「訪問看護のオンコールってストレスが多いって聞くけど、実際どうなの?」「みんなオンコールのどんなところに負担を感じているんだろう?」——訪問看護への転職を考えている方や、これから看護師を目指す方にとって、夜間オンコールのリアルは気になるところですよね。

この記事では、訪問看護師が夜間オンコールで感じるストレスの具体例を挙げたうえで、オンコール手当の実態、事業所が受け取っている加算のしくみ、そしてストレスを減らす具体的な対策まで、現場目線でわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 訪問看護の夜間オンコールでストレスになる代表的な場面
  • オンコール手当の相場と、事業所が受け取る加算(令和6年度)の実態
  • オンコールのストレスを減らす具体的な対策
  • オンコール体制で職場を選ぶときのチェックポイント
ちびウルフちびウルフ

オンコールって、具体的にどんなところがしんどいの?

リハウルフリハウルフ

「いつ鳴るか分からない」という拘束感がいちばんだね。実際に出動しなくても、気を張り続けること自体が負担になるんだ。

訪問看護のオンコールがストレスになる主な理由

訪問看護の仕事は日中だけで終わるわけではありません。夜間や休日でも、利用者さんの急変や不安に備えて緊急対応が求められることがあります。これが「オンコール(電話当番)」です。代表的なストレスの場面を見ていきましょう。

場面ストレスの内容
飲酒・外出の制限呼び出しに備え、飲酒や遠出を控える必要がある
家族より仕事優先子どもの行事や家庭の予定を立てにくい
常時の緊張勤務後も気が休まらず、心身が休まらない
入浴中も電話を気にするリラックスタイムが中断される
翌日も通常業務深夜対応後も日中勤務が続き睡眠不足に
手当が見合わない負担に対して手当が少なく感じやすい

飲酒も外出もできず、生活が縛られる

オンコール当番の日は、いつ呼び出されてもいいように体調管理が必須です。アルコールは控え、遠出も避けることになります。普段から飲み会やお出かけでリフレッシュしている人にとっては、これが大きなストレスになりがちです。長期休暇や家族旅行の計画も立てにくく、「自由が奪われる」感覚が積み重なります。

家族との時間を後回しにせざるを得ない

オンコール対応を最優先にするため、子どもの学校行事や家庭の予定に合わせづらくなります。子育て中の看護師にとっては特につらいポイントです。突然の呼び出しで家事や子どもの世話が中断されることもあり、家族にとってもストレスになり得ます。

常に緊張していて心身が休まらない

オンコール中は、仕事が終わってからも「待機状態」が続きます。読書中も映画を観ているときも、スマホや電話から目を離せません。眠りにつく前の「鳴ったらどうしよう」という不安も含め、高い緊張状態が続くこと自体が疲労の原因になります。

お風呂の最中も電話を気にする

一日の終わりにほっとできるはずの入浴中も、電話が鳴る可能性があるため気を抜けません。浸かっている最中に連絡が入れば、すぐに出て対応することになります。リラックスタイムが奪われるうえ、急な対応で体調を崩すリスクもあります。

翌日も通常業務があり睡眠不足になる

オンコールは深夜や早朝にも発生します。たとえば深夜2時から4時まで対応しても、翌朝8時からの通常業務は待ってくれません。睡眠不足は集中力の低下を招き、ケアの質や安全にも影響します。体調管理とストレス管理がどうしても重要になります。

注意睡眠不足が続くと、判断力の低下やヒヤリ・ハットにつながります。オンコール翌日の勤務調整(遅出・代休など)がある事業所かどうかは、働きやすさを大きく左右します。

オンコール手当の相場と「事業所が受け取る加算」の実態

訪問看護師が受け取るオンコール手当は、事業所によって異なりますが、待機1回あたり数千円程度が一般的です。深夜に対応があっても手当は数千円、というケースも多く、負担に見合わないと感じる看護師は少なくありません。

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事業所側は、24時間対応で何かもらえてるの?

リハウルフリハウルフ

うん、24時間対応の体制には介護保険・医療保険それぞれで加算がつくんだ。そのしくみを知っておくと、手当の交渉や職場選びの参考になるよ。

24時間対応の体制を整えている訪問看護ステーションは、保険から「加算」を受け取っています。令和6年度(2024年度)の改定をふまえた主な加算は次のとおりです。

区分加算単位・金額(月1回)
介護保険
緊急時訪問看護加算
加算(Ⅰ)600単位/月(訪問看護ステーションの場合)
加算(Ⅱ)574単位/月(同上)
医療保険
24時間対応体制加算
6,800円/月
6,400円/月
ポイント介護保険の緊急時訪問看護加算(Ⅰ)は、看護師の業務負担軽減(オンコール担当の分散や体制整備)を評価する区分として設けられています。つまり制度の側も「オンコールの負担を一人に集中させない体制」を後押ししているということです。手当や働き方を見直す根拠として知っておくと役立ちます。

なお、上記は事業所が保険から受け取る加算であり、看護師個人に支払われるオンコール手当とは別のものです。事業所がどのように還元しているか(手当・代休・人員配置)は、職場選びの大切な判断材料になります。数値や要件は改定で変わるため、最新の情報は厚生労働省の資料で確認してください。

もう一つ知っておきたいのが、「待機していたかどうか」と「実際に出動したかどうか」で負担も手当も大きく変わるという点です。多くの事業所では、電話当番をしていた日に対して支払われる「待機手当」と、夜間に実際に訪問へ出た場合の「出動手当(時間外手当)」が分けて設定されています。同じ当番日でも、一晩中まったく電話が鳴らない日もあれば、深夜に2回呼び出されて出動する日もあります。求人票を見るときは、待機手当の金額だけでなく、実際の出動頻度もあわせて確認しておくと、入職後の「思っていたより大変だった」というギャップを防げます。

また、近年はICT(タブレットや専用アプリ)を活用して、夜間の問い合わせにオンライン上で一次対応できるしくみを整える事業所も増えています。すべてが訪問につながるわけではなく、電話相談で落ち着くケースも多いため、こうした体制があるかどうかも、オンコールの心理的負担を左右する重要な要素です。

オンコールのストレスを減らす具体的な対策

オンコールのストレスは、工夫と環境選びである程度コントロールできます。次のステップで見直してみましょう。

  1. 待機日の過ごし方をルール化する:当番日は「飲酒しない」「行動範囲を決める」などをあらかじめ決め、迷いや罪悪感を減らします。
  2. 翌日の勤務調整を交渉する:深夜対応があった日は遅出・代休にできるよう、管理者に相談します。
  3. 家族と事前に共有する:当番日を家族カレンダーに入れ、予定の立て方を擦り合わせておきます。
  4. 体制の改善を提案する:担当の偏り、出動頻度、バックアップ体制などを職場で見直してもらいます。
  5. 合わなければ環境を変える:オンコールなし・少なめの事業所への転職も選択肢です。

オンコール体制で職場を選ぶときのチェックポイント

これから訪問看護に転職する方は、求人票の「オンコールあり」の一言だけで判断しないことが大切です。同じ「オンコールあり」でも、負担はまったく違います。

確認したいポイント オンコール担当の回り方(月に何回・何人で回すか)/実際の夜間出動の頻度/待機手当・出動手当の金額/翌日の勤務調整の有無/管理者や先輩によるバックアップ体制/緊急時のマニュアル整備。これらを見学・面接でしっかり確認すると、入職後のミスマッチを防げます。

「オンコールなし」「日勤のみ」を掲げる事業所も増えています。ライフスタイルや家庭の事情に合わせて、無理なく続けられる体制の職場を選びましょう。

よくある質問(FAQ)

オンコール手当はどのくらいもらえますか?
事業所によって異なりますが、待機1回あたり数千円程度が一般的です。出動した場合は別途出動手当がつくこともあります。金額や体制は事業所ごとに差が大きいため、入職前に必ず確認しましょう。
オンコール中は本当に外出できないのですか?
完全に外出禁止というわけではありませんが、呼び出しに備えて行動範囲を限定する必要があります。飲酒は控え、すぐに対応できる状態を保つのが一般的です。負担に感じる場合は当番日のルールを決めておくと楽になります。
オンコールなしで働ける訪問看護はありますか?
あります。「オンコールなし」「日勤のみ」を掲げる事業所や、機能強化型でない小規模ステーションなど選択肢は増えています。ライフスタイルに合わせて選びましょう。
オンコールのストレスで眠れません。どうすれば?
当番日の過ごし方をルール化する、翌日の勤務調整を相談する、体制の見直しを提案するなどが有効です。それでも改善が難しい場合は、環境を変えることも前向きな選択です。
事業所が受け取る加算と、私の手当は同じですか?
別物です。緊急時訪問看護加算(介護保険)や24時間対応体制加算(医療保険)は事業所が保険から受け取るもので、看護師個人への手当とは異なります。どう還元されているかは職場選びの判断材料になります。
まとめ
  • 訪問看護のオンコールは、飲酒・外出の制限、家族より仕事優先、常時の緊張、入浴中の対応、翌日業務、手当の少なさなど、多くのストレスを伴う。
  • 看護師個人のオンコール手当は待機1回あたり数千円程度が一般的で、負担に見合わないと感じる人も多い。
  • 事業所は24時間対応に対し、緊急時訪問看護加算(介護保険・600/574単位)や24時間対応体制加算(医療保険・6,800/6,400円)を受け取っている(令和6年度)。
  • 当番日のルール化・勤務調整・体制改善・職場選びで、オンコールのストレスは軽減できる。

参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」「令和6年度診療報酬改定」関連資料。加算の単位数・金額・要件は改定で変わるため、最新の一次情報をご確認ください。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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