夜間対応型のサービス提供体制強化加算とは?

夜間対応型訪問介護のサービス提供体制強化加算は、イとロで単位数が7倍違います。イ(回数で積み上がる類型)は22・18・6単位、ロ(月額包括)は154・126・42単位です。要件は同じでも、算定している基本報酬の類型で金額がまったく変わります。
この記事では、この加算の単位数と算定要件を、厚生労働大臣が定める基準の原文を確認して整理しました。
- イとロで単位数が大きく違うこと
- (Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の3区分
- すべての区分に共通する3つの基礎要件
- 区分を分ける介護福祉士等の割合
- (Ⅲ)は勤続年数でも満たせること
- 研修計画は職員ごとに作る必要があること
- 割合の算出で注意すべき点
- 体制が崩れたときの対応
夜間対応型訪問介護のサービス提供体制強化加算とは?
職員の研修体制、会議の開催、健康診断の実施といった基礎的な体制に加えて、介護福祉士の割合や勤続年数を評価する加算です。人材の定着と質の確保を報酬で評価する仕組みで、多くのサービスに同名の加算があります。
サービス提供体制強化加算の単位数
| 区分 | イを算定している場合 | ロを算定している場合 |
|---|---|---|
| サービス提供体制強化加算(Ⅰ) | 22単位 | 154単位 |
| サービス提供体制強化加算(Ⅱ) | 18単位 | 126単位 |
| サービス提供体制強化加算(Ⅲ) | 6単位 | 42単位 |
自事業所がどちらの類型で請求しているかを確認してから算定してください。定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは記号の対応が逆なので、両方を運営している法人はとくに注意が必要です。
サービス提供体制強化加算の算定要件
すべての区分に共通する3つの基礎要件
- (1) 指定夜間対応型訪問介護事業所の全ての訪問介護員等に対し、訪問介護員等ごとに研修計画を作成し、当該計画に従い、研修(外部における研修を含む。)を実施又は実施を予定していること。
- (2) 利用者に関する情報若しくはサービス提供に当たっての留意事項の伝達又は当該指定夜間対応型訪問介護事業所における訪問介護員等の技術指導を目的とした会議を定期的に開催すること。
- (3) 当該指定夜間対応型訪問介護事業所の全ての訪問介護員等に対し、健康診断等を定期的に実施すること。
(Ⅱ)(Ⅲ)もこの3つが必要です。区分が下がっても基礎要件は変わりません。割合の要件を満たしていても、ここが欠けていれば算定できません。
区分を分ける要件
| 区分 | 追加で必要な要件(いずれかに適合) |
|---|---|
| (Ⅰ) | ・訪問介護員等の総数のうち介護福祉士が60%以上 ・または勤続10年以上の介護福祉士が25%以上 |
| (Ⅱ) | ・介護福祉士が40%以上 ・または介護福祉士、実務者研修修了者および介護職員基礎研修課程修了者が60%以上 |
| (Ⅲ) | ・介護福祉士が30%以上、または介護福祉士等が50%以上 ・または勤続7年以上の者が30%以上 |
(Ⅲ)は資格の割合を満たせなくても、勤続7年以上の職員が30%以上いれば算定できます。長く働いている職員が多い事業所は、計算してみる価値があります。
夜間対応型の(Ⅲ)には、この常勤割合の選択肢がありません。資格の割合か、勤続7年以上の割合か、の2択です。他サービスの要件をそのまま当てはめないでください。
研修計画は「訪問介護員等ごと」に作る
条文は「訪問介護員等ごとに研修計画を作成し」と定めています。事業所全体の年間研修計画だけでは要件を満たしません。
- 職員一人ひとりの研修計画があるか
- 計画に従って実施した記録があるか(または実施予定が明確か)
- 外部研修も含めて記録されているか
- 新規採用者についても計画が作られているか
ちびウルフ職員ごとの研修計画って、そこまで細かく作らないといけないの?
リハウルフ条文が「ごとに」と書いている以上、必要です。とはいえ、凝った様式は要りません。職員名、今年度に受ける研修、時期、実施の有無が一覧になっていれば足ります。
一枚の表にまとめている事業所が多いです。運営指導では「全体の年間計画しかない」という指摘が実際に出ますので、様式を一度見直しておいてください。
サービス提供体制強化加算の注意点
- 届出が必要:市町村長への届出を行ったうえで算定します
- 区分は併算定できない:(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれか一つです
- 類型で単位数が変わる:イとロで7倍の差があります
- 基礎要件の記録を残す:研修計画、会議の議事録、健康診断の記録の3点です
- 割合の算出方法を確認する:常勤換算の考え方や判定の対象期間は通知で定められています
- 体制が崩れたら速やかに届け出る:職員の退職で割合を下回った時点から算定できません
サービス提供体制強化加算のQ&A
よくある質問
単位数が2種類あるのはなぜですか?
基本報酬の類型によって分かれているためです。イを算定している場合は22・18・6単位、ロを算定している場合は154・126・42単位です。
(Ⅱ)や(Ⅲ)でも研修や会議は必要ですか?
必要です。研修計画の作成と実施、会議の定期開催、健康診断の定期実施は、すべての区分に共通する要件です。
研修計画は全体の年間計画でよいですか?
いけません。条文は「訪問介護員等ごとに研修計画を作成し」と定めています。職員一人ひとりの計画が必要です。
介護福祉士が少なくても算定できますか?
(Ⅲ)であれば、勤続7年以上の者が30%以上でも満たせます。
常勤職員の割合でも満たせますか?
夜間対応型の(Ⅲ)には常勤割合の選択肢はありません。定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは要件が異なります。
区分は複数算定できますか?
できません。(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれか一つです。
会議はどのくらいの頻度で開きますか?
条文は「定期的に開催」と定めています。開催記録(日時・出席者・内容)を残してください。
割合はどの時点で判定しますか?
算出方法と対象期間は留意事項通知で定められています。保険者にも確認してください。
職員が退職して割合を下回ったら?
要件を満たさなくなった時点で算定できません。速やかに市町村長へ届け出てください。
- イを算定している場合は(Ⅰ)22単位、(Ⅱ)18単位、(Ⅲ)6単位
- ロを算定している場合は(Ⅰ)154単位、(Ⅱ)126単位、(Ⅲ)42単位
- 同じ区分でも類型によって7倍の差がある
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは記号の対応が逆
- すべての区分に共通する基礎要件が3つある
- 研修計画は「訪問介護員等ごとに」作成する必要がある
- 事業所全体の年間計画だけでは要件を満たさない
- 情報伝達または技術指導を目的とした会議を定期的に開催する
- 全訪問介護員等に健康診断等を定期的に実施する
- (Ⅰ)は介護福祉士60%以上、または勤続10年以上の介護福祉士25%以上
- (Ⅱ)は介護福祉士40%以上、または介護福祉士等60%以上
- (Ⅲ)は介護福祉士30%以上または介護福祉士等50%以上、または勤続7年以上30%以上
- 夜間対応型の(Ⅲ)には常勤割合の選択肢がない
- 区分は併算定できず、いずれか一つ
- 要件を満たさなくなった時点で算定できず、届出が必要
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)(第50号)
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)e-Gov法令検索
※本記事の単位数および算定要件に関する記述は、厚生労働大臣が定める基準および指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。単位数は令和6年度介護報酬改定時点のもので、地域区分による1単位あたりの単価は含みません。介護福祉士等の割合の算出方法、判定の対象期間、常勤換算の考え方は留意事項通知で定められています。届出の様式や手続きは保険者である市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





