通所介護の生活相談員配置等加算は1日につき13単位。ただしこの加算、通所介護なら誰でも算定できるものではありません。算定できるのは共生型通所介護の指定を受けた障害福祉サービス事業所だけです。

共生型通所介護は所定単位数が90〜95%に減額されます。その減った分を、生活相談員の配置と地域貢献活動という条件付きで一部戻す——それがこの加算の位置づけです。

実務上いちばん効くのは、通知のこの一文です。「例えば、1週間のうち特定の曜日だけ生活相談員を配置している場合は、その曜日のみ加算の算定対象となる。」毎日配置できなくても、配置した曜日は算定できます。ここを知らずに諦めている事業所が少なくありません。

この記事では、指定居宅サービス介護給付費単位数表(厚生省告示第19号)通所介護費 注7・注8、厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第95号)第14号の5、老企第36号を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 単位数は13単位/日であること
  • 共生型通所介護の指定を受けた事業所だけが算定できること
  • 算定要件は「生活相談員1名以上」と「地域に貢献する活動」の2つ
  • 既存の従業者が生活相談員の要件を満たすなら新たな配置は不要なこと
  • 兼務が認められていること
  • 特定の曜日だけ配置している場合はその曜日のみ算定できること
  • 「地域に貢献する活動」として通知が挙げる6つの例
  • 共生型通所介護の減算率(90%・93%・95%)との関係
  • 共生型では中重度者ケア体制加算が算定できないこと
  • ショートステイの同名加算との違い

生活相談員配置等加算とは?単位数は13単位

生活相談員配置等加算とは、共生型通所介護を行う障害福祉サービス事業所が、生活相談員を配置し、地域に貢献する活動を行っている場合に算定できる加算です。

項目内容
単位数13単位
算定の単位1日につき
算定できる事業所共生型通所介護の指定を受けた指定生活介護事業所等のみ
要件①生活相談員1名以上の配置 ②地域に貢献する活動
届出必要

告示の原文で「共生型限定」を確認する

通所介護費 注8です。短い条文ですが、決定的な一文が入っています。

別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、(中略)届出を行った指定通所介護事業所において、注7を算定している場合は、生活相談員配置等加算として、1日につき13単位を所定単位数に加算する。

「注7を算定している場合は」——ここが条件です。注7とは、共生型通所介護の所定単位数を減額する規定です。

共生型通所介護を行う事業者所定単位数
指定生活介護事業者100分の93
指定自立訓練(機能訓練)事業者
指定自立訓練(生活訓練)事業者
100分の95
指定児童発達支援事業者
(主として重症心身障害児を通わせる事業所を除く)
100分の90
指定放課後等デイサービス事業者
(同上)
100分の90

通知③も念を押しています。

なお、当該加算は、共生型通所介護の指定を受ける指定生活介護事業所等においてのみ算定することができるものであること。

通常の通所介護では算定できない

通所介護には生活相談員の配置が人員基準で義務づけられています。しかし「生活相談員を置いているから13単位」ではありません。

この加算は、もともと生活相談員の配置義務がない障害福祉サービス事業所が、共生型として高齢者を受け入れるにあたって相談機能を確保したことを評価するものです。一般の通所介護事業所が届け出ることはできません。

要件は2つだけ

厚生労働大臣が定める基準(告示第95号)第14号の5です。

十四の五 通所介護費及び地域密着型通所介護費における生活相談員配置等加算の基準

次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
イ 生活相談員を一名以上配置していること。
ロ 地域に貢献する活動を行っていること。

この2行が要件のすべてです。人員の常勤換算も、割合要件も、LIFE提出もありません。

要件イ:生活相談員の配置——兼務してよい

老企第36号 通所介護費(8)①が、配置の実務を具体的に示しています。

生活相談員(社会福祉士、精神保健福祉士等)は、共生型通所介護の提供日ごとに、当該共生型通所介護を行う時間帯を通じて1名以上配置する必要があるが、共生型通所介護の指定を受ける障害福祉制度における指定生活介護事業所、指定自立訓練(機能訓練)事業所、指定自立訓練(生活訓練)事業所、指定児童発達支援事業所又は指定放課後等デイサービス事業所(指定生活介護事業所等)に配置している従業者の中に、既に生活相談員の要件を満たす者がいる場合には、新たに配置する必要はなく、兼務しても差し支えない。

なお、例えば、1週間のうち特定の曜日だけ生活相談員を配置している場合は、その曜日のみ加算の算定対象となる。

  • 配置は共生型通所介護の提供日ごと提供時間帯を通じて1名以上
  • 既存従業者が生活相談員の要件を満たすなら新たな採用は不要
  • 兼務してよい(中重度者ケア体制加算の専従看護職員とは対照的)
  • 週の一部だけ配置ならその曜日のみ算定
ちびウルフちびウルフ

曜日ごとに算定できるというのは、めずらしくないですか?

リハウルフリハウルフ

かなり異例だと思う。多くの体制加算は「毎日満たしていなければ算定できない」オール・オア・ナッシングだからね。

この加算は配置した曜日だけ算定できる。だから「常勤の生活相談員を雇わないと無理」と諦める必要がない。週2日だけ社会福祉士に来てもらう、という形でも、その2日分は算定できる。

障害福祉の事業所が高齢の利用者を受け入れ始めるとき、いきなり人を増やすのは重い。できる範囲から始めてよい設計になっていると読んでいる。

生活相談員の資格要件

通知は「生活相談員(社会福祉士、精神保健福祉士等)」と例示しています。「等」が付いているとおり、資格の範囲は都道府県によって上乗せ・緩和の取扱いがあるのが実情です。

通所介護の人員基準における生活相談員の要件と同じ考え方になりますが、自治体ごとに認める資格・実務経験の範囲が異なるため、届出前に必ず指定権者へ確認してください。

要件ロ:地域に貢献する活動——通知が6つの例を挙げている

「地域に貢献する活動」という抽象的な要件について、通知②が具体例を列挙しています。

地域に貢献する活動は、「地域の交流の場(開放スペースや保育園等との交流会など)の提供」、「認知症カフェ・食堂等の設置」、「地域住民が参加できるイベントやお祭り等の開催」、「地域のボランティアの受入や活動(保育所等における清掃活動等)の実施」、「協議会等を設けて地域住民が事業所の運営への参画」、「地域住民への健康相談教室・研修会」など、地域や多世代との関わりを持つためのものとするよう努めること。

内容
①地域の交流の場の提供開放スペース、保育園等との交流会など
②認知症カフェ・食堂等の設置
③イベント・お祭り等の開催地域住民が参加できるもの
④地域のボランティアの受入・活動保育所等における清掃活動等
⑤地域住民の運営への参画協議会等を設ける
⑥健康相談教室・研修会地域住民向け
キーワードは「多世代」

例示に保育園との交流会、保育所での清掃活動が入っているのが特徴的です。通知も「地域や多世代との関わりを持つためのもの」と書いています。

共生型サービスは、障害福祉と介護保険の垣根を越える制度です。この加算の地域貢献活動も、高齢者だけに閉じない関わりが想定されていると読めます。

なお語尾は「努めること」ですが、要件ロ自体は「地域に貢献する活動を行っていること」と断定形です。活動を行っている事実は必要で、努力義務なのは「多世代との関わりを持つ形にすること」のほうだと理解してください。

記録の残し方

告示にも通知にも記録の様式は定められていません。ただし届出後に「地域に貢献する活動を行っている」ことを説明できなければなりません。実務としては、活動の日時・内容・参加者・写真を残しておくのが確実です。

共生型通所介護における他の加算との関係

共生型通所介護では、算定できる加算・できない加算がはっきり分かれます。

加算共生型通所介護での算定
生活相談員配置等加算共生型でのみ算定可
中重度者ケア体制加算算定不可(注11ただし書き)
認知症加算算定不可
若年性認知症利用者受入加算算定可
共生型は「減算+一部の加算が使えない」

共生型通所介護は、所定単位数が90〜95%に減額されるうえに、中重度者ケア体制加算(45単位/日)や認知症加算(60単位/日)が算定できません。

その代わりに用意されているのが、この生活相談員配置等加算13単位/日です。失う分を完全に埋めるものではないことは、収支計画の前提として押さえておいてください。

ショートステイの生活相談員配置等加算との違い

項目通所介護短期入所生活介護
単位数13単位/日13単位/日
前提共生型通所介護(注7)を算定していること共生型短期入所生活介護(注6)を算定していること
要件生活相談員1名以上の配置+地域に貢献する活動

単位数も要件も同じです。共生型サービス全体に共通する仕組みとして設計されています。地域密着型通所介護にも同じ加算があります。

算定にあたっての実務ステップ

  • 共生型通所介護の指定を受けているか(注7を算定しているか)を確認する
  • 既存の従業者に生活相談員の要件を満たす人がいないか洗い出す
  • 資格・実務経験の範囲について、指定権者に確認する
  • 共生型通所介護の提供日・提供時間帯を通じて配置できる曜日を特定する
  • 毎日は難しい場合、配置できる曜日だけでも算定対象になることを踏まえて体制を組む
  • 地域に貢献する活動を選び、実施する(多世代との関わりを意識する)
  • 活動の日時・内容・参加者を記録に残す
  • 都道府県知事へ届け出る
  • 生活相談員を配置した日を記録し、その日のみ算定する

5つ目が、この加算をあきらめないための鍵です。「毎日は無理」は、算定できない理由になりません。

よくある質問

通常の通所介護事業所でも算定できますか?

できません。通知は「共生型通所介護の指定を受ける指定生活介護事業所等においてのみ算定することができる」としています。

単位数はいくらですか?

1日につき13単位です。

算定要件は何ですか?

生活相談員を1名以上配置していることと、地域に貢献する活動を行っていることの2つです。

生活相談員を新たに雇う必要がありますか?

ありません。すでに配置している従業者の中に生活相談員の要件を満たす者がいる場合は、新たに配置する必要はなく、兼務しても差し支えないとされています。

生活相談員はいつ配置していればよいですか?

共生型通所介護の提供日ごとに、提供する時間帯を通じて1名以上配置する必要があります。

週に何日かしか配置できない場合は算定できませんか?

算定できます。通知は「1週間のうち特定の曜日だけ生活相談員を配置している場合は、その曜日のみ加算の算定対象となる」としています。

生活相談員の資格は何が必要ですか?

通知は「社会福祉士、精神保健福祉士等」と例示しています。認められる資格・実務経験の範囲は自治体によって取扱いが異なるため、指定権者にご確認ください。

「地域に貢献する活動」とは何ですか?

地域の交流の場の提供、認知症カフェ・食堂等の設置、地域住民が参加できるイベントやお祭りの開催、地域のボランティアの受入や活動、協議会等による地域住民の運営への参画、地域住民への健康相談教室・研修会などが通知に例示されています。

地域貢献活動に記録は必要ですか?

様式の定めはありませんが、活動を行っていることを説明できる必要があります。日時・内容・参加者などを残しておくことをおすすめします。

共生型通所介護では単位数が減るのですか?

減ります。指定生活介護事業者は100分の93、指定自立訓練事業者は100分の95、指定児童発達支援事業者・指定放課後等デイサービス事業者は100分の90となります。

共生型で中重度者ケア体制加算は算定できますか?

できません。中重度者ケア体制加算の告示に、共生型の減算(注7)を算定している場合は算定しないというただし書きがあります。

ショートステイの同名加算と違いはありますか?

単位数(13単位/日)も要件も同じです。前提となる共生型サービスの区分が異なるだけです。

まとめ
  • 通所介護の生活相談員配置等加算は1日につき13単位
  • 算定できるのは共生型通所介護の指定を受けた事業所のみ
  • 通常の通所介護事業所は算定できない
  • 算定要件は生活相談員1名以上の配置と地域に貢献する活動の2つ
  • 人員の常勤換算や割合要件、LIFE提出はない
  • 生活相談員は提供日ごと・提供時間帯を通じて1名以上配置する
  • 既存従業者が要件を満たすなら新たな配置は不要
  • 兼務が認められている
  • 特定の曜日だけ配置している場合は、その曜日のみ算定できる
  • 毎日配置できないことは算定できない理由にならない
  • 生活相談員の資格範囲は自治体によって取扱いが異なる
  • 地域貢献活動は通知が6つの例を挙げている
  • 保育園との交流など多世代との関わりが想定されている
  • 活動の記録様式に定めはないが、説明できる記録を残す
  • 共生型通所介護は所定単位数が90〜95%に減額される
  • 共生型では中重度者ケア体制加算・認知症加算が算定できない
  • 13単位は失う分を完全に埋めるものではない
  • 地域密着型通所介護にも同じ加算がある
  • ショートステイの同名加算も13単位で要件は同じ
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および老企第36号の留意事項通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(都道府県・市町村)の解釈をご確認ください。生活相談員として認められる資格・実務経験の範囲は自治体(指定権者)によって取扱いが異なります。地域に貢献する活動の内容がこの要件を満たすかの判断、記録の様式、届出の方法についても指定権者の解釈によります。単位数は1単位あたりの単価(地域区分)により実際の報酬額が変わります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。体制の組み立て方や記録に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
PR

リハビリ職の転職・求人なら
レバウェルリハビリ

リハノメ 無料で求人を見る ▶
PR

PT・OT・STのオンラインセミナー
リハノメ

リハノメ セミナーを詳しく見る ▶