【まとめ】令和6年度介護報酬改定(訪問介護/ホームヘルパー)
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「令和6年度(2024年度)の介護報酬改定で、訪問介護(ホームヘルパー)はどう変わったの?」
「基本報酬が下がったって本当?うちの事業所への影響は?」——そんな不安を抱える管理者・サービス提供責任者・ヘルパーの方へ。
この記事では、令和6年度改定で訪問介護に入った主な改定項目を、確定した方針と単位の動きをもとにまとめました。全体ではプラス改定だったにもかかわらず、訪問介護の基本報酬は引き下げという、現場にとって見過ごせない内容になっています。引き下げの理由から、新設・見直しされた加算、そして取るべき対応策まで整理します。
- 訪問介護の基本報酬が引き下げられた理由と影響
- 処遇改善加算の一本化(介護職員等処遇改善加算)の中身
- 同一建物減算(12%減算)の新設と判定方法
- 特定事業所加算など、その他の主な改定項目
令和6年度改定で訪問介護の基本報酬は引き下げに
ちびウルフ介護報酬って全体ではプラスだったんだよね?なんで訪問介護だけ下がったの?
リハウルフ介護全体は+1.59%のプラス改定。でも訪問介護の基本報酬は約2%強の引き下げになったんだ。背景には収支差率と処遇改善加算の事情があるよ。
令和6年度改定では、介護報酬全体が+1.59%のプラス改定となるなかで、訪問介護の基本報酬は全サービス区分・全時間帯で引き下げられ、おおむね2%強のマイナスとなりました。引き下げの主な理由は次の2つです。
| 引き下げの理由 | 内容 |
|---|---|
| 収支差率が高かった | 令和5年の介護事業経営実態調査で、訪問介護の収支差率(2022年決算)が7.8%と他サービスより高く、報酬の適正化が図られた |
| 処遇改善加算が高水準 | 訪問介護の処遇改善加算率が他サービスより高く設定された分、基本報酬で調整された |
処遇改善加算が「介護職員等処遇改善加算」に一本化
これまで複数あった処遇改善関連の加算——介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算——が、令和6年度改定で「介護職員等処遇改善加算」へ一本化されました。新加算はⅠ〜Ⅳの4段階で、訪問介護の加算率は次のとおりです。
| 区分 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
|---|---|---|---|---|
| 訪問介護の加算率 | 24.5% | 22.4% | 18.2% | 14.5% |
賃金体系の整備や一定の月額賃金配分などにより、まずは14.5%(Ⅳ)から、経験・技能のある職員の配置などを満たせば最大24.5%(Ⅰ)まで取得できます。この高い加算率を取りきれるかどうかが、収益を左右する大きなポイントになります。
同一建物減算(12%減算)の新設
サービス付き高齢者向け住宅などに併設する訪問介護事業所では、利用者の多くが同じ建物の入居者というケースがあります。これに対し、令和6年度改定で新たな同一建物減算(12%減算)が設けられました。
ちびウルフ12%減算って、どういう場合に当てはまるの?
リハウルフ正当な理由なく、同一敷地内建物等に住む利用者へのサービス提供が全体の90%以上になっている場合だよ。その場合、所定単位数の88%(=12%減算)で算定するんだ。
具体的には、算定日が属する月の前6か月間に提供した訪問介護のうち、同一敷地内建物等に居住する利用者へのものが90%以上を占める場合、1回につき所定単位数の88%で算定します。事業所は年2回判定し、該当すれば届出を行います。
その他の主な改定項目
訪問介護の令和6年度改定では、上記のほかにも運営体制に関わる見直しが行われました。主な項目を整理します。
- 特定事業所加算の見直し(看取り期にある利用者への対応を要件に追加、中山間地域等での継続的なサービス提供を評価)
- 訪問系サービスにおける認知症専門ケア加算の見直し
- 口腔連携強化加算(50単位/回・月1回)の新設
- 業務継続計画(BCP)未策定事業所への減算の導入(訪問系は経過措置あり)
- 高齢者虐待防止・身体的拘束等の適正化に関する未措置減算の導入
- 人員配置基準上の職種におけるテレワークの取扱いの明確化
- 特別地域加算・中山間地域等の小規模事業所加算などの対象地域の明確化・見直し
基本報酬引き下げが現場に与える影響
基本報酬の引き下げは、単に「報酬が減る」だけにとどまりません。小規模・零細の事業所が多い訪問介護では、経営や人材への波及が懸念されています。
小規模事業所ほど影響を受けやすい
訪問介護は、資本金1,000万円未満・従業員10人未満といった小規模・零細の事業所が多いのが特徴です。処遇改善加算の上位区分は「経験・技能のある職員の配置」などが要件のため、人員に余裕のない事業所ほど高い加算率を取りきれず、基本報酬引き下げの影響をそのまま受けやすい構造になっています。
ヘルパー不足と高齢化が背景に
訪問ヘルパーの人手不足は深刻で、有効求人倍率は非常に高い水準が続いています。さらに訪問介護員は65歳以上の割合が他職種より高いとされ、現場の高齢化も進んでいます。報酬が下がれば賃上げの原資を確保しにくくなり、人材確保がさらに難しくなる——この悪循環をどう断つかが、各事業所の課題です。
サービス縮小は「介護難民」の懸念にも
事業所の廃業や人手不足が進めば、必要なサービスを受けられない「介護難民」が増える懸念もあります。とくに高齢化が進む都市部では、在宅介護のニーズが今後さらに高まる見込みです。訪問介護は在宅生活を支える土台のサービスであり、各事業所が経営を維持できるかどうかは、地域の介護提供体制そのものに直結します。だからこそ、加算をきちんと取得し、生産性を高めて経営を守る取り組みが、これまで以上に重要になっています。
基本報酬引き下げにどう対応する?
基本報酬の引き下げはすでに実施済みです。今後の経営を守るために、現場でできる対応策を整理します。
- 未取得の加算(特定事業所加算・口腔連携強化加算・処遇改善加算の上位区分など)がないか点検する
- 処遇改善加算の上位区分を取得できるよう、賃金体系・職場環境要件を整える
- 同一建物減算の判定対象になるか確認し、必要なら届出・利用者構成の見直しを検討する
- 介護ソフト等の活用で事務負担を減らし、一人あたりの生産性を高める
- 保険外サービスや他事業(訪問入浴など)の併設で収益の柱を増やす
よくある質問(FAQ)
訪問介護の基本報酬はどのくらい下がりましたか?
なぜ訪問介護だけ引き下げられたのですか?
処遇改善加算の一本化で何が変わりましたか?
同一建物減算(12%減算)の判定基準は?
基本報酬が下がった分はどう補えばいいですか?
- 介護全体は+1.59%のプラス改定だが、訪問介護の基本報酬は約2%強の引き下げ。
- 処遇改善加算は「介護職員等処遇改善加算」へ一本化。訪問介護は14.5〜24.5%の4段階。
- 同一建物減算(12%減算)が新設。前6か月で同一建物等への提供が90%以上だと所定単位数の88%に。
- 特定事業所加算の見直し、口腔連携強化加算の新設、BCP・虐待防止・身体的拘束の減算なども導入。
- 引き下げ対応のカギは「加算の取りこぼしをなくすこと」。早めの点検と届出を。
出典:令和6年度介護報酬改定の主な事項について・令和6年度介護報酬における改定事項について(厚生労働省)、各自治体(同一建物減算)の案内をもとに作成。単位数・要件は最新の告示・解釈通知および自治体の案内をご確認ください。
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