「老健の訪問リハビリテーションのデメリットはあるの?」
「介護老人保健施設で訪問リハビリを立ち上げたいけど、注意点を知りたい!」
このような疑問が解決できる記事です。
- 老健の訪問リハビリテーションのデメリット
デメリットも理解した上で運営することが大事だと思います。
この記事を読んで制度知識を増やしていきましょう!
では、早速解説していきます。
老健の訪問リハビリテーションのデメリット
実は、老健(介護老人保健施設)の訪問リハビリテーションにはデメリットがいくつかあります。
それは以下の通りです。
- みなし指定にはならない(令和5年時点)
- 難病医療費助成制度の対象外
- 老健の事業所の医師による診療が面倒
- 医療保険の訪問リハが不可能
それぞれについて説明していきます。
みなし指定にはならない(令和5年時点)
病院や診療所の訪問リハビリテーションはみなし指定になるため、立ち上げ申請をしなくても既に事業所があるような形です。
しかし、介護老人保健施設の訪問リハビリテーションは令和5年時点では通所リハビリテーションはみなし指定で事業所を立ち上げられますが、訪問リハビリテーションはみなし指定で事業所立ち上げることができません。
急いでいる人にとってはデメリットと言えると思います。
また、公立の介護老人保健施設などの場合は議会や市長などの許可まで取る必要があるためとても面倒な事例もあるようです。
難病医療費助成制度の対象外
病院や診療所の訪問リハビリテーションや訪問看護ステーションの訪問看護は難病医療費助成制度の対象となります。
他にも以下のようなサービスは対象です。
- 訪問看護
- 介護予防訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 介護予防訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 介護予防居宅療養管理指導
- 介護療養施設サービス
- 介護医療院サービス
- 診察
- 薬剤の支給
- 医学的処置、手術およびその他の治療
- 居宅における療養上の管理およびその治療に伴う世話その他の看護
- 病院または診療所への入院およびその療養に伴う世話その他の看護
この制度を利用すると指定難病の患者さんはとても安い値段で訪問リハビリテーションを受けることが可能となります。
例を挙げると以下のような疾患です。
難病医療費助成制度の対象疾患の例
- ALS
- 脊髄小脳変性症
- 後縦靱帯骨化症
- パーキンソン病の一部
- 多系統萎縮症
- 進行性核上性麻痺
しかし、同じ訪問リハビリテーションであっても、老健の訪問リハビリテーションは難病医療費助成制度(54)からは対象外となっています。
その理由は、老健は『難病法に基づく指定医療機関』ではないからです。
よって、利用者さんの立場からすると指定難病患者で難病医療費助成制度の受給者証を持っている人は老健の訪問リハビリテーションを選択しない方がお得というわけです。
逆にこのことを知っているのであれば、老健の訪問リハビリテーションは病院や診療所に指定難病患者は譲って他の対象者にサービス提供をした方が良いと思います。
後々問題にならないように気をつけましょう!
老健の事業所の医師による診療が面倒
訪問リハビリテーションは事業所の医師の指示によりリハビリが提供されます。
事業所の医師の計画診療が実施されない場合は訪問リハ計画診療未実施減算での提供になります。
老健は、病院や診療所と異なり外来診療する場所がないため、外部の利用者を診療することがなかなか業務に組み込みにくく面倒だと思います。
これも一つのデメリットだと考えます。
医療保険の訪問リハビリが不可能
介護老人保健施設は介護保険から訪問リハビリテーションしか実施することができません。
病院や診療所では医療保険の訪問リハビリ(在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料)が算定可能です。
医療保険の訪問リハビリが提供できないのも老健の訪問リハビリテーションのデメリットといえます。
今回は『老健の訪問リハビリテーションのデメリット』について解説しました。
各介護サービスのメリット・デメリットなど制度の特徴を知ることで適切な事業所運営や戦略を考えることができます。
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