪問リハビリテーションを提供する。
しかし、何らかの事情で❶の事業所医師による診療ができない場合があります。そのとき、一定の要件を満たせば、別の医療機関の医師からの情報をもとに計画を作成し、訪問リハビリを提供してよいとされています。
ただし、事業所医師の診療がない分、事業所内の連携を経た計画と比べて評価が下がるため、基本報酬から一定の単位を減じて算定します。この仕組みが「訪問リハ計画診療未実施減算」です。
背景には、訪問リハビリの質を担保するうえで「医師の診療に基づいた計画」が重視されているという考え方があります。事業所の医師が利用者を直接診て、その情報をPT・OT・STと共有しながら計画を立てるのが理想形です。診療未実施減算は、その理想と現実のギャップを埋めつつ、安易に診療を省略しないようインセンティブを働かせる役割を持っています。だからこそ要件が細かく定められ、改定のたびに研修要件や経過措置が見直されているのです。
診療未実施減算の単位数|50単位/回
訪問リハ計画診療未実施減算の単位数は1回につき50単位の減算です。訪問リハビリは20分を1回として算定するため、訪問時間が長いほど減算の合計も大きくなります。
| 訪問時間 | 算定回数 | 減算額(合計) |
|---|---|---|
| 20分 | 1回 | 50単位減算 |
| 40分 | 2回 | 100単位減算 |
| 60分 | 3回 | 150単位減算 |
このように、診療未実施減算が続くと収益面への影響は小さくありません。事業所としては、後述する要件や「適用されないケース」を正しく押さえ、必要に応じて事業所医師の診療体制を整えることが望まれます。
診療未実施減算で算定するための要件
診療未実施減算で訪問リハビリを提供するには、次の要件を満たす必要があります。別の医療機関の医師による計画的な医学的管理を受けている利用者であることが前提です。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 情報提供を受ける | 別医療機関の管理医師から、訪問リハの必要性・心身機能・活動等のアセスメント情報の提供を受ける(3月に1回) |
| 計画作成 | その情報提供を踏まえてリハビリテーション計画を作成する |
| 期間の要件 | 情報提供の基礎となる診療日から3月以内に実施する |
| 事業所からの情報提供 | 少なくとも3月に1回、事業所医師から別医療機関の医師へ計画等を情報提供する |
| 研修要件 | 計画的な医学的管理を行う医師が「適切な研修の修了等」をしていること(適用猶予は令和9年3月31日まで延長) |
| 記載 | 研修の修了等の有無を確認し、訪問リハビリテーション計画書に記載すること |
ちびウルフ「適切な研修」って、誰が・どんな研修を受ければいいの?
リハウルフ研修を受けるのは情報提供をする別医療機関の医師だよ。日本医師会の「かかりつけ医機能研修制度」の応用研修などが該当するんだ。後の章で具体的に説明するね。
診療未実施減算が「適用されない」ケース(退院後1月以内)
次のいずれにも該当する場合は、退院後早期のリハビリ提供を促す観点から、診療未実施減算は適用されません。
- 医療機関に入院し、その医療機関の医師の診療のもとで医師・PT・OT・STからリハビリの提供を受けた利用者であること
- 訪問リハ事業所が、入院していた医療機関から利用者に関する情報提供を受けていること
- 退院日から起算して1月以内の訪問リハビリの提供であること
つまり、入院中にリハビリを受けて退院した方には、退院から1か月以内に限り減算なしで訪問リハビリを開始できる仕組みです。スムーズな在宅移行を後押しする例外規定といえます。
研修要件と経過措置(令和6年度改定での変更点)
令和6年度(2024年度)改定では、事業所外の医師に求められる「適切な研修の修了等」について、令和6年3月31日までとされていた適用猶予措置期間が3年間延長され、令和9年3月31日までとなりました。あわせて、猶予期間中であっても、事業所外の医師が研修要件を満たすことについて事業所が確認を行うことが義務付けられています。
厚生労働省のQ&A(令和6年度 Vol.15)では、研修の具体的な範囲も示されています。日本医師会「日医かかりつけ医機能研修制度」の応用研修の単位取得が「適切な研修の修了等」に含まれ、すべての単位を取得している必要はないとされています。情報提供を行う日が属する月から前36月の間に、リハビリテーションや栄養管理・摂食嚥下障害などの該当項目を含めて合計6単位以上を取得(または取得予定)していればよい、という考え方です。
実務での注意点|計画書の記載と保険者確認
診療未実施減算は要件が多く、書類の不備が指導・返戻の対象になりやすい減算です。実務では次の点に注意しましょう。
まず、研修要件の確認結果を訪問リハビリテーション計画書に必ず記載することです。令和6年度改定で事業所による確認が義務付けられたため、「確認した事実」と「内容」を残しておく必要があります。別の医療機関の医師が情報提供する際、計画書等に「適切な研修の修了等をしている」と記載してもらえると確認がスムーズです。次に、情報提供のサイクル(3月に1回)を管理表で見える化しておくこと。基礎となる診療日から3月以内という期間要件もあるため、いつの診療に基づく情報か、次の情報提供期限はいつかを台帳で管理すると算定漏れ・要件外れを防げます。
訪問リハ計画診療未実施減算のQ&A
オンライン診療で診療未実施を回避できますか?
「適切な研修」に日医のかかりつけ医機能研修は含まれますか?
情報提供や事業所からの報告はどのくらいの頻度で必要ですか?
退院直後でも必ず減算になりますか?
研修要件を満たさない場合はどうなりますか?
- 診療未実施減算とは、事業所医師が診療できない場合に、別医療機関の医師の情報をもとに計画を立てて算定する例外的な仕組み。
- 減算は1回につき50単位。40分なら100単位、60分なら150単位の減算になる。
- 算定には、別医療機関からの3月に1回の情報提供、計画作成、相互の情報提供、研修要件の確認・記載が必要。
- 入院先でリハビリを受け情報提供を受けた利用者は、退院後1月以内に限り減算が適用されない。
- 研修要件の適用猶予は令和9年3月31日まで延長され、猶予期間中も事業所の確認が義務化された。算定時は最新の厚労省通知・保険者の取り扱いを必ず確認する。
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」関連告示・通知、令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.15 ほか)




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