専門理学療法士とは?取得要件・試験・費用を解説

先に結論をお伝えします。専門理学療法士は、日本理学療法士協会の生涯学習制度で「研究分野でのスペシャリスト」と位置づけられた資格です。登録理学療法士を基盤とし、指定研修・学術大会への参加と発表・査読付き原著論文などの要件を満たしたうえで、口頭試問に合格すると取得できます。5年ごとの更新制です。
この記事では、専門理学療法士の取得要件・試験・費用・更新を、日本理学療法士協会の公式情報を確認して整理しました。認定理学療法士との違いもまとめています。
- 専門理学療法士とはどんな資格か
- 認定理学療法士との違い
- 取得に必要な5つの要件
- 口頭試問の内容と費用
- 専門理学療法士の更新要件
専門理学療法士とは?
日本理学療法士協会は、「登録理学療法士」を基盤として、自らの専門性をさらに高め、視覚化する制度として「認定理学療法士」と「専門理学療法士」を設けています。専門理学療法士は「より専門性の高い臨床技能を有する『研究分野でのスペシャリスト』」とされ、取得には試験が必要で、5年ごとの更新制です。
認定理学療法士との違い
| 項目 | 認定理学療法士 | 専門理学療法士 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 臨床の専門性を高める資格 | 研究分野でのスペシャリスト |
| 求められる実績 | 臨床認定カリキュラムなど | 学会での筆頭発表、査読付き原著論文 |
| 試験 | あり | 口頭試問(ショーケースポートフォリオと論文にもとづく) |
| 前提 | どちらも登録理学療法士の取得が基盤。5年ごとの更新制 | |
研究の実績を求められる点が、専門理学療法士の最大の特徴です。臨床での専門性を示したい人は認定理学療法士、研究や教育にも力を入れたい人は専門理学療法士、という選び方が目安になります。
専門理学療法士の取得要件
協会の案内では、新規取得の要件は次のとおりです。要件はそれぞれ履修日から5年間有効で、登録理学療法士の取得後に満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ①指定研修カリキュラム | 全分野共通の研修12コマ(1コマ90分・計18時間)を協会のeラーニングで受講。受講費12,000円(税別)。同じ年度内に全コマの履修が必要 |
| ②ブロック主催の学術大会 | 北海道・東北など8ブロックの学術大会に参加 |
| ③都道府県士会主催の学術大会 | 都道府県理学療法士会の学術大会に参加 |
| ④学術大会での発表 | 日本理学療法学会連合の会員団体が主催する学術大会で、筆頭演者として発表(共同演者は含まない) |
| ⑤査読付き原著論文 | 協会が指定する英文雑誌・和文雑誌の査読あり原著論文(システマティックレビューは対象外) |
②③の学術大会は、申込み時に履修目的として「専門理学療法士新規取得」を選択する必要があります。また、申請する日までにマイページへの履修登録が完了していなければならず、反映に数か月かかる場合もあるとされています。
ちびウルフ論文って、臨床だけしてる人にはハードル高くない?
リハウルフ正直、一番の壁はそこです。ただ、症例報告を学会で発表して、それを論文にまとめるところから始める人も多いです。職場に論文を書いた経験のある先輩がいれば、早めに相談してテーマを一緒に考えてもらうと進めやすいですよ。
口頭試問の内容と費用
- 申請期間:例年8月(2026年度は8月3日〜8月31日)
- 申請料:1分野につき10,000円(税別)。同時に申請できるのは3分野まで
- 試験日:例年12月(2026年度は12月13日)
- 試験形式:口頭試問。提出したショーケースポートフォリオと論文の内容にもとづき、10分以内の発表と20分程度の質疑
- 合格発表:例年2月末ごろ。合格すると次年度から専門理学療法士になる
ショーケースポートフォリオは、当該分野で理学療法を効率よく実践するための知識と技術を示す事例か、学問的発展を倫理的かつ科学的に実践できる能力を示す事例(研究成果・教育活動など)のいずれかを提出します。2026年度からは、受験者1名に対して3名の試験官で実施するとされています。
費用の目安は、指定研修12,000円+申請料10,000円(いずれも税別)に、学術大会の参加費などが加わります。
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専門理学療法士の更新要件
専門理学療法士は5年ごとの更新制で、登録理学療法士も別途更新が必要です。協会の案内では、更新の要件は次のとおりです。
- 要件①:学術雑誌への投稿(筆頭著者)や、ブロック・都道府県・学会連合の会員団体の学会での一般発表の筆頭演者のいずれか1つ
- 要件②:維持・研鑽のための活動で100点を取得(①に使った活動は使えない)
- 要件③:更新時研修(eラーニングで共通研修4コマ・分野別研修1コマの計5コマ)
更新の申請期間は例年1月中で、申請料は1分野につき10,000円(税別)です。申請料の入金が確認できない場合は失効となるため注意してください。理学療法士の学び方全般は理学療法士の勉強方法7つを比較で解説しています。
よくある質問
専門理学療法士と認定理学療法士はどちらが上ですか?
上下というより役割の違いです。協会は専門理学療法士を「研究分野でのスペシャリスト」と位置づけており、学会での筆頭発表や査読付き原著論文が要件になっています。どちらも登録理学療法士が基盤です。
専門理学療法士の試験はどんな内容ですか?
口頭試問です。提出したショーケースポートフォリオと論文の内容にもとづき、10分以内の発表と20分程度の質疑が行われます。
専門理学療法士の取得にかかる費用はいくらですか?
協会の案内では、指定研修カリキュラムの受講費が12,000円(税別)、申請料が1分野につき10,000円(税別)です。これに学術大会の参加費などが加わります。
論文はシステマティックレビューでもいいですか?
対象外です。協会が指定する雑誌の査読あり原著論文である必要があります。口頭試問でも扱われるため、申請する分野に即した内容にしてください。
複数の分野を同時に申請できますか?
同時に申請できるのは3分野までです。申請料は分野ごとにかかり、申請後の返金・キャンセルはできないとされています。
- 専門理学療法士は「研究分野でのスペシャリスト」。登録理学療法士が基盤
- 要件は指定研修・ブロックと士会の学術大会参加・筆頭発表・査読付き原著論文
- 試験は口頭試問。申請は例年8月、試験は例年12月
- 費用は指定研修12,000円+申請料10,000円(税別)+学会参加費など
- 5年ごとの更新制。更新では筆頭発表などと100点の取得が必要
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。取得要件・試験・費用・更新に関する記述は、日本理学療法士協会の公式サイトの案内にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。日程・費用・要件は年度によって変わることがあるため、申請前に協会の最新の案内と申請マニュアルをご確認ください。資格の選び方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。





