通所介護のADL維持等加算とは|単位数・BI・利得計算を解説【令和6年度】
通所介護(デイサービス)のADL維持等加算は、利用者のADL(日常生活動作)の維持・改善という「成果」を評価する、めずらしいアウトカム型の加算です。「バーセルインデックスってどう測るの?」「ADL利得の計算が難しい」「令和6年度で(Ⅱ)の基準が変わったって本当?」と、つまずきやすいポイントが多い加算でもあります。
この記事では、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に対応したADL維持等加算について、単位数・算定要件・バーセルインデックス(BI)の測り方・ADL利得の計算方法までを、現場の専門職にも管理者にもわかるように解説します。厚生労働省の通知・Q&Aをふまえた正確な内容でまとめましたので、算定を検討中の事業所はもちろん、評価やLIFE提出の手順を再確認したい方もぜひ参考にしてください。
- ADL維持等加算(Ⅰ)(Ⅱ)の最新単位数と算定基準
- バーセルインデックス(BI)の評価項目と測定者の要件
- ADL利得の計算方法と評価のタイミング
- 令和6年度改定での(Ⅱ)の基準・LIFE提出項目の変更点
通所介護のADL維持等加算とは
ADL維持等加算とは、バーセルインデックス(BI)を用いて、一定水準以上にADLの維持・改善ができた利用者が多い事業所を評価するインセンティブ加算です。評価期間中の利用者全体のADLの変化(ADL利得)が基準を満たせば、その後1年間、要介護の全利用者に対して加算を算定できます。
ちびウルフADLが「改善」しないと取れない加算なの?ハードルが高そう…
リハウルフ名前のとおり「維持」でも評価されるんだ。調整係数の仕組みがあるから、ADLが横ばいでも利得が出ることがあるんだよ。だから維持できている事業所も算定を狙えるんだ。
ADL維持等加算の単位数と算定基準【令和6年度】
単位数と、算定に必要なADL利得の基準は次のとおりです。
| 区分 | 単位数 | ADL利得の基準(平均値) |
|---|---|---|
| ADL維持等加算(Ⅰ) | 30単位/月 | 1以上 |
| ADL維持等加算(Ⅱ) | 60単位/月 | 3以上 |
対象となるのは、評価対象期間に6か月を超えてサービスを利用している利用者です。算定単位は1か月ごとで、要介護1〜5の利用者が対象となります。
バーセルインデックス(BI)とは
バーセルインデックスは、ADLを評価する世界共通の指標です。10項目を自立度に応じて点数化し、合計100点満点で評価します。「できるADL」を見る点が特徴で、評価項目が明確なため誰でも測定しやすいのが利点です。
| 10の評価項目 | 配点 |
|---|---|
| 食事/移乗(車椅子とベッド間)/整容/トイレ動作/入浴/歩行(移動)/階段昇降/更衣/排便コントロール/排尿コントロール | 項目に応じて 15・10・5・0点 |
合計100点で全自立、おおむね85点以下で軽度の介助、60点以下で起居動作に介助、40点以下でほとんどの動作に介助、20点以下で全介助が目安とされます。なお移乗は「椅子とベッド間」ではなく「車椅子とベッド間」として評価するよう定められています。
BIを測定・評価できるのは誰か
かつては機能訓練指導員に限られていましたが、現在は「一定の研修を受けた者」が測定できます。一定の研修とは、BIの測定方法に係る研修の受講や、厚生労働省のマニュアル・動画等で測定方法を学習することなどを指します。事業所は、PT・OT・STから定期的に指導を受ける機会を設けるなど、測定の質を管理することが求められます。初めて評価する職員は、理学療法士等の同席のもとで実施する必要があります。
ADL利得の計算方法
ADL利得は、次の流れで求めます。実際の集計はLIFE上で自動的に行われるため、事業所が手計算する必要はありませんが、仕組みを理解しておくと算定見込みを立てやすくなります。
- 計算対象者を確認する:6か月を超えて利用し、利用開始月と「開始月の翌月から起算して6月目(=通算7か月目)」の両方でBIを評価・提出している利用者が対象。
- 一人ごとのADL利得を出す:「6月目のBI合計 − 初月のBI合計 + 調整係数」で算出する。調整係数は初月のADL値に応じて0〜3が設定される。
- 上位・下位の各1割を除外する:対象者を利得順に並べ、上位1割と下位1割を除いた利用者で平均値を計算する(小数点以下は切り捨て)。
- 基準に該当するか確認する:平均値が1以上で(Ⅰ)、3以上で(Ⅱ)を算定できる。
評価とLIFE提出のタイミング
評価対象者全員について、利用開始月と、その翌月から起算して6月目(通算7か月目)にBIを測定し、LIFEへ提出します。LIFEへのデータ送信期限は、測定日が属する月の翌月10日までです。提出が漏れると、その利用者は利得計算の対象外になってしまうため、提出スケジュールの管理が重要です。
令和6年度改定:LIFE提出項目の追加
令和6年度改定により、これまでのADL値(BI)に加えて、「要介護度」「障害高齢者および認知症高齢者の日常生活自立度」「評価日」「初月対象または6月対象への該当」を追加で提出することになりました。提出項目が増えているため、最新の様式・項目に沿って入力しましょう。
ちびウルフ提出が10日に間に合わなかったら、もう算定できないの?
リハウルフやむを得ない事情がある場合は、月遅れ請求や過誤調整などの取り扱いが示されているよ。ただし利用者への事前同意が必要になるから、まずは期限内提出を徹底するのが基本だね。
専門職・管理者が押さえたい活用ポイント
ADL維持等加算は、事業所のケアの成果を「見える化」できる加算です。PT・OT・STや機能訓練指導員にとっては、個別機能訓練加算と組み合わせることで、機能訓練の効果をBIという客観指標で示せます。生活相談員・管理者にとっては、ケアマネジャーへの営業や利用者・家族への説明で「成果を出している事業所」という強みになります。
看護師・介護職員も、日々のADL記録や測定への協力で加算を支えます。BIの測定は職員間で評価がぶれないよう、研修と評価基準の共有を徹底することが、安定した算定につながります。
よくある質問(FAQ)
ADLが維持(横ばい)でも算定できますか?
BIは合計値で提出すればよいですか?
評価対象者は何人いれば算定できますか?
7か月目に体調不良で評価できない場合は?
算定開始の届出スケジュール
ADL維持等加算は、評価対象期間を経て基準を満たしてから算定を開始します。届出のタイミングは見落としやすいため、流れを押さえておきましょう。
- 評価対象期間の申出:加算を取得する月の前年同月までに、体制等状況一覧表で「ADL維持等加算[申出]の有無」を「あり」として届け出る。
- 評価対象期間中の測定・提出:対象者ごとに初月と6月目(通算7か月目)にBIを測定し、LIFEへ提出する。
- 算定開始の届出:評価期間終了月に、LIFE上でADL利得の基準を満たすことを確認し、算定開始の届出を行う。
個別機能訓練加算との組み合わせで相乗効果
ADL維持等加算は単独でも算定できますが、個別機能訓練加算と組み合わせると相乗効果が期待できます。個別機能訓練で生活行為の向上を図り、その成果をバーセルインデックスというアウトカム指標で示す——この流れができると、機能訓練の質の証明にもつながります。居宅訪問やアセスメントの機会を共有できるため、現場の負担を抑えながら複数加算の算定体制を整えられる点もメリットです。
- ADL維持等加算は(Ⅰ)30単位/月、(Ⅱ)60単位/月。ADL利得の平均が(Ⅰ)1以上、(Ⅱ)3以上で算定。
- 令和6年度改定で(Ⅱ)の基準が「2以上」から「3以上」に引き上げられた。
- 評価は一定の研修を受けた者がバーセルインデックス(10項目・100点満点)で実施する。
- 利用開始月と翌月起算6月目に測定し、翌月10日までにLIFEへ提出する。
- 令和6年度から、要介護度・自立度・評価日などの提出項目が追加された。
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」、「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)利活用の手引き」、令和3年度介護報酬改定関係Q&Aほか。数値・要件は算定前に必ず最新の一次情報および所管自治体の運用をご確認ください。
(厚生労働省の資料より)-640x360.png)
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