高次脳機能障害のおすすめ本10選|リハ職・家族向け厳選【2026】

「高次脳機能障害の知識を深めて、もっと適切に対応できるようになりたい」「症状の見え方や、本人・家族の本当の気持ちを知りたい」——そう感じているリハ職・看護師・ご家族は多いはずです。記憶障害や注意障害、半側空間無視など症状が多彩なぶん、どの本から読めばよいか迷いますよね。
この記事では、訪問リハビリ歴10年以上の理学療法士が、知識・対応をしっかり学べる7冊と、当事者・家族の実体験がわかる3冊の計10冊を厳選して紹介します。あわせて、記憶障害の代償手段として現場で使えるグッズも取り上げます。1冊目選びの参考にしてください。
- 高次脳機能障害の本を「目的別」に選ぶコツ
- 知識・対応が学べるおすすめ本7選(リハ職・看護師向け)
- 当事者・家族の実体験がわかるおすすめ本3選
- 記憶障害をサポートする代償手段グッズ
- 本で学んだ知識を現場・自宅で活かす手順とFAQ
ちびウルフ高次脳機能障害の本って種類が多くて、どれを選べばいいか分からないんです…。
リハウルフ大丈夫だよ。「知識・対応」「当事者の実体験」の2方向から選べば失敗しないよ。順番に見ていこう。
高次脳機能障害の本で学べること|なぜ読むべきか
高次脳機能障害は、脳卒中や頭部外傷のあとに起こる記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害・半側空間無視などの総称です。外見からは分かりにくく、本人も周囲も「なぜできないのか」を理解しづらいのが特徴です。
本でまとまった知識を得ると、症状のメカニズムや声かけ・環境調整の引き出しが増え、現場での対応がぐっと楽になります。さらに当事者や家族の手記を読むと、検査値や教科書では見えない「本人の苦しさ」に気づけます。知識本と実体験本の両輪で学ぶのがおすすめです。
ちびウルフ知識だけじゃなくて、気持ちの面も学ぶといいんですね。
リハウルフそう。両方を知ると、対応がやさしく具体的になるよ。
失敗しない高次脳機能障害の本の選び方【5つの視点】
本を選ぶときは、次の5つを意識すると自分に合う1冊が見つかります。
- 目的で選ぶ:知識を増やしたいのか、家族の気持ちを知りたいのかを先に決める
- 読み手のレベルで選ぶ:入門イラスト版か、専門的な事例集か
- 症状で選ぶ:記憶障害・注意障害・半側空間無視など、課題に合う特化本か
- イラスト・事例の量で選ぶ:視覚的に学べると記憶に残りやすい
- 使う場面で選ぶ:評価で見返す辞典型か、声かけにすぐ使える便利帖型か
下の表で、タイプ別にどんな人に向くかを整理しました。
| タイプ | 特徴 | こんな人に |
|---|---|---|
| 入門イラスト版 | カラーイラストで全体像をやさしく解説 | 初めて学ぶ人・家族 |
| 事典・大事典型 | 症状を網羅、検査も解説 | 評価で見返したいリハ職・看護師 |
| 症状特化型 | 半側空間無視・記憶障害などに特化 | 担当症例に課題がある人 |
| 対応・伝え方型 | 声かけ・説明のコツが豊富 | 家族・周囲の支援者 |
| 実体験・手記型 | 当事者や家族の物語 | 気持ちに寄り添いたい人 |
【知識・対応編】高次脳機能障害のおすすめ本7選
まずは症状の理解と対応に役立つ7冊です。リハ職・看護師・ご家族のどなたにも参考になります。
1. 高次脳機能障害の病態・ケア・リハがトータルにわかる
病態の解説から入院中・退院後のケア、本人と家族を支える制度までを1冊でカバー。カラーイラストで症状が見やすく、医師・看護師・リハ職・社会福祉士など多職種の実践がまとまっています。症状別の早見カードを使えば、ポイントを押さえた声かけや環境調整がすぐ試せます。最初の1冊にも、チームで共有する本にも向きます。
2. 高次脳機能障害ビジュアル大事典 ナース・PT・OT・ST必携!
記憶・注意だけでなく、視覚認知や社会的行動障害など9種類の障害を幅広く解説した事典型の1冊。症状ごとに問題と対応方法が示され、大きなイラストが記憶に残ります。Trail Making Test 日本版や簡易前頭葉機能検査など34種類の神経心理学的検査も収載。評価に悩んだときに何度も見返せます。
3. 高次脳機能障害のリハビリがわかる本(健康ライブラリーイラスト版)
4. 患者さんの行動から理解する高次脳機能障害(改訂2版)
マンガで事例を確認してから詳しい症状解説に進む構成で、事例を思い出しながら理解できます。「左側の食器に手を付けない」「ボタンのかけ違いを直せない」など現場で見かける場面が多く、読んだその日からケアに活かせます。小児や自動車運転、コミュニケーション障害など社会的ニーズの高い事例も扱います。
5. よくある50シーン別 高次脳機能障害のある人に“伝わる説明”便利帖
図やイラストで伝える、短いフレーズに置き換えるなど、すぐ使える伝え方が豊富。リハビリ・生活・就労・学校などよくある50シーンを取り上げ、11の伝え方メソッドを解説します。注意障害・記憶障害・遂行機能障害への対応も載っており、家族や周囲の支援者にも読んでほしい1冊です。
6. 臨床で使える 半側空間無視への実践的アプローチ
半側空間無視に特化し、病巣・画像所見・検査・メカニズムから、現場の評価・アプローチ・実践事例までを解説。ADL動作練習に役立ちます。冷蔵庫の食品配置のルール化、野菜の洗い方や包丁の使い方の工夫が写真付きで示され、声かけによる本人の変化も分かりやすく、すぐ試したくなります。
7. みんなでわかる高次脳機能障害 生活を立て直す脳のリハビリ「記憶障害」編
家族向けの解説がある記憶障害の本で、注意力・処理速度・遂行機能の改善につながるドリル付き。ホワイトボードの使い方など日常生活の工夫がイラストで紹介され、本人と家族が一緒に取り組めます。「注意障害」編もあるので、課題に合わせて選べます。
【実体験・当事者編】高次脳機能障害のおすすめ本3選
続いて、本人や家族の気持ちを学べる手記・物語の3冊です。教科書では分からない視点が得られます。
8. 神様、ボクをもとの世界に戻してください
息子を支え続けた母親の手記です。スキー事故で助かった20歳の息子が、医師の無理解や自殺未遂などの困難を乗り越え、社会復帰を果たすまでを描きます。見た目では理解されない苦しさが、親子愛を通して伝わってきます。教科書では分からない本人・家族の気持ちを学べる1冊です。
9. こう見えて失語症です
脳出血の後遺症で失語症になった夫を見守った妻による、マンガと文章の記録。失語症の様子を明るく分かりやすく伝えてくれます。ライターから言語聴覚士になった著者が専門的に解説し、ご夫婦のやりとりからくすっと笑えて役立つ支援方法が学べます。夫は仕事復帰を果たしました。
10. トラウマティック・ブレイン―高次脳機能障害と生きる奇跡の医師の物語
当事者本人がつづった記録です。16歳で事故にあった著者が、記憶力・集中力の著しい低下、発語障害、右半側空間認識の喪失を抱えながら「忘れない勉強法」を習得し、医師になり、結婚・出産・育児を経験する30年の物語。障害に悩む本人の気持ちを深く学べます。
あわせて使いたい|記憶・注意を支える代償手段グッズ
本で学んだ工夫は、実際の道具とセットにすると定着します。公的機関の支援ツールでも、メモ・カレンダー・ホワイトボードなどの外的代償手段が記憶障害に有効とされています。現場・自宅で取り入れやすい定番グッズを紹介します。
服薬を見える化|お薬カレンダー
「朝・昼・夜・寝る前」がひらがな表記で、ポケットが透明なので飲み忘れ・重複に気づきやすいのが利点。記憶障害があっても、見える形で薬を管理できます。1日4回タイプや6回タイプがあり、服薬回数に合わせて選べます。
予定を共有|卓上・壁掛けホワイトボード
その日の予定ややることを書き出して「見える形」で残すと、本人も家族も確認しやすくなります。目で見て分かる情報は理解しやすく、声かけの回数を減らせるのもメリット。月間タイプなら通院やリハの予定管理にも便利です。
持ち歩けるメモリーノート|記録用ノート・手帳
予定・記録・自由メモをまとめる「メモリーノート」は、記憶障害の代表的な補完手段です。常に持ち歩ける1冊に集約することで、書く・見返す習慣がつきやすくなります。スマホのアラームやスケジュール機能と併用すると、さらに抜け漏れを防げます。
道具は「本人が無理なく使えること」が最優先です。多機能なものより、シンプルで分かりやすいものを少数選び、置き場所や使い方をご家族・支援者と統一しましょう。導入直後は声かけでサポートし、徐々に自立を促すのがコツです。
本で学んだあと|現場・自宅での活かし方
知識をケアにつなげるには、次のステップで進めるとスムーズです。リハ職・看護師の視点でまとめました。
- 症状を見極める:記憶・注意・遂行機能・半側空間無視など、どの症状が生活のどこで困りごとになっているかを観察する。
- 本の対応例を選ぶ:該当症状の章から、声かけ・環境調整・代償手段の具体策をピックアップする。
- 道具とセットで試す:お薬カレンダーやホワイトボードなど、見える化グッズを使い1つずつ導入する。
- 家族・チームで統一する:やり方を共有し、声かけや置き場所をそろえて混乱を防ぐ。
- 振り返って調整する:うまくいった点・難しかった点を記録し、本を読み返しながら微調整する。
ちびウルフ本を読むだけじゃなく、試して振り返るのが大事なんですね。
リハウルフそうだよ。小さく始めて、本人のペースに合わせて続けるのが成功のコツだよ。
高次脳機能障害の本に関するよくある質問
家族が読むなら、まずどの本がおすすめですか?
リハ職・看護師が評価で見返すなら?
記憶障害の対策を具体的に知りたいです。
電子書籍(Kindle)でも読めますか?
当事者向けと支援者向け、どちらを買うべき?
- 高次脳機能障害の本は「知識・対応」と「当事者の実体験」の両方から選ぶと理解が深まる。
- 知識本7選は、入門イラスト版から事典型・症状特化型までそろい、目的に合わせて選べる。
- 実体験本3選は、教科書では分からない本人・家族の気持ちを教えてくれる。
- お薬カレンダー・ホワイトボード・メモリーノートなどの代償手段とセットで使うと、学びがケアに定着する。
- イラストや写真を見ながら、本人・家族と一緒に高次脳機能障害の理解を深めていきましょう。
参考:茨城県・大阪府・名古屋市総合リハビリテーションセンター等の高次脳機能障害支援ツール資料、各書籍のAmazon商品ページ。価格は変動するため購入時に最新情報をご確認ください。















