訪問リハは介護度で回数制限がある?利用可否と限度額を解説【令和6年度】

「訪問リハビリは介護度が軽い(重い)と使えないのでは?」「介護度によって受けられる回数が変わるの?」——ケアプランを考えるとき、こうした疑問はとても多いものです。介護度ごとに条件が違うと思い込んでサービスを諦めてしまうのは、利用者さんにとっても大きな損失になりかねません。
結論から言えば、訪問リハビリはどの介護度でも利用でき、介護度による回数の差もありません。ただし「区分支給限度額」という別のルールが関わってきます。この記事では令和6年度の最新ルールをもとに、利用可否・回数・限度額の関係を、ケアマネジャーやリハビリ職(PT・OT・ST)の実務目線で整理します。
- 訪問リハビリはどの介護度でも利用できる理由
- 介護度別の回数制限は「ない」が、限度額には注意が必要なこと
- 介護保険の訪問リハの回数の基本(週6回・120分)と退院後3か月の特例
- 要支援・要介護それぞれの区分支給限度額(令和6年度)
- デイケア・デイサービスを併用するときの限度額の考え方
訪問リハビリは介護度によって利用できる・できないが決まる?
まず利用可否についてです。訪問リハビリテーションは、要支援1・2から要介護1〜5まで、どの介護度でも利用できます。「介護度が軽いと使えない」「要支援では対象外」といったことはありません。
ただし、誰でも自動的に使えるわけではなく、自宅でリハビリを行う必要性を、ケアマネジャーが作成するケアプラン(介護予防の場合は地域包括支援センター等の介護予防ケアプラン)に位置づけることが前提になります。医師が訪問リハの指示を出していること(医師の診療に基づく計画)も必要です。

要支援の人でも訪問リハビリって使えるんですか?

使えるよ。要支援の場合は「介護予防訪問リハビリテーション」という名前になるけど、サービス自体はちゃんと受けられるんだ。大事なのは介護度よりも「自宅でのリハの必要性がケアプランに位置づいているか」だね。
訪問リハの利用可否を分けるのは「介護度」ではなく、ケアプランへの位置づけ+医師の指示です。介護度が軽い・重いを理由に断られることはありません。
訪問リハビリに介護度別の回数制限はある?
次に回数です。訪問リハビリには「介護度ごとに回数が決まっている」という制限はありません。要支援1でも要介護5でも、回数の上限ルールは同じです。
介護保険の訪問リハビリは、1回あたり20分を1つの単位として数えます。そして原則は1週間に6回(20分×6=合計120分)までが標準的な上限とされています。1日にまとめて長く行うことも可能で、たとえば1日に120分使って買い物練習や調理練習など時間のかかるリハに充てることもできます。
| 項目 | 介護保険の訪問リハビリの基本ルール |
|---|---|
| 1回の時間 | 20分(=1単位として数える) |
| 標準の上限 | 週6回=合計120分まで |
| 介護度による回数差 | なし(要支援1〜要介護5まで同じ) |
| 退院・退所後3か月以内 | 週12回=合計240分まで可能(特例) |
つまり「重い介護度だからたくさん使える」「軽いから少ししか使えない」ということはなく、回数ルールはすべての人に共通です。
退院・退所後3か月は週12回まで利用できる
例外として、病院を退院した日・施設を退所した日、または要介護(要支援)認定を受けた日から3か月以内は、短期集中的にリハビリを行うため、週12回(20分×12=合計240分)まで訪問リハを利用できます。退院直後は自宅での生活に体を慣らす大切な時期なので、集中的にリハを行えるよう手厚くなっているのです。
3か月を過ぎると、原則どおり週6回(120分)に戻る運用が一般的です。退院直後に手厚く入る計画を組むときは、この期限を意識しておくとスムーズです。

3か月を過ぎたら急にリハが減っちゃうんですか?

回数の上限は週6回に戻るけど、必要性があれば週6回までしっかり継続できるよ。退院後3か月の手厚い期間で生活の土台を作って、その後は維持・向上につなげていくイメージだね。
回数より気をつけたいのは「区分支給限度額」
ここが最も大切なポイントです。回数に介護度差はなくても、1か月に介護保険で使えるサービスの総量(区分支給限度額)には、介護度ごとの上限が決まっています。訪問リハだけでなく、デイサービスや訪問介護なども含めた合計が、この限度額の範囲に収まる必要があります。
令和6年度の区分支給限度額(1か月あたり)は以下のとおりです。
| 要介護状態区分 | 区分支給限度額(1か月/単位) |
|---|---|
| 要支援1 | 5,032単位 |
| 要支援2 | 10,531単位 |
| 要介護1 | 16,765単位 |
| 要介護2 | 19,705単位 |
| 要介護3 | 27,048単位 |
| 要介護4 | 30,938単位 |
| 要介護5 | 36,217単位 |
1単位はおおむね10円ですが、地域区分(地域加算)によって単価は変わります。訪問リハの回数制限はなくても、この限度額の中で他のサービスとやりくりする必要がある——これが実務上の最大の注意点です。
デイケア・デイサービスを併用するときの注意
訪問リハ単独なら限度額に余裕があることも多いですが、デイサービス(通所介護)やデイケア(通所リハビリテーション)を併用すると、限度額をぐっと圧迫します。さらに福祉用具レンタルや訪問介護なども加わると、限度額を超えてしまうことがあります。
区分支給限度額を超えた分は全額自己負担(10割)になります。「訪問リハを増やしたら他のサービスが限度額を超えてしまった」とならないよう、ケアマネジャーと総量を確認しながら計画を立てましょう。
ケアマネ・リハ職(PT・OT・ST)が押さえる実践ポイント
現場では、回数のルールよりも「限度額の中でどう組むか」「ケアプランにどう必要性を書くか」が腕の見せどころです。
必要性をケアプランに明確に位置づける
「自宅環境での動作改善が必要」「退院直後で生活機能の再獲得が急務」など、訪問リハでなければならない理由を具体的に記載すると、サービス担当者会議でも合意が得やすくなります。
限度額の残りを意識して単位を逆算する
すでにデイケアや福祉用具で多くの単位を使っている場合、訪問リハに回せる単位は限られます。週何回なら限度額内に収まるか、リハ職側からも提案できると喜ばれます。
退院後3か月の特例を活かす
退院直後は週12回まで使える貴重な期間です。短期集中リハビリテーション実施加算なども含め、最も効果が出やすいこの時期に集中投下する計画を、医師・ケアマネと共有しておきましょう。

「介護度で回数が決まる」と思い込まず、まずは限度額とケアプランをセットで考えるのがコツだよ。利用者さんにとって本当に必要な量を、無理なく組み立てよう。
よくある質問(FAQ)
要支援でも訪問リハビリは使えますか?
使えます。要支援の場合は「介護予防訪問リハビリテーション」という名称になりますが、サービス内容は受けられます。ケアプラン(介護予防ケアプラン)への位置づけが前提です。
介護度が上がると訪問リハの回数も増えますか?
回数の上限ルール自体は介護度で変わりません(原則週6回・120分)。ただし介護度が上がると区分支給限度額が大きくなるため、他サービスと合わせて組める総量には余裕が出ます。
退院後の週12回はいつまで使えますか?
退院・退所・認定日から3か月以内が目安です。期間を過ぎると原則の週6回(120分)に戻る運用が一般的です。
限度額を超えたらどうなりますか?
超えた分は全額自己負担(10割負担)になります。訪問リハを増やす際は、デイケア等を含めた合計が限度額内に収まるかをケアマネジャーと確認しましょう。
訪問看護からのリハビリ(看護師等の訪問)とは違うのですか?
別の枠組みです。訪問看護ステーションの理学療法士等が行う訪問は「訪問看護費」での算定となり、ここで解説した訪問リハビリテーション費とはルールや単位が異なります。
- 訪問リハビリは要支援1〜要介護5まで、どの介護度でも利用できる。
- 介護度による回数差はなく、原則は週6回=120分まで。
- 退院・退所・認定日から3か月以内は週12回=240分まで利用できる。
- 本当に注意すべきは「区分支給限度額」。令和6年度は要支援1で5,032単位、要介護5で36,217単位。
- デイケア等を併用すると限度額を圧迫するため、ケアマネジャーと総量を確認して計画を立てる。
介護度に振り回されず、限度額とケアプランをセットで考えることが、必要なリハを過不足なく届けるコツです。


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