短期入所生活介護(ショートステイ)の夜勤職員配置加算は、(Ⅰ)13単位・(Ⅱ)18単位・(Ⅲ)15単位・(Ⅳ)20単位(いずれも1日につき)の4区分です。番号順に単位数が上がらないので、並びだけ見ると分かりにくい加算です。

整理すると、区分は「従来型かユニット型か」×「喀痰吸引等ができる職員を夜勤に置くか」の2軸でできています。

そしてもう1つ、この加算は見守り機器を導入すると「+1人」の配置基準が「+0.9人」「+0.6人」まで緩和されるという、テクノロジー活用の仕組みを持っています。ただし0.6まで下げるには、全居室への見守り機器設置、全夜勤職員のインカム等の使用、3月以上の試行期間、委員会の議事概要の提出まで求められます。

この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)短期入所生活介護費の注14、厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)第1号、老企第40号 第二の2(16)を突き合わせて整理しました。筆者は理学療法士16年目・介護支援専門員です。

この記事でわかること
  • 夜勤職員配置加算4区分の単位数と、区分の分かれ方
  • (Ⅲ)(Ⅳ)で求められる喀痰吸引等ができる職員の要件
  • 4区分は同時に算定できず、いずれか1つだけであること
  • 共生型ショートステイでは算定できないこと
  • 「1日平均夜勤職員数」の計算方法と夜勤時間帯の定義
  • 併設・空床利用型では本体施設の入所者数と合算すること
  • 見守り機器の導入で+1人が+0.9人・+0.6人に緩和される仕組み
  • 0.6まで下げる場合に求められる7つの実施事項と3月以上の試行期間
  • ユニット型では増配した職員を特定ユニットに固定しなくてよいこと
  • 要支援(介護予防短期入所生活介護)には存在しないこと

4区分は「ユニット型か」と「喀痰吸引等の職員がいるか」で決まる

告示19号の注14が定める単位数と、告示29号 第1号ハが定める基準を並べると次のようになります。

区分単位数/日報酬区分喀痰吸引等ができる職員の夜勤配置
夜勤職員配置加算(Ⅰ)13単位従来型(短期入所生活介護費)不要
夜勤職員配置加算(Ⅱ)18単位ユニット型不要
夜勤職員配置加算(Ⅲ)15単位従来型必要
夜勤職員配置加算(Ⅳ)20単位ユニット型必要

どの区分も土台は共通で、夜勤職員基準で必要とされる人数に1を加えた数以上を配置していることです。そのうえで、

  • ユニット型なら(Ⅰ)→(Ⅱ)、(Ⅲ)→(Ⅳ)と5単位上がる
  • 喀痰吸引等ができる職員を夜勤に置くと2単位上がる((Ⅰ)→(Ⅲ)、(Ⅱ)→(Ⅳ))

という構造です。番号の大小と単位数の大小が一致していないのは、(Ⅲ)(Ⅳ)が後から追加された区分だからと理解すると整理しやすくなります。

4区分は同時に算定できない

注14のただし書きは「次に掲げるいずれかの加算を算定している場合においては、次に掲げるその他の加算は算定しない」としています。看護体制加算のように組み合わせることはできず、自事業所に当てはまる区分を1つだけ算定します。

さらに「注6を算定している場合は、算定しない」とあります。注6は共生型短期入所生活介護の規定なので、共生型ショートステイでは夜勤職員配置加算を算定できません。

(Ⅲ)(Ⅳ)が求める職員

告示29号 第1号ハ(3)は、夜勤時間帯を通じて、看護職員または次のいずれかに該当する職員を1人以上配置していることを求めています。

  • 看護職員
  • 介護福祉士であって、社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第1条各号に掲げる行為のうちいずれかの行為に係る実地研修を修了している者
  • 特定登録者であって特定登録証の交付を受けている者/新特定登録者であって新特定登録証の交付を受けている者
  • 認定特定行為業務従事者

あわせて、事業所として喀痰吸引等業務の登録(または特定行為業務の登録)を受けていることも要件です。個人の資格だけでなく、事業所の登録がなければ算定できません。

単純に介護福祉士を夜勤に置けばよいわけではなく、喀痰吸引等の実地研修を修了していることが条件になっている点に注意してください。

人数は「1日平均夜勤職員数」で判定する

老企第40号(16)①は、計算方法を具体的に定めています。

夜勤を行う職員の数は、一日平均夜勤職員数とする。一日平均夜勤職員数は、暦月ごとに夜勤時間帯(午後十時から翌日の午前五時までの時間を含めた連続する一六時間をいう。)における延夜勤時間数を、当該月の日数に一六を乗じて得た数で除することによって算定し、小数点第三位以下は切り捨てるものとする。

  • 夜勤時間帯を決める
    午後10時から翌日午前5時までを含む連続する16時間。事業所ごとに設定する。
  • 延夜勤時間数を集計する
    暦月ごとに、夜勤時間帯における職員の勤務時間を合計する。
  • 割る
    当該月の日数×16で割る。30日の月なら480で割る。
  • 端数処理
    小数点第三位以下は切り捨て。

「その日に何人いたか」ではなく月単位の平均で判定する点が重要です。1日だけ人数が欠けても即座に算定不可になるわけではありませんが、月平均で基準を下回れば算定できません。

併設・空床利用型は本体施設と合算

老企第40号(16)②は、次のとおりです。

指定介護老人福祉施設の併設事業所である場合又は特別養護老人ホームの空床において指定短期入所生活介護を行う場合にあっては、指定短期入所生活介護の利用者数と本体施設である指定介護老人福祉施設の入所者数を合算した人数を指定介護老人福祉施設の「入所者の数」とした場合に、夜勤職員基準に従い必要となる夜勤職員の数を上回って配置した場合に、加算を行う。

合算した人数で必要数を算出し、それを上回って配置していることが条件です。ショート部分だけを切り出して数えるわけではありません。

ちなみに告示29号 第1号ロ(1)(一)が定める、特養(従来型)の夜勤職員数の基準は次のとおりです。

ショート利用者+特養入所者の合計必要な夜勤職員数
25以下1以上
26〜602以上
61〜803以上
81〜1004以上
101以上4に、100を超えて25またはその端数を増すごとに1を加えた数以上

合計70人の特養併設なら必要数は3人、加算を取るには4人以上(1日平均夜勤職員数)が必要という計算になります。

ちびウルフちびウルフ

13単位のために夜勤を1人増やすって、割に合うんですか?

リハウルフリハウルフ

単体で見れば厳しいです。ただしこの加算は事業所の利用者全員に付きます。特養併設で合計70人なら、13単位×70人×30日で月27,300単位。夜勤1人分の人件費と比べれば、話が変わってきます。

それでも足りない場合の答えとして用意されているのが、次に説明する見守り機器による緩和です。「1人まるごと増やす」のではなく「0.6人分の増配で足りる」なら、既存の人員のシフト調整で届くこともあります。

見守り機器を入れると「+1人」が「+0.9人」「+0.6人」になる

告示29号 第1号ハ(1)(二)・(2)(二)のただし書きは、見守り機器等を活用する場合の緩和を定めています。

パターン必要な増配主な要件
原則+1人
a(見守り機器あり)+0.9人見守り機器を利用者数の10分の1以上設置+委員会の設置・検討
b(見守り機器+情報通信機器)+0.6人全居室に見守り機器+全夜勤職員が情報通信機器を使用+委員会ほか
bの特例+0.8人本体特養側でも見守り機器による夜勤基準の緩和(0.8を乗じる規定)を適用している場合

老企第40号(16)④が、それぞれの具体的な取扱いを示しています。

+0.9人の場合(2要件)

  • 利用者の10分の1以上の数の見守り機器を設置すること
  • 利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会を3月に1回以上行うこと(テレビ電話装置等の活用可)

見守り機器は「利用者がベッドから離れようとしている状態または離れたことを感知できるセンサーであり、当該センサーから得られた情報を外部通信機能により職員に通報できる機器」と定義されています。単なる離床マットではなく、通報機能まで備えたものが必要です。

+0.6人の場合(要件が一気に増える)

0.6まで下げる場合、老企第40号(16)④ロは次を求めています。

  • 全居室に見守り機器
    利用者が使用するすべての居室に設置すること。
  • インカム等と常時受信可能な端末
    職員間の連絡調整の迅速化に資する機器と、見守り機器の情報を常時受信できるスマートフォン・タブレット端末等を、すべての夜勤職員が使用し、利用者の状況を常時把握すること。
  • 委員会を3月に1回以上
    管理者だけでなく実際に夜勤を行う職員を含む幅広い職種やユニットリーダー等が参画し、夜勤職員の意見を尊重するよう努める。
  • 利用者の安全及びケアの質の確保
    一律に定時巡回をとりやめず個別に定時巡視を行う/睡眠状態・バイタル等の情報を状態把握に活用する/機器使用に起因する事故・ヒヤリハットの状況把握と原因分析、再発防止策の検討。
  • 夜勤職員の負担軽減と勤務状況への配慮
    実際に夜勤を行う職員にアンケートやヒアリングを行い、心身の負担、負担が過度に増えた時間帯、休憩時間や時間外勤務の状況を確認し、人員配置の検討を行う。
  • 機器の点検の仕組み
    日々の業務のなかで、あらかじめ時間を定めて不具合がないことを確認するチェックの仕組みを設け、メーカーと連携して定期点検を行う。
  • 職員研修
    使用方法の講習、ヒヤリハット事例の周知、その事例を通じた再発防止策の実習等を含む研修を定期的に行う。
0.6の要件には「3月以上の試行期間」が付く

通知は、この要件で加算を取得する場合に3月以上の試行期間を設けることを求めています。試行期間中から委員会を設置し、機器使用後の人員体制と夜勤職員の負担のバランスを検討したうえで届出をします。

試行期間中は「通常の夜勤職員配置加算の要件」(=+1人)を満たす必要があります。つまり、いきなり0.6人体制に落とすことはできません。

さらに届出にあたっては、都道府県等が委員会の検討状況を確認できるよう、議事概要を提出することとされています。

ユニット型は増配分を特定のユニットに固定しなくてよい

老企第40号(16)③は、次のとおりです。

ユニット型指定短期入所生活介護事業所にあっては、増配した夜勤職員については、必ずしも特定のユニットに配置する必要はないものとすること。

ユニット型の夜勤職員基準は「2ユニットごとに1人以上」(併設で本体が特養の場合は合計人数20またはその端数ごとに1人以上)です。増やした1人は、フロア全体を動く形でも構わないということになります。

実務では、この増配分をどう働かせるかが質を左右します。特定ユニットに固定しないことが認められている以上、各ユニットの状況に応じて応援に入る運用が想定されていると読めます。

要支援(介護予防短期入所生活介護)には存在しない

介護予防サービスの報酬を定める平成18年厚生労働省告示第127号には、夜勤職員配置加算の規定がありません。看護体制加算・医療連携強化加算・在宅中重度者受入加算・看取り連携体制加算・緊急短期入所受入加算も同様です。

ただし、夜勤職員の必要数を計算する際の「利用者の数」には、要支援の利用者も含まれます。算定できないことと、人数の計算から除外することは別なので、混同しないでください。

よくある質問
ショートステイの夜勤職員配置加算はいくらですか?

(Ⅰ)13単位、(Ⅱ)18単位、(Ⅲ)15単位、(Ⅳ)20単位です(いずれも1日につき)。(Ⅱ)(Ⅳ)はユニット型、(Ⅲ)(Ⅳ)は喀痰吸引等ができる職員の夜勤配置が要件です。

複数の区分を同時に算定できますか?

できません。注14に「いずれかの加算を算定している場合においては、その他の加算は算定しない」とあります。該当する区分を1つだけ算定します。

共生型ショートステイでも算定できますか?

できません。注14に「注6を算定している場合は、算定しない」とあり、注6は共生型短期入所生活介護の規定です。

(Ⅲ)(Ⅳ)は介護福祉士を夜勤に置けば算定できますか?

足りません。喀痰吸引等に係る実地研修を修了した介護福祉士、認定特定行為業務従事者、看護職員などが対象で、さらに事業所として喀痰吸引等業務の登録を受けている必要があります。

夜勤時間帯とはいつですか?

午後10時から翌日午前5時までの時間を含めた連続する16時間です。事業所ごとに設定します。

1日だけ夜勤者が足りない日があると算定できませんか?

判定は「1日平均夜勤職員数」で行います。暦月ごとの延夜勤時間数を、当該月の日数×16で割って算出し、小数点第三位以下は切り捨てます。月平均で基準を満たしていれば算定できます。

特養に併設しています。人数はどう数えますか?

ショートの利用者数と本体特養の入所者数を合算した人数を「入所者の数」として必要な夜勤職員数を算出し、それを上回って配置している場合に加算します。

見守り機器を入れると配置基準はどう変わりますか?

利用者数の10分の1以上の見守り機器設置と委員会の設置で「+0.9人」、全居室への設置と全夜勤職員の情報通信機器使用などで「+0.6人」に緩和されます。

見守り機器とはどういうものですか?

利用者がベッドから離れようとしている状態、または離れたことを感知できるセンサーであり、その情報を外部通信機能により職員に通報できる機器とされています。

0.6の要件はすぐに適用できますか?

できません。3月以上の試行期間を設ける必要があり、試行期間中は通常の要件(+1人)を満たす必要があります。届出時には委員会の議事概要の提出も求められます。

見守り機器を入れたら定時巡回はやめてよいですか?

やめてはいけません。通知は「一律に定時巡回等をとりやめることはせず、個々の利用者の状態に応じて、個別に定時巡視を行うこと」としています。

要支援でも算定できますか?

できません。介護予防短期入所生活介護の報酬を定める告示127号に、夜勤職員配置加算の規定はありません。ただし夜勤職員の必要数を計算する際の利用者数には要支援の方も含まれます。

まとめ
  • 夜勤職員配置加算は(Ⅰ)13・(Ⅱ)18・(Ⅲ)15・(Ⅳ)20単位の4区分
  • 区分は「従来型かユニット型か」×「喀痰吸引等ができる職員を夜勤に置くか」で決まる
  • ユニット型で+5単位、喀痰吸引等の職員配置で+2単位という構造
  • 4区分は同時に算定できず、該当する1つだけを算定する
  • 共生型短期入所生活介護では算定できない
  • 共通の土台は「夜勤職員基準の必要数に1を加えた数以上」の配置
  • (Ⅲ)(Ⅳ)は実地研修修了の介護福祉士・認定特定行為業務従事者・看護職員などが対象
  • あわせて事業所として喀痰吸引等業務の登録が必要
  • 人数は「1日平均夜勤職員数」で判定する
  • 夜勤時間帯は午後10時〜翌午前5時を含む連続16時間
  • 延夜勤時間数÷(月の日数×16)で計算し、小数点第三位以下は切り捨て
  • 併設・空床利用型は本体特養の入所者数と合算して必要数を算出する
  • 加算は事業所の利用者全員に算定されるため、規模が大きいほど総額が効く
  • 見守り機器を利用者数の10分の1以上設置+委員会で「+0.9人」に緩和
  • 全居室設置+全夜勤職員の情報通信機器使用等で「+0.6人」に緩和
  • 0.6の要件には安全・ケアの質確保、負担軽減の確認、点検の仕組み、研修が必要
  • 0.6の適用には3月以上の試行期間が必要で、試行中は+1人を満たす
  • 届出時に委員会の議事概要の提出が求められる
  • 見守り機器を入れても、一律に定時巡回をやめてはならない
  • ユニット型では増配した夜勤職員を特定のユニットに固定しなくてよい
  • 要支援(介護予防短期入所生活介護)には存在しない
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および留意事項通知にもとづいて整理したものです。実際の算定・届出にあたっては原文および指定権者の解釈をご確認ください。見守り機器の該当性、試行期間の運用、委員会の記録水準の判断は、都道府県・指定都市によって異なる場合があります。本文中の必要人数の計算は条文を当てはめた例示であり、実際の利用者数の変動により結果は異なります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。増配した職員の働かせ方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

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リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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