看護小規模多機能型居宅介護(看多機)の栄養アセスメント加算は、1月につき50単位です。管理栄養士が介護職員等と共同して栄養アセスメントを行った場合に算定します。

要件で鍵になるのは「外部との連携により管理栄養士を1名以上配置」でよいことです。自事業所で管理栄養士を雇用する必要はありません。ここを知らずに「うちには管理栄養士がいないから無理」と諦めている看多機は少なくないと思います。

この記事では、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)複合型サービス費のトの原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 栄養アセスメント加算50単位の4つの算定要件
  • 管理栄養士は外部との連携でもよいこと
  • LIFEへの情報提出が要件に入っていること
  • 栄養改善加算との併算定ができない期間
  • 口腔・栄養スクリーニング加算との関係
  • 栄養アセスメントの実施メンバー
  • 本人・家族への結果説明が要件であること
  • 期間の上限がない加算であること
ちびウルフちびウルフ

50単位だと月500円くらいですよね。管理栄養士を確保してまで取る意味はあるんですか?

リハウルフリハウルフ

単体では小さい加算です。ただ外部連携でよく、期間の上限もなく、登録者全員に算定できる。25人なら月1,250単位です。それに管理栄養士とつながっておくと、栄養改善加算や経口摂取の相談まで道が開ける。入口としての価値のほうが大きいと思います。

看多機の栄養アセスメント加算とは?

看護小規模多機能型居宅介護の栄養アセスメント加算は、管理栄養士が介護職員等と共同して、利用者ごとの低栄養状態のリスクと解決すべき課題を把握した場合に算定する加算です。告示126号 複合型サービス費のトに規定されています。

在宅で暮らす要介護の方にとって、低栄養は転倒・褥瘡・感染症・入院のいずれにもつながる根本的なリスクです。しかし食事の状況は自宅の中で完結してしまい、通いの場面だけでは見えません。看多機は訪問も泊まりも行うため、食事の実態をつかみやすい立場にあります。

この加算は、その立場を活かして「困ってから対応する」のではなく「先に把握する」ことを評価するものです。改善サービスの提供までは求めておらず、アセスメントそのものが対象になっている点が特徴です。

令和6年度介護報酬改定では、この加算の単位数・要件に変更はありませんでした。

栄養アセスメント加算の単位数

栄養アセスメント加算 50単位
注 イについて、次に掲げるいずれの基準にも適合しているものとして、(略)届出を行った指定看護小規模多機能型居宅介護事業所が、利用者に対して、管理栄養士が介護職員等と共同して栄養アセスメント(略)を行った場合は、1月につき所定単位数を加算する。ただし、当該利用者が栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けている間及び当該栄養改善サービスが終了した日の属する月は、算定しない。

項目内容
単位数50単位
算定頻度1月につき
期間の上限なし
対象イ(看護小規模多機能型居宅介護費)
届出市町村長への届出が必要

栄養改善加算のような「3月以内」という期間制限がありません。要件を満たし続けるかぎり、継続して算定できます。

栄養アセスメント加算の算定要件

告示126号 トの注が、4つの基準を直接定めています。

要件内容
(1) 管理栄養士の配置当該事業所の従業者としてまたは外部との連携により、管理栄養士を1名以上配置していること
(2) 共同実施と説明利用者ごとに、管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員その他の職種の者が共同して栄養アセスメントを実施し、利用者またはその家族等に対して結果を説明し、相談等に必要に応じ対応すること
(3) LIFEへの提出と活用利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、栄養管理の実施に当たって、当該情報等を活用していること
(4) 定員超過等でないこと別に厚生労働大臣が定める基準に適合している事業所であること(定員超過利用・人員基準欠如に該当しないこと)

管理栄養士は外部連携でよい

(1)の「外部との連携により」が実務上の要点です。自事業所で管理栄養士を雇用する必要はありません。

外部連携の候補
  • 同一法人内の他事業所・施設の管理栄養士
  • 協力医療機関の管理栄養士
  • 地域の栄養ケア・ステーション
  • 栄養士会を通じた個別契約

看多機は登録定員が29人以下の小規模なサービスです。常勤の管理栄養士を置く体力がある事業所は多くありません。外部連携が認められていることは、この加算の設計上とても重要な点です。

アセスメントは共同で行う

(2)は「管理栄養士、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して」と定めています。管理栄養士が1人で完結させる形では要件を満たしません。

実務的には、日々の食事量や食べ方を把握しているのは介護職員です。看多機は通い・訪問・泊まりを通じて食事場面を複数の角度から見ているので、その情報を持ち寄る意味は大きいと思います。

本人・家族への説明が要件

(2)には「利用者またはその家族等に対してその結果を説明し、相談等に必要に応じ対応すること」が含まれます。アセスメントして記録するだけでは足りません。説明した日付と内容、対応した相談を記録に残してください。

LIFEへの提出が必須

(3)により、栄養状態等の情報を厚生労働省に提出することが要件です。科学的介護情報システム(LIFE)を通じた提出になります。提出するだけでなく「活用していること」まで求められている点にも注意してください。

他の栄養・口腔関連加算との関係

栄養改善加算とは併算定できない期間がある

状況栄養アセスメント加算
栄養改善サービスを受けている間算定できない
栄養改善サービスが終了した日の属する月算定できない
それ以外の月要件を満たせば算定できる

アセスメントで課題が見つかり、栄養改善サービスに移行すると、その間はアセスメント加算が止まります。50単位から200単位(栄養改善加算)に切り替わるので、報酬としては上がる形です。

口腔・栄養スクリーニング加算との関係

口腔・栄養スクリーニング加算の基準(告示95号 第19号の2)は、栄養アセスメント加算を算定している月は(Ⅰ)20単位を算定できないと定めています。ただし(Ⅱ)5単位のほうは、口腔のスクリーニングだけを行う形で算定できる余地があります。

算定している加算口腔・栄養スクリーニング加算
栄養アセスメント加算(Ⅰ)20単位は算定不可。(Ⅱ)5単位は口腔のみで算定できる場合がある

栄養は栄養アセスメント加算50単位、口腔は口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)5単位という組み合わせが成り立ちます。詳細は告示95号第19号の2の条文と市町村の取扱いを確認してください。

栄養アセスメント加算の注意点

「アセスメント」の定義

告示は栄養アセスメントを「利用者ごとの低栄養状態のリスク及び解決すべき課題を把握すること」と定義しています。体重や食事量を測るだけではなく、リスクと課題の把握まで至っている必要があります。

実施の頻度

告示に頻度の定めはありません。1月につき算定する加算ですが、毎月アセスメントを実施する必要があるのか、一定期間ごとでよいのかは条文から読み取れません。留意事項通知および市町村の取扱いを確認してください。

管理栄養士との契約形態

「外部との連携により」の具体的な要件(契約書の要否、関与の頻度、オンラインでの参加の可否など)も告示本文には書かれていません。連携の実態を記録で示せる形にしておくことが重要です。

短期利用居宅介護費には加算されない

トの注は「イについて」と書かれています。対象は看護小規模多機能型居宅介護費であり、短期利用居宅介護費には加算されません。

算定前に確認したいこと
  • 市町村長への届出を済ませているか
  • 管理栄養士を雇用または外部連携で確保しているか
  • アセスメントを多職種共同で実施した記録があるか
  • 本人・家族に結果を説明した記録があるか
  • LIFEへの情報提出を行い、活用しているか
  • その利用者が栄養改善サービスを受けている月ではないか

よくある質問

看多機の栄養アセスメント加算はいくらですか?

1月につき50単位です。

管理栄養士を雇用する必要がありますか?

ありません。当該事業所の従業者としてまたは外部との連携により、管理栄養士を1名以上配置していれば要件を満たします。

外部連携とは具体的に何ですか?

告示本文に具体的な要件はありません。同一法人内の他事業所、協力医療機関、栄養ケア・ステーション等との連携が想定されますが、取扱いは市町村に確認してください。

管理栄養士だけでアセスメントしてよいですか?

いけません。管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員その他の職種の者が共同して実施することが要件です。

本人への説明は必要ですか?

必要です。利用者またはその家族等に結果を説明し、相談等に必要に応じ対応することが要件に含まれます。

LIFEへの提出は必須ですか?

必須です。利用者ごとの栄養状態等の情報を厚生労働省に提出し、活用していることが要件です。

算定できる期間に上限はありますか?

ありません。栄養改善加算のような3月以内という制限はなく、要件を満たすかぎり継続して算定できます。

栄養改善加算と併算定できますか?

できません。栄養改善サービスを受けている間および終了した日の属する月は算定できません。

口腔・栄養スクリーニング加算と併算定できますか?

(Ⅰ)20単位は算定できません。(Ⅱ)5単位を口腔のスクリーニングのみで算定できる場合があります。詳細は市町村に確認してください。

毎月アセスメントが必要ですか?

告示に頻度の定めはありません。留意事項通知および市町村の取扱いを確認してください。

届出は必要ですか?

必要です。市町村長に対し、老健局長が定める様式による届出を行った事業所が対象です。

短期利用の利用者にも算定できますか?

できません。トの注は「イについて」とあり、対象は看護小規模多機能型居宅介護費です。

まとめ
  • 看多機の栄養アセスメント加算は1月につき50単位
  • 対象はイ(看護小規模多機能型居宅介護費)で、短期利用は対象外
  • 算定できる期間に上限がなく、要件を満たすかぎり継続できる
  • 要件は管理栄養士の配置・多職種共同での実施と説明・LIFEへの提出と活用・定員超過等でないことの4つ
  • 管理栄養士は外部との連携でもよく、雇用は必須ではない
  • 同一法人内の他事業所、協力医療機関、栄養ケア・ステーション等が連携先の候補
  • アセスメントは管理栄養士・看護職員・介護職員・生活相談員等が共同して行う
  • 本人または家族への結果説明と相談対応が要件に含まれる
  • LIFEへの情報提出だけでなく「活用していること」まで求められる
  • 栄養アセスメントは低栄養状態のリスクと解決すべき課題の把握まで含む
  • 栄養改善サービスを受けている間と終了月は算定できない
  • 栄養改善加算に移行すると50単位から200単位に切り替わる
  • 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)とは併算定できないが、(Ⅱ)には余地がある
  • 実施頻度や外部連携の具体的要件は告示本文からは読み取れない
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(市町村)の解釈をご確認ください。看護小規模多機能型居宅介護は地域密着型サービスであり、指定・指導は市町村が行うため、解釈や運用が自治体によって異なる場合があります。とくに「外部との連携」に求められる契約形態や関与の頻度、栄養アセスメントの実施頻度、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)との組み合わせの可否については告示本文に明記がなく、留意事項通知および市町村の取扱いによります。所在市町村に確認してください。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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