通所リハビリのリハビリテーション提供体制加算とは?

通所リハビリのリハビリテーション提供体制加算は、所要時間3時間以上4時間未満で12単位、以降1時間ごとに4単位ずつ増えて7時間以上で28単位です。令和6年度改定で新設されました。要件はシンプルで、利用者25人につきPT・OT・STを1人以上、常時配置していること。それだけです。
この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)、老企第36号の原文を確認して、単位数・配置の計算・利用者数の数え方を整理しました。
この記事でわかること
- リハビリテーション提供体制加算は12〜28単位という単位数
- 所要時間が長いほど単位数が上がること
- 要件は利用者25人につきリハ職1人以上という配置だけ
- 「常時」配置が求められること
- 人員基準を超える配置ではなく、比率で見ること
- 介護予防と一体的に運営している場合の利用者数の数え方
- 理学療法士等体制強化加算との違い
- 届出が必要なこと
通所リハビリのリハビリテーション提供体制加算とは?
リハビリテーション提供体制加算は、リハビリ専門職を手厚く配置している通所リハビリ事業所を評価する加算です。令和6年度改定で新設されました。
通所リハビリの人員基準では、PT・OT・STまたは経験のある看護師を、利用者100人につき1人以上配置することとされています。この加算は、それを4倍の密度にする配置を評価しています。
ちびウルフPTが2人いれば、それだけで算定できますか。
リハウルフ利用者25人までなら1人以上なので、25人以下の事業所ならPT1人でも要件は満たします。逆に50人規模なら2人、75人規模なら3人。人数ではなく「利用者数に対する比率」で決まります。
リハビリテーション提供体制加算の単位数
告示第19号の通所リハビリテーション費の注7に定められています。
| 所要時間 | 単位数 |
|---|---|
| 3時間以上4時間未満 | 12単位 |
| 4時間以上5時間未満 | 16単位 |
| 5時間以上6時間未満 | 20単位 |
| 6時間以上7時間未満 | 24単位 |
| 7時間以上 | 28単位 |
1時間ごとに4単位ずつ増える階段です。3時間未満の区分には設定がありません。1時間以上2時間未満、2時間以上3時間未満のサービスでは算定できない構造になっています。
7時間以上は一律28単位
表の最後は「7時間以上」で、上限の区切りがありません。7時間でも8時間でも28単位です。延長加算のように時間が延びるほど増える仕組みではありません。
リハビリテーション提供体制加算の算定要件
要件は告示第95号の第24号の4に、1文だけ定められています。
指定通所リハビリテーション事業所において、常時、当該事業所に配置されている理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の合計数が、当該事業所の利用者の数が二十五又はその端数を増すごとに一以上であること。
必要なリハ職の人数
| 利用者の数 | 必要なPT・OT・STの合計数 |
|---|---|
| 1〜25人 | 1人以上 |
| 26〜50人 | 2人以上 |
| 51〜75人 | 3人以上 |
| 76〜100人 | 4人以上 |
PT・OT・STの合計数で見ます。職種の内訳は問われません。
「常時」が要件
告示は「常時、当該事業所に配置されている」としています。月平均でも1日平均でもなく、常に満たしている必要があります。リハ職の休みが重なる日、退職から補充までの期間。こうした穴があると要件を割ります。
ちびウルフリハ職が休んだ日はどうなりますか。
リハウルフ「常時」配置されていることが要件です。1日でも欠ければその日は要件を満たしません。加算を取るなら、リハ職の休みが重ならないシフトを組む必要があります。
利用者数の数え方
老企第36号 (8)は、利用者数について次の取扱いを示しています。
「当該事業所の利用者の数」とは、指定通所リハビリテーション事業者と指定介護予防通所リハビリテーション事業者の指定を併せて受け、指定通所リハビリテーションの事業と指定介護予防通所リハビリテーションの事業とが同一の事業所において一体的に運営されている場合にあっては、指定通所リハビリテーションの利用者数と指定介護予防通所リハビリテーションの利用者数の合計をいう。
介護予防の利用者も分母に入ります。要介護の利用者だけで計算すると、必要人数を少なく見積もることになります。予防と一体的に運営している事業所は注意してください。
理学療法士等体制強化加算との違い
通所リハビリには、リハ職の配置を評価する加算がもう1つあります。理学療法士等体制強化加算です。
| 比較の観点 | リハビリテーション提供体制加算 | 理学療法士等体制強化加算 |
|---|---|---|
| 単位数 | 12〜28単位(時間区分による) | 1日30単位 |
| 対象の時間区分 | 3時間以上 | 1時間以上2時間未満 |
| 要件 | 利用者25人につきリハ職1人以上を常時配置 | 配置基準を超えてPT・OT・STを専従かつ常勤で2名以上配置 |
対象の時間区分が重ならない
理学療法士等体制強化加算は1時間以上2時間未満の短時間リハビリが対象、リハビリテーション提供体制加算は3時間以上が対象です。同じ利用者について両方を算定する場面は、通常は生じません。短時間デイケアをやっているか、通常のデイケアをやっているかで、狙う加算が変わります。
リハビリテーション提供体制加算の注意点
届出が必要
告示の注7は「届出を行った指定通所リハビリテーション事業所については」としています。要件を満たしていても、届出をしなければ算定できません。
「配置されている」の解釈
告示は「当該事業所に配置されている」としており、専従・常勤といった限定を付けていません。ただし「常時」という条件があるため、実態として勤務している人数で判断されることになります。非常勤を組み合わせて常時の配置を確保できるかは、指定権者に確認してください。
時間区分ごとに単位数が変わる
この加算は利用者ごとの所要時間で単位数が決まります。同じ事業所でも、3時間の利用者は12単位、7時間の利用者は28単位です。事業所単位で一律の額が付くわけではありません。
利用者数の変動を月次で確認する
25人・50人・75人という境界をまたぐと、必要なリハ職の人数が1人増えます。利用者が増えたのに配置が変わっていない、という状態が最も起きやすい落とし穴です。
リハビリテーション提供体制加算のQ&A
2時間のリハビリでも算定できますか?
できません。単位数の設定は3時間以上4時間未満からです。
8時間の利用でも28単位ですか?
そうです。最後の区分は「7時間以上」で、それ以上の区切りはありません。
PT・OT・STの内訳は問われますか?
問われません。3職種の合計数で判定します。
利用者50人ではリハ職は何人必要ですか?
2人以上です。25人またはその端数を増すごとに1人以上という計算になります。
介護予防の利用者も数に入れますか?
一体的に運営している場合は入れます。通所リハビリと介護予防通所リハビリの利用者数の合計で判定します。
リハ職が1日休んだ場合はどうなりますか?
「常時」配置されていることが要件です。取扱いは指定権者に確認してください。
非常勤でも数えられますか?
告示は専従・常勤の限定を付けていませんが、「常時」という条件があります。判断は指定権者に確認してください。
理学療法士等体制強化加算と両方算定できますか?
対象となる時間区分が異なります(1時間以上2時間未満と3時間以上)。同じ利用者について両方を算定する場面は通常生じません。
届出は必要ですか?
必要です。
まとめ
- 通所リハビリのリハビリテーション提供体制加算は12〜28単位
- 令和6年度改定で新設された
- 3時間以上4時間未満の12単位から、1時間ごとに4単位ずつ増える
- 最後の区分は「7時間以上」で28単位(それ以上の区切りはない)
- 3時間未満の時間区分には設定がない
- 要件は利用者25人またはその端数を増すごとにリハ職1人以上
- PT・OT・STの合計数で判定し、職種の内訳は問われない
- 「常時」配置されていることが求められる
- 介護予防と一体的に運営している場合は、両方の利用者数を合計する
- 要介護の利用者だけで計算すると必要人数を少なく見積もる
- 単位数は利用者ごとの所要時間で決まる
- 理学療法士等体制強化加算は1時間以上2時間未満が対象で、対象時間が重ならない
- 25人・50人・75人の境界をまたぐと必要人数が1人増える
- 届出が必要
参考にした情報
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)通所リハビリテーション費 注7
- 厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第24号の4
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)等の制定に伴う実施上の留意事項について(老企第36号)
※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および保険者の解釈をご確認ください。取扱いは市町村(保険者)によって異なる場合があります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。運用に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。



