介護食・嚥下食のレシピ本は、「食べる人のかむ力・飲み込む力に合わせて、やわらかさを段階的に作り分けられるか」で選ぶと失敗しません。迷ったら、家庭で毎日作るなら『かみやすい 飲み込みやすい 高齢者のやわらか食132』、1つのレシピをかたさ別に作り分けたいなら『高齢者の食事メニュー122』から選んでください。

この記事では、家庭で作れる介護食・嚥下食のレシピ本8冊と、食事介助や嚥下の仕組みが学べる本3冊を紹介します。刻み食・ミキサー食を作るときの注意点や、本と一緒にそろえたい道具もまとめました。

この記事でわかること
  • 介護食のやわらかさの目安(ユニバーサルデザインフードの区分)
  • 失敗しない介護食・嚥下食のレシピ本の選び方と比較表
  • 家庭で作れる介護食・嚥下食のレシピ本8選
  • 食事介助・嚥下の仕組みが学べる本3選
  • 刻み食・ミキサー食を作るときの注意点とそろえたい道具
ちびウルフちびウルフ

ネットでレシピを調べれば十分じゃないの?わざわざ本を買う意味ってあるの?

リハウルフリハウルフ

介護食は「やわらかさのレベル」を間違えると、むせや誤嚥(ごえん)につながるんだ。本は基準や手順がそろっていて、写真で仕上がりを確認できるから、安心して続けやすいんだよ。

介護食・嚥下食のやわらかさの目安

ユニバーサルデザインフードの4つの区分

市販の介護食には、日本介護食品協議会が定めた「ユニバーサルデザインフード」の区分が表示されています。同協議会は、規格に適合する商品には、「かたさ」や「粘度」の規格によって分類された4つの区分を表示しているとしています。区分は「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4つで、レシピ本もこうした段階を意識して作られているものが多くあります。

かむことや飲み込むことに重要な障がいがある、または、それが疑われる場合は医療機関の専門家にご相談ください。

出典:日本介護食品協議会「ユニバーサルデザインフードとは」

医療・介護の現場では「学会分類」も使われる

病院や施設では、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の「嚥下調整食分類」(学会分類)で食事の形態を表すことがよくあります。退院時に「コード◯」と伝えられた場合は、その分類に対応したレシピ本を選ぶと、家でも同じ形態を作りやすくなります。

介護食・嚥下食のレシピ本の選び方

①かたさ別に作り分けられるか

1つの料理を「かめる人向け」「歯ぐきでつぶせる人向け」などに作り分けられる本は、家族の食事から取り分けて介護食を作れるので負担が減ります。

②写真で仕上がりが分かるか

介護食は、仕上がりのかたさやとろみが大切です。完成写真や途中の工程写真が多い本を選ぶと、失敗しにくくなります。

③時短・作り置きの工夫があるか

毎日続けるには、市販品や冷凍食品の活用、作り置きのコツが載っている本が役立ちます。

④専門職と相談するなら学会分類対応の本

病院や施設から形態の指示を受けている場合は、学会分類に対応した本を選ぶと、専門職と同じ言葉で相談できます。

介護食・嚥下食の本おすすめ11冊の比較表

書名を押すと、その本の紹介に移動します。

書名特徴レシピ数評価(件数)
高齢者のやわらか食132段階的にアレンジ・時短1323.9(113)
高齢者の食事メニュー1221レシピ4段階のかたさ1223.7(45)
かむ・飲み込むが難しい人のごはん学会分類コード対応–3.8(188)
噛む力が弱った人のおいしい長生きごはん揚げ物も再現・時短–3.9(73)
テクニック図解 かむ・飲み込むが難しい人の食事ごちそうを介護食に1263.8(112)
家庭でできる高齢者ソフト食レシピソフト食の定番813.7(84)
みきのミキサーごはんミキサー食・動画つき504.5(14)
嚥下調整食レシピ123学会分類2021対応・専門職向け1234.2(5)
「食べる」介護のきほん食事介助・口腔ケア–4.3(34)
口から食べる幸せを守る食べることの意味–4.4(67)
見える!わかる!摂食嚥下のすべて嚥下の仕組み・動画–5.0(1)

※評価は2026年10月26日時点のAmazon販売ページの表示(5点満点、カッコ内は評価の件数)。レシピ数は出版社の内容紹介による。

家庭で作れる介護食・嚥下食のレシピ本8選

1. かみやすい 飲み込みやすい 高齢者のやわらか食132

かむ・飲み込むことに不安がある方のために、家庭の食事を食べる人の機能に合わせて段階的にアレンジできるレシピ集です。サラダチキンなどのコンビニ惣菜や冷凍食品をアレンジした時短レシピ、作りおきできるやわらか食など、忙しい介護者にうれしい工夫が載っています。評価は3.9(113件)です。

2. やわらかく、飲み込みやすい 高齢者の食事メニュー122

1つのレシピにつき、「弱い力でかめる」などかたさ別に4つの作り方を載せているのが特長の本です。普通食からやわらかい食事まで、写真つきで手順を説明しています。介護用食品や冷凍食品、総菜、レトルト食品も活用していて、負担を減らしながら作れます。

3. 決定版 かむ・飲み込むが難しい人のごはん

日本リハビリテーション医学会専門医の医師と、日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の管理栄養士が、2年半をかけて作った嚥下食のレシピ本です。「嚥下調整食学会分類2013」のコード分類に対応し、安全だけどおいしい、味・香り・色を大切に、少量でも高栄養を目指しています。野菜・肉・魚のムースから、丼や麺類まで載っています。評価3.8(188件)と、レビューの多い定番です。

4. 噛む力が弱った人のおいしい長生きごはん

舌やあごでつぶせる、ふわふわのやわらかさの料理を集めたレシピ本です。野菜ピュレを使った時短調理、シート肉で揚げ物の形を再現する工夫、ゲル化剤を使ったデザート、とろみソースによる誤嚥・窒息の予防など、「えっ、これが介護食!?」と思える見た目の料理が作れます。家族も一緒に食べられるメニューが中心です。

5. テクニック図解 かむ・飲み込むが難しい人の食事

味と見た目は普通の食事と同じなのに、重度から軽度の嚥下障害に対応した126のレシピを載せた本です。天ぷら、うな重、すき焼き、カツ丼など、「もう一度食べたい」ごちそうを介護食にするテクニックを図解しています。素材の選び方や基本の調理法も分かります。

6. 家庭でできる高齢者ソフト食レシピ

かむことや飲み込むことが難しい高齢者でも、安心して食べられる「高齢者ソフト食」のレシピを81品紹介した本です。家庭でも簡単に作れるように工夫されています。2010年発行の本ですが、ソフト食の考え方を知る定番の1冊です。続編もあります。

7. みきのミキサーごはん

固形の食事を飲み込めなくても、食べたいものをおいしく食べるためのミキサー食のレシピ本です。ミキサーのかけ方の動画、食材70種の解説、50品のレシピ、非常時の食事に役立つ商品の紹介が収録されています。2024年発行で、評価は4.5(14件)です。ミキサー選びは介護食・嚥下食におすすめのミキサー8選も参考にしてください。

8. 嚥下調整食学会分類に基づく 嚥下調整食レシピ123

「嚥下調整食分類2021」に対応したレシピ集です。分類の考え方、コード別の調理のポイント、市販食品や栄養補助食品の使い方まで解説し、123品のレシピをコード別に作り方・栄養価・食品物性とあわせて紹介しています。管理栄養士や施設の調理担当者など、専門職向けの1冊です。

食事介助・嚥下の仕組みが学べる本3選

ちびウルフちびウルフ

作り方だけじゃなくて、食べさせ方も知っておいたほうがいいの?

リハウルフリハウルフ

うん、大事だよ。同じ介護食でも、姿勢や一口の量、食べるペースで飲み込みやすさはかなり変わるんだ。訪問ではレシピより先に、食べる姿勢を見直すこともよくあるよ。

9. 「食べる」介護のきほん(はじめての在宅介護シリーズ)

栄養士の資格も持つ歯科医師が、在宅での食事介助と口腔ケアをイラストで解説した本です。食事の場面での困りごとへの対応、誤嚥予防のポイント、家庭でできる口腔ケア、入れ歯の疑問、訪問歯科の利用まで、「介護する人」の負担もふまえた内容になっています。評価は4.3(34件)です。

10. 口から食べる幸せを守る

NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介された、9,000人以上の食事介助をしてきた看護師による本です。口から食べることの意味や、食べる力を引き出す考え方がつづられています。「もう口から食べるのは無理なのでは」と悩んでいるご家族に読んでほしい1冊です。

11. 見える!わかる!摂食嚥下のすべて 改訂第3版

嚥下5期や嚥下にかかわる神経、アセスメント、適切な食事などを、70本以上の臨床動画とともに解説した専門書です。混ぜて温めるだけの簡単なレシピ集も収載しています。レシピの「なぜ」を仕組みから理解したい専門職に向いています。

刻み食・ミキサー食を作るときの注意点

注意

刻んだだけの食事は、口の中でばらけてまとまりにくく、飲み込む力が弱い方にはかえってむせやすいことがあります。刻み食にする場合は、とろみのあるあんやソースでまとめるなど、飲み込みやすくする工夫をしましょう。

  • 形態を確認する:病院・施設・専門職から指示された食事の形態や区分を確認する
  • レシピを選ぶ:本の中から、その形態に合うレシピを選ぶ
  • やわらかく加熱する:食材は小さく切り、やわらかくなるまで加熱する
  • まとまりをつける:刻んだ食材やミキサー食は、とろみ剤やあんでまとめる
  • 仕上がりを確かめる:スプーンですくってかたさやまとまりを確かめ、食べる様子を観察する

とろみのつけ方は介護のとろみ剤おすすめ6選、すくいやすい食器は介護用食器のおすすめ7選で紹介しています。手作りが大変な日は、介護食レトルトや嚥下食の宅配を組み合わせるのもおすすめです。

作るのが大変な日は PR
ウェルネスダイニング やわらか宅配食

レシピ本どおりに毎食つくるのは大変。
宅配のやわらか食を混ぜる手もあります。

やわらかダイニングは、噛む力・飲み込む力が弱くなってきた方向けの冷凍宅配食です。やわらかさのレベル別にコースが分かれていて、電子レンジで温めるだけでやわらかい食事が用意できます。手作りの日と宅配の日を分けるだけでも、作る人の負担は軽くなります。

  • やわらかさのレベル別にコースを選べる
  • 電子レンジで温めるだけでやわらかい食事が完成
  • 冷凍なので「忙しい日だけ」使える

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※飲み込みに不安がある場合は、かかりつけ医やSTに合う段階を確認してから選んでください。価格・送料は公式サイトでご確認ください

よくある質問

介護食のレシピ本は、初めてならどれがおすすめですか?

家庭の食事を段階的にアレンジできる『かみやすい 飲み込みやすい 高齢者のやわらか食132』か、1つのレシピをかたさ別に4通り作れる『高齢者の食事メニュー122』がおすすめです。

刻み食のレシピ本はありますか?

刻み食だけをまとめた本は多くありませんが、かたさ別に作り分けられるレシピ本で代用できます。刻んだだけの食事はばらけやすいので、あんやとろみでまとめる方法が載っている本を選びましょう。

「かまなくてよい」レベルの介護食を作れる本はどれですか?

ムースやペースト状の料理が多い『決定版 かむ・飲み込むが難しい人のごはん』や、ミキサー食に特化した『みきのミキサーごはん』が向いています。形態は専門職の指示に合わせて選びましょう。

病院で「コード◯」と言われました。どの本を選べばいいですか?

学会分類のコードで指示を受けた場合は、学会分類に対応した『嚥下調整食学会分類に基づく 嚥下調整食レシピ123』や『決定版 かむ・飲み込むが難しい人のごはん』を選ぶと、同じ基準で作りやすくなります。分からない点は退院前に病院の管理栄養士や言語聴覚士に確認しましょう。

家族と同じ料理から介護食を作れますか?

作れます。家族の食事を作る途中で取り分け、やわらかく煮たりミキサーにかけたりする方法が多くのレシピ本に載っています。家族と同じ料理を食べられると、食事の楽しみも続きやすくなります。

毎日手作りするのがつらいです。

市販のレトルト介護食や冷凍食品、宅配食を組み合わせましょう。『高齢者のやわらか食132』のように、市販品を活用するレシピが載った本も役立ちます。

古いレシピ本でも使えますか?

調理の工夫は古い本でも参考になります。ただし、食事の形態の分類は改訂されているので、専門職から指示を受けている場合は、最新の分類と照らし合わせて確認しましょう。

レシピどおりに作っても、むせてしまいます。

食べるときの姿勢、一口の量、食べるペースでも飲み込みやすさは変わります。むせが続く場合は、自己判断で続けず、主治医や言語聴覚士、訪問歯科などに相談してください。

まとめ
  • 介護食のやわらかさは、ユニバーサルデザインフードの4区分や学会分類が目安になる
  • レシピ本は、かたさ別に作り分けられるか、写真で仕上がりが分かるかで選ぶ
  • 毎日作るなら時短・作り置きの工夫がある本、専門職と相談するなら学会分類対応の本がおすすめ
  • 刻み食やミキサー食は、とろみやあんでまとめて飲み込みやすくする
  • 食事介助の本もあわせて読み、姿勢や一口の量も見直す
参考にした情報

※ユニバーサルデザインフードに関する記述は、日本介護食品協議会の情報にもとづいて整理したものです。書籍の内容・評価は2026年10月26日時点のAmazon販売ページの表示で、その後変わる可能性があります。介護食の作り方や注意点に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく一般的な整理です。食事の形態やとろみの程度は、主治医・言語聴覚士・管理栄養士などの専門職にご相談ください。本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味