「家族が食事中にむせやすくて、食べるのに時間がかかる」
「むせやすい病気ってあるのかな?」
このような疑問を解決できる記事です。
この記事でわかることは以下の通りです。
- むせやすい理由は病気?
- むせやすい病気なのか確認すること
- むせやすい病気を疑ったらやること
むせやすい状態によっては、早めの受診をおすすめしますが、できることをまとめたので参考にしてください。
むせやすい理由は病気?
「むせやすい理由は病気なのか?」について、説明します。
- むせる理由
- むせやすい病気
順番に説明していきますね。
むせる理由
むせる理由は、気管に入った食べ物や唾液を出そうとしているからです。
食べ物は、口からのどを通って食道へ運ばれますが、食道ではなく気管に入ってしまうと、むせて食べ物を出そうとします。
気管に入ってしまうのは、飲み込むタイミングがずれていたり、気管の入口を閉じきれていなかったりなどが考えられるでしょう。
むせるのは、気管に入らないように身体を守る仕組みといえますね。
むせやすい病気
むせやすい病気には、嚥下(えんげ)障害があります。
嚥下は、食べ物を口に入れ、かんで、のどに送り込んで、ごっくんと飲み込んで食道から胃へ送る運動です。
嚥下障害とは、嚥下の流れが上手くいかない障害をいいます。
脳血管障害、加齢、精神面などが原因です。
例えば、ごっくんと飲み込むタイミングがずれたり、飲み込む力が弱くなったりします。
また、食べ物が食道ではなく、気管に入ってしまうのは誤嚥(ごえん)です。
むせても気管から出せないと、細菌感染などを起こして誤嚥性肺炎になります。
むせやすい病気なのか確認すること
むせやすい病気なのか確認することは以下の通りです。
- 食事の様子
- 普段の様子
2つの場面を確認してください。
食事の様子
食事の様子で確認したいのは、以下の内容です。
- むせる
- 上を向いて飲み込もうとする
- 口から食べ物がこぼれてくる
- 食べ物が鼻から出てくる
- 口の中に食べ物が溜まっている
- 食べ物や酸っぱい液が胃から戻ってくる
- 胸に食べ物が残ったりつまったりする
- 食事すると疲れる
- ガラガラ声になる
- 食べるのに時間がかかる
- 硬いものを残す
上を向いて飲み込もうとするのは、舌がうまく使えていないからかもしれません。
ガラガラ声は、声を出す声帯に食べ物が溜まってしまうと起こります。
普段の様子
次に、普段の様子で確認したいのは、以下の内容です。
- 発熱を繰り返している
- 痰(たん)が増えた
- よだれが多い
- ろれつが回らない
- 痩せてきた
- 食欲が低下してきた
- 食べ物の好みが変わった
発熱を繰り返しているのは、少しずつ肺に食べ物や唾液が入っているのかもしれません。
むせずに飲み込める食べ物を好んで食べるようになると、周りからは好みが変わったようにみえます。
むせやすい病気を疑ったらやること
むせやすい病気を疑ったらやることを4つ紹介します。
- 食事前に嚥下体操
- やわらかく水分のある食事
- 静かな食事環境
- 病院に受診
順番に説明しますね。
食事前に嚥下体操
食事前に嚥下体操をしましょう。
誤嚥は1口目に多いといわれているからです。
食べる前に準備して、整えてくださいね。
嚥下体操は、首・唇・舌の運動や発音練習を、ゆっくり10回くらい行うと良いでしょう。
首の運動は、前後・左右・かしげる運動を行ってください。
唇の運動は「うー」と言いながらタコのようにとがらせ、「いー」といいながら唇を横に引きます。
舌の運動は「べー」と出したり、左右の唇の端に舌先をつけたりをしてください。
また、おでこに手のひらを当てて、手で押さえながら下を向く体操をすると、飲み込む力が鍛えられます。
人によって痛みがあるため、無理のない範囲で行いましょう。
発音練習は、舌を動かす「パ・タ・カ」の発音や、早口言葉を使って話す機会を増やしてください。
嚥下体操は、すぐに効果が出るものではないため、毎日続けてみましょう。
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やわらかく水分のある食事
やわらかく水分のある食事を用意してください。
噛みやすく、まとまりやすいため、飲み込みをしやすくなります。
ご飯や焼き魚、レンコンや人参などは、やわらかいご飯や煮魚、煮物に変えると飲み込みやすくなるでしょう。
口の中が乾燥しているとむせやすい方もいるため、水分を含んだ食事を用意してくださいね。
静かな食事環境
静かな食事環境で召し上がってください。
テレビがついていたり、目の前で人が動き回っていたりすると、飲み込みに集中できないからです。
例えば、庭が見える窓辺や壁を向いた席などを試してみましょう。
普段の食事場所と静かな場所で食べる様子を比べてくださいね。
病院に受診
早めに病院の受診を考えましょう。
食事のむせこみ以外にも、身体に症状があるかもしれません。
嚥下障害は耳鼻科以外や専門外来があります。
むせこみが続くなら受診を検討してくださいね。
むせこみが続くなら早めに対処しましょう
今回は、むせやすい理由は病気なのか、むせやすい理由に嚥下(えんげ)障害を疑ったら、むせやすいときにできることについて紹介しました。
むせが多く発熱を繰り返すなど気になる様子がある方は、耳鼻咽喉科や専門の外来の受診も検討してください。