夜間対応型の認知症専門ケア加算とは?

夜間対応型訪問介護の認知症専門ケア加算は、認知症の利用者に対して専門的な研修を修了した職員がケアを行う体制を評価する加算です。イとロでは、算定の単位も算定の頻度も違います。イは1日につき、ロは1月につきで計算します。
この記事では、この加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準と、厚生労働大臣が定める基準の原文を確認して整理しました。
- 認知症専門ケア加算(Ⅰ)と(Ⅱ)の単位数
- イは1日につき、ロは1月につきで計算すること
- 定期巡回・随時対応型と単位数の考え方が違うこと
- 対象となる利用者の範囲
- (Ⅰ)と(Ⅱ)で必要な研修が違うこと
- 認知症介護実践リーダー研修と認知症介護指導者養成研修の位置づけ
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できないこと
- 届出と体制維持の注意点
夜間対応型訪問介護の認知症専門ケア加算とは?
認知症専門ケア加算は、認知症の利用者に対して、専門的な研修を修了した職員を配置し、チームとしてケアにあたる体制を評価する加算です。夜間対応型訪問介護は、夜間帯に少人数で訪問や通報対応を行うサービスです。夜間は認知症の行動・心理症状が出やすい時間帯で、その場の判断が現場の職員にゆだねられます。
そのため、認知症ケアの知識をもった職員がいること、そしてその知識が事業所全体に共有されていることが重要になります。この加算は、その体制を評価するものです。多くのサービスに共通して設けられている加算ですが、単位数と算定頻度はサービスごとに異なります。
認知症専門ケア加算の単位数
| 類型 | 区分 | 単位数 | 頻度 |
|---|---|---|---|
| イ(Ⅰ) | 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 3単位 | 1日につき |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 4単位 | 1日につき | |
| ロ(Ⅱ) | 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | 90単位 | 1月につき |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | 120単位 | 1月につき |
ロは1月につきの定額なので、(Ⅰ)が90単位、(Ⅱ)が120単位で固定です。
結果として近い数字になりますが、イは提供日数によって変動する点が違います。請求前に日数を確認してください。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは単位の対応が入れ替わっています。両方のサービスを運営している事業所は、取り違えに注意してください。
認知症専門ケア加算の算定要件
対象となる利用者
厚生労働大臣が定める基準では、日常生活に支障を来すおそれのある症状または行動が認められることから介護を必要とする認知症の者が、利用者の総数のうち一定の割合以上であることが求められます。具体的には認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準にもとづいて判断します。
(Ⅰ)の要件
- 対象となる認知症の利用者が、利用者の総数のうち一定割合以上であること
- 認知症介護に係る専門的な研修を修了している者を、対象者の数に応じて配置し、専門的な認知症ケアを実施していること
- 従業者に対する認知症ケアに関する留意事項の伝達または技術的指導に係る会議を定期的に開催していること
(Ⅱ)の要件
- (Ⅰ)の要件を満たしていること
- 認知症介護の指導に係る専門的な研修を修了している者を1名以上配置し、事業所全体の認知症ケアの指導等を実施していること
- 介護職員、看護職員ごとの研修計画を作成し、研修を実施または実施を予定していること
| 区分 | 該当する研修 |
|---|---|
| 認知症介護に係る専門的な研修 | 認知症介護実践リーダー研修など |
| 認知症介護の指導に係る専門的な研修 | 認知症介護指導者養成研修など |
研修の具体的な名称と範囲は留意事項通知で示されています。どの研修が該当するかは保険者に確認してください。
認知症専門ケア加算の注意点
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できません。いずれか一方です
- 研修修了者が退職すると、その時点で要件を満たさなくなります
- 会議は「定期的に開催」が要件です。開催記録を残してください
- 対象者の割合は月ごとに変動します。算定できない月が出ることがあります
- イは1日につきのため、サービス提供日数の確認が必要です
- 届出が必要です。体制を整えただけでは算定できません
・複数名に研修を受けてもらう
・研修の受講計画を年間で立てておく
・修了証の写しを事業所で保管する
夜間対応型は職員数が限られるため、1人依存になりやすい加算です。
ちびウルフ1日3単位って、少なすぎない?取る意味あるの?
リハウルフ金額だけで見ると小さいですが、この加算を取れる体制そのものに価値があります。夜間の通報で「いつもと違う」と気づけるかどうかは、認知症ケアの知識があるかで変わります。
それに、研修修了者がいる事業所はケアマネからの信頼も違います。加算は結果で、目的は夜間に適切に判断できる職員を育てることです。
認知症専門ケア加算のQ&A
認知症専門ケア加算のQ&A
単位数はいくらですか?
イは(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位で1日につき、ロは(Ⅰ)90単位・(Ⅱ)120単位で1月につきです。
(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できますか?
できません。いずれか一方の算定になります。
定期巡回と単位数が違うのはなぜですか?
サービスごとに単位数が定められているためです。定期巡回とは単位の対応が入れ替わっているため、両方を運営している場合は取り違えに注意してください。
対象になる利用者はどう判断しますか?
認知症高齢者の日常生活自立度の判定基準にもとづき、日常生活に支障を来すおそれのある症状または行動が認められる方が対象です。割合の要件があります。
どの研修を受ければよいですか?
(Ⅰ)は認知症介護実践リーダー研修など、(Ⅱ)は認知症介護指導者養成研修などが該当します。具体的な範囲は留意事項通知と保険者にご確認ください。
研修修了者が退職したらどうなりますか?
要件を満たさなくなるため算定できなくなります。複数名の受講を計画しておくことをおすすめします。
会議はどのくらいの頻度で開けばよいですか?
「定期的に開催」が要件です。頻度の考え方は留意事項通知および保険者の解釈をご確認ください。開催記録は必須です。
対象者の割合を下回った月はどうなりますか?
その月は算定できません。毎月確認が必要です。
届出は必要ですか?
必要です。体制を整えただけでは算定できません。
(Ⅱ)の研修計画は誰の分が必要ですか?
介護職員、看護職員ごとに作成し、研修を実施または実施を予定していることが求められます。
- 認知症専門ケア加算は、専門研修修了者を配置した体制を評価する加算
- イは(Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位で1日につき
- ロは(Ⅰ)90単位・(Ⅱ)120単位で1月につき
- イは提供日数で変動し、ロは定額
- 定期巡回・随時対応型とは単位の対応が入れ替わっている
- 対象は日常生活に支障を来すおそれのある症状・行動が認められる認知症の方
- 対象者が利用者総数の一定割合以上であることが必要
- (Ⅰ)は認知症介護実践リーダー研修などの修了者を配置
- (Ⅱ)は加えて認知症介護指導者養成研修などの修了者を1名以上配置
- (Ⅱ)は職種ごとの研修計画の作成も必要
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は同時に算定できない
- 会議を定期的に開催し、記録を残す
- 研修修了者の退職で算定できなくなるため複数名の受講が望ましい
- 対象者の割合は月ごとに確認が必要
- 算定には届出が必要
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(夜間対応型訪問介護費)
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)
※本記事の単位数および算定要件は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準および厚生労働大臣が定める基準にもとづいて整理したものです。対象となる利用者の割合の具体的な数値、該当する研修の範囲、会議の開催頻度の考え方については、留意事項通知および保険者の解釈をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。実際の算定にあたっては、必ず原文および保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





