通所介護の栄養改善加算は1回につき200単位、1月に2回を限度、3月以内。月最大400単位で、通所介護の栄養・口腔関連の加算のなかではもっとも単位が大きい部類です。

そして最大の誤解がここにあります。「3月以内」で自動的に終わる加算ではありません。告示のただし書きが、3月ごとの評価で改善していなければ引き続き算定できると明言しています。3か月で機械的に止めている事業所は、取れるはずの単位を捨てています。

もうひとつ、実務が軽くなる規定があります。栄養ケア計画に相当する内容を通所介護計画に書けば、栄養ケア計画の作成に代えられる——通知が明記しています。計画書を2本立てにする必要はありません。

この記事では、指定居宅サービス介護給付費単位数表(厚生省告示第19号)通所介護費 注18、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第19号、老企第36号を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 200単位/回・月2回・3月以内という算定の枠
  • 3月を超えても算定を継続できる条件
  • 対象者の5つの基準(BMI18.5未満、3%以上の体重減少など)
  • 数値に出ない対象者を拾うための7つの視点
  • 管理栄養士は外部連携での配置でよいこと
  • 栄養ケア計画を通所介護計画で代えられること
  • 居宅の食事状況を聞き取り、課題があれば訪問すること
  • LIFEへの提出は算定要件ではないこと
  • 栄養アセスメント加算・口腔栄養スクリーニング加算との関係
  • 通所リハビリの同名加算との違い

栄養改善加算とは?単位数は200単位

栄養改善加算とは、低栄養状態にある、またはそのおそれのある利用者に対して、個別的な栄養食事相談等の栄養管理を行った場合に算定できる加算です。低栄養を「見つける」栄養アセスメント加算に対して、こちらは「介入する」加算にあたります。

項目内容
単位数200単位
算定の単位1回につき
回数の上限1月に2回
期間3月以内(条件を満たせば継続可)
LIFE提出要件ではない
届出必要
LIFEなしで取れる、数少ない栄養系加算

通所介護の栄養・口腔関連の加算を並べると、この加算の位置づけがはっきりします。

  • 栄養アセスメント加算 50単位/月・LIFE必須
  • 口腔機能向上加算(Ⅱ) 160単位/回・LIFE必須
  • 栄養改善加算 200単位/回・LIFE不要

LIFE運用が整っていない事業所でも、管理栄養士との連携さえ確保できれば着手できます。月2回で400単位、3月で1,200単位。単価あたりの効率は高い加算です。

告示の原文で算定の枠を確認する

通所介護費 注18です。

次に掲げるいずれの基準にも適合しているものとして、(中略)届出を行い、かつ、低栄養状態にある利用者又はそのおそれのある利用者に対して、当該利用者の低栄養状態の改善等を目的として、個別的に実施される栄養食事相談等の栄養管理であって、利用者の心身の状態の維持又は向上に資すると認められるもの(栄養改善サービス)を行った場合は、栄養改善加算として、3月以内の期間に限り1月に2回を限度として1回につき200単位を所定単位数に加算する。ただし、栄養改善サービスの開始から3月ごとの利用者の栄養状態の評価の結果、低栄養状態が改善せず、栄養改善サービスを引き続き行うことが必要と認められる利用者については、引き続き算定することができる。

イ 当該事業所の従業者として又は外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。
ロ 利用者の栄養状態を利用開始時に把握し、管理栄養士等が共同して、利用者ごとの摂食・嚥下機能及び食形態にも配慮した栄養ケア計画を作成していること。
ハ 利用者ごとの栄養ケア計画に従い、必要に応じて当該利用者の居宅を訪問し、管理栄養士等が栄養改善サービスを行っているとともに、利用者の栄養状態を定期的に記録していること。
ニ 利用者ごとの栄養ケア計画の進捗状況を定期的に評価していること。
ホ 別に厚生労働大臣の定める基準に適合している指定通所介護事業所であること。

「3月以内」の後ろのただし書きが本体

本文だけ読めば3月で終わる加算に見えます。しかしただし書きが「改善しなければ引き続き算定できる」と明言しているのです。

継続の条件は2つ。①3月ごとに栄養状態の評価を行うこと ②その結果、低栄養状態が改善しておらず、引き続き栄養改善サービスが必要と認められること。

裏を返すと、評価の記録がなければ3月で止めるしかありません。継続できるかどうかは、評価を回しているかどうかで決まります。

対象者は5つの基準のいずれかに該当する者

老企第36号 通所介護費(18)③が、対象者を数値で示しています。

栄養改善加算を算定できる利用者は、次のイからホのいずれかに該当する者であって、栄養改善サービスの提供が必要と認められる者とすること。

イ BMIが18.5未満である者
ロ 1〜6月間で3%以上の体重の減少が認められる者又は基本チェックリストの№(11)の項目が「1」に該当する者
ハ 血清アルブミン値が3.5g/dl以下である者
ニ 食事摂取量が不良(75%以下)である者
ホ その他低栄養状態にある又はそのおそれがあると認められる者

  • イ〜ホのいずれかに該当すればよい
  • かつ「栄養改善サービスの提供が必要と認められる」ことが必要
  • ホが受け皿になっているため、数値に届かなくても該当しうる

数値に出ない人を拾うための7つの視点

通知は、イ〜ホに該当しないか確認すべき問題を列挙しています。

問題目安
口腔および摂食・嚥下機能の問題基本チェックリスト(13)(14)(15)のいずれかが「1」
生活機能の低下の問題
褥瘡に関する問題
食欲の低下の問題
閉じこもりの問題基本チェックリスト(16)(17)のいずれかが「1」
認知症の問題基本チェックリスト(18)(19)(20)のいずれかが「1」
うつの問題基本チェックリスト(21)〜(25)のうち2項目以上が「1」
ちびウルフちびウルフ

BMIも体重減少も基準に届かない人は対象外ですか?

リハウルフリハウルフ

そう決めつけないでほしい。ホに「その他低栄養状態にある又はそのおそれがあると認められる者」という受け皿があるからね。

通知がわざわざ7つの問題を挙げているのは、数値には出ていないが危ない人を拾えという意味だと読んでいる。とくにうつと閉じこもりは、体重に現れる前に食事量が落ちる。

デイサービスの強みは、週に何度も昼食の場面を見ていることだと思う。「最近半分残してる」という介護職員のひと言が起点になる。数字を待っていると遅い。

「管理栄養士等」の範囲——通所リハビリとは違う

基準ロの「管理栄養士等」は、注17(2)で定義された職種を指します。通所リハビリの同名加算と並べると違いがはっきりします。

サービス共同する職種
通所介護管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種
通所リハビリ医師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、介護職員その他の職種

通所介護では生活相談員が明記され、医師やリハ職は挙がっていません。「その他の職種」に含めることは可能なので、機能訓練指導員としてST等が在籍していれば、摂食・嚥下の視点で加わってもらう価値は高いはずです。

管理栄養士は「外部との連携」でよい

通知②が、連携先を列挙しています。

当該事業所の職員として、又は外部(他の介護事業所(栄養改善加算の対象事業所に限る。)、医療機関介護保険施設(栄養マネジメント強化加算の算定要件として規定する員数を超えて管理栄養士を置いているもの又は常勤の管理栄養士を1名以上配置しているものに限る。)又は公益社団法人日本栄養士会若しくは都道府県栄養士会が設置し、運営する「栄養ケア・ステーション」)との連携により、管理栄養士を1名以上配置して行うものであること。

単独型の通所介護でも、栄養ケア・ステーションという受け皿があります。都道府県栄養士会に問い合わせれば案内してもらえます。「管理栄養士がいないから無理」は、この加算を見送る理由になりません。

栄養ケア計画は通所介護計画で代えられる

実務でもっとも効くのが、通知④ロの後段です。

作成した栄養ケア計画については、栄養改善サービスの対象となる利用者又はその家族に説明し、その同意を得ること。なお、通所介護においては、栄養ケア計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合は、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができるものとすること。

計画書は1本でよい

別紙で栄養ケア計画を起こす必要はありません。通所介護計画のなかに、栄養食事相談に関する事項や取り組むべき事項を書き込めばよいということです。

同じ扱いは個別機能訓練計画(生活機能向上連携加算の通知)や口腔機能改善管理指導計画にもあります。通所介護計画に「機能訓練」「栄養」「口腔」の欄をまとめて設けておくのが実務的です。

ただし、本人または家族への説明と同意は別途必要です。計画に統合しても、この手続きは省けません。

栄養改善サービスの6つの手順

  • 利用者ごとの低栄養状態のリスクを、利用開始時に把握する
  • 管理栄養士が中心となって栄養アセスメントを行い、多職種共同で栄養ケア計画を作成し、本人・家族に説明して同意を得る
  • 栄養ケア計画に基づき管理栄養士等が栄養改善サービスを提供する(問題があれば直ちに計画を修正する)
  • 居宅の食事状況に課題があれば、同意を得たうえで居宅を訪問し、食事状況・食事環境の課題把握や、食事の準備をする者への栄養食事相談を行う
  • おおむね3月ごとに体重測定等により栄養状態の評価を行い、結果をケアマネや主治医へ情報提供する
  • サービス提供の記録に管理栄養士が栄養状態を定期的に記録している場合は、加算算定のための別記録は不要

居宅訪問は「聞き取った結果、課題がある場合」

栄養改善サービスの提供に当たり、居宅における食事の状況を聞き取った結果、課題がある場合は、当該課題を解決するため、利用者又はその家族の同意を得て、当該利用者の居宅を訪問し、居宅での食事状況・食事環境等の具体的な課題の把握や、主として食事の準備をする者に対する栄養食事相談等の栄養改善サービスを提供すること。

聞き取りは必ず行う

訪問の要否は「居宅における食事の状況を聞き取った結果」で判断します。つまり聞き取り自体は前提です。

通所介護での昼食だけを見て「よく食べている」と判断していると、家では1日1食という実態を取りこぼします。同居家族が食事を用意しているなら、相談の相手は本人ではなく調理をする家族です。

栄養アセスメント加算・口腔栄養スクリーニング加算との関係

栄養改善サービスを提供している間と終了月は、栄養アセスメント加算を算定できません。ただし例外があります。

栄養アセスメント加算に基づく栄養アセスメントの結果、栄養改善加算に係る栄養改善サービスの提供が必要と判断された場合は、栄養アセスメント加算の算定月でも栄養改善加算を算定できること。

口腔・栄養スクリーニング加算にも同じ考え方が置かれています。

口腔・栄養スクリーニング加算に基づく口腔スクリーニング又は栄養スクリーニングの結果、栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービス又は口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスの提供が必要だと判断された場合は、口腔・栄養スクリーニング加算の算定月でも栄養改善加算又は口腔機能向上加算を算定できること。

月の状況栄養改善加算栄養アセスメント加算口腔・栄養スクリーニング加算
アセスメントで発見し同月に開始算定可算定可
スクリーニングで発見し同月に開始算定可算定可
栄養改善サービス実施中算定可不可(Ⅰ)不可/口腔のみの(Ⅱ)は可
栄養改善サービス終了月不可(Ⅰ)不可

「見つけた月」だけは重ねて取れる——制度の意図は、見つけたら止めずに介入へつなげ、ということです。判断が同月内にあったことを記録で示せるようにしてください。

通所リハビリの同名加算との違い

項目通所介護通所リハビリ
単位数・回数・期間200単位/回・月2回・3月以内(継続可)
計画の代替通所介護計画への記載で可通所リハビリテーション計画への記載で可
共同する職種管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員等医師・管理栄養士・PT・OT・ST・看護職員・介護職員等
リハマネ加算(ハ)併算定可(リハ・口腔の評価を踏まえた計画が必要)

単位数も枠組みも同じです。違いは共同する職種と、通所リハビリ側にあるリハマネ加算(ハ)との関係だけです。

算定にあたっての実務ステップ

  • 管理栄養士を自事業所または外部連携(医療機関・栄養ケア・ステーション等)で確保する
  • 都道府県知事へ届け出る
  • 利用開始時に低栄養状態のリスクを把握し、BMI・体重変化・食事摂取量等を記録する
  • 対象者の5基準(イ〜ホ)のどれに該当するかを明示して選定する
  • 数値に出ない人は、うつ・閉じこもり・食欲低下などの視点から拾う
  • 居宅における食事の状況を聞き取り、課題があれば居宅訪問を計画する
  • 多職種共同で栄養ケア計画を作成する(通所介護計画への記載で代えてよい)
  • 本人・家族に説明し、同意を得る
  • 月2回を上限に栄養改善サービスを提供し、栄養状態を定期的に記録する
  • おおむね3月ごとに評価し、結果をケアマネ・主治医へ情報提供する
  • 3月経過時、改善していなければ「引き続き必要」と判断した記録を残して算定を継続する

最後の1行が、この加算の分かれ目です。3月で自動的に切れるわけではないことを、請求担当と現場の双方で共有しておいてください。

よくある質問

栄養改善加算は月に何回まで算定できますか?

1月に2回が限度です。1回につき200単位なので、月最大400単位になります。

3月を超えたら算定できなくなりますか?

なりません。3月ごとの栄養状態の評価の結果、低栄養状態が改善せず、栄養改善サービスを引き続き行うことが必要と認められる利用者については、引き続き算定できます。

継続するために必要なものは何ですか?

3月ごとの栄養状態の評価と、「引き続き必要」と認めた判断の記録です。評価を行っていなければ継続の根拠になりません。

対象者の基準は全部満たす必要がありますか?

いいえ。BMI18.5未満、1〜6月間で3%以上の体重減少、血清アルブミン値3.5g/dl以下、食事摂取量が不良(75%以下)、その他低栄養状態にある又はそのおそれがある——このいずれかに該当し、かつサービスの提供が必要と認められる者が対象です。

管理栄養士を雇用していないと算定できませんか?

外部との連携でも算定できます。他の介護事業所、医療機関、介護保険施設、栄養ケア・ステーションとの連携により1名以上配置すればよいとされています。

栄養ケア計画は別に作らないといけませんか?

通所介護では、栄養ケア計画に相当する内容を通所介護計画の中に記載する場合、その記載をもって栄養ケア計画の作成に代えることができます。ただし説明と同意は別途必要です。

居宅訪問は必須ですか?

居宅における食事の状況を聞き取った結果、課題がある場合に、同意を得て訪問することとされています。聞き取り自体は前提になっています。

LIFEへの提出は必要ですか?

栄養改善加算の算定要件にLIFEへの提出は含まれていません。栄養アセスメント加算とは異なる点です。

栄養アセスメント加算と同じ月に算定できますか?

栄養アセスメントの結果、栄養改善サービスの提供が必要と判断された場合には、栄養アセスメント加算の算定月でも栄養改善加算を算定できます。

口腔・栄養スクリーニング加算と同じ月に算定できますか?

スクリーニングの結果、栄養改善サービスの提供が必要だと判断された場合は、口腔・栄養スクリーニング加算の算定月でも栄養改善加算を算定できます。

評価の結果はどこへ情報提供しますか?

おおむね3月ごとに栄養状態の評価を行い、その結果を担当の介護支援専門員や主治の医師に情報提供することとされています。

通所リハビリの栄養改善加算と同じですか?

単位数・回数・期間は同じです。共同する職種の列挙が異なり、通所リハビリでは医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が明記されています。

まとめ
  • 通所介護の栄養改善加算は1回につき200単位
  • 1月に2回が限度で、月最大400単位
  • 原則3月以内だが、改善していなければ引き続き算定できる
  • 継続には3月ごとの栄養状態の評価と判断の記録が必要
  • 評価をしていなければ3月で止めるしかない
  • 対象はBMI18.5未満など5基準のいずれかに該当し、サービスが必要と認められる者
  • 「その他低栄養状態にある又はそのおそれがある者」という受け皿がある
  • うつ・閉じこもり・食欲低下等の視点からも該当を疑う
  • 管理栄養士は自事業所配置でも外部連携でもよい
  • 単独型でも栄養ケア・ステーションを通じて連携先を確保できる
  • 栄養ケア計画は多職種共同で作成する
  • 共同する職種に生活相談員が明記されている(通所リハビリとの違い)
  • 栄養ケア計画は通所介護計画への記載で代えられる
  • ただし本人・家族への説明と同意は必要
  • 居宅の食事状況を聞き取り、課題があれば居宅を訪問する
  • 訪問先では食事の準備をする家族への相談も行う
  • おおむね3月ごとに評価し、ケアマネ・主治医へ情報提供する
  • LIFEへの提出は算定要件ではない
  • 栄養アセスメント加算・口腔栄養スクリーニング加算とは「発見した月」に併算定できる
  • 定員超過利用・人員基準欠如等の減算状態では算定できない
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および老企第36号の留意事項通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(都道府県・市町村)の解釈をご確認ください。継続算定の判断、居宅訪問の要否、外部連携の契約形態、届出の様式・提出方法は指定権者によって取扱いが異なる場合があります。単位数は1単位あたりの単価(地域区分)により実際の報酬額が変わります。基本チェックリストの項目番号は「地域支援事業の実施について」(平成18年6月9日老発第0609001号)によります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。対象者の見つけ方や運用に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

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リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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