夜間対応型の介護職員等処遇改善加算とは?

夜間対応型訪問介護の介護職員等処遇改善加算は、職員の賃金改善に取り組む事業所を評価する加算です。(Ⅰ)から(Ⅳ)の4区分があり、所定単位数に区分ごとの割合を掛けて計算します。要件は厚生労働大臣が定める基準に定められており、夜間対応型訪問介護については訪問介護などと同じ考え方が準用されています。
この記事では、この加算を、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)の原文を確認して整理しました。
- 加算が(Ⅰ)〜(Ⅳ)の4区分であること
- 所定単位数に率を掛けて計算すること
- 他の加算をすべて足した後に計算すること
- (Ⅰ)にはサービス提供体制強化加算の届出が必要なこと
- キャリアパス要件と職場環境等要件の中身
- 月額賃金改善に関する要件
- 計画書と実績報告書の提出が必要なこと
- 区分を上げるときにつまずきやすい点
夜間対応型訪問介護の介護職員等処遇改善加算とは?
介護職員等処遇改善加算は、介護職員の賃金改善のために使うことを条件に、事業所の収入を増やす仕組みです。令和6年度の介護報酬改定で、それまでの処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算の3つが1本に統合されました。
夜間対応型訪問介護は、夜間帯に働く職員を確保する必要があるサービスです。人材の確保が難しいサービスのひとつで、この加算は事業所の運営に直結します。加算として受け取った額は、全額を職員の賃金改善に充てることが条件です。
介護職員等処遇改善加算の単位数
この加算は定額ではなく、所定単位数に区分ごとの割合を掛けて計算します。区分は(Ⅰ)から(Ⅳ)の4つで、(Ⅰ)が最も高くなります。
1. 基本報酬(イまたはロ)
2. 24時間通報対応加算、認知症専門ケア加算、サービス提供体制強化加算などを加える
3. 同一建物減算、地域加算、虐待防止・BCP減算を反映する
4. その合計に処遇改善加算の率を掛ける
順番を間違えると請求額がずれます。請求ソフトの設定を確認してください。
加算率はサービスごとに定められており、告示および関係通知で示されています。夜間対応型訪問介護の率については、最新の告示と保険者の案内でご確認ください(本記事では率の数値は断定していません)。
介護職員等処遇改善加算の算定要件
4区分の考え方
| 区分 | 位置づけ |
|---|---|
| (Ⅰ) | 最も要件が多く、率も最も高い |
| (Ⅱ) | (Ⅰ)から一部の要件が外れる |
| (Ⅲ) | キャリアパス要件の一部が不要になる |
| (Ⅳ) | 最も要件が少ない |
キャリアパス要件
- 要件Ⅰ 職位・職責・職務内容に応じた任用等の要件を定め、それに応じた賃金体系を整備し、就業規則等で明確にして周知していること
- 要件Ⅱ 資質向上の目標と、研修の機会の提供または資格取得の支援等について計画を策定し、実施していること
- 要件Ⅲ 経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準にもとづき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること
- 要件Ⅳ 介護福祉士等の配置に関する要件
- 要件Ⅴ 介護職員等の年額賃金の改善に関する要件
職場環境等要件
入職促進、資質の向上、両立支援・働きやすい環境整備、腰痛を含む心身の健康管理、生産性向上のための業務改善、やりがい・働きがいの醸成といった区分ごとに、取り組みを実施し、その内容をホームページへの掲載等により公表することが求められます。
月額賃金改善に関する要件
加算額の一定割合以上を、月額賃金の改善に充てることが求められます。一時金だけで配分すると要件を満たしません。
つまり、処遇改善加算(Ⅰ)を取るには、先にサービス提供体制強化加算の体制を整える必要があります。
夜間対応型訪問介護のサービス提供体制強化加算は、イとロで単位数が大きく異なります。まずそちらの届出状況を確認してください。
介護職員等処遇改善加算の注意点
- 処遇改善計画書を作成し、全職員に周知したうえで、年度ごとに届け出ること
- 年度終了後に実績報告書を提出すること
- 加算額は全額を賃金改善に充てること。事業所の運転資金に回せません
- 賃金改善の実施期間と加算の算定期間を対応させること
- 区分を変更する場合は、変更の届出が必要です
- 実績報告で賃金改善が不足していた場合、返還を求められることがあります
- 職場環境等要件の公表は「実施した」だけでは足りず、公表の事実が必要です
ちびウルフとりあえず(Ⅳ)を取っておけばいいのかな?
リハウルフまず(Ⅳ)から入るのは現実的です。ただ、区分ごとの率の差は小さくありません。夜間対応型は人が集まりにくいサービスなので、上位区分を取れるかどうかが採用力に直結します。
実務で一番つまずくのは職場環境等要件の「公表」です。取り組みはしているのにホームページに載せていないだけで要件を満たさない、という事業所を何度も見てきました。
介護職員等処遇改善加算のQ&A
介護職員等処遇改善加算のQ&A
区分はいくつありますか?
(Ⅰ)から(Ⅳ)の4区分です。(Ⅰ)が最も要件が多く、率も高くなります。
単位数はどう計算しますか?
他の加算・減算をすべて反映した後の所定単位数に、区分ごとの割合を掛けます。
加算率はいくつですか?
サービスごとに定められています。夜間対応型訪問介護の率は、最新の告示と保険者の案内でご確認ください。
(Ⅰ)を取るのに他の加算が必要ですか?
サービス提供体制強化加算の届出を行っていることが要件のひとつとされています。
加算額は何に使えますか?
全額を職員の賃金改善に充てる必要があります。事業所の運営費には使えません。
一時金でまとめて配ってもよいですか?
加算額の一定割合以上を月額賃金の改善に充てる要件があるため、一時金だけでは要件を満たしません。
届出は毎年必要ですか?
処遇改善計画書を年度ごとに届け出て、年度終了後に実績報告書を提出します。
職場環境等要件の公表とは何ですか?
取り組みの内容をホームページへの掲載等により公表することです。実施しただけでは足りません。
途中で区分を上げられますか?
変更の届出を行うことで可能です。提出期限は保険者にご確認ください。
賃金改善が不足したらどうなりますか?
実績報告で不足が判明した場合、返還を求められることがあります。
- 介護職員等処遇改善加算は、職員の賃金改善に取り組む事業所を評価する加算
- 令和6年度改定で3つの加算が1本に統合された
- 区分は(Ⅰ)から(Ⅳ)の4つ
- 所定単位数に区分ごとの割合を掛けて計算する
- 他の加算・減算をすべて反映した後に計算する
- 計算の順番を間違えると請求額がずれる
- (Ⅰ)にはサービス提供体制強化加算の届出が必要
- キャリアパス要件は要件Ⅰ〜Ⅴまである
- 職場環境等要件は取り組みの実施と公表が必要
- 加算額の一定割合以上を月額賃金の改善に充てる
- 一時金だけの配分では要件を満たさない
- 処遇改善計画書を年度ごとに届け出る
- 年度終了後に実績報告書を提出する
- 賃金改善が不足すると返還を求められることがある
- 夜間対応型は人材確保が課題のため、上位区分の取得が採用力に直結する
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)
- 令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省)
※本記事の算定要件は、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)にもとづいて整理したものです。夜間対応型訪問介護の加算率、月額賃金改善に充てる割合の具体的な数値、キャリアパス要件の各区分に対応する加算区分の組み合わせについては、本記事では断定していません。最新の告示、関係通知および保険者の案内でご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、届出の様式や期限が市町村によって異なります。2026年9月時点の内容として整理しています。





