訪問介護の初回加算とは|200単位の算定要件・サ責の訪問条件を解説
「新しい利用者さんの訪問介護が始まったけど、初回加算って取れるの?」「サービス提供責任者(サ責)が訪問しないとダメ?同行はどこまで必要?」——訪問介護のサ責・管理者の方から、初回加算についての質問は本当によく寄せられます。
初回加算は月200単位とそれほど大きな額ではありませんが、要件を正しく理解していないと「取れたはずなのに取り損ねる」「算定できないのに請求してしまう」といったミスにつながります。この記事では、訪問介護の初回加算の単位数・算定要件・4つの訪問パターン・注意点を、厚生労働省の基準にもとづいて整理します。
- 訪問介護の初回加算の単位数(200単位/月)と目的
- 算定要件(サ責の訪問・過去2か月のルール)
- 初回加算が取れる4つの訪問パターン
- サ責が同行するときの実務上の注意点
- つまずきやすいポイントとよくある質問
訪問介護の初回加算とは?目的と単位数
初回加算とは、新たに訪問介護計画を作成した利用者に対し、サービス提供責任者が初回(またはその月)に関わったときに算定できる加算です。単位数は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 200単位/月 |
| 対象 | 新規に訪問介護計画を作成した利用者 |
| 関わる職員 | サービス提供責任者(サ責) |
目的は、サービス開始直後のていねいなアセスメントと連携を評価することにあります。利用開始時はサービス内容の調整やリスク把握が特に重要で、サ責がしっかり関与することを後押しする加算です。なお初回加算は、訪問介護費が令和8年6月に単位数改定を受けた後も、引き続き月200単位で算定する仕組みが維持されています。最新の単位数は厚生労働省や所管自治体の通知でも確認しておくと安心です。
ちびウルフ新しい利用者さんなら、誰でも初回加算が取れるってこと?
リハウルフそう思いがちだけど、要件があるんだ。「新規に訪問介護計画を作った利用者」で、しかも「サ責が初回訪問するか、訪問介護員に同行する」必要がある。それに過去2か月のルールもあるよ。順番に見ていこう。
初回加算の算定要件
初回加算を算定するには、大きく2つの条件を満たす必要があります。
① 利用者に関する要件(過去2か月ルール)
対象になるのは、過去2か月間に、その事業所から訪問介護の提供を受けていない利用者です。つまり、まったくの新規利用者だけでなく、いったん中断して2か月以上空いた後にサービスを再開する利用者も対象になります。
② サービス提供責任者に関する要件
その月に、サービス提供責任者が次のいずれかの形で関与する必要があります。
- サ責自身が初回の訪問介護を提供する、または
- 初回の訪問介護を訪問介護員が提供する際に、サ責が同行する
計画を作るだけ・電話で確認するだけでは要件を満たしません。サ責が実際に利用者宅を訪問して関わることがポイントです。
初回加算が算定できる4つの訪問パターン
「サ責が初回訪問」と一口に言っても、実務では複数のパターンがあります。算定可能な代表的な4パターンを整理します。
| パターン | 内容 |
|---|---|
| ① | サービス提供責任者自身が、初回の訪問介護を提供する |
| ② | 初回は訪問介護員が提供し、同じ月のうちにサ責が訪問介護を提供する |
| ③ | 訪問介護員が提供する初回サービスに、サ責が同行する |
| ④ | 訪問介護員が初回を提供し、同じ月の別の訪問介護員の訪問にサ責が同行する |
サ責が同行するときの実務上の注意点
サ責が訪問介護員に同行する場合、サービス提供時間の全時間にわたって滞在する必要はありません。利用者の状況を確認したうえで、途中で現場を離れても初回加算は算定できます。
ただし、形だけ顔を出せばよいわけではありません。利用者の心身の状況・住環境・リスクを確認し、訪問介護計画やサービス内容にきちんと反映することが本来の趣旨です。訪問系サービスでは、開始直後の情報収集が後のケアの質を大きく左右します。
初回加算と訪問介護計画の関係
初回加算は「新たに訪問介護計画を作成した利用者」が前提です。ここで言う訪問介護計画とは、ケアマネジャーが作る居宅サービス計画(ケアプラン)ではなく、サービス提供責任者が作成する事業所ごとの個別計画を指します。
サービス開始時には、ケアプランの内容・利用者本人や家族の意向・心身の状況をふまえ、サ責が訪問介護計画を作成します。この計画作成と、サ責による初回訪問・同行がそろって初めて、初回加算の趣旨を満たすことになります。計画と実際の関与がちぐはぐだと、運営指導で指摘される原因になります。
初回加算を活かすアセスメントの実務
初回加算は金額こそ200単位ですが、本来のねらいは「サービス開始直後にサ責が現場を見て、安全で適切なケアの土台を作ること」にあります。サ責が初回に確認しておきたい代表的な視点は次のとおりです。
- 住環境(段差・手すり・動線・浴室やトイレの状況)と転倒などのリスク
- 本人の心身の状態・認知機能・服薬や医療的ケアの有無
- 家族の介護力・キーパーソン・緊急時の連絡体制
- ヘルパーが安全に支援するための留意点(感染対策・ペット・近隣環境など)
こうした情報を初回にしっかり拾い、訪問介護員へ申し送ることで、サービスの質と安全性が大きく変わります。在宅サービス全般に通じる考え方ですが、立ち上がりのていねいな関与が、その後の信頼関係とトラブル防止につながります。
初回加算でつまずきやすいポイント
現場で混同しやすい点を、サ責・管理者向けに整理しておきます。
- 「新規」かどうかは、過去2か月の自事業所での提供実績で判断する。他事業所の利用歴は関係ない。
- 計画作成だけでは不可。サ責の訪問・同行が同月内に必要。
- 要支援者の総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の訪問型サービスは、市町村ごとに取扱いが異なるため別途確認する。
- 同行時は全時間の滞在は不要だが、関与の記録は必須。
ちびウルフ前に別のヘルパー事業所を使ってた人でも、うちでは初めてなら取れるの?
リハウルフ取れるよ。判断するのは「自分の事業所での過去2か月の提供実績」だからね。他の事業所で訪問介護を使っていても、自事業所で新規に計画を作れば対象になるんだ。
初回加算の算定でよくある誤りと対策
運営指導や請求点検で実際に指摘されやすいのは、次のようなケースです。あらかじめ把握しておくと、取り損ねや過誤請求を防げます。
| よくある誤り | 正しい取扱い |
|---|---|
| 計画を作っただけで算定した | サ責の初回訪問または同行が同月内に必要 |
| 1か月だけ空いた再開で算定した | 対象は過去2か月間に提供実績がない場合 |
| サ責の関与記録が残っていない | 訪問・同行の日時、確認内容を記録に残す |
| 総合事業の訪問型サービスで一律に算定した | 市町村の基準で取扱いが異なるため要確認 |
初回加算は1人につき原則1回限りの加算です。利用が一度終了し、2か月以上空けて再び新規に計画を作成すれば再算定できますが、短期間の中断・再開を繰り返して算定するような運用は認められません。あくまで実態に即して算定することが大前提です。
よくある質問(FAQ)
初回加算は何単位ですか?
サ責が初回そのものに行けないと算定できませんか?
2か月以上空いて再開した利用者も対象ですか?
同行時はずっと現場にいないとダメですか?
他の事業所を利用していた人は新規になりますか?
- 訪問介護の初回加算は200単位/月。新規に訪問介護計画を作成した利用者が対象。
- 過去2か月間に自事業所から訪問介護を受けていない利用者なら、新規も再開も対象。
- 同じ月内にサ責が初回訪問または訪問介護員に同行することが必要。
- 同行時は全時間の滞在不要。ただし関与した記録は必須。
- 計画作成だけでは算定不可。総合事業の訪問型サービスは市町村ごとに確認を。
出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」および関係告示・解釈通知、介護保険最新情報。最新の単位数・取扱いは所管自治体・厚生労働省の通知をご確認ください。


