一人っ子の親の介護|一人で抱え込まない備えと相談先

先に結論をお伝えします。一人っ子の親の介護は、兄弟で分担できない分、「一人で抱え込まない仕組み」を先につくることが大切です。地域包括支援センターとケアマネジャーを早めに味方にし、介護保険サービス・仕事の制度・お金の管理の3つを親が元気なうちから準備しておくと、負担は大きく変わります。
この記事では、一人っ子が親の介護で困りやすいことと、今からできる備えを整理しました。仕事と介護を両立するための制度は、育児・介護休業法の条文を確認しています。
- 一人っ子の親の介護で困りやすいこと
- 最初に頼るべき相談先
- 仕事と介護を両立するための制度
- 親が元気なうちに決めておくお金のこと
- 一人で抱え込まないための工夫
一人っ子の親の介護で困りやすいこと
- 相談・分担できる相手がいない:通院の付き添いや手続き、施設探しの判断をすべて一人で担いやすい
- 仕事との両立が難しい:平日の手続きや急な呼び出しに一人で対応する必要がある
- 両親2人の介護が重なることがある:父と母の介護が同時期に必要になる場合がある
- お金の管理も一人で担う:親の判断能力が落ちると、預金の引き出しや契約の手続きが難しくなる
- 精神的に追い詰められやすい:「自分しかいない」という思いから、休むことに罪悪感を持ちやすい
一方で、兄弟間で意見が割れて決められない、という悩みがないのは一人っ子の強みです。決めるべきことを早めに決めて、外部の支援を積極的に使うのが一人っ子の介護のコツです。
ちびウルフ一人っ子だから、全部自分でやらなきゃいけないよね…?
リハウルフそう思い込まないことが一番大事です。介護保険のサービスやケアマネさんは、まさに家族だけで抱えないためにあります。「仕事があるので平日は動けません」と最初に伝えておくと、それを前提にプランを考えてもらえますよ。
最初に頼るべき相談先
- 地域包括支援センター:親が住む地域の総合相談窓口。要介護認定の申請や、使えるサービスの相談ができる
- ケアマネジャー:要介護認定を受けたあと、ケアプランを作ってサービスを調整してくれる
- 病院の医療ソーシャルワーカー:入院中なら、退院後の生活や施設探しを相談できる
- 勤務先の人事・総務:介護休業や時短勤務などの制度の使い方を確認する
親が遠方に住んでいる場合も、相談先は親が住んでいる地域の地域包括支援センターです。介護が始まってから最初の1か月の動き方は親の介護が始まったら|最初の1か月でやることで解説しています。
仕事と介護を両立するための制度
育児・介護休業法では、家族を介護する労働者のために次の制度が定められています。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 介護休業 | 対象家族1人につき、3回まで・通算93日まで休業できる(第11条) |
| 介護休暇 | 1年度に5労働日(対象家族が2人以上なら10労働日)まで取得できる(第16条の5) |
介護休業は、自分が介護をするための期間ではなく、介護の体制を整えるための期間と考えると使いやすくなります。93日を一度に使い切らず、要介護認定の申請、施設の見学、退院時の調整など、節目ごとに分けて使うのがおすすめです。制度の全体像は介護離職を防ぐには?で詳しく解説しています。
口座が使えなくなる前に、
親のお金の管理を決めておく
家族信託で預金の一部を信託しておくと、親の判断能力が落ちたあとでも、受託者の子どもが信託したお金から施設費用や医療費を支払えるようにできます。ただし契約は、親が内容を理解できるうちにしか結べません。おやとこは家族信託を専門にしたサービスで、司法書士などの専門家に無料で相談できます。
- 家族信託の専門家(司法書士など)に無料で相談できる
- 家族信託の契約件数No.1(公式サイトの表記)
- 全国7拠点。年間数千件の問い合わせに対応
\ 一人でお金の管理を抱える前に /
家族信託の無料相談を申し込む※すでに判断能力が失われている場合、家族信託の契約は結べません。相談は無料です。契約の費用は財産の内容によって変わります。詳しくは公式サイトでご確認ください
親が元気なうちに決めておくお金のこと
一人っ子は、親のお金の管理も一人で担うことになります。親の判断能力が落ちてからでは、本人の意思で決められることが限られます。
- 預金・保険・年金の把握:口座、保険証券、年金の受け取り口座を一覧にしておく
- 介護費用に充てるお金:親の年金と貯蓄でどこまで賄えるか確認する
- 財産管理の方法:家族信託・任意後見など、判断能力が落ちたあとの管理方法を親と話し合う
- 介護・医療の希望:施設に入るか、延命治療をどうするかなど、本人の希望を聞いておく
民法第877条は「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定めていますが、介護費用は親本人の年金や貯蓄から払うのが基本です。家族信託と成年後見の違いは認知症の親の財産管理|家族信託と成年後見の違いで整理しています。
一人で抱え込まないための工夫
- ショートステイを定期的に使う:介護する側が休む日をあらかじめ予定に入れておく
- 配偶者・親戚・友人にも状況を共有する:手を借りられなくても、話を聞いてもらえる人をつくる
- 介護者の会や相談窓口を使う:同じ立場の人の話を聞くと、気持ちが軽くなることがある
- 施設を選ぶことを「逃げ」と考えない:在宅が限界になる前に、施設という選択肢も検討しておく
介護に疲れたときの休み方は介護から逃げたい…が楽になる方法5選、施設を考えるタイミングは在宅介護はもう限界?を参考にしてください。
よくある質問
一人っ子は親の介護を必ずしなければいけませんか?
民法第877条で直系血族には扶養義務がありますが、自分で身体の介護をすることまで求められているわけではありません。介護保険サービスや施設を使い、自分の生活を守りながら関わる方法を考えましょう。
仕事を辞めずに介護はできますか?
介護休業(3回まで・通算93日)や介護休暇(年5労働日)などの制度があります。介護保険サービスと組み合わせ、介護の体制を整えることで、仕事を続けている人は多くいます。
親が遠方に住んでいる場合はどうすればいいですか?
親が住む地域の地域包括支援センターに相談します。ケアマネジャーや見守りサービスと連絡を取り合い、帰省のタイミングで手続きや面談をまとめて済ませると負担を減らせます。
両親が同時に介護が必要になったらどうすればいいですか?
介護休暇は対象家族が2人以上なら年10労働日まで取得できます。一人で2人を在宅で介護するのは負担が大きいため、早めにケアマネジャーに相談し、施設の利用も含めて検討しましょう。
親のお金の管理はいつから考えるべきですか?
親の判断能力がしっかりしているうちに考え始めるのが理想です。家族信託や任意後見の契約は、本人が内容を理解できるうちにしか結べません。
- 一人っ子の介護は、一人で抱え込まない仕組みを先につくることが大切
- 最初の相談先は、親が住む地域の地域包括支援センター
- 介護休業は3回・通算93日まで。介護の体制を整える期間として使う
- お金の管理と介護の希望は、親が元気なうちに話し合っておく
- ショートステイや施設も使い、介護する自分の生活を守る
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。介護休業・介護休暇に関する記述は育児・介護休業法、扶養義務に関する記述は民法の条文にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。期間を定めて雇用される人など、制度の対象になるかどうかは勤務先の就業規則とあわせてご確認ください。困りやすいことと備え方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。





