精神科訪問看護指示書とは?書ける医師・書き方・様式を徹底解説

「精神科訪問看護指示書って、普通の訪問看護指示書と何が違うの?」「内科の先生にも書いてもらえる?」「対象になる病名は?」——精神科訪問看護に関わる看護師さん・事業所の方なら、一度はつまずくポイントではないでしょうか。
この記事では、精神科訪問看護指示書の意味・書ける医師・対象疾患・様式・関連する点数(指示料や加算)まで、現場で迷わないように一つずつ整理して解説します。読み終えるころには「誰に・どんな病名で・どの様式で交付してもらえばいいか」がスッキリ分かります。
- 精神科訪問看護指示書とは何か(対象となる療養費)
- 精神科訪問看護指示書を書ける医師(内科医はNGな理由)
- 対象となる疾患・病名と、認知症の扱い
- 精神科訪問看護指示料・特別指示加算・衛生材料等提供加算の点数
- 精神科特別訪問看護指示書の算定要件と「14日ルール」
- 厚生労働省の様式と、よくある質問(Q&A)
ちびウルフ精神科訪問看護指示書って、普通の指示書とは別物なんですか?
リハウルフそうなんだ。専用の様式があって、書ける医師も対象の病名も決まっているんだよ。まずは基本から押さえていこう。
精神科訪問看護指示書とは?
精神科訪問看護指示書とは、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)および(Ⅲ)を算定するために、医師から交付を受ける必要がある指示書のことです。訪問看護ステーションが精神疾患のある利用者へ訪問看護を行い、医療保険で精神科の基本療養費を算定するときに欠かせない書類です。
通常の訪問看護指示書とは様式そのものが異なり、交付できる医師や対象となる病名にも条件があります。「精神疾患の利用者だから」と通常の指示書のまま進めてしまうと算定区分を誤るおそれがあるため、最初の確認がとても重要です。
精神科訪問看護指示料(300点)とは?
精神科訪問看護指示書を交付した医師側は、精神科訪問看護指示料を月1回に限り300点算定できます。算定できるのは、精神科を標榜する保険医療機関の精神科の保険医が、診療に基づいて訪問看護の必要性を認め、患者またはその家族等の同意を得て、患者等が選定した訪問看護ステーションへ指示書を交付した場合です。
精神科特別訪問看護指示加算(100点)とは?
患者が服薬中断などにより急性増悪し、主治医(精神科医)が一時的に頻回の訪問看護が必要と認めた場合、その旨を記載した精神科特別訪問看護指示書を交付すると、月1回に限り100点を加算できます。
衛生材料等提供加算(80点)とは?
在宅療養で衛生材料等が必要な患者に対し、訪問看護ステーションから提出された訪問看護計画書・報告書をもとに、療養上必要な量を判断したうえで必要十分な衛生材料等を支給した場合に、月1回80点を加算できます。
| 項目 | 点数 | 算定の単位 |
|---|---|---|
| 精神科訪問看護指示料 | 300点 | 月1回 |
| 精神科特別訪問看護指示加算 | 100点 | 月1回 |
| 衛生材料等提供加算 | 80点 | 月1回 |
精神科訪問看護指示書を書ける医師は?内科でも可能?
精神科訪問看護指示書は、どんな医師でも書けるわけではありません。内科の医師は精神科訪問看護指示書を書くことができません。
書けるのは、精神科を標榜する保険医療機関において、精神科を担当する保険医です。たとえ精神疾患のある利用者を内科医が診ていても、その内科医に精神科訪問看護指示書を交付してもらうことはできない、という点に注意が必要です。
ちびウルフ今かかっている内科の先生にお願いしてもダメなんですね…。
リハウルフそうなんだ。精神科を標榜する医療機関の精神科担当医に依頼する必要があるよ。まずは利用者さんの主治医体制を確認しよう。
精神科訪問看護指示書の書き方(疾患・病名)
精神科訪問看護指示書の主たる傷病名は、精神疾患(精神科の病名)である必要があります。うつ病、統合失調症、双極性障害、不安障害などが代表例です。
ここで間違えやすいのが認知症の扱いです。認知症は精神疾患には含まれません。そのため、認知症を主たる傷病名として精神科訪問看護指示書を交付・算定することはできません。認知症の利用者については、通常の訪問看護指示書や該当する区分での対応を検討します。
精神科特別訪問看護指示書とは?算定要件と14日ルール
精神科特別訪問看護指示書とは、患者が服薬中断等により急性増悪するなどして、主治医が一時的に頻回の訪問看護が必要と認めた場合に交付される指示書です。
この指示書が交付された場合、交付の日から起算して14日以内に行った訪問看護について、月1回に限り、14日を限度として所定額を算定できます。短期間の集中的な訪問看護を可能にするための仕組みです。
算定要件・条件
算定の前提となる「一時的に頻回の訪問看護を行う必要性」とは、恒常的に頻回の訪問が必要な状態ではなく、状態の変化等により、日常行っている訪問看護の回数では対応できない場合を指します。そして、その理由は精神科特別訪問看護指示書に記載する必要があります。
精神科訪問看護指示書の交付の流れと様式(厚生労働省)
交付から訪問開始までの基本的な流れは次のとおりです。様式は厚生労働省が定めるものを使用し、通常の訪問看護指示書とは別の専用様式である点に注意します。
- 利用者の主治医(精神科を標榜する医療機関の精神科担当医)に訪問看護の必要性を相談する
- 医師が診療に基づき訪問看護の必要性を認め、本人・家族等の同意を得る
- 医師が精神科訪問看護指示書(必要に応じて精神科特別訪問看護指示書)を交付する
- 訪問看護ステーションが指示内容に沿って訪問看護を実施し、計画書・報告書を整える
リハ職・看護師が現場で押さえたい実務ポイント
精神科訪問看護は、指示書の確認と日々の判断が算定・ケアの質に直結します。現場で特につまずきやすいポイントを整理します。
理学療法士(PT)は精神科訪問看護を行えない
精神科訪問看護は看護師等が行うもので、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による精神科訪問看護は算定の対象外です。精神疾患のある利用者にリハビリ職が関わる場合は、算定区分そのものが異なる点に注意します。
複数回訪問・複数名訪問は指示書の記載がカギ
主治医から交付された指示書の「複数回訪問の必要性」欄に「あり」の記載がなければ、複数回訪問の算定はできません。同様に短時間訪問の必要性も指示書の記載に従います。記載が無い・判断に迷う場合は、自己判断せず主治医に確認することが原則です。
複数名訪問の必要性の理由としては、暴力行為・著しい迷惑行為・器物破損行為等が認められる場合、利用者の身体的理由で一人の看護師等による訪問が困難な場合、利用者と家族それぞれへの支援が必要な場合などが挙げられます。
ちびウルフ指示書に書いていないことは、現場の判断でやってもいいんですか?
リハウルフ基本は指示書の記載に従うんだ。必要だと思ったら勝手に進めず、主治医に必要性を確認して指示書に反映してもらうのが安全だよ。
精神科訪問看護指示書のよくある質問
精神疾患のある患者を内科医が診ています。内科医に精神科訪問看護指示書を書いてもらえますか?
精神科訪問看護指示書は、通常の訪問看護指示書と同じ様式でよいですか?
怠薬で精神状態が悪化し、頻回な訪問看護が必要になりました。毎日訪問できますか?
指示書の短時間訪問の必要性に「あり」の記載がなければ、短時間訪問はできませんか?
「複数回訪問の必要性」欄に「あり」の記載がないと複数回訪問の算定はできませんか?
認知症は精神科訪問看護指示書の対象になりますか?
- 精神科訪問看護指示書は、精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ・Ⅲ)の算定に必要な専用様式の指示書
- 書けるのは精神科を標榜する医療機関の精神科担当医のみ。内科医は書けない
- 主たる傷病名は精神疾患であること。認知症は精神疾患に含まれない
- 関連する点数は、精神科訪問看護指示料300点・特別訪問看護指示加算100点・衛生材料等提供加算80点(いずれも月1回)
- 精神科特別訪問看護指示書は、急性増悪等で一時的に頻回訪問が必要なときに交付。交付日から14日以内・14日限度で算定
- 複数回・複数名・短時間訪問は指示書の記載が前提。迷ったら主治医に確認する
出典:厚生労働省「令和6年度診療報酬改定」関連告示・通知、医科診療報酬点数表(I012-2 精神科訪問看護指示料 ほか)。点数・要件は改定で変わるため、算定時は最新の厚生労働省資料・地方厚生局の通知をご確認ください。

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