一人暮らしの親の支援方法8つ|介護保険と民間サービスの使い分け

一人暮らしの親の支援は、家族が全部を抱えず、困りごとごとに介護保険・市町村の事業・民間サービスを組み合わせるのが続けるコツです。何から手をつければいいか分からないときは、まず親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談してください。
この記事では、一人暮らしの親を支える方法を、食事・買い物・見守り・通院・家事・お金の管理などの8つに分けて整理しました。それぞれ、介護保険で使えるもの、市町村や社会福祉協議会の事業、民間のサービスのどれが合うのかもまとめています。
- 一人暮らしの親の困りごとの見つけ方
- 家族ができる支援方法8つ
- 介護保険と民間サービスの使い分け
- お金の管理で使える日常生活自立支援事業
- 支援を続けるための注意点
ちびウルフ離れて暮らしていると、何をしてあげればいいのか分からないよ。
リハウルフいきなり全部をしようとしなくて大丈夫。まずは、親が何に困っているのかを知ることから始めよう。困りごとが分かれば、使える制度やサービスは意外とたくさんあるんだ。
一人暮らしの親の支援は「困りごとの把握」から
一人暮らしの親の支援で最初にすることは、親が何に困っているのかを具体的に知ることです。「心配だから」と先回りしてサービスを入れても、本人が必要と感じていなければ続きません。
帰省したときや電話のときに、次のような様子がないか確かめてみてください。
- 冷蔵庫に同じ食品がたくさんある、賞味期限切れの食品が多い
- 部屋の片付けや掃除が、以前よりできていない
- 郵便物や請求書が開封されないまま置いてある
- 薬が余っている、飲み忘れている様子がある
- 外出の回数が減り、人と話す機会が少なくなっている
- ちょっとした段差でつまずく、歩くのが遅くなった
訪問の現場でも、家族が「元気そうだった」と言っていた人の家で、冷蔵庫の中や郵便物を見て生活の変化に気づくことがよくあります。電話の声だけでは分からない変化があるので、会ったときは家の中の様子も見ておきましょう。
一人暮らしの親の支援方法8つ
ここからは、困りごとごとに使える支援を8つ紹介します。全部をそろえる必要はありません。親の困りごとに合うものから選んでください。
①地域包括支援センターに相談する
地域包括支援センターは、高齢者の暮らしの相談を受ける公的な窓口です。介護保険の申請、地域の見守りや配食の事業、お金の管理の相談先など、ここで聞けば必要な窓口につないでもらえます。相談するのは、親が住んでいる地域のセンターです。家族が離れて住んでいても、電話で相談できます。
介護が必要な状態になっていれば、要介護認定を申請し、ケアマネジャーと一緒にサービスを組み立てます。詳しくは地域包括支援センターとは?で解説しています。
②食事:配食サービスや宅配弁当を使う
一人暮らしになると、料理が面倒になり、同じものばかり食べたり、食事を抜いたりしがちです。配食サービスや宅配弁当を使うと、栄養のかたよりを防ぎやすくなります。市町村によっては、見守りを兼ねた配食の事業を行っているところもあるので、地域包括支援センターで確認してください。
民間の宅配弁当は、冷凍で届いて好きなときに温められるものが多く、受け取りの時間に縛られにくいのが利点です。選び方は高齢者向け宅配弁当の選び方でまとめています。
③買い物:重い日用品はネット通販で届ける
トイレットペーパーや飲み物のように、かさばる物や重い物の買い物は、高齢者にとって負担が大きくなります。家族がネット通販で注文して親の家に届くようにすると、買い物の負担を減らせます。定期的に届くしくみを使えば、買い忘れも防げます。
日本製紙クレシアの『スコッティ フラワーパック 3倍長持ち』は、メーカー公式ページによると、ダブルで1ロールの長さが75mです。紙の量を減らさずに通常のロール3個分を詰めているとされ、交換の回数や置き場所を減らせるので、一人暮らしの親に送る日用品に向いています。
水やお茶も、ケースで届くようにすると持ち帰る手間がなくなります。ペットボトルのふたを開けにくくなっている人には、家族が開けやすいサイズを選んだり、ふた開けの道具を用意したりすると助かります。脱水を防ぐには、手の届く場所に飲み物を置いておくことも大切です。
④見守り:電話・見守りサービス・カメラを組み合わせる
離れて暮らす家族にとって、いちばんの心配は「何かあったときに気づけるか」です。毎日の電話やメッセージに加えて、見守りサービスや見守りカメラを組み合わせる方法があります。市町村によっては、緊急時にボタンを押して通報できる機器を貸し出す事業もあります。
見守りの方法は、親のプライバシーへの配慮も必要です。カメラを置くときは、必ず本人の同意を得てから設置しましょう。具体的なグッズは一人暮らしの親を見守りするおすすめグッズ、カメラは見守りカメラおすすめ8選で紹介しています。
⑤通院:付き添いと受診の準備を手伝う
受診のときに家族が付き添えると、医師の説明を一緒に聞けて、薬の変更なども把握できます。付き添えないときは、お薬手帳と、最近の様子のメモを持っていくよう親に伝えておくだけでも、診察がスムーズになります。
要介護認定を受けていれば、介護保険の訪問介護で、通院のための乗車・降車の介助を受けられる場合があります。詳しくは通院等乗降介助とは?で解説しています。
⑥家事:介護保険の生活援助と民間の家事代行を使い分ける
掃除・洗濯・調理などの家事が難しくなったら、介護保険の訪問介護の生活援助が使えます。一人暮らしの人は、生活援助の対象になりやすい世帯です。ただし、生活援助で頼めるのは日常的な家事に限られ、大掃除や庭の手入れ、本人以外の部屋の掃除などは対象外です。
介護保険で頼めない家事は、民間の家事代行サービスや、シルバー人材センター、社会福祉協議会の有償ボランティアなどを使う方法があります。生活援助の範囲は訪問介護の生活援助とは?で確認できます。
⑦お金の管理:日常生活自立支援事業や成年後見制度を使う
請求書の支払いが遅れる、通帳をなくすといった様子が出てきたら、お金の管理の支援を考える時期です。家族が手伝うのが難しいときに使えるのが、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業です。
厚生労働省によると、この事業は認知症高齢者などのうち判断能力が不十分な人を対象に、福祉サービスの利用の手伝いや、預金の払い戻し・預け入れなどの日常的な金銭管理、定期的な訪問による生活の変化の把握を行います。本人と社会福祉協議会の契約で利用するため、契約の内容を判断できることが条件です。利用料は実施主体が決めていて、厚生労働省のページでは訪問1回あたりの平均が1,200円と紹介されています。
判断能力の低下が進んで契約が難しい場合は、成年後見制度を検討します。認知症の成年後見制度とは?で流れを解説しています。
⑧体を動かす:通いの場やデイサービスにつなぐ
一人暮らしで外出が減ると、足腰が弱り、人と話す機会もなくなっていきます。運動器具を家に置くより、人と会いながら体を動かせる場所につなぐほうが続きやすいのが、現場での実感です。
市町村の介護予防の教室や、地域の住民が運営する「通いの場」は、要介護認定がなくても参加できるものがあります。要介護認定を受けていれば、デイサービスやデイケアも選択肢です。どこにどんな場所があるかは、地域包括支援センターで聞けます。
ちびウルフ介護保険のサービスと民間のサービス、どう使い分ければいいの?
リハウルフ基本は、まず介護保険で使えるものを使って、足りない部分を民間で補う順番がおすすめだよ。介護保険は自己負担が1〜3割で済むけど、頼める内容に決まりがあるんだ。決まりの外のことを民間に頼むと考えると分かりやすいよ。
困りごと別・使える支援と相談先
| 困りごと | 使える支援 | 相談先 |
|---|---|---|
| 食事がかたよる | 配食サービス・宅配弁当 | 地域包括支援センター・民間の事業者 |
| 買い物が大変 | ネット通販・生協の宅配・訪問介護の買い物 | 家族・ケアマネジャー |
| 急な体調変化が心配 | 見守りサービス・緊急通報の機器 | 市町村・地域包括支援センター |
| 家事ができない | 訪問介護の生活援助・家事代行 | ケアマネジャー・民間の事業者 |
| お金の管理が不安 | 日常生活自立支援事業・成年後見制度 | 社会福祉協議会・地域包括支援センター |
| 外出が減った | 通いの場・介護予防教室・デイサービス | 地域包括支援センター |
一人暮らしの親を支援するときの注意点
- サービスを入れる前に、親本人の気持ちを聞く
- 家族だけで抱え込まず、早めに専門職に相談する
- きょうだいがいれば、役割を分担して1人に負担を集めない
- 親の主治医・ケアマネジャー・近所の人の連絡先をまとめておく
- 「まだ大丈夫」と言われても、生活の変化は記録しておく
担当したケースでは、家族がよかれと思って一度に多くのサービスを入れた結果、本人が「監視されているようだ」と感じて、すべて断ってしまったことがありました。本人が納得できるものから1つずつ始めるのが、結果的にいちばんの近道です。
ちびウルフ親が「人の世話にはならない」って、サービスを嫌がるんだよね。
リハウルフよくあることだよ。そういうときは「家族が安心したいから」と伝えたり、ケアマネジャーや主治医から勧めてもらったりすると受け入れやすくなるんだ。家族の言葉より、第三者の言葉のほうが届くことも多いよ。
よくある質問
一人暮らしの親が心配です。まず何をすればいいですか?
親が住んでいる地域の地域包括支援センターに相談してください。介護保険の申請や、地域の見守り・配食の事業など、必要な窓口につないでもらえます。
家族が遠くに住んでいても、地域包括支援センターに相談できますか?
相談できます。相談先は、家族の住所ではなく、親が住んでいる地域のセンターです。電話での相談も受け付けています。
要介護認定を受けていなくても使える支援はありますか?
あります。民間の宅配弁当や家事代行、見守りサービスのほか、市町村の介護予防の教室や通いの場は、認定がなくても使えるものがあります。
介護保険のヘルパーに、どんな家事を頼めますか?
掃除・洗濯・調理・買い物など、本人の日常生活に必要な家事を頼めます。大掃除や庭の手入れ、本人以外のための家事は頼めません。
親のお金の管理を手伝ってもらえる制度はありますか?
社会福祉協議会の日常生活自立支援事業があります。判断能力が不十分な人の日常的な金銭管理などを、本人との契約にもとづいて手伝う事業です。相談は、親が住んでいる市町村の社会福祉協議会で受け付けています。
日常生活自立支援事業の利用料はいくらですか?
実施主体の社会福祉協議会が決めています。厚生労働省のページでは、訪問1回あたりの平均が1,200円と紹介されています。契約前の相談や、生活保護を受けている世帯の利用料は無料です。
見守りカメラを置くとき、親の同意は必要ですか?
必ず本人の同意を得てから設置してください。同意なしに置くと、信頼関係をこわすことになります。置く場所も、本人と相談して決めましょう。
親がサービスを嫌がるときは、どうすればいいですか?
本人が納得できるものから1つずつ始めるのがおすすめです。家族から言うより、ケアマネジャーや主治医から勧めてもらうと受け入れやすくなることがあります。
- まず親の困りごとを具体的に知る
- 最初の相談先は、親が住む地域の地域包括支援センター
- 介護保険で使えるものを使い、足りない部分を民間で補う
- お金の管理は日常生活自立支援事業や成年後見制度を検討する
- 本人が納得できる支援から1つずつ始める
※日常生活自立支援事業の内容は、厚生労働省のページの記載にもとづいて整理したものです。利用料や手続きは実施主体の社会福祉協議会によって異なるため、親が住んでいる市町村の社会福祉協議会でご確認ください。配食・見守り・緊急通報などの事業は市町村によって内容が異なります。商品の情報は2026年10月28日時点の各メーカー公式ページの記載にもとづいています。制度に関する記述は2026年10月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。支援方法の整理は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづくものです。本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。






