夜間対応型訪問介護の基本報酬とは?IとIIの違い

夜間対応型訪問介護の基本報酬は、オペレーションセンターを設置するかどうかで、報酬の構造そのものが変わります。設置する類型(イ)は基本部分と訪問回数の組み合わせ、設置しない類型(ロ)は1月2,702単位の包括報酬です。算定できる加算も、この類型によって変わります。
この記事では、夜間対応型訪問介護の基本報酬について、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- イとロという2つの類型の違い
- ロは1月2,702単位の包括報酬であること
- イの単位数は別の告示に定められていること
- 算定には届出が必要であること
- 同一建物に住む利用者への減算
- 類型によって算定できる加算が変わること
- 要支援者は対象外であること
- あわせて確認したい加算・減算
夜間対応型訪問介護の基本報酬とは?
夜間対応型訪問介護は、夜間の時間帯に、定期的な巡回訪問と、通報を受けての随時訪問を行うサービスです。夜間に一人で過ごすことへの不安を支えることを目的としており、オペレーションセンターで通報を受ける仕組みが中心にあります。
報酬は、そのオペレーションセンターを設置するかどうかで2つに分かれます。
| 類型 | 性格 | 報酬の構造 |
|---|---|---|
| イ 夜間対応型訪問介護費(Ⅰ) | オペレーションセンターを設置する | 基本部分+訪問の回数で積み上がる |
| ロ 夜間対応型訪問介護費(Ⅱ) | オペレーションセンターを設置しない | 1月につきの包括報酬 |
夜間対応型訪問介護費の単位数
| 区分 | 単位数 |
|---|---|
| イ 夜間対応型訪問介護費(Ⅰ) | 別に厚生労働大臣が定める単位数 |
| ロ 夜間対応型訪問介護費(Ⅱ) | 1月につき2,702単位 |
イは基本部分(1月につき)、定期巡回サービス費(1回につき)、随時訪問サービス費(1回につき)といった区分に分かれる構造です。算定にあたっては、施設基準を定める告示の原文で単位数をご確認ください。本記事では推測での記載を避けています。
基本報酬の算定要件
- 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして、電子情報処理組織を使用する方法により、市町村長に対し、老健局長が定める様式による届出を行った指定夜間対応型訪問介護事業所の夜間対応型訪問介護従業者が、指定夜間対応型訪問介護を行った場合に、当該施設基準に掲げる区分に従い、それぞれ所定単位数を算定する。
- 施設基準に適合していること
- 市町村長への届出を行っていること
- 地域密着型サービスのため、原則として事業所のある市町村の被保険者が対象
- 要介護1以上であること(要支援者は対象外)
- 夜間対応型訪問介護計画が作成されていること
- オペレーションセンターの設置の有無に応じた人員・設備の基準を満たしていること
同一建物に住む利用者への減算
注5は、事業所と同じ建物やその敷地内に住む利用者について、単位数を減らすことを定めています。
| 状況 | イの場合 | ロの場合 |
|---|---|---|
| 同一敷地内建物等に居住(50人以上の建物を除く) または同一の建物に20人以上居住(同一敷地内建物等を除く) | 定期巡回サービスまたは随時訪問サービスを行った際の所定単位数の100分の90 | 所定単位数の100分の90 |
| 同一敷地内建物等に50人以上居住 | 同じく100分の85 | 所定単位数の100分の85 |
移動の負担が小さいことを反映した仕組みです。サービス付き高齢者向け住宅などに併設している事業所は、必ず該当を確認してください。人数の数え方は「1月当たりの利用者」が基準になります。
ちびウルフイとロ、どっちを選ぶかで何が変わるの?
リハウルフ報酬の構造だけでなく、算定できる加算が変わります。とくに24時間通報対応加算は「イについて」と限定されていて、ロでは算定できません。
逆にロは包括報酬なので、訪問回数が多い利用者ほど事業所の負担が大きくなります。どんな利用者を、どのくらいの頻度で支えるのかを想定してから類型を決めてください。後から変えるのは簡単ではありません。
類型によって変わる加算
| 加算・減算 | イ(Ⅰ) | ロ(Ⅱ) |
|---|---|---|
| 24時間通報対応加算 610単位 | ○ | × |
| 認知症専門ケア加算 | (Ⅰ)3単位・(Ⅱ)4単位 (1日につき) | (Ⅰ)90単位・(Ⅱ)120単位 (1月につき) |
| サービス提供体制強化加算 | (Ⅰ)22・(Ⅱ)18・(Ⅲ)6単位 | (Ⅰ)154・(Ⅱ)126・(Ⅲ)42単位 |
| 特別地域加算・中山間地域等の加算 | 1回につき | 1月につき |
| 虐待防止・業務継続計画の減算 | 各1% | 各1% |
夜間対応型はこれと対応が逆で、回数で積み上がるイが3/4単位、月額包括のロが90/120単位です。
2つのサービスを併設している法人では、取り違えが起きやすい部分です。請求前に必ず確認してください。
夜間対応型訪問介護費のQ&A
よくある質問
イとロの違いは何ですか?
オペレーションセンターを設置するかどうかです。イは設置する類型で基本部分と訪問回数の組み合わせ、ロは設置しない類型で1月2,702単位の包括報酬です。
イの単位数はいくらですか?
報酬告示には「別に厚生労働大臣が定める単位数」と記載されており、具体的な単位数は施設基準を定める告示に定められています。原文でご確認ください。
ロは訪問回数によって変わりますか?
変わりません。1月につき2,702単位の包括報酬です。
要支援でも使えますか?
使えません。要介護1以上が対象です。
他の市町村の住民も利用できますか?
地域密着型サービスのため、原則として事業所のある市町村の被保険者が対象です。
同じ建物に住んでいる場合は?
注5により、所定単位数の100分の90または100分の85を算定します。同一敷地内建物等に50人以上居住する場合は85%です。
24時間通報対応加算はどちらでも算定できますか?
できません。注4は「イについて」と限定しています。ロでは算定できません。
認知症専門ケア加算の単位数が2種類あるのはなぜですか?
類型によって算定単位が異なるためです。イは1日につき3・4単位、ロは1月につき90・120単位です。
届出は必要ですか?
必要です。施設基準に適合するものとして、市町村長への届出を行ったうえで算定します。
- 夜間対応型訪問介護の基本報酬は、イとロの2類型に分かれる
- イはオペレーションセンターを設置する類型
- ロはオペレーションセンターを設置しない類型で、1月2,702単位の包括報酬
- イの単位数は報酬告示本文になく、施設基準を定める告示に定められている
- 算定には、施設基準への適合と市町村長への届出が必要
- 要介護1以上が対象で、要支援者は利用できない
- 地域密着型サービスのため、原則として事業所のある市町村の被保険者が対象
- 同一敷地内建物等に居住する利用者等は100分の90
- 同一敷地内建物等に50人以上居住する場合は100分の85
- 24時間通報対応加算は「イについて」限定で、ロでは算定できない
- 認知症専門ケア加算は、イが1日につき3・4単位、ロが1月につき90・120単位
- サービス提供体制強化加算も、イとロで単位数が大きく違う
- 地域加算は、イが1回につき、ロが1月につきの算定
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは、単位数の対応が逆になっている
- 2つのサービスを併設する法人では取り違えに注意する
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(夜間対応型訪問介護費 注1〜注8)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)e-Gov法令検索
- 介護保険法(平成9年法律第123号)e-Gov法令検索
※本記事の単位数および算定に関する記述は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。夜間対応型訪問介護費(Ⅰ)の具体的な単位数は、報酬告示本文に「別に厚生労働大臣が定める単位数」と記載されているため、本記事では記載していません。算定にあたっては、施設基準を定める告示の原文をご確認ください。単位数は令和6年度介護報酬改定時点のもので、地域区分による1単位あたりの単価は含みません。同一建物に居住する利用者の人数の数え方、日割り計算の方法については、留意事項通知および保険者の解釈をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





