【令和6年度対応】リハビリテーション会議とは|進め方・頻度を現役PT解説

「リハビリテーション会議って、結局なにを話せばいいの?」「司会も会議録も自分。準備に時間がかかりすぎてつらい」――そんな悩みを抱えるPT/OT/STの方は多いはずです。リハ会議はリハマネ加算の算定要件であると同時に、利用者さんの予後を左右する大切な多職種協働の場でもあります。
この記事では、訪問・通所リハビリの現場セラピストに向けて、リハビリテーション会議の目的・進め方・開催頻度・会議録のポイントを、令和6年度介護報酬改定の内容にあわせて整理します。「明日から会議の質と効率を上げたい」現場担当者がそのまま使える内容にしました。
- リハビリテーション会議の定義と、リハマネ加算(イ・ロ・ハ)との関係
- 訪問・通所別の開催頻度と、構成員・参加者の考え方
- テレビ電話装置等を活用するときの注意点
- 現場で時短になる進め方・会議録のコツ
- サービス担当者会議との違いとよくある実務Q&A
リハビリテーション会議とは|リハマネ加算の中核を担う多職種会議
リハビリテーション会議(以下、リハ会議)は、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションで開催される多職種協働の会議です。平成27年度の介護報酬改定でリハビリテーションマネジメント加算の見直しがあった際に位置づけられ、その後の改定でも一貫してリハマネ加算の算定要件の中心に据えられています。
令和6年度の介護報酬改定では、リハマネ加算がイ・ロ・ハの3区分に再編されました。利用者の状態が変化しやすい時期(同意月から6か月以内)はより手厚いマネジメントが必要、という考え方は維持されています。
| 区分 | 主な要件のイメージ | リハ会議の開催 |
|---|---|---|
| 加算なし | 計画書作成のみ | 不要 |
| リハマネ加算(イ) | 多職種協働でリハ計画を作成・見直し | 必要 |
| リハマネ加算(ロ) | (イ)+LIFEへのデータ提出と活用 | 必要 |
| リハマネ加算(ハ) | (ロ)+医師がさらに関与する区分 | 必要 |
※区分ごとの詳細単位数・要件は、厚生労働省の令和6年度改定資料で必ず最新版をご確認ください。

リハマネ加算を算定しないなら、リハ会議もやらなくていいの?

制度上は不要だね。でも多職種で目標を擦り合わせる場をまったく持たないと、計画がひとり歩きしやすいんだ。算定しなくても、簡易な情報共有の場は持っておきたいよ。
リハビリテーション会議の目的
リハ会議の目的は、医師・リハ職・ケアマネ・看護・介護など利用者に関わる多職種が、アセスメント結果と本人・家族の希望を共有したうえで、「生活上の目標」「目標達成までの期限」「具体的な支援方法」「介入頻度・時間」「各職種の役割」を一つの計画にまとめることです。
生活期リハでは、機能訓練だけでなく「活動」と「参加」をどう広げるかが評価のカギになります。SPDCA(調査→計画→実行→評価→改善)を回しながらチームで進めるための司令塔が、このリハ会議だと考えると分かりやすいです。
開催頻度|訪問リハ・通所リハで違うので要注意
リハ会議の開催頻度は、訪問リハと通所リハで異なります。「今月どっちのカウントだっけ?」を間違えると、算定要件を満たせなくなるので、担当ごとに必ずカレンダー管理しましょう。
| サービス | 開催頻度 |
|---|---|
| 訪問リハビリテーション | 3か月に1回以上 |
| 通所リハビリテーション(同意月から6か月以内) | 1か月に1回以上 |
| 通所リハビリテーション(6か月超) | 3か月に1回以上 |
過去24か月以内に介護保険または医療保険のリハに係る報酬請求が通算6か月以上ある利用者は、通所リハでも算定当初から3か月に1回の開催で差し支えないとされています(厚労省Q&A)。新規ケースほど慎重に頻度を確認しましょう。
構成員・参加者|「関わる人みんな」が原則
リハ会議の構成員は、利用者と家族を基本とし、医師、PT・OT・ST、ケアマネ、居宅サービス計画に位置づけられたサービス担当者、看護師、准看護師、介護職員、保健師などです。必要に応じて歯科医師、管理栄養士、歯科衛生士なども参加します。
「関わる人みんな」が原則ですが、家庭内暴力等で家族の参加が望ましくない場合や、家族が遠方の場合などは無理に参加を求めなくても問題ありません。欠席する場合は理由を会議録に記載し、会議後すみやかに計画書と会議録の写しを共有することが求められます。
医師が参加できないときの対応
医師は、リハマネ加算のどの区分でも本来は出席が望ましい構成員です。しかし、外来診療や訪問診療のスケジュール上、毎回の参加が難しい場面は現場でもよくあります。医師が欠席した場合は、会議録と計画書を医師に共有し、内容について確認・指示を受けたことを記録に残す運用が安全です。
テレビ電話装置等での開催|常時動画共有が条件
リハ会議は、リアルタイムで画像を介したコミュニケーションが可能な機器(テレビ電話装置等)を活用して開催することができます。利用者・家族が参加する場合は、必ず本人・家族の同意を得ることが前提です。
「基本は電話で、必要なときだけ動画を送る」やり方は不可です。厚労省Q&Aでは、テレビ電話装置等を使用する場合、常時、医師とその他の構成員が動画を共有していることが求められています。音声のみのオンライン会議は要件を満たしません。
あわせて、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」や、厚労省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応した環境を選びましょう。フリーWi-Fiでの会議や、私物端末の無管理運用は避けたいところです。
リハビリテーション会議の進め方|現場で使える7ステップ
リハ会議は司会・進行・議事録・配布まで、訪問リハ/通所リハのリハ職員側が主体となって運営します。属人化しないよう、ステーション内で進め方の型を共有しておくと効率的です。
- 事前準備(前日まで)関係職種に日時とアジェンダ案を送付。本人・家族の希望、最近のADL/IADL変化、リハ目標の進捗を1枚資料にまとめておきます。
- 自己紹介・前回の振り返り初回や新メンバーが入った回は自己紹介から。2回目以降は、前回の短期目標がどこまで達成されたかを最初に共有します。
- 多職種からの近況報告司会のリハ職員から、看護・介護・福祉用具事業者などに「最近気になる変化」を聞きます。
- 本人・家族の希望・困りごと「やりたいけれどできていないこと」「不安に感じていること」を具体的に引き出します。
- 問題点の整理と役割分担抽出した課題に対して、「誰が・何を・いつまでに」担当するかを全員で決めます。
- 短期目標と次回までの宿題次の会議までに達成したい短期目標と、各職種の関わり方を確認します。
- 会議録の作成・共有会議後すみやかに会議録を作成し、ケアマネと居宅サービス計画に位置づけられた事業者へ共有します。
会議録(議事録)のポイント
リハ会議で話し合った内容は、別紙様式2-3「リハビリテーション会議録」を活用して記録に残すこととされています。作成した会議録はケアマネをはじめ、居宅サービス計画に位置づけられた居宅サービスの担当者と共有し、利用者ごとに2年間の保存が必要です。
議事録テンプレートを「アセスメント/目標/支援方針/役割分担/次回までの宿題」の5ブロックに固定すると、書き漏れと書きすぎを同時に防げます。Excelやワード様式を社内で統一しておくと、複数担当でも質が安定します。
サービス担当者会議との違い|「誰が司会・調整・議事録か」
リハ会議とサービス担当者会議は、参加者層が重なるため混同されがちです。最大の違いは、スケジュール調整・司会進行・議事録作成・配布の主体が誰かです。
| 項目 | リハビリテーション会議 | サービス担当者会議 |
|---|---|---|
| 主催・運営 | 訪問リハ/通所リハのリハ職員 | ケアマネジャー(介護支援専門員) |
| 主な目的 | リハ計画の作成・見直し(多職種で共有) | 居宅サービス計画全体の調整 |
| 議事録作成 | リハ事業所側 | ケアマネ側 |
| 合同開催 | 要件を満たせば可(ケアマネの参加必須) | 同左 |
条件が整えば、リハ会議とサービス担当者会議を合同で開催することもできます。利用者・家族の負担を減らし、関係者全員の合意形成を一度に進められるため、現場としては積極的に検討したい運用です。
現場セラピストがリハ会議をうまく回す3つのコツ
1. アジェンダを「短期目標ベース」で組む
リハ会議は時間制約の中で進めるので、論点が広がるほど結論が出にくくなります。「今期の短期目標は何だったか/達成度はどうか/次の短期目標はどうするか」を軸にアジェンダを組むと、自然に多職種の意見が短期目標に集約されます。
2. 役割分担はその場で「いつまでに」まで決める
「介護職員が見守り強化」「家族が自主トレ協力」などフワッとした結論で終わると、次回また同じ話を繰り返すことになります。会議の最後に「誰が・何を・いつまでに」を必ずホワイトボードや画面共有で読み合わせるクロージングの型を作っておきましょう。
3. テレビ電話装置等の活用で参加率を底上げ
医師・薬剤師・栄養士など外部職種は、対面参加のハードルが高いケースが少なくありません。常時動画共有という要件を守りつつ、テレビ電話装置等を活用すれば、参加率は確実に上がります。事業所として安全に運用できるツールを1〜2種類に絞り、説明同意書のフォーマットを整えておくと展開がスムーズです。
よくある質問(FAQ)
リハ会議の開催頻度を満たせなかった月があると、加算は全部取れない?
厚労省Q&Aでは、リハマネ加算の取得には所定の開催回数を満たすことが必要とされています。やむを得ず構成員が欠席した場合は、会議自体を実施したうえで会議終了後にすみやかに情報共有を行う運用が前提です。要件未充足の月は算定を見合わせ、事業所内のルールで判断ミスを防ぎましょう。
事業者の異なる訪問リハと通所リハで、リハ会議を合同開催してもいい?
居宅サービス計画に両方の利用が位置づけられており、各事業者が主体的にリハの専門的見地から情報を共有しリハ計画を作成等するのであれば、合同開催で差し支えないとされています(令和6年度Q&A)。役割分担を事前に書面で擦り合わせておくと安心です。
医師がリハ計画をテレビ電話装置等で本人・家族に説明しても要件を満たす?
リハ会議の中でリハ計画の内容を本人・家族へ説明する場合に限り、テレビ電話装置等での説明でも要件を満たすとされています。会議とは別の場面でビデオ通話のみで説明を済ませる、という運用は認められません。
会議録は誰に、いつまで、どのように共有すればいい?
会議録はケアマネをはじめ居宅サービス計画に位置づけられた事業者と共有し、利用者ごとに2年間保存します。欠席者にも計画書と会議録の写しを提供し、情報共有を図ることが求められています。郵送・メール・電子カルテ連携など、事業所として共有手段を統一しておくとミスを防げます。
通所リハの提供時間中にリハ会議を開催してもいい?
通所リハの提供時間中に事業所内でリハ会議を開催する場合は、人員基準の算定に含めることができるとされています(事業所外で開催する場合は含めない)。利用者のサービス提供時間中にリハ会議を実施することも認められています。
まとめ|リハ会議は「多職種で短期目標を回す司令塔」
リハ会議は、リハマネ加算の算定要件であると同時に、利用者の生活を多職種で支えるための司令塔です。司会・議事録までリハ職員が担うため負荷は決して軽くありませんが、運営の型を作れば、現場のチーム連携を大きく前進させる場になります。
- リハ会議は訪問リハ・通所リハで実施する多職種協働会議で、令和6年度改定後はリハマネ加算(イ・ロ・ハ)の中核要件
- 開催頻度は訪問リハで3か月に1回以上、通所リハは6か月以内は月1回以上、6か月超は3か月に1回以上
- テレビ電話装置等の活用は可だが、常時動画共有が必要。本人・家族参加時は同意も忘れない
- 会議録は別紙様式2-3を活用し、ケアマネ・関係事業所と共有のうえ2年間保存
- 司会進行・議事録・配布の主体がリハ職員である点が、サービス担当者会議との最大の違い
制度を押さえつつ、現場の運用は「短期目標で回す」「役割分担はその場で締める」「ICTで参加率を上げる」の3点に絞ると、会議の質と効率を同時に高められます。




