認定理学療法士とは?取り方・費用・試験をわかりやすく解説

先に結論をお伝えします。認定理学療法士は、日本理学療法士協会が「臨床実践分野でのスペシャリスト」として位置づける資格で、取得には登録理学療法士であることを前提に、3つの研修要件と試験への合格が必要です。国家資格ではなく協会の資格なので、取ったからといって自動的に給料が上がるわけではありません。取る目的をはっきりさせてから進めるのがおすすめです。
この記事では、認定理学療法士の取り方、費用、試験の形式、専門理学療法士・登録理学療法士との違いを、日本理学療法士協会の公式情報を確認して整理しました。取るメリットと、取る前に考えておきたいこともあわせて書いています。
- 認定理学療法士とはどんな資格か
- 登録理学療法士・専門理学療法士との違い
- 取得までの流れと3つの要件
- 試験の形式と、かかる費用
- 取るメリットと、取る前に考えておきたいこと
認定理学療法士とは?
日本理学療法士協会は、生涯学習制度の中で、次の3つの資格を設けています。認定理学療法士は、そのうち特定の分野で高い臨床技能をもつことを示す資格です。
| 資格 | 協会の位置づけ | 取り方の概要 |
|---|---|---|
| 登録理学療法士 | 幅広い障害に対応できる「ジェネラリスト」 | 入会後の前期研修(最短2年)と後期研修(最短3年)を修了する |
| 認定理学療法士 | より専門性の高い臨床技能を有する「臨床実践分野でのスペシャリスト」 | 3つの要件を満たし、試験に合格する |
| 専門理学療法士 | より専門性の高い臨床技能を有する「研究分野でのスペシャリスト」 | 学術大会での発表や査読付き原著論文などの要件を満たし、口頭試問に合格する |
認定・専門理学療法士は、どちらも登録理学療法士を土台にした資格で、取得後は5年ごとの更新制です。認定理学療法士は分野ごとに取得します。
認定理学療法士の数
協会の公表データ(2026年3月31日時点)では、総会員数144,943名に対して、認定理学療法士の取得者は実数で16,473名(延べ19,012名)です。専門理学療法士は実数で1,855名(延べ3,716名)です。会員のうち認定理学療法士をもっているのは、ざっと1割強という計算になります(概算)。
認定理学療法士を取得するまでの流れ
認定理学療法士を取るには、まず登録理学療法士になる必要があります。協会は、卒後5年間を義務教育的な位置づけとして、前期研修・後期研修を通して登録理学療法士を育成するとしています。
- 日本理学療法士協会に入会し、前期研修(全54コマ、最短2年)を修了する
- 後期研修(座学51コマ+実地経験3年)を修了し、登録理学療法士を取得する
- 認定理学療法士の3つの要件(指定研修カリキュラム・臨床認定カリキュラム・日本理学療法学術研修大会の参加)を満たす
- マイページから新規申請を行い、申請料を支払う(例年8月)
- 試験を受ける(例年12月)
- 合格発表(例年2月末頃)を経て、次年度から認定理学療法士になる
最短でも、入会から登録理学療法士の取得までに5年、そこから要件を満たして試験を受けるまでに時間がかかります。要件は登録理学療法士の取得が前提なので、登録理学療法士を取る前に受けた研修は、認定の要件として使えません。
認定理学療法士の3つの要件
| 要件 | 内容 | 受講費 |
|---|---|---|
| ①指定研修カリキュラム | 全分野共通の研修12コマ(1コマ90分、計18時間)。協会のeラーニングで受講。同じ年度内に全コマの履修が必要 | 12,000円(税別) |
| ②臨床認定カリキュラム | 分野別。必須科目15コマ+選択科目5コマ以上。協会が認めた教育機関で受講(対面・オンラインなどは機関による)。申請する前年度までに受講を終える必要がある | 教育機関によって異なる |
| ③日本理学療法学術研修大会の参加 | 全日程への参加。都道府県士会やブロックの学会は含まれない | 大会によって異なる |
要件は、それぞれ履修日から5年間有効です。①の指定研修カリキュラムは全分野共通なので、複数の分野を申請する場合も1回受ければ足ります。
ちびウルフ臨床認定カリキュラムって、どこで受けるの?
リハウルフ協会が認めた教育機関が分野ごとに開講しています。マイページの「教育機関検索」から探して、教育機関に直接申し込む形です。受講の方法や費用は機関によって違うので、早めに調べておくのがおすすめですよ。
認定理学療法士の試験と費用
協会の案内では、試験は次のように行われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期間 | 例年8月(2026年度は8月3日〜8月31日) |
| 申請料 | 1分野につき10,000円(税別) |
| 試験日 | 例年12月(2026年度は12月6日) |
| 試験形式 | マークシート形式、五者択一(理学療法士国家試験の形式に準拠) |
| 問題数 | 共通問題9問+認定分野問題(1分野あたり)15問、計24問 |
| 合格発表 | 例年2月末頃 |
同時に申請できるのは3分野までで、申請後の返金・キャンセルはできません。費用は、指定研修カリキュラム(12,000円)と申請料(10,000円)に、臨床認定カリキュラムの受講費と学術研修大会の参加費が加わります。後者2つは教育機関や大会によって違うため、総額は分野や受講先によって変わります。勤務先が研修費を補助してくれるか、先に確認しておくとよいでしょう。
どの分野で認定を取るか、
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認定理学療法士は分野ごとの資格なので、どの分野を深めるかを先に決める必要があります。リハノメはPT・OT・ST向けのオンラインセミナーで、各分野の講師のセミナーを動画で視聴できます。毎月新しいセミナーが追加され、仕事のあとのすき間時間にも学べます。
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認定理学療法士を取るメリット
- 特定の分野を体系的に学び直すきっかけになる
- 協会が定めた分野の「スペシャリスト」として、専門性を客観的に示せる
- 職場によっては、資格手当や役割(教育係・チームリーダーなど)につながる
- 転職のときに、学んできた分野と姿勢を説明しやすくなる
一方で、認定理学療法士は国家資格ではなく、取得したことで診療報酬・介護報酬の算定ができるようになる資格ではありません。給料への反映は職場しだいで、資格手当がない職場も多くあります。給料を上げることが目的なら、資格手当の有無を確認したうえで、ほかの方法と比べて考えてください。給料を上げる方法は理学療法士の給料アップ方法5選で整理しています。
取る前に考えておきたいこと
認定理学療法士は、取るまでに数年単位の時間と、数万円以上の費用がかかります。始める前に、次のことを考えておくと途中で迷いにくくなります。
- どの分野を深めたいか(今の職場で担当している分野と一致しているか)
- 取ったあと、職場でどう生かすか(教育、チーム内の役割、転職)
- 勤務先に研修費の補助や、学会参加の出張扱いがあるか
- 5年ごとの更新に必要な学習を続けられるか
分野をまだ決めきれない人は、まずは日々の臨床で困っているテーマから学び始め、その延長で分野を選ぶのが現実的です。勉強の続け方は理学療法士の勉強方法7つを比較、新人のうちに読んでおきたい本は新人理学療法士におすすめの本で紹介しています。
よくある質問
認定理学療法士は国家資格ですか?
国家資格ではありません。公益社団法人日本理学療法士協会が、生涯学習制度の中で設けている資格です。
認定理学療法士は何年目から取れますか?
登録理学療法士の取得が前提です。登録理学療法士は、入会後の前期研修(最短2年)と後期研修(最短3年)を修了して取得するため、最短でも入会から5年程度かかり、その後に認定の要件を満たして試験を受ける流れになります。
認定理学療法士の試験は難しいですか?
試験は五者択一のマークシート形式で、共通問題9問と分野問題15問の計24問です。指定研修カリキュラムと臨床認定カリキュラムのシラバスに沿った問題が出題されます。
認定理学療法士を取ると給料は上がりますか?
職場によります。資格手当を設けている職場もありますが、手当がない職場も多くあります。給料を上げることが目的なら、勤務先の規定を先に確認してください。
認定理学療法士と専門理学療法士の違いは何ですか?
協会は、認定理学療法士を「臨床実践分野でのスペシャリスト」、専門理学療法士を「研究分野でのスペシャリスト」と位置づけています。専門理学療法士は、学術大会での発表や査読付き原著論文が要件に含まれ、試験は口頭試問です。
- 認定理学療法士は、協会が定める「臨床実践分野でのスペシャリスト」の資格
- 登録理学療法士の取得が前提。最短でも入会から5年程度かかる
- 要件は指定研修カリキュラム・臨床認定カリキュラム・学術研修大会の参加の3つ
- 試験は例年12月、五者択一のマークシートで計24問
- 費用は指定研修12,000円+申請料10,000円(税別)に、カリキュラムや大会の費用が加わる
- 給料への反映は職場しだい。取る目的と分野を決めてから始める
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。認定理学療法士・専門理学療法士・登録理学療法士の要件、試験、費用、取得者数は、日本理学療法士協会の公式サイトの情報にもとづいて記載しています(2026年10月確認)。制度は見直されることがあるため、申請の前に協会の最新情報を確認してください。取るメリットや考え方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。




