「訪問リハビリはなぜ給料が高いの?」「本当に病院より稼げるなら転職したい」——理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)として働くなかで、こう感じている人は多いはずです。実際、訪問リハビリは病院勤務より年収が高くなりやすい働き方として知られています。

この記事では、訪問リハビリ歴10年以上の現役理学療法士の視点から、訪問リハビリの給料相場と、給料が高くなる4つの理由を、報酬の仕組みとあわせてわかりやすく解説します。「年収を上げたいけれど、どの職場を選べばいいか分からない」という人ほど読んでほしい内容です。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリの給料・年収のリアルな相場
  • 訪問リハビリの給料が高い4つの理由
  • 病院・老健より訪問看護ステーションのほうが高くなりやすい理由
  • 年収アップを狙うなら、どんな職場を選ぶべきか
ちびウルフちびウルフ

訪問リハビリって、本当に給料が高いの?病院とそんなに違うの?

リハウルフリハウルフ

傾向としては高くなりやすいよ。ただ「なぜ高いのか」を知らないと職場選びを間違えることもあるんだ。理由とセットで理解しておこう。

訪問リハビリの給料・年収の相場は?

結論から言うと、訪問リハビリの年収相場はおおむね400〜600万円程度です。ただし、給料は地域や職場によって大きく変わるため、公的な平均値はあまり参考にならないと考えたほうが現実的です。一般的には次のような傾向があります。

条件給料の傾向
地域都会は高め/地方は低めになりやすい
事業所の規模大規模は高め/小規模は低めになりやすい
運営形態訪問看護ステーションのリハは高め/病院・老健の訪問リハは低め
給与制度歩合制(インセンティブ制)は高いが変動あり/固定給は安定

注目したいのは、この400〜600万円という年収が、経験年数に関わらず目指せるという点です。急性期や回復期の病院に勤める若手PTが、1〜2年目で年収600万円を稼ぐのはほぼ不可能でしょう。しかし訪問リハビリなら、1〜3年目でも年収500〜600万円を狙えるチャンスがあります。努力次第では700万〜800万円も視野に入ります。

注意高年収には理由があります。歩合制の職場は稼げる一方で収入が不安定になりやすく、訪問件数が落ちれば給料も下がります。「高い給料の裏側にある条件」も含めて職場を選ぶことが大切です。

訪問リハビリの給料はなぜ高い?4つの理由

訪問リハビリの給料が高くなりやすいのには、はっきりした理由があります。大きく分けると次の4つです。

  1. 人件費率が高い(運営コストが小さく、給料に回せるお金が多い)
  2. 医師がいない(訪問看護ステーションの場合、給与ヒエラルキーの天井が低い)
  3. 歩合制(インセンティブ制)の活用(訪問件数が収入に直結する)
  4. 経験年数の多いスタッフが集まりやすい(平均年収が押し上げられる)

ひとつずつ見ていきましょう。

① 人件費率が高い

訪問リハビリの運営で大きなお金がかかるのは、主に「事業所の家賃」「移動手段」「人件費」の3つだけです。家賃は安く抑えられ、都会なら移動手段は自転車でも成り立ちます。設備投資が小さいぶん、自然と人件費率が高くなり、高い給料を支払いやすくなるのです。

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病院だと、なんで給料に回しにくいの?

リハウルフリハウルフ

病院は広い土地・大きな建物・高額な医療機器が必要だからね。固定費が大きいぶん、人件費に回せる割合が小さくなりやすいんだ。訪問はそこが身軽なんだよ。

参考までに、訪問看護の人件費率は平均で約78%と言われています。訪問リハビリも同等とみられ、売上の多くを人件費に充てられる構造であることがわかります。

② 医師がいない(訪問看護ステーションの場合)

一般的な病院では、医療業界特有の医師を頂点とするヒエラルキーがあり、PT・OT・STがどれだけ昇進してもリハ部門の部長・技師長止まりになりがちです。新人医師の給料が、勤続30年のPTより高い、ということも珍しくありません。

一方、訪問看護ステーションには医師がいません。経営者が看護師の場合もリハ職の場合もあり、一般職のPTでも出世すれば会社のNo.2になることも可能です。職種に関わらず組織の上を目指せることが、給料が高くなりやすい理由のひとつです。給料は基本的に「成長している組織の、上のポジション」ほど高くなる傾向があります。

③ 歩合制(インセンティブ制)の活用

訪問リハビリには、歩合制(インセンティブ制)を導入している事業所があります。仕組みを単純化すると、次のようなイメージです。

歩合制のイメージ 基本給あり+「80件を超えた分は1件4,000円」のインセンティブ → 月100件訪問すれば +8万円。訪問すればするほど、スタッフも会社も収入が増えるWIN-WINの構造です。

訪問リハビリの提供単価は、おおよそ次のような水準です(事業所により異なります)。スタッフが訪問するほどスタッフも稼げ、会社も利益を出せるため、歩合制が成立しやすいのです。

サービス時間おおよその単価
1件(40分)約6,500円
1件(60分)約9,500円

たくさん稼ぎたい人は、インセンティブ(歩合制)のある職場を選ぶのがひとつの手です。ただし前述のとおり、件数が落ちれば収入も下がる点には注意しましょう。

④ 経験年数を重ねたスタッフが多い

「訪問リハビリの平均年収が高い」というデータには、もうひとつカラクリがあります。訪問リハビリには、経験豊富なスタッフが集まりやすいのです。

病院や老健には病棟・外来・通所・入所などさまざまな部署があり、そのなかで訪問リハビリはリスク管理能力や対人スキルが求められる部署です。そのため自然と経験年数の多いスタッフが配置されやすく、結果として「訪問リハの平均年収が高い」というデータが出ることがあります。つまり給与体系そのものが高いというより、ベテランが多いから平均が高く見えている側面もある、ということです。

病院・老健より訪問看護ステーションのほうが給料は高い

「給料を上げたいから訪問リハに転職したい」と考えているなら、知っておきたいことがあります。本気で年収を上げたいなら、病院や老健の訪問リハより、訪問看護ステーションのリハ職を選ぶのがおすすめです。理由は次のとおりです。

訪問看護ステーションが有利な理由 病院・老健は他部署と給与体系が同じで、訪問リハだけ特別に高いわけではない/病院・老健は異動があり、訪問リハに居続けられるとは限らない/病院・老健は歩合制が少ない/訪問看護ステーションは前述の①〜③の条件がそろいやすく、高年収になりやすい。
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じゃあ、給料だけで選べばいいの?

リハウルフリハウルフ

そこは慎重にね。給料が高い職場ほど件数のノルマや移動の負担も大きいことがある。年収・働きやすさ・将来性のバランスで選ぶのが、長く続けるコツだよ。

訪問リハビリで年収を上げる前に知っておきたい注意点

訪問リハビリは高年収を狙える働き方ですが、給料の数字だけで飛び込むと「思っていたのと違った」となりかねません。転職前にチェックしておきたいポイントを整理します。

チェック項目確認したいこと
給与の内訳基本給・固定給と歩合(インセンティブ)の割合。歩合に依存しすぎていないか
訪問件数の目安その給料を得るために必要な1日・1か月の訪問件数。無理のない範囲か
移動の負担担当エリアの広さ、移動手段(車・自転車)、天候時の対応
キャンセル時の扱い利用者都合のキャンセルが給料に響く仕組みになっていないか
教育・サポート体制一人で訪問するため、相談できる先輩や同行期間があるか
注意訪問リハビリは基本的に一人で利用者宅に伺う働き方です。臨床判断やリスク管理を自分で担う場面が多いため、給料の高さと同時に「自分が安心して働ける体制か」を必ず確認しましょう。
ちびウルフちびウルフ

給料が高いだけで選ぶと危ないんだね。

リハウルフリハウルフ

そうだね。高い給料には必ず理由がある。件数・移動・サポート体制まで見て、納得できる職場を選べば、訪問リハは本当にやりがいのある働き方になるよ。

訪問リハビリの給料に関するよくある質問

訪問リハビリは未経験・若手でも給料が高いですか?
訪問看護ステーションのリハ職であれば、1〜3年目でも年収500〜600万円を目指せるチャンスがあります。ただしリスク管理や対人スキルが求められるため、一定の臨床経験があると安心です。
歩合制と固定給、どちらを選ぶべきですか?
たくさん稼ぎたいなら歩合制、収入の安定を重視するなら固定給が向いています。歩合制は件数次第で収入が増減するため、自分の働き方やライフスタイルに合わせて選びましょう。
病院の訪問リハと訪問看護ステーションのリハ、どちらが高いですか?
一般的には訪問看護ステーションのほうが高くなりやすいです。病院・老健は他部署と給与体系が共通で、異動もあり、歩合制が少ない傾向があるためです。
訪問リハの単価はどれくらいですか?
おおよそ40分で約6,500円、60分で約9,500円が目安です(事業所により異なります)。この単価が、歩合制で稼げる仕組みの背景になっています。
給料以外に、訪問リハを選ぶメリットはありますか?
利用者一人ひとりとじっくり関われる、生活の場でリハビリを提供できる、自分のペースで動きやすい、といった点が挙げられます。年収だけでなく、こうした働き方の魅力も含めて検討すると、長く続けやすい職場選びにつながります。
まとめ
  • 訪問リハビリの年収相場はおおむね400〜600万円。経験年数に関わらず高年収を目指せる。
  • 給料が高い理由は「人件費率が高い」「医師がいない」「歩合制の活用」「経験豊富なスタッフが多い」の4つ。
  • 本気で年収を上げたいなら、病院・老健の訪問リハより訪問看護ステーションのリハ職が有利になりやすい。
  • 歩合制は稼げるが収入が不安定。年収・働きやすさ・将来性のバランスで職場を選ぶことが長く続けるコツ。
ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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