訪問リハビリで働いていると、ふとした瞬間に「もう訪問リハビリを辞めたい」と感じることはありませんか。利用者さんとのやり取り、移動や天候、職場の人間関係——理由は人それぞれですが、つらい気持ちを抱えているのはあなただけではありません。

この記事では、訪問リハビリを辞めたいと感じるよくある5つの瞬間を整理したうえで、「辞める前にまず確かめたいこと」「具体的な対処法」「それでも続けられない場合の選択肢」までを、現場目線で順番に解説します。読み終えるころには、次の一歩を落ち着いて考えられるはずです。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリを辞めたいと感じる代表的な5つの瞬間
  • 「適性」と「職場」のどちらが原因かを切り分ける考え方
  • 辞めたい気持ちが強いときにまず試したい具体的な対処法
  • それでも続けられないときの転職・働き方の選択肢

訪問リハビリを辞めたいと感じるよくある5つの瞬間

まずは「あるある」を共有させてください。あなたが感じているしんどさが、次のどれかに当てはまるかを確かめてみましょう。同じ思いをしている人がいると分かるだけでも、少し気持ちが軽くなるはずです。

ちびウルフちびウルフ

辞めたいって思うの、自分が弱いからなのかな…?

リハウルフリハウルフ

そんなことないよ。誰もが一度は通る道なんだ。原因を一つずつ見ていこう。

① 利用者さんから拒否される・比較される

「もう来ないで」「前のセラピストの方が良かった」——こうした言葉を直接、あるいはケアマネジャーや上司を介して言われることがあります。自分は誠実に対応しているつもりでも、相性や他者との比較で否定されると、大きなショックを受けますよね。とくに繊細な人ほど深く傷つきやすい場面です。

② 暴言・暴力・ハラスメントに遭う

きつい口調で責められる、理不尽な態度を取られる、女性セラピストが身体に触れられる・言葉のセクハラを受ける、といったことが現場では一定数起こります。本来あってはならない事態であり、我慢して抱え込む必要はありません。

注意暴力・セクハラ・パワハラは「個人の我慢」で済ませる問題ではありません。事業所として記録・報告・対応する仕組みが必要です。一人で抱えず、まず上司や管理者に共有しましょう。

③ 訪問環境がしんどい

訪問リハビリは利用者さんの自宅まで移動して実施します。そのため、移動と住環境の両面で負担を感じる人が少なくありません。

移動中の負担お宅での負担
自転車移動がきつい/雨・台風/花粉・日焼け夏は暑く冬は寒い/ホコリ・動物アレルギー/におい・衛生面/苦手な生き物

自分の許容範囲を超える環境が続くと、心身ともにすり減り「辞めたい」につながります。

④ 人間関係がしんどい

訪問リハビリは一人で動く時間が長い一方で、関わる相手は意外と多いものです。事業所内のスタッフ、ケアマネジャー、利用者・家族、他サービスの事業者——複数の人間関係のどこかでこじれると、強いストレスになります。

⑤ 体力的にしんどい

都市部では自転車移動が中心で、夏の暑さと屋内のエアコンの寒暖差、冬の冷え、悪天候時の移動など、体力面の消耗は想像以上です。「気力はあるのに体がついていかない」と感じる人もいます。

「辞めたい」の前に確かめたい——適性か、職場か

辞めたい気持ちが強いときこそ、いったん立ち止まって原因を切り分けることが大切です。ポイントは次の問いです。

ポイントあなたのつらさは「訪問リハビリという働き方そのもの」が合わないのか、それとも「今いる職場の環境」が原因なのか——この2つを分けて考えることが、後悔しない選択の第一歩です。

訪問リハビリ自体が向いていない場合

一人で判断・対応する場面が多い、移動が常につきまとう、といった訪問リハビリの本質的な部分がどうしても合わないなら、無理に続ける必要はありません。病院・施設・通所など、自分が力を発揮しやすい環境でリハビリに向き合う選択も十分に前向きです。

職場環境が原因の場合

一方で、「訪問リハビリは嫌いではないが、今の職場がつらい」というケースも非常に多いです。実は、訪問リハビリといってもやり方や働きやすさは事業所ごとに大きく異なります。職場を変えるだけで悩みの多くが解消することも珍しくありません。

ちびウルフちびウルフ

同じ訪問リハでも、そんなに違うものなの?

リハウルフリハウルフ

全然違うよ。有給がしっかり取れて、昼休みも定時退社も当たり前という事業所もあるんだ。

辞めたいときにまず試したい対処法

すぐ退職を決める前に、負担を減らすために試せることがあります。次の順番で動いてみましょう。

  1. 気持ちを言語化する:何が・いつ・どの程度つらいのかを書き出し、「適性の問題」か「環境の問題」かを整理する。
  2. 信頼できる相手に相談する:上司・先輩・同僚に状況を共有する。一人で抱えないことが回復の第一歩。
  3. 改善できる仕組みを提案する:担当変更、情報共有の徹底、ハラスメント対応のルール化など、職場で変えられる点を相談する。
  4. 働き方を調整する:訪問件数・エリア・移動手段の見直しなど、負担軽減の選択肢を探る。
  5. それでも難しければ環境を変える:異動や転職を含め、自分が続けやすい環境を選び直す。

それでも続けられないときの選択肢

対処を試しても改善しない、心身の負担が限界に近い——そんなときは無理をせず、環境を変える選択を前向きに検討しましょう。

選択肢こんな人に向いている
同じ法人内での部署異動職場の人間関係や働き方は変えたいが、職場自体は離れたくない人
別の訪問リハ事業所へ転職訪問リハは好きだが、今の職場の体制・待遇が合わない人
病院・施設・通所へ転職移動や単独対応など訪問の働き方そのものが合わないと感じる人
ポイント転職を検討するときは、求人票だけでなく「有給の取得実績」「1日の訪問件数」「ハラスメント時の対応体制」など、働きやすさに直結する具体的な条件を確認しましょう。

【PT・OT・ST向け】職場で“辞めたい”を減らす実践のヒント

管理者・チームの視点に立つと、辞めたい気持ちの多くは「上司の理解」「チームのフォロー」「仕組みの整備」で軽減できます。現場で起きやすい悩みと、その解決アプローチを整理します。

現場の悩み仕組みでの解決アプローチ
セラピストの比較・相性問題情報共有とケア方針の統一、担当変更のルール化
女性スタッフへのセクハラケアマネ・行政への報告、男性スタッフでの対応に切り替え
暴言・暴力などのハラスメント発生時の規程・マニュアル整備、記録と報告のフロー化
環境がつらい家への訪問耐性のあるスタッフがフォローし、担当を分散
ちょっとしたミスへの不安チームで補い合える、相談しやすい雰囲気づくり

「個人の頑張り」に頼るのではなく、チームと仕組みで支える視点を持つことが、離職を防ぐ近道です。

「辞めたい」を我慢し続けることのリスク

つらい気持ちを抱えたまま無理に働き続けると、心身に思わぬ影響が出ることがあります。早めに対処する意味を確認しておきましょう。

ちびウルフちびウルフ

もう少し我慢して様子を見た方がいいのかな…?

リハウルフリハウルフ

頑張りすぎは禁物だよ。心と体のサインを見逃さないことが大事なんだ。

我慢を重ねると、睡眠の質が落ちる、休日も仕事のことが頭から離れない、利用者さんへの関わりに余裕がなくなる——といった変化が現れやすくなります。これらは自分を責める材料ではなく、環境を見直すサインです。とくに、朝になると体が重い・涙が出る・食欲が落ちるといった状態が続く場合は、無理をせず早めに上司や産業医、医療機関に相談しましょう。

注意「もう少し頑張れば慣れるはず」と限界まで我慢してから辞めると、次の一歩を踏み出す気力まで失われがちです。心身が回復できるうちに動くことが、結果的にキャリアを守ります。

辞める・続けるのどちらを選ぶにしても、まずは自分の健康を最優先に。冷静に判断できる状態を保つことが、後悔しない選択につながります。

よくある質問(FAQ)

訪問リハビリを辞めたいと思うのは甘えですか?
甘えではありません。拒否・ハラスメント・環境・人間関係・体力など、辞めたいと感じる要因は実際の現場に数多く存在します。大切なのは、感情を否定せず原因を切り分けて次の行動につなげることです。
辞めるか続けるか、判断の基準はありますか?
「訪問リハという働き方が合わない」のか「今の職場が合わない」のかを切り分けるのが基準です。前者なら別形態への転職、後者なら職場を変えるだけで解決することが多いです。
利用者さんからの拒否が続いてつらいです。どうすれば?
まず一人で抱えず、上司やチームに共有しましょう。相性の問題であれば担当変更や情報共有で改善できます。あなた自身を全否定する必要はありません。
転職するなら何を確認すべきですか?
有給取得の実績、1日の訪問件数、移動手段、ハラスメント発生時の対応体制など、働きやすさに直結する具体条件を確認しましょう。見学や面談で現場の雰囲気を見ることも有効です。
体力的につらいのですが、訪問リハを続ける工夫はありますか?
エリアや移動手段の見直し、訪問件数の調整、電動アシスト自転車や車移動への変更などで負担を減らせる場合があります。職場に相談し、体力に合った働き方を一緒に検討してもらいましょう。改善が難しければ無理をせず環境を変える選択も大切です。
まとめ
  • 訪問リハビリを辞めたいと感じる瞬間は「拒否・比較」「ハラスメント」「環境」「人間関係」「体力」の5つに集約されやすい。
  • 辞める前に、原因が「訪問という働き方そのもの」か「今の職場環境」かを切り分けることが大切。
  • 言語化・相談・仕組みの提案・働き方の調整を試し、それでも難しければ異動や転職を前向きに検討してよい。
  • 悩みの多くは上司の理解・チームのフォロー・仕組みづくりで軽減できる。一人で抱え込まないことが何より大事。
ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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