通所リハビリの利用料金はいくら?自己負担額の目安と内訳を解説

「デイケアって、月にいくらかかりますか」。この質問にひと言で答えられないのは、料金が3つの要素の足し算でできているからです。
この記事では、理学療法士・介護支援専門員として在宅の現場に関わってきた立場から、通所リハビリテーション(デイケア)の料金の決まり方と、自己負担額の目安を、厚生労働省の単位数表にもとづいて整理します。ご自身のケースに当てはめて計算できる形にしました。
- 通所リハビリの料金が何で決まるか
- 要介護度と利用時間ごとの単位数
- 単位を円に換算する方法
- よくある加算と、その内容
- 介護保険がきかない費用(食費など)
- 週2回利用した場合の1か月の目安額
- 自己負担が1割・2割・3割に分かれる理由
- 負担が上限で止まる高額介護サービス費のしくみ
通所リハビリの料金は3つの要素でできている
| 要素 | 内容 | 負担の考え方 |
|---|---|---|
| ① 基本料金 | 要介護度と利用時間で決まる基本部分。送迎も含まれる | 介護保険が適用。自己負担は1〜3割 |
| ② 加算 | 入浴の介助、リハビリの計画管理、口腔・栄養への取組など | 介護保険が適用。自己負担は1〜3割 |
| ③ 保険外の費用 | 食費、おむつ代、日用品費、レクリエーションの材料費など | 全額自己負担 |
よくある誤解を先に解いておきます。送迎の費用は基本料金に含まれています。別料金ではありません(事業所が送迎を行わない場合は、逆に片道につき47単位が差し引かれます)。一方で食事代は介護保険の対象外なので、昼食のある事業所を利用すると実費が上乗せされます。
通所リハビリの基本料金(単位数)
介護保険のサービス料金は「円」ではなく「単位」で決まっています。通常規模の事業所の場合、1回あたりの単位数は次のとおりです。
| 利用時間 | 要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1時間以上2時間未満 | 369 | 398 | 429 | 458 | 491 |
| 2時間以上3時間未満 | 383 | 439 | 498 | 555 | 612 |
| 3時間以上4時間未満 | 486 | 565 | 643 | 743 | 842 |
| 4時間以上5時間未満 | 553 | 642 | 730 | 844 | 957 |
| 5時間以上6時間未満 | 622 | 738 | 852 | 987 | 1,120 |
| 6時間以上7時間未満 | 715 | 850 | 981 | 1,137 | 1,290 |
| 7時間以上8時間未満 | 762 | 903 | 1,046 | 1,215 | 1,379 |
単位はいずれも1日(1回)につき。厚生労働省「介護報酬の算定構造」より、通常規模の事業所の場合。
単位を円に換算する
1単位はおおむね10円です。ただし地域とサービスの種類によって10円から11円台まで幅があります(人件費水準の高い地域ほど高くなります)。この記事では計算しやすいよう1単位=10円で計算しますが、都市部にお住まいの場合は数%上乗せしてお考えください。
たとえば要介護2・6時間以上7時間未満・1割負担なら、850単位×10円=8,500円のうち1回あたり850円が自己負担です(加算を除く)。
加算でいくら増えるか
通所リハビリには多くの加算があります。よく算定されるものを挙げます。
| 加算の名称 | 内容 | 単位数の目安 |
|---|---|---|
| リハビリテーションマネジメント加算(イ) | リハビリ計画を多職種で管理し、療法士が説明・同意を得る | 560単位/月(同意月から6月超は240単位/月) |
| リハビリテーションマネジメント加算(ロ) | (イ)に加え、国のデータベース(LIFE)への提出を行う | 593単位/月(6月超は273単位/月) |
| リハビリテーションマネジメント加算(ハ) | (ロ)に加え、口腔と栄養の評価を多職種で一体的に行う | 793単位/月(6月超は473単位/月) |
| 入浴介助加算 | 入浴の介助を受ける場合 | (Ⅰ)40単位/日、(Ⅱ)60単位/日 |
| 短期集中個別リハビリテーション実施加算 | 退院・退所直後などに集中的に個別リハを行う | 110単位/日 |
| 送迎を行わない場合 | 家族の送迎などで事業所の送迎を使わない | 片道につき−47単位 |
このほか、職員の配置状況に応じた加算(サービス提供体制強化加算)や、介護職員等処遇改善加算が上乗せされます。処遇改善加算はサービス費の合計に一定率をかける形なので、請求額全体が数%増えると考えてください。
ちびウルフ加算って、断ることはできるの?
リハウルフ体制に対する加算は事業所単位なので選べません。ただ、入浴介助のように「使わなければつかない」加算もあります。契約前に「うちの場合は毎回いくらになりますか」と、加算込みの見積もりを出してもらってください。事業所は説明する義務があります。
介護保険がきかない費用
- 食費|昼食代。1食あたり500〜800円程度が多いですが、事業所ごとに設定します
- おむつ代・日用品費|施設入所と違い、通所では自己負担になるのが一般的です
- レクリエーションの材料費|手芸や書道などの実費
- 8時間を超える預かり|延長の預かりは介護保険の対象外で、実費請求になる場合があります
- 希望した個別サービス|理美容など
金額は事業所が定めるため、重要事項説明書と利用契約書で必ず確認してください。
1か月の自己負担額の目安
1単位10円、自己負担1割、月8回(週2回)利用として計算した例です。加算の算定状況で変わるため、あくまで目安です。
| ケース | 内訳 | 1か月の目安(1割負担) |
|---|---|---|
| 要介護1 1〜2時間・月8回 (短時間のリハビリ特化型) | 基本369単位×8回=2,952単位 リハマネ加算(イ)560単位 合計3,512単位=35,120円 | 約3,500円 (食事なし) |
| 要介護2 6〜7時間・月8回 (食事・入浴あり) | 基本850単位×8回=6,800単位 リハマネ加算(イ)560単位 入浴介助加算(Ⅰ)40×8=320単位 合計7,680単位=76,800円 | 約7,700円 +食費約4,800円 =約12,500円 |
| 要介護4 6〜7時間・月8回 (食事・入浴あり) | 基本1,137単位×8回=9,096単位 リハマネ加算(イ)560単位 入浴介助加算(Ⅰ)320単位 合計9,976単位=99,760円 | 約10,000円 +食費約4,800円 =約14,800円 |
自己負担の割合と、負担が止まるしくみ
1割・2割・3割はどう決まるか
65歳以上の方の自己負担割合は、本人の合計所得金額と、世帯の65歳以上の方の年金収入等の合計額によって決まります。判定結果は毎年送られてくる「介護保険負担割合証」に記載されているので、そこを見れば確実です。有効期間は8月1日から翌年7月31日までです。
使える上限がある(区分支給限度基準額)
介護保険の在宅サービスには、1か月に使える上限が単位で決まっています。
| 要介護度 | 1か月の上限(単位) | 10円換算の目安 |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 | 約50,320円 |
| 要支援2 | 10,531単位 | 約105,310円 |
| 要介護1 | 16,765単位 | 約167,650円 |
| 要介護2 | 19,705単位 | 約197,050円 |
| 要介護3 | 27,048単位 | 約270,480円 |
| 要介護4 | 30,938単位 | 約309,380円 |
| 要介護5 | 36,217単位 | 約362,170円 |
この上限は通所リハビリだけでなく、訪問介護やデイサービス、福祉用具レンタルなどを合計した枠です。上限を超えた分は全額自己負担になります。他のサービスと組み合わせる方は、ケアマネジャーが枠内で調整しています。
払いすぎた分は戻る(高額介護サービス費)
1か月の自己負担額が一定額を超えると、超えた分が申請により払い戻されます。上限額は所得によって次のように分かれます。
| 区分 | 負担の上限額(月額) |
|---|---|
| 課税所得690万円以上の第1号被保険者がいる世帯 | 140,100円(世帯) |
| 課税所得380万円以上690万円未満の方がいる世帯 | 93,000円(世帯) |
| 課税所得380万円未満の方がいる世帯 | 44,400円(世帯) |
| 市町村民税世帯非課税 | 24,600円(世帯) |
| 市町村民税世帯非課税で、年金収入等が80万円以下の方 など | 24,600円(世帯)/15,000円(個人) |
| 生活保護の受給者 など | 15,000円(個人) |
令和3年8月から適用されている区分です。判定は毎年8月1日を基準に行われます。
リハウルフ費用の相談で私がいちばん多く受けるのは「思っていたより高い」ではなく「何にいくら払っているか分からない」という声です。請求書は、介護保険分と保険外分を分けて見る。これだけで納得感がまったく違います。
通所リハビリと通所介護(デイサービス)では料金が違いますか?
送迎は別料金ですか?
昼食代はいくらくらいですか?
週に何回まで利用できますか?
要支援でも通所リハビリは使えますか?
途中で要介護度が変わったら料金はどうなりますか?
- 通所リハビリの料金は「基本料金+加算+保険外費用」の合計で決まる。
- 基本料金は要介護度と利用時間で決まり、送迎の費用は基本料金に含まれる。
- 事業所の送迎を使わない場合は、片道につき47単位が減算される。
- 1単位はおおむね10円だが、地域とサービス種類により10円〜11円台の幅がある。
- 通常規模の事業所で6〜7時間の場合、要介護1が715単位、要介護5が1,290単位(1回あたり)。
- 7〜8時間の場合は要介護1が762単位、要介護5が1,379単位。
- 主な加算はリハビリテーションマネジメント加算(イ)560単位/月、(ロ)593単位/月、(ハ)793単位/月など。
- 入浴介助加算は(Ⅰ)40単位/日、(Ⅱ)60単位/日。
- 食費、おむつ代、日用品費、レク材料費は介護保険の対象外で全額自己負担。
- 要介護2で6〜7時間・週2回・1割負担なら、目安は月7,700円程度+食費約4,800円。
- 自己負担割合は1〜3割。判定結果は毎年送付される「介護保険負担割合証」で確認できる。
- 1か月に使える上限(区分支給限度基準額)は要介護1で16,765単位、要介護5で36,217単位。他の在宅サービスとの合計枠。
- 自己負担が上限を超えた分は高額介護サービス費として払い戻される(申請が必要、食費等は対象外)。
- 上限額は所得により、15,000円・24,600円・44,400円・93,000円・140,100円に分かれる。
- 厚生労働省「介護報酬の算定構造」(指定居宅サービス介護給付費単位数の算定構造・通所リハビリテーション費。令和8年6月改定箇所を反映した最新版)
- 厚生労働省老健局「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(訪問・通所リハビリテーションにおけるリハビリテーション、口腔、栄養の一体的取組の推進、通所リハビリテーション基本報酬)
- 厚生労働省「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額(平成12年厚生省告示第33号)」
- 厚生労働省老健局介護保険計画課「介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて」(令和3年7月5日/介護保険最新情報Vol.997。高額介護サービス費の負担限度額)
※単位数および負担限度額は上記の厚生労働省資料にもとづきます。本記事の金額はすべて1単位=10円、自己負担1割として計算した目安であり、実際の請求額とは異なります。1単位あたりの単価は地域区分とサービス種類により異なり、都市部では10円を超えます。加算は事業所の体制や利用者の状況によって算定の有無が変わるため、記載した加算がすべて算定されるとは限らず、記載していない加算が算定される場合もあります。介護職員等処遇改善加算およびサービス提供体制強化加算は試算に含めていません。食費等の保険外費用は事業所が独自に定めます。制度は改定により変わる可能性があり、内容は2026年8月時点で確認できた情報です。正確な金額と自己負担割合は、介護保険負担割合証、事業所の重要事項説明書、担当ケアマネジャー、お住まいの市町村の介護保険担当課にご確認ください。
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