定期巡回の退院時共同指導加算とは?対象区分に注意

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の退院時共同指導加算は600単位です。ただし算定できるのは「イ(2)について」、つまり一体型で訪問看護サービスを行う場合に限られます。連携型(ロ)や(Ⅲ)では算定できません。ここを取り違えると返還につながります。
この記事では、この加算の単位数と算定要件を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- 算定できるのは一体型で訪問看護を行う場合だけであること
- 600単位を算定できる回数の上限
- 特別な管理を必要とする利用者は2回まで算定できること
- 指導を行える職種
- 退院後に初回の訪問看護サービスを行うことが条件であること
- 入院先として認められる施設の範囲
- 記録として残すべきもの
- 算定できない典型的なケース
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の退院時共同指導加算とは?
病院や施設から自宅に戻るとき、退院前に医療機関の主治医らと共同して在宅療養上の指導を行い、その内容を本人や介護者に提供することを評価する加算です。退院直後の状態悪化や再入院を防ぐことを目的としています。
退院時共同指導加算の単位数
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 600単位 |
| 算定頻度 | 1回につき |
| 算定できる回数 | 当該退院・退所につき1回 (特別な管理を必要とする利用者は2回) |
| 対象となる基本報酬 | イ(2)のみ(一体型で訪問看護サービスを行う場合) |
退院時共同指導加算の算定要件
- イ(2)について、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院に入院中又は入所中の者が退院又は退所するに当たり、一体型指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の保健師、看護師又は理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士が退院時共同指導(中略)を行った後、当該者の退院又は退所後に当該者に対する初回の訪問看護サービスを行った場合に、退院時共同指導加算として、当該退院又は退所につき1回(特別な管理を必要とする利用者については2回)に限り、所定単位数を加算する。
1. 算定できるのは「イ(2)」だけ
・イ(1)(訪問看護を行わない場合)… 対象外
・ロ(連携型)… 対象外
・ハ(Ⅲ)… 対象外
連携型の場合、訪問看護は連携先の訪問看護事業所が提供するため、そちらで退院時共同指導加算を算定することになります。
2. 指導を行える職種が限定されている
条文は「保健師、看護師又は理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士」と定めています。介護福祉士やオペレーターが行った場合は算定できません。
- 誰が指導に参加したかを、氏名と職種で記録する
- 医療機関側の参加者(主治医その他の従業者)も記録する
- 共同で行ったことがわかる形で記録する
3. 退院後に初回の訪問看護サービスを行うことが条件
指導を行っただけでは算定できません。退院・退所後に、その利用者に対する初回の訪問看護サービスを実際に行った場合に算定します。
つまり、退院前の指導 → 退院 → 初回の訪問看護、という流れがそろって初めて要件を満たします。退院後にサービスが始まらなかった場合は算定できません。
4. 「特別な管理を必要とする利用者」は2回
原則は退院・退所につき1回ですが、特別な管理を必要とする利用者については2回まで算定できます。該当するかどうかは、厚生労働大臣が定める状態等にもとづいて判断します。2回算定する場合は、該当する状態であることの根拠を記録に残してください。
5. 入院先として認められる施設
| 施設 | 対象 |
|---|---|
| 病院 | 対象 |
| 診療所 | 対象 |
| 介護老人保健施設 | 対象 |
| 介護医療院 | 対象 |
| 特別養護老人ホーム | 条文に記載なし |
| 短期入所生活介護 | 条文に記載なし |
条文に挙げられているのは4つです。特養からの退所は列挙されていません。判断に迷う場合は保険者に確認してください。
ちびウルフ退院前カンファレンスに出ていれば算定できるってこと?
リハウルフ参加するだけでは足りません。条文は「在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を提供すること」と定義しています。会議に同席した記録だけでなく、本人や介護者に何を指導し、何を渡したかまで残してください。指導内容を記載した文書の控えがあると確実です。
退院時共同指導加算の注意点
- 基本報酬の区分を確認する:イ(2)を算定している月かどうかが前提です
- 職種を確認する:保健師・看護師・PT・OT・ST以外が行った場合は算定できません
- 指導内容の提供を記録する:同席だけでは要件を満たしません
- 初回の訪問看護サービスの実施を記録する:退院後の初回訪問が算定の条件です
- 2回算定する場合は根拠を残す:特別な管理を必要とする状態であることを示します
- 他サービスとの重複に注意:連携先の訪問看護事業所が算定していないかを確認してください
退院時共同指導加算のQ&A
よくある質問
連携型でも算定できますか?
できません。注は「イ(2)について」と限定しており、一体型で訪問看護サービスを行う場合に限られます。
何回まで算定できますか?
当該退院または退所につき1回です。特別な管理を必要とする利用者については2回まで算定できます。
誰が指導を行えばよいですか?
保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士です。介護福祉士等が行った場合は算定できません。
退院前カンファレンスに出れば算定できますか?
同席だけでは足りません。在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を提供したことの記録が必要です。
退院後に訪問がなかった場合は?
算定できません。退院・退所後に初回の訪問看護サービスを行った場合が要件です。
特養から退所した場合は?
条文に挙げられているのは病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院です。特養は列挙されていないため、保険者に確認してください。
2回算定するときの注意は?
特別な管理を必要とする利用者に該当することの根拠を記録に残してください。
連携先の訪問看護でも算定されていませんか?
重複して算定されていないか確認してください。連携型の場合は、訪問看護事業所側で算定することになります。
オンラインでの参加でも算定できますか?
実施方法の取扱いは留意事項通知および保険者の解釈によります。事前に確認してください。
- 退院時共同指導加算は600単位(1回につき)
- 算定できるのは「イ(2)」=一体型で訪問看護サービスを行う場合のみ
- イ(1)、ロ(連携型)、ハ(Ⅲ)では算定できない
- 連携型の場合は、連携先の訪問看護事業所側で算定する
- 指導を行えるのは保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
- 介護福祉士やオペレーターが行った場合は算定できない
- 会議への同席だけでは要件を満たさない
- 在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を提供する必要がある
- 退院・退所後に初回の訪問看護サービスを行うことが条件
- 算定は当該退院・退所につき1回
- 特別な管理を必要とする利用者は2回まで算定できる
- 2回算定する場合は、該当状態の根拠を記録に残す
- 入院・入所先として条文が挙げるのは病院、診療所、老健、介護医療院
- 特養は列挙されていないため、保険者に確認する
- 連携先の訪問看護事業所と重複して算定していないか確認する
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(定期巡回・随時対応型訪問介護看護費 ホ)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)e-Gov法令検索
※本記事の単位数および算定要件に関する記述は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。単位数は令和6年度介護報酬改定時点のもので、地域区分による1単位あたりの単価は含みません。「特別な管理を必要とする利用者」の範囲、指導の実施方法(オンラインの可否を含む)については、厚生労働大臣が定める状態等および留意事項通知をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





