「短期集中リハビリテーション実施加算ってどんな加算?」「算定要件や起算日が複雑でよく分からない」——退院直後や認定直後の利用者に関わるとき、必ず押さえておきたいのがこの加算です。1日あたりの単位数が大きく、算定要件を正しく理解できているかで、ケアの質にも収入にも差が出ます。

この記事では、現役の理学療法士の視点で、訪問リハビリテーションの短期集中リハビリテーション実施加算を、単位数・算定要件・起算日・厚労省Q&Aまで、令和6年度の内容にもとづいて整理します。

この記事でわかること
  • 短期集中リハビリテーション実施加算とは何か・単位数
  • 算定要件(3か月以内・週おおむね2日以上・1日20分以上)
  • 起算日の考え方(退院日と認定日のどちらが起点か)
  • 厚労省Q&Aと、過去の改定で要件から外れた項目
ちびウルフ
ちびウルフ

短期集中リハって名前は聞きますけど、結局どんな加算なんですか?

リハウルフ
リハウルフ

ひとことで言うと「効果が高い時期に集中的にリハをやろう」という加算だよ。中身を見ていこう。

短期集中リハビリテーション実施加算とは?

短期集中リハビリテーション実施加算とは、利用者の状態に応じて、基本的動作能力および応用的動作能力を向上させ、身体機能の回復を図るための集中的なリハビリテーションを実施した場合に評価される加算です。

加算の考え方は、次のように整理できます。

この加算の狙い

効果が高い時期(退院・認定直後)に、集中的にリハビリを行えば高い報酬で評価する——適切なタイミングで集中的なリハビリ提供を促すための加算です。

短期集中リハビリテーション実施加算の単位数

単位数は1日につき200単位です。1日の訪問リハビリの提供に対して200単位が加算されるため、加算のなかでも比較的大きな評価といえます。

項目内容
単位数200単位/日
対象期間退院(所)日または認定日から起算して3か月以内
実施頻度の目安1週間におおむね2日以上、1日あたり20分以上

短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件

算定要件は、次の内容を満たす場合です。

  1. 退院(所)日または認定日から3か月以内であることリハビリを必要とする状態の原因となった疾患の治療のために入院・入所した病院・診療所・介護保険施設からの退院(所)日、または新たに要介護認定の効力が生じた認定日から起算して3か月以内の期間が対象です。要介護→要支援、要支援→要介護の変更も含みます。
  2. 集中的にリハビリテーションを実施していること3か月以内の期間に、1週間におおむね2日以上、1日あたり20分以上のリハビリテーションを実施することが求められます。
注意

実施頻度・時間の目安を満たさない場合は、原則として算定できません。ただし、やむを得ない理由がある場合の取扱いについては、後述の厚労省Q&Aを確認してください。介護予防(要支援)の取扱いは別途定めがあるため、最新の通知・自治体の確認も必要です。

ちびウルフ
ちびウルフ

退院後に介護認定が出た場合って、起算日はどっちになるんですか?

リハウルフ
リハウルフ

そこはよく聞かれるポイント。次のQ&Aで起算日の考え方をはっきりさせよう。

短期集中リハビリテーション実施加算の厚労省Q&A

退院(所)後に認定がなされた場合、起算点はどちらか?逆の場合は?

退院後に認定が行われた場合は認定が起算点となり、逆(認定後に退院)の場合は退院(所)日が起算点となります。

本人の自己都合や体調不良で、定められた回数・時間の要件に適合しなかった場合は?

正当な理由なく要件に適合しない場合は算定できません。ただし、利用者の体調悪化等やむを得ない理由による場合や、適切なマネジメントにもとづき利用者の同意を得て回数を調整した場合などは、要件に適合する形で実施した実施日の算定が認められます。その場合は、リハビリテーション実施計画書の備考欄等に理由を記載する必要があります。

「退院(所)日」に短期入所(ショートステイ)からの退院は含まれるか?

短期入所からの退院(所)は含まれません。

過去の改定で要件から外れた項目

かつて訪問リハビリの短期集中リハビリテーション実施加算は、要件の一つに「リハビリテーションマネジメント加算を算定していること」が含まれていました。

しかし令和3年度介護報酬改定で、要介護のリハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)と要支援のリハビリテーションマネジメント加算が基本報酬へ包括化されたことに伴い、短期集中リハビリテーション実施加算の算定要件からは外れました。古い情報のまま運用していないか、念のため確認しておきましょう。

算定時に押さえておきたいポイント

実務メモ

①介護でも介護予防でも算定可能/②要支援から要介護になった場合も算定可能/③退院後に認定が行われた場合は認定が起点、逆の場合は退院(所)日が起点/④ケアプランに位置づけ、リハビリ計画書も加算算定前に整備する必要があります。

よくある誤解

区分支給限度基準額を超えそうだからといって、特定の利用者だけ算定しない、といった運用は認められません。介護報酬は要件を満たす全員に等しく算定するのが原則です。

算定イメージと算定漏れを防ぐコツ

具体的な算定イメージを持っておくと、現場で迷いません。たとえば退院日が起点で週2回の訪問リハを提供するケースでは、退院日から3か月以内の各実施日に200単位が加算されます。週2回×約12週で、最大20回前後の算定が見込める計算です(実施状況により変動します)。

算定漏れで多いのが、「起算日の管理ミス」と「3か月を過ぎたあとも漫然と算定してしまう」パターンです。利用者ごとに退院日・認定日と3か月の満了日を管理表に記載し、期間終了をアラートできるようにしておくと安心です。

算定漏れを防ぐ3つの習慣

①退院日・認定日を初回訪問前に必ず確認する/②3か月の満了日を管理表に明記する/③実施頻度(週おおむね2日以上・1日20分以上)を記録で残す。この3点を仕組みにすれば、過不足のない算定ができます。

よくある質問(FAQ)

短期集中リハビリテーション実施加算は1日いくらですか?

1日につき200単位です。退院(所)日または認定日から3か月以内の期間に、集中的なリハビリを実施した場合に算定できます。

算定できる期間はどのくらいですか?

退院(所)日または認定日から起算して3か月以内です。この期間に、1週間におおむね2日以上、1日20分以上のリハビリを実施することが求められます。

起算日が退院日か認定日か迷う場合はどう考えますか?

退院後に認定が行われた場合は認定日が起点、認定後に退院した場合は退院(所)日が起点です。どちらが後かで判断するイメージです。

リハビリ計画書は作り直す必要がありますか?

状態の変化(入院等)によりケアプランが変わることが想定されるため、それに基づくリハビリ計画書も加算算定前に作成・見直しをしておく必要があります。

まとめ|短期集中リハは「3か月・起算日・頻度」が要

短期集中リハビリテーション実施加算は、退院・認定直後という効果の高い時期に集中的なリハビリを評価する、1日200単位の加算です。起算日と実施頻度の要件を正しく押さえることが、適切な算定の第一歩です。

この記事のまとめ
  • 単位数は1日200単位
  • 対象は退院(所)日または認定日から3か月以内
  • 1週間におおむね2日以上、1日20分以上の実施が目安
  • 起算日は「退院日」と「認定日」のうち後にくる日が起点
  • 令和3年度改定でリハマネ加算の算定要件は包括化により外れた

効果の高い時期を逃さず、計画的・集中的なリハビリで利用者の回復を後押ししましょう。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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