先に結論をお伝えします。介護事業所のパンフレットは「誰に渡すか」を決めてから、サービス内容・対象者・料金の目安・営業日と提供地域・連絡先の5つを必ず載せるのが基本です。また、指定居宅サービスの基準では、事業所の広告は「虚偽又は誇大なものであってはならない」とされています。目立たせたい気持ちが強いほど、表現には注意が必要です。

この記事では、介護事業所のパンフレットに載せる項目、ケアマネジャーと利用者・家族で変えるポイント、広告で気をつけたいルールを、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 介護事業所のパンフレットに載せる項目
  • ケアマネ向けと利用者・家族向けの作り分け
  • パンフレットで守るべき基準上のルール
  • 読まれるパンフレットにするコツ
  • 印刷と更新の進め方

介護事業所のパンフレットに載せる項目

パンフレットは、事業所を初めて知る人が「うちで使えるか」「どこに連絡すればいいか」を判断するための資料です。最低限、次の項目を載せてください。

項目書くこと
サービス内容何ができるか。訪問看護なら医療処置・リハビリ・看取り、デイなら入浴・機能訓練など
対象者要介護・要支援、医療保険での利用、受け入れできる状態(医療的ケア・認知症など)
料金の目安自己負担の目安と、加算などで変わること。「詳しくはお問い合わせください」だけにしない
営業日・時間・提供地域土日祝の対応、緊急時の対応、訪問できる地域や送迎範囲
連絡先電話・FAX・メール、担当者名。ケアマネ向けにはFAXの番号を大きく
事業所の特徴職員の職種や人数、得意な分野。事実として示せることだけを書く
利用までの流れ相談→ケアマネとの調整→契約→利用開始までの流れ

写真は、職員の顔や実際の設備が見えるものを使うと、利用する側の不安が減ります。利用者が写る写真を使う場合は、必ず本人の同意を得てください。

ケアマネ向けと利用者・家族向けで作り分ける

1種類のパンフレットですべての相手に対応しようとすると、情報が多すぎて誰にも響かなくなります。可能なら、渡す相手で作り分けましょう。

ケアマネジャー向け

ケアマネジャーが知りたいのは、「この利用者さんを頼めるか」です。受け入れできる状態(医療的ケア、重度者、認知症、短時間の利用など)、空き状況の問い合わせ方法、算定している加算、緊急時の対応を、ひと目でわかるように並べてください。空き状況は変わるので、パンフレットとは別の1枚ものにして、こまめに差し替えると便利です。

利用者・家族向け

利用者や家族が知りたいのは、「どんな人が来るのか(どんな場所なのか)」「いくらかかるのか」です。専門用語を減らし、1日の流れや、実際の職員の写真を中心にしてください。文字は大きめにし、高齢の方でも読みやすい配色にします。

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ケアマネさんにパンフレットを渡すだけで、利用者は増えるの?

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渡すだけでは増えません。ケアマネさんは忙しいので、「どんな人を受けられるか」がすぐわかる資料が残ります。現場では、利用者さんを受けたあとの報告がていねいな事業所ほど、次の依頼が来やすいと感じます。パンフレットはそのきっかけ作りです。

パンフレットで守るべき基準上のルール

介護保険の指定事業所は、運営基準を守る必要があります。パンフレットや営業に関わるのは、主に次の3つです。

広告は虚偽・誇大にしない

基準第34条では、「指定訪問介護事業者は、指定訪問介護事業所について広告をする場合においては、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならない」と定めています。この規定は、訪問看護(第74条)や通所介護(第105条)などにも準用されています。

避けたい表現の例

「必ず歩けるようになります」「地域No.1」「どんな方でも受け入れます」など、根拠を示せない表現や、実際の体制と合わない表現は避けてください。「No.1」などを使う場合は、何の調査にもとづくかを示せることが前提です。

重要事項の掲示・ウェブサイトへの掲載

基準第32条では、運営規程の概要や勤務の体制など、利用申込者のサービスの選択に資する重要事項を事業所に掲示することに加え、「原則として、重要事項をウェブサイトに掲載しなければならない」としています。パンフレットにホームページのURLやQRコードを載せておくと、詳しい情報への入口になります。

ケアマネへの利益供与の禁止

基準第35条では、居宅介護支援事業者やその従業者に対して、利用者に特定の事業者のサービスを利用させることの対償として、「金品その他の財産上の利益を供与してはならない」と定めています。営業でパンフレットを配るときに、お礼の品などを添える行為は誤解を招くおそれがあるため避けましょう。

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パンフレットは、料金や営業日、職員体制が変わるたびに直す必要があります。一度に大量に刷らず、必要な部数を見ながら作り直すほうが、古い情報を配り続けずに済みます。ラクスルはチラシ・パンフレット・名刺をネットで注文できる印刷サービスで、デザインテンプレートも用意されています。

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※料金・納期は部数と紙の種類で変わります。最新の情報は公式サイトでご確認ください

読まれるパンフレットにするコツ

  • 表紙で「誰の・何の」事業所かを伝える:事業所名だけでなく「〇〇市の訪問看護」「リハビリ特化型デイ」など
  • 強みは1〜2つに絞る:全部を書くと、どれも伝わらない
  • 数字で示せることは数字で:職員の職種と人数、営業時間、提供地域など、事実を具体的に
  • 文字は大きく、余白を多く:高齢の方や忙しいケアマネが読む前提で
  • 情報の更新日を入れる:料金や体制が変わったときに、古いパンフレットと区別できる

営業用のチラシの作り方は訪問看護の営業チラシ作成8つのコツ、デイサービスのチラシはデイサービスのチラシの作り方で解説しています。

印刷と更新の進め方

  • 渡す相手と、載せる項目を決める
  • 文章と写真を用意し、職員で事実と違う表現がないか確認する
  • テンプレートやデザイン担当でレイアウトを作る
  • 少ない部数で印刷し、ケアマネや家族の反応を見る
  • 料金改定・体制変更のたびに内容を見直して刷り直す

介護報酬の改定や加算の届出で、料金の目安や体制は変わります。古い料金のパンフレットを配り続けると、利用者とのトラブルの原因になるので、改定のたびに見直してください。

よくある質問

介護事業所のパンフレットに料金は載せるべきですか?

載せたほうが、利用する側が判断しやすくなります。加算や負担割合で金額が変わるため、「1割負担の場合の目安」などと条件をつけて示し、詳しくは問い合わせてもらう形がよいでしょう。

「地域No.1」と書いてもいいですか?

根拠を示せない場合は避けてください。指定居宅サービスの基準では、広告の内容が虚偽または誇大であってはならないとされています。

利用者さんの写真を載せてもいいですか?

本人の同意を得たうえで使ってください。基準では、従業者は業務上知り得た利用者や家族の秘密を漏らしてはならないとされており、個人が特定できる写真や情報の扱いには注意が必要です。

パンフレットはどのくらいの部数を刷ればいいですか?

配布先の数と、内容を見直す頻度で決めます。料金や体制は報酬改定などで変わるため、一度に大量に刷るより、必要な分をこまめに印刷するほうが無駄がありません。

ケアマネに渡すときに手土産を持っていってもいいですか?

基準では、利用者に特定の事業者のサービスを利用させることの対償として、居宅介護支援事業者や従業者に財産上の利益を供与することを禁止しています。誤解を招かないよう、品物を添えるのは避けるのが無難です。

まとめ
  • サービス内容・対象者・料金の目安・営業日と地域・連絡先は必ず載せる
  • ケアマネ向けと利用者・家族向けで、載せる内容と見せ方を変える
  • 広告は虚偽・誇大にしない(基準第34条、各サービスに準用)
  • 重要事項は原則としてウェブサイトにも掲載する(基準第32条)
  • ケアマネへの利益供与は禁止(基準第35条)
  • 報酬改定や体制変更のたびに見直し、必要な部数だけ刷る
参考にした情報

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。広告・掲示・利益供与に関する記述は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の条文にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。地域密着型サービスなど、ほかの基準の事業所はそれぞれの基準の該当条文をご確認ください。表現の可否について判断に迷う場合は、指定権者(都道府県・市町村)にご確認ください。パンフレットの作り方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味