令和6年度改定で、通所リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算は(A)(B)の4区分から(イ)(ロ)(ハ)の3区分に再編されました。(B)は廃止、医師の説明は別加算に切り出し、栄養と口腔を組み込んだ(ハ)が新設。構造がまるごと変わっています。

この記事では、理学療法士・介護支援専門員として現場に関わってきた立場から、通所リハのリハビリテーションマネジメント加算の単位数と算定要件を、厚生労働省の改定資料に沿って整理します。訪問リハとの違いも並べます。

この記事でわかること
  • 令和6年度改定での区分の再編(AB→イロハ)
  • (イ)(ロ)(ハ)それぞれの単位数
  • 6月以内と6月超で単位が変わる仕組み
  • 医師の説明が別加算(270単位)になったこと
  • 新設された(ハ)の要件と管理栄養士の配置
  • 基本報酬に含まれている要件との切り分け
  • リハビリテーション会議の開催頻度
  • 訪問リハビリテーションとの単位数の違い

通所リハビリのリハビリテーションマネジメント加算とは

厚生労働省の改定資料は、リハビリテーションマネジメントをこう定義しています。

令和6年度介護報酬改定における改定事項についてリハビリテーションマネジメントは、調査、計画、実行、評価、改善(以下、「SPDCA」という)のサイクルの構築を通じて、心身機能、活動、参加にバランス良く働きかけるリハビリテーションが提供できているか、継続的に管理することにより、質の高いリハビリテーションの提供を目指すものである。

ポイントは、この加算が「リハビリを実施したこと」ではなく「管理の仕組みを回していること」を評価している点です。だから会議、計画、共有、見直しが要件の中心にあります。

令和6年度改定で何が変わったか

改定前(令和3年度〜)改定後(令和6年度〜)
リハビリテーションマネジメント加算(A)イリハビリテーションマネジメント加算(イ)へ(要件は同じ)
リハビリテーションマネジメント加算(A)ロリハビリテーションマネジメント加算(ロ)へ(要件は同じ)
リハビリテーションマネジメント加算(B)イ廃止
リハビリテーションマネジメント加算(B)ロ廃止
リハビリテーションマネジメント加算(ハ)(新設)
(B)の中に含まれていた「医師による説明」別の加算として切り出し(+270単位)

改定の趣旨は、資料に「リハビリテーション・口腔・栄養を一体的に推進し、自立支援・重度化防止を効果的に進める観点」および「報酬体系の簡素化の観点」と明記されています。(B)の医師説明の部分は要件を組み替えて別加算にし、(B)そのものは廃止という整理です。

単位数(令和6年度改定後)

区分同意日の属する月から6月以内6月超
リハビリテーションマネジメント加算(イ)560単位/月240単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(ロ)593単位/月273単位/月
リハビリテーションマネジメント加算(ハ)(新設)793単位/月473単位/月
医師が利用者またはその家族に説明した場合(新設)上記に加えて270単位/月
読み方の注意(イ)(ロ)(ハ)はいずれか1つを算定する区分です。医師の説明に係る270単位は、そこへの上乗せとして設計されています。(ハ)+270単位で、6月以内は1,063単位/月。旧(B)ロの863単位/月と比べると、栄養・口腔まで組んだ事業所は評価が上がる構造です。

算定要件を区分ごとに整理する

(イ)と(ロ)の要件

改定資料は「現行のリハビリテーションマネジメント加算(A)イと同要件」「同(A)ロと同要件」と示しています。実務上の中身はこうです。

  • リハビリテーション会議を開催し、計画を見直すこと|開催頻度は、利用開始から6月以内は1月に1回以上、6月超は3月に1回以上
  • PT・OT・STが利用者またはその家族に説明し、同意を得て医師へ報告すること|(イ)(ロ)はここが医師ではなく療法士
  • ケアマネジャーへの情報提供|リハビリテーションの観点から、日常生活上の留意点や介護の工夫を伝達する
  • (ロ)はこれに加えてLIFEへの提出とフィードバックの活用|(イ)と(ロ)の差はここです
リハウルフリハウルフ

(イ)と(ロ)の差は月33単位です。小さく見えますが、LIFEの提出体制はいずれ避けて通れません。(ハ)を取りにいくなら(ロ)の要件が前提なので、順番としてはLIFEの運用を先に固めるのが正解です。

(ハ)の要件(新設)

ここが令和6年度改定の本体です。改定資料の記載は次のとおりです。

リハビリテーションマネジメント加算(ハ)の算定要件
  • リハビリテーションマネジメント加算(ロ)の要件を満たしていること。
  • 事業所の従業者として、又は外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること。
  • 利用者ごとに、多職種が共同して栄養アセスメント及び口腔アセスメントを行っていること。
  • 利用者ごとに、言語聴覚士、歯科衛生士又は看護職員がその他の職種の者と共同して口腔の健康状態を評価し、当該利用者の口腔の健康状態に係る解決すべき課題の把握を行っていること。
  • 利用者ごとに、関係職種が、通所リハビリテーション計画の内容の情報等や、利用者の口腔の健康状態に関する情報及び利用者の栄養状態に関する情報を相互に共有すること。
  • 共有した情報を踏まえ、必要に応じて通所リハビリテーション計画を見直し、当該見直しの内容を関係職種に対して情報提供していること。

厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」より整理。管理栄養士は外部との連携でも要件を満たせる点が、実務上の要です。

つまずきやすいのは管理栄養士の確保通所リハに管理栄養士を常勤で置いている事業所は多くありません。ただし要件は「事業所の従業者として、又は外部との連携により」1名以上です。併設の老健や病院、地域の栄養ケア・ステーションとの連携で満たせる可能性があります。諦める前に、法人内の配置を洗ってください。

基本報酬に含まれている要件と混同しない

ここを整理しておかないと、加算の要件を二重に数えることになります。令和3年度改定で旧リハマネ加算(Ⅰ)相当の内容が基本報酬に包括化されたため、次の項目は加算の要件ではなく基本報酬の算定要件です。

項目内容
医師の詳細な指示リハビリテーションの目的に加え、①開始前・実施中の留意事項・中止基準、②負荷量等のいずれか1以上の指示を行う
計画の進捗確認・見直し初回評価はおおむね2週間以内、以降は概ね3月ごとに評価し、必要に応じて計画を見直す
継続利用時の説明・記載医師が3月以上の継続利用が必要と判断した場合、継続が必要な理由、具体的な終了目安、他サービスの併用と以降の見通しを計画書に記載して説明する
他事業所との連携ケアマネジャーを通じて、他のサービス従業者にリハビリテーションの観点から日常生活上の留意点や介護の工夫を伝達する
居宅訪問利用開始から1月以内に利用者の居宅を訪問し、診療・検査等を行うよう努める(努力義務)

「これは基本報酬の話か、加算の話か」を分けて覚えることが、実地指導対策としても効きます。特に居宅訪問は努力義務であって、加算の必須要件ではありません。

訪問リハビリテーションとの違い

同じ改定で訪問リハも再編されましたが、単位数の水準はまったく違います。

区分通所リハビリテーション訪問リハビリテーション
(イ)560単位/月(6月超240)180単位/月
(ロ)593単位/月(6月超273)213単位/月
(ハ)793単位/月(6月超473)設定なし
医師の説明+270単位/月+270単位/月

訪問リハには(ハ)に相当する区分がありません。栄養・口腔の一体的取組を評価する新区分は、通所リハに設けられたと理解してください。旧(B)が廃止され、医師の説明が別加算になった点は両者に共通します。

ちびウルフちびウルフ

通所リハのほうがずいぶん高いんだね。なんで?

リハウルフリハウルフ

通所リハは医師が事業所にいて、会議に多職種を集められる前提の設計だからです。訪問リハは事業所の医師の関与が構造的に薄い。同じ名前の加算でも、求められている体制の重さが違うと考えると納得できます。

算定にあたって実務で押さえること

  1. 1「同意日の属する月から6月」の起算を管理する|6月を超えると単位が大きく下がります。利用者ごとの管理表が必要です
  2. 2リハビリテーション会議の頻度を記録で示す|6月以内は月1回以上、6月超は3月に1回以上。開催記録と参加者を残します
  3. 3説明者が誰かを明確にする|(イ)(ロ)(ハ)はPT・OT・STの説明、270単位の加算は医師の説明。記録上の主語を間違えないこと
  4. 4一体的計画書の様式を最新版にする|令和6年度改定で、リハ・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書が見直されています
  5. 5(ハ)を狙うなら管理栄養士の連携を先に固める|外部連携でも可。契約や連携方法を書面で整理しておきます
よくある質問
リハビリテーションマネジメント加算(B)はどうなりましたか?
令和6年度改定で廃止されました。(B)に含まれていた「医師が利用者またはその家族に説明し、同意を得る」部分は要件を組み替えて別の加算として設定され、上乗せで270単位/月を算定する形になっています。(A)イ・(A)ロはそれぞれ(イ)・(ロ)に名称が変わり、要件は同じです。
(イ)(ロ)(ハ)は同時に算定できますか?
できません。いずれか1つを算定する区分です。医師が利用者またはその家族に説明した場合の270単位は、算定している区分に上乗せする形で加算します。
6月を超えると単位はどれくらい下がりますか?
(イ)は560単位/月から240単位/月、(ロ)は593単位/月から273単位/月、(ハ)は793単位/月から473単位/月になります。起算点は「同意日の属する月」です。
(ハ)を算定するには管理栄養士の常勤配置が必要ですか?
常勤である必要はありません。要件は「事業所の従業者として、又は外部との連携により管理栄養士を1名以上配置していること」です。法人内の他事業所や外部機関との連携でも満たせます。ただし連携の実態と、栄養アセスメントを多職種共同で行った記録が必要です。
リハビリテーション会議はどれくらいの頻度で開きますか?
利用開始から6月以内は1月に1回以上、6月超は3月に1回以上とされています。会議で計画を見直すことがセットです。テレビ電話装置等を活用した開催も認められていますが、参加者の同意など運用上の条件があるため、指定権者の解釈を確認してください。
居宅訪問は加算の必須要件ですか?
加算の要件ではなく、基本報酬に関する項目です。「利用開始から1月以内に、利用者の居宅を訪問し、診療・検査等を行うよう努める」とされる努力義務にあたります。ただし生活行為の把握という観点では、算定の有無にかかわらず実施する価値が高い項目です。
まとめ
  • 令和6年度改定で、通所リハのリハマネ加算は(A)イ・ロ/(B)イ・ロの4区分から(イ)(ロ)(ハ)の3区分に再編された。
  • (A)イ→(イ)、(A)ロ→(ロ)で要件は同じ。(B)イ・ロは廃止。
  • (B)に含まれていた医師の説明は別加算として切り出され、上乗せ270単位/月となった。
  • 単位数は(イ)560単位/月(6月超240)、(ロ)593単位/月(6月超273)、(ハ)793単位/月(6月超473)。
  • 起算点は「同意日の属する月」。6月を超えると単位が大きく下がる。
  • (イ)(ロ)(ハ)は択一。医師説明の270単位のみ上乗せできる。
  • (イ)(ロ)の差はLIFEへの提出とフィードバック活用の有無で、月33単位。
  • (ハ)は(ロ)の要件に加え、管理栄養士1名以上の配置(外部連携可)、多職種共同の栄養・口腔アセスメント、情報の相互共有、計画の見直しと情報提供が必要。
  • 医師の詳細な指示、初回おおむね2週間以内の評価と概ね3月ごとの評価、3月以上継続時の説明・記載、ケアマネへの情報伝達、居宅訪問(努力義務)は基本報酬の要件。
  • リハビリテーション会議は、利用開始から6月以内は月1回以上、6月超は3月に1回以上。
  • 訪問リハは(イ)180単位/月、(ロ)213単位/月で、(ハ)に相当する区分はない。医師説明の270単位は共通。
  • 令和6年度改定で、リハ・個別機能訓練、口腔管理、栄養管理に係る一体的計画書の様式が見直されている。
参考にした情報

※本記事の単位数および算定要件は、厚生労働省の令和6年度介護報酬改定資料にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては、厚生労働大臣が定める基準(告示)および留意事項通知の原文、ならびに指定権者の解釈をご確認ください。ここに記載した以外の要件が定められている場合があります。地域区分により1単位あたりの単価が異なるため、金額は単位数から一律には算出できません。令和6年度改定の内容は2026年8月時点で有効なものとして整理していますが、その後の改定・通知により取扱いが変わる可能性があります。運用上の留意点に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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