2022年度診療報酬改定において訪問看護の複数名訪問看護加算が改定されました。
しかし、どのような点が変更になったか疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか?
今回、この記事では2022年度版の医療保険の複数名訪問看護加算について厚生労働省の資料をもとにわかりやすく解説をしていきます。
ぜひ、最後まで読んで理解を深めていただければと思います。
訪問看護における複数名加算で押さえておくべき点
複数名訪問看護加算を学ぶときに皆さんがややこしく感じる点は下記のことだと思います。
「看護職員と看護師等とは一体何が違うの?」
「理学療法士等はどう考えれば良いの?」
「その他職員とは?」
「看護補助者とは?」
まず、看護職員と看護師等とは何か説明していきましょう!
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 訪問看護ステーションに雇用されているもので資格を持っていないもの
- 看護師等(保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
- 看護補助者(雇用されている無資格者)
訪問看護の複数名加算【2022年度の変更点】
2022年度の診療報酬改定では、看護補助者(無資格者)による複数回の同行のニーズを踏まえ、これまでの『看護職員+看護補助者』の加算について、看護師等が同行する場合も算定可能になりました。
複数名訪問看護加算の基本や算定要件等に関しては下記を参考にしてください。
複数名訪問看護加算とは?
複数名訪問看護加算は、1人の看護師等による訪問看護が困難である場合に下記の『A』と『B』が一緒に訪問看護を行うときに算定することができる加算です。
- 看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)
+
- 保健師、助産師、看護師
- 准看護師
- 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
- 看護補助者
訪問看護で複数名訪問する理由とは?
複数名看護加算は、1人の看護師等では訪問看護が困難である時に算定できます。
その場合は下記の通りです。
訪問看護で複数名加算が算定できる場合
- 別表第七
- 別表第八
- 特別訪問看護指示書を交付
- 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等がある
- 利用者の身体的の理由に1人の訪問看護師では対応が困難(その他の職員のみ)
- その他の利用者の状況等から判断して❶〜❺のいずれかに準ずる場合(その他の職員のみ)
複数名訪問看護加算を算定するときに注意する点
複数名訪問看護加算を算定するときに注意する点は下記の通りです。
- 利用者や家族の同意を取るようにしてください。
- 複数名の職員のうち、最低1名以上は看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)でなければいけません。
- 同行するものは、常にいなくても良いですが、一定の時間は訪問に同行しなければいけません。
複数名訪問看護加算の算定要件と料金
複数名訪問看護加算は下記の2つで料金が異なります。
- 看護師・保健師・助産師
- 准看護師
- 理学療法士等
- その他職員
- 別表第七
- 別表第八
- 特別訪問看護指示書を交付
- 暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等がある
- 利用者の身体的の理由に1人の訪問看護師では対応が困難(その他の職員のみ)
- その他の利用者の状況等から判断して❶〜❺のいずれかに準ずる場合(その他の職員のみ)
わかりやすくするためにイラスト・表で紹介します!
医療保険の複数名訪問看護加算のQ&A
複数名訪問看護加算は同時に複数名で訪問看護を行う場合とされているが、指定訪問看護の実施時間の全体すべてに同時に複数で行う必要があるか。
同時に複数の看護師等が必要な時間帯に複数名で対応することでもよい。ただし、同時に複数名で訪問看護を実施する時間は訪問看護の標準的な時間とし ている30分程度を超えていること。
引用)事務連絡.平成22年3月29日.厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その1)
複数名訪問看護加算は1人の利用者に対して週1回に限り所定額に加算することとしているが、複数の訪問看護ステーションが訪問看護を行っている場合はそれぞれのステーションで算定できるのか。
1人の利用者に対して週1回に限り算定できるものであり、同じ週に複数のステーションそれぞれで算定できない。ただし、各週で算定する訪問看護ステーションが異なってもかまわない。
引用)事務連絡.平成22年3月29日.厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その1)
同時に3名で訪問看護を行った場合においても、複数名訪問看護加算は週1回のみの算定か。
そのとおり。平成24年4月改定以降は、当該加算の「イ」及び「ロ」のばいいに該当
引用)事務連絡.平成22年3月29日.厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その1)
複数名訪問看護加算の要件として、「同時に複数の看護師等による指定訪問看護を行うことについて、利用者又はその家族等の同意を得ること。」とあるが、口頭で同意を取るとしてもよいか。
口頭でもよいが、同意を得た旨を記録等に残すこと
引用)事務連絡.平成22年3月29日.厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その1)
複数名訪問看護加算において評価されている看護補助者には、業務の定義や資格要件はあるのか。また、訪問看護ステーションに雇用されていない看護補助者でもよいのか。
看護補助者については、訪問看護を担当する看護師の指導の下に、療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)のほか、居室内の環境整備、看護用品及び消耗品の整理整頓等といった看護業務の補助を行う者のことを想定しており、資格は問わない。秘密保持や医療安全等の観点から、当該訪問看護ステーションに雇用されている必要があるが、指定基準の人員に含まれないことから、従事者の変更届の提出は要しない。
引用)事務連絡.平成24年4月20日.厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その2)
複数名訪問看護加算及び複数名精神科訪問看護加算について、同一建物に居住するA、B、C3人の利用者に、同一の訪問看護ステーションが、以下のような訪問を行った場合には、同一建物居住者に係るいずれの区分を算定することとなるか。
- :A:他の看護師との訪問看護、B:他の看護師との訪問看護、C:他の理学療法士との訪問看護
- :A:他の看護師との訪問看護、B:他の看護師との訪問看護、C:他の看護補助者との訪問看護(「ニ」の1日に1回)
- :A:他の看護補助者との訪問看護(「ニ」の1日に1回)、B:他の看護補助者との訪問看護(「ニ」の1日に1回)、C:他の看護補助者との精神科訪問看護
- :A:他の看護補助者との訪問看護(「ニ」の1日に2回)、B:他の看護補助者との訪問看護(「ニ」の1日に2回)、C:他の看護補助者との精神科訪問看護
それぞれ以下のとおり。
- :A、B、Cいずれも、複数名訪問看護加算の「看護師等」「同一建物内3人以上」を算定。
- :A及びBは、複数名訪問看護加算の「看護師等」「同一建物内2人」を算定。Cは、複数名訪問看護加算の「看護補助者(ニ)」「1日に1回の場合」「同一建物内1人」を算定。
- :A及びBは、複数名訪問看護加算の「看護補助者(ニ)」「1日に1回の場合」「同一建物内3人以上」を算定。Cは、複数名精神科訪問看護加算の「看護補助者」「同一建物内3人以上」を算定。
- :A及びBは、複数名訪問看護加算の「看護補助者(ニ)」「1日に2回の場合」「同一建物内2人」を算定。Cは、複数名精神科訪問看護加算の「看護補助者」「同一建物内1人」を算定。
引用)事務連絡.令和2年3月31日.厚生労働省保険局医療課.疑義解釈資料の送付について(その1)