「小規模多機能型居宅介護を使いながら、訪問看護も利用できるの?」——通い・泊まり・訪問を一つの事業所で柔軟に組み合わせられる小規模多機能ですが、訪問看護との関係になると途端にわかりにくくなります。ショートステイ中はどうなる?事業所連携って何?と、現場でも迷いがちなテーマです。

この記事では、小規模多機能型居宅介護と訪問看護の併用について、利用できる場合・できない場合を整理し、ショートステイ中の医療保険による訪問看護の条件や、看護小規模多機能という選択肢まで、わかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 小規模多機能と訪問看護が併用できる場合・できない場合
  • ショートステイ中に訪問看護(医療保険)が使える条件
  • 事業所間連携で看護職員が関わる方法
  • 看護小規模多機能型居宅介護という選択肢
  • 厚生労働省Q&Aによる併用の考え方

小規模多機能と訪問看護の併用|結論

まず全体像を押さえましょう。ポイントは次の4つです。

結論まとめ

① 小規模多機能のサービス(通い・泊まり・訪問介護)を利用していない在宅の時間帯は、訪問看護を利用できます。

② ショートステイ(泊まり)中は、条件を満たせば医療保険の訪問看護を利用できる場合があります。

③ 事業所間で連携契約をしていれば、訪問看護師が関わることが可能です。

④ 訪問看護の機能がついた看護小規模多機能型居宅介護もあります。

ちびウルフ
ちびウルフ

なるほど…でも「利用していない時間帯」って具体的にどういうこと?詳しく教えて!

リハウルフ
リハウルフ

OK。まずは併用できる場合とできない場合を分けて整理しよう。

小規模多機能と訪問看護の併用が可能な場合

小規模多機能を利用している方が訪問看護(介護保険)を使えるのは、自宅にいて、小規模多機能のサービスを受けていない時間帯です。

状況介護保険の訪問看護
自宅にいて何のサービスも受けていない時間利用できる
通い(デイサービス)を利用中利用できない
泊まり(ショートステイ)を利用中原則できない(一部例外あり)
訪問介護(ヘルパー)を利用中利用できない

なお、福祉用具・訪問リハビリテーション・住宅改修なども小規模多機能と併用できます。ただし小規模多機能は介護保険の支給限度額ギリギリになりやすいため、併用するときは限度額に注意が必要です。

ショートステイ中に訪問看護が利用できる場合

原則として小規模多機能のショートステイ(泊まり)中は介護保険の訪問看護を利用できませんが、例外的に医療保険の訪問看護が使えるケースがあります。算定は訪問看護基本療養費(Ⅰ)又は(Ⅱ)として、医療保険で行います。

利用できるのは、次の条件①と条件②の両方を満たす場合です。

  1. 条件① 状態に関する要件「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する、または急性増悪等で頻回な訪問看護が必要と主治医が認め、特別訪問看護指示書が交付された場合。
  2. 条件② 直近の訪問実績の要件サービス利用開始前30日以内に利用者宅を訪問し、訪問看護基本療養費を算定した訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を実施した場合。(末期の悪性腫瘍以外の利用者では、利用開始後30日までの間で算定可能)
算定の注意

条件や算定方法は細かく定められています。該当するかどうかは主治医・自治体・保険者に確認のうえ、最新の通知に基づいて算定してください。

ちびウルフ
ちびウルフ

泊まり中でも、状態が悪くなったときには看護で診てもらえる道があるんだね。少し安心したよ。

リハウルフ
リハウルフ

そうなんだ。あくまで例外的な扱いだけど、医療的に必要な人を支える仕組みとして用意されているんだよ。判断に迷ったら一人で抱えず、主治医や保険者に確認するのが安全だね。

小規模多機能と訪問看護ステーションの連携方法

介護保険の訪問看護は、小規模多機能のサービス利用中は使えません。しかし、小規模多機能事業所と訪問看護ステーションが事業所間で契約(連携)していれば、訪問看護ステーションの看護職員等が利用者に関わることができます。

これにより、医療的なケアや状態観察を継続でき、利用者さんの安心につながります。連携の有無は事業所により異なるため、ケアマネジャー(小規模多機能の場合は計画作成担当者)に確認しましょう。

特に、服薬管理や褥瘡(じょくそう)の処置、医療機器の管理など、継続的な看護が欠かせない方では、連携体制があるかどうかが事業所選びの大きな判断材料になります。契約前に「訪問看護ステーションとの連携実績があるか」「緊急時にどう対応するか」を具体的に確認しておくと、入居後のミスマッチを防げます。

看護小規模多機能型居宅介護という選択肢

「小規模多機能型居宅介護」に「訪問看護」の機能を加えたサービスが看護小規模多機能型居宅介護(看多機)です。一つの事業所で訪問看護まで一体的に受けられます。

サービス小規模多機能看護小規模多機能
訪問介護(ヘルパー)ありあり
通い(デイサービス)ありあり
泊まり(ショートステイ)ありあり
訪問看護なしあり

医療ニーズが高い方や、退院直後で看護とのこまやかな連携が必要な方には、看多機が有力な選択肢になります。一つの事業所が通い・泊まり・訪問・看護をまとめて担うため、サービスごとに事業所が分かれず、情報共有がスムーズになりやすい点も大きな利点です。容体が変わりやすい方ほど、この一体性が安心材料になります。

一方で、看多機は1か月の利用料が月額包括報酬(定額)である点に注意が必要です。利用が少ない月でも料金は変わらないため、どれくらいの頻度で通い・泊まり・看護を使う見込みかを、ケアマネジャーや事業所とよく相談したうえで選びましょう。地域によっては事業所数が限られることもあります。

厚生労働省のQ&Aにみる併用の考え方

厚生労働省のQ&Aでは、通いや泊まりを利用している利用者が小規模多機能事業所において訪問看護を利用できるかという問いに対し、訪問看護は利用者の居宅において提供されるものであり(介護保険法第8条第4項)、事業所に看護師が出向くような利用形態は認められない、という趣旨が示されています。あくまで「居宅で受けるサービス」である点が前提となります。

よくある質問(FAQ)

小規模多機能を使っていても訪問リハビリは併用できますか?

訪問リハビリテーションは併用可能です。ただし支給限度額に注意が必要です。在宅の時間帯に計画へ位置づけて利用します。

通い・泊まりの最中に看護師に来てもらうことはできますか?

訪問看護は居宅で提供されるサービスのため、事業所に出向く形は原則認められません。事業所間連携や看護小規模多機能の利用を検討しましょう。

医療ニーズが高い場合はどのサービスが向いていますか?

訪問看護を一体的に受けられる看護小規模多機能型居宅介護が選択肢になります。状態に応じてケアマネジャーや主治医に相談してください。

まとめ|在宅の時間と連携・看多機を上手に使い分ける

小規模多機能と訪問看護の併用は、「いつ・どの保険で・どう関わるか」を整理すると理解しやすくなります。最後に要点をまとめます。

この記事のまとめ
  • 在宅でサービスを受けていない時間帯は介護保険の訪問看護を利用できる
  • ショートステイ中は条件①②を満たせば医療保険の訪問看護が可能
  • 事業所間連携で看護職員が関わることができる
  • 医療ニーズが高いなら看護小規模多機能型居宅介護も選択肢
  • 支給限度額のオーバーに注意する

制度を正しく理解することが、利用者さんのためになり、適切な事業所運営にもつながります。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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