通所リハビリの延長加算とは?

通所リハビリの延長加算は、8時間以上9時間未満で50単位、以降1時間ごとに50単位ずつ増えて13時間以上14時間未満で300単位です。ここで間違えやすいのが数え方で、延長した時間そのものではなく、「通算して8時間を超えた部分」で数えます。7時間のリハビリ+2時間の延長は、2時間分ではなく1時間分です。
この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)と老企第36号の原文を確認して、単位数・算定の前提・時間の数え方・体制の要件を整理しました。
この記事でわかること
- 通所リハビリの延長加算は50〜300単位という単位数
- 前提は「所要時間7時間以上8時間未満」のリハビリだということ
- 延長は6時間が限度だということ
- 「通算して8時間を超えた部分」で数えるという計算方法
- 前後に分けて延長した場合は合算できること
- 延長サービスは日常生活上の世話であること
- 実際に延長サービスを行った場合にのみ算定できること
- 適当数の従業者を置く必要があること
通所リハビリの延長加算とは?
延長加算は、通所リハビリの前後に続けて日常生活上の世話を行い、全体の時間が8時間以上になった場合に算定できる加算です。
家族が仕事から帰るまでの時間を埋める、という場面が典型です。リハビリそのものを長く行うための加算ではありません。告示は「日常生活上の世話を行った後に引き続き」または「指定通所リハビリテーションを行った後に引き続き日常生活上の世話を行った場合」としています。
ちびウルフ7時間のデイケアの後に2時間延長したら、2時間分の延長加算ですか。
リハウルフ1時間分です。通算して8時間を超えた部分だけが対象なので、7+2=9時間なら1時間分の50単位。ここは通知が例示までしてくれている部分です。
延長加算の単位数
告示第19号の通所リハビリテーション費の注6に定められています。
6 (中略)日常生活上の世話を行った後に引き続き、所要時間7時間以上8時間未満の指定通所リハビリテーションを行った場合又は所要時間7時間以上8時間未満の指定通所リハビリテーションを行った後に引き続き日常生活上の世話を行った場合であって、当該指定通所リハビリテーションの所要時間と当該指定通所リハビリテーションの前後に行った日常生活上の世話の所要時間を通算した時間が、8時間以上となった場合は、次に掲げる区分に応じ、次に掲げる単位数を所定単位数に加算する。
| 通算した時間 | 単位数 |
|---|---|
| 8時間以上9時間未満 | 50単位 |
| 9時間以上10時間未満 | 100単位 |
| 10時間以上11時間未満 | 150単位 |
| 11時間以上12時間未満 | 200単位 |
| 12時間以上13時間未満 | 250単位 |
| 13時間以上14時間未満 | 300単位 |
1時間ごとに50単位ずつ増えていく、分かりやすい階段になっています。
前提は「7時間以上8時間未満」のリハビリ
告示は延長加算の対象を所要時間7時間以上8時間未満の通所リハビリに限定しています。6時間のリハビリの後に3時間の世話をしても、この加算は算定できません。まず7時間以上8時間未満のサービスであることが入口です。
延長加算の時間の数え方
老企第36号 (7)は、例を挙げて説明しています。
限度は6時間
老企第36号 (7)①は「所要時間7時間以上8時間未満の指定通所リハビリテーションの前後に連続して指定通所リハビリテーションを行う場合について、6時間を限度として算定される」としています。表の上限が13時間以上14時間未満で止まっているのは、このためです。
前後に分けても合算できる
例えば、8時間の指定通所リハビリテーションの後に連続して2時間の延長サービスを行った場合や、8時間の指定通所リハビリテーションの前に連続して1時間、後に連続して1時間、合計2時間の延長サービスを行った場合には、2時間分の延長サービスとして100単位を算定する。
ちびウルフ前後に分けて延長した場合はどうなりますか。
リハウルフ合算します。前に1時間、後に1時間なら2時間分で100単位。前後どちらか一方でなければならない、という決まりはありません。
「8時間を超えた部分」で数える
ここが最も間違えやすい部分です。老企第36号 (7)②が明確に書いています。
当該加算は指定通所リハビリテーションと延長サービスを通算した時間が8時間以上の部分について算定されるものであるため、例えば、7時間の指定通所リハビリテーションの後に連続して2時間の延長サービスを行った場合には、指定通所リハビリテーションと延長サービスの通算時間は9時間であり、1時間分(時間=9時間−8時間)の延長サービスとして50単位を算定する。
| リハビリの時間 | 延長した時間 | 通算 | 算定できる延長 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|
| 7時間 | 2時間 | 9時間 | 1時間分 | 50単位 |
| 8時間 | 2時間 | 10時間 | 2時間分 | 100単位 |
| 7時間30分 | 3時間 | 10時間30分 | 2時間30分分 | 150単位 |
「何時間延長したか」ではなく「通算して何時間になったか」
延長サービスの実施時間をそのまま加算の時間として請求すると、過大請求になります。必ず通算時間から8時間を引いてください。7時間台のリハビリを提供している事業所ほど、このずれが出やすくなります。
延長加算の注意点
実際に延長サービスを行うことが必要
老企第36号 (7)③は「実際に利用者に対して延長サービスを行うことが可能な体制にあり、かつ、実際に延長サービスを行った場合に算定されるもの」としています。体制があるだけでは算定できません。
適当数の従業者を置く
同じく(7)③は「当該事業所の実情に応じて、適当数の従業者を置いていることが必要である」としています。具体的な人数は示されていませんが、延長時間帯を無人で回すことは想定されていません。
届出が必要
告示の注6は「届出を行った指定通所リハビリテーション事業所において」としています。実際に延長サービスを行う前に、届出を済ませておく必要があります。
中身は「日常生活上の世話」
延長時間に行うのはリハビリではなく日常生活上の世話です。この時間にリハビリを提供しなければならない、という要件ではありません。逆に言えば、リハビリ職が延長時間帯に張り付く必要もありません。
介護予防通所リハビリには延長加算がない
介護予防通所リハビリテーション費は月単位の包括報酬で、時間区分がありません。延長加算に相当する規定も置かれていません。
延長加算のQ&A
6時間のリハビリの後に延長できますか?
延長加算の対象になりません。前提は所要時間7時間以上8時間未満の通所リハビリです。
延長は何時間までできますか?
6時間が限度です。通算で14時間未満までが算定の範囲になります。
7時間のリハビリ+2時間の延長は何単位ですか?
50単位です。通算9時間から8時間を引いた1時間分として算定します。
前後に分けて延長してもよいですか?
できます。前後の時間を合算して算定します。
延長時間にリハビリを行う必要がありますか?
ありません。延長時間に行うのは日常生活上の世話です。
体制があれば算定できますか?
できません。実際に延長サービスを行った場合に算定されます。
延長時間帯に何人配置すればよいですか?
通知は「事業所の実情に応じて、適当数の従業者を置いていることが必要」とするのみで、人数を示していません。
届出は必要ですか?
必要です。告示の注6が届出を行った事業所を対象としています。
介護予防通所リハビリでも算定できますか?
できません。介護予防通所リハビリテーション費に延長加算の規定はありません。
まとめ
- 通所リハビリの延長加算は8時間以上9時間未満の50単位から、13時間以上14時間未満の300単位まで
- 1時間ごとに50単位ずつ増える
- 前提は所要時間7時間以上8時間未満の通所リハビリ
- 6時間以下のリハビリの後に世話を行っても対象にならない
- 延長は6時間が限度
- 算定は「通算して8時間を超えた部分」で数える
- 7時間のリハビリ+2時間の延長は、2時間分ではなく1時間分(50単位)
- 前後に分けて延長した場合は合算できる
- 延長時間に行うのは日常生活上の世話で、リハビリである必要はない
- 体制があるだけでは算定できず、実際に延長サービスを行うことが必要
- 事業所の実情に応じて適当数の従業者を置く
- 届出が必要
- 介護予防通所リハビリテーション費に延長加算はない
参考にした情報
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)通所リハビリテーション費 注6
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)等の制定に伴う実施上の留意事項について(老企第36号)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および保険者の解釈をご確認ください。取扱いは市町村(保険者)によって異なる場合があります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。運用に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。



