「嚥下(えんげ)食や介護食って、家でどうやって作ればいいの?」
「飲み込みが心配な家族に、何を食べさせれば安全なんだろう」——そんな不安を抱えていませんか。

飲み込む力が落ちてきた方の食事は、ほんの少しの知識と工夫で「安全」にも「楽しみ」にもなります。この記事では、訪問リハビリの現場でご家族に本当におすすめしている嚥下食・介護食の本を、レシピ本と学習・食事介助の本に分けて厳選紹介します。リハ職・看護師の視点で「失敗しない選び方」までまとめました。

この記事でわかること
  • 嚥下食・介護食の本の失敗しない選び方(レベル・目的・写真の見やすさ)
  • 家庭で作れる嚥下食・介護食レシピ本のおすすめ4冊
  • 仕組みから学べる摂食嚥下の知識・食事介助の本3冊
  • 本と一緒にそろえたい食器・とろみ・調理グッズの考え方

嚥下食・介護食の本が「家庭にこそ」必要な理由

ちびウルフちびウルフ

ネットでレシピを調べれば十分じゃないの?わざわざ本を買う意味ってあるの?

リハウルフリハウルフ

嚥下食は「やわらかさのレベル」を間違えると誤嚥(ごえん)につながるんだ。本は基準や手順がそろっていて、写真で硬さを確認できるから安心して続けられるんだよ。

飲み込む力が低下した方の食事で一番こわいのは、食べ物が気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)です。誤嚥は誤嚥性肺炎の引き金になり、高齢者では入院や体力低下に直結します。日本摂食嚥下リハビリテーション学会は、食事のやわらかさやまとまりやすさを段階で示した「嚥下調整食学会分類」を公開しており、本人の飲み込む力に合った段階を選ぶことが安全の基本とされています。

ネットのレシピは手軽ですが、硬さの基準やとろみの付け方がバラバラで、どれが自分の家族に合うのか判断しづらいのが弱点です。その点、書籍は「選び方の基準・手順・写真」が一冊にまとまっているため、作る人が迷わず、続けやすいという大きな利点があります。

失敗しない!嚥下食・介護食の本の選び方

ちびウルフちびウルフ

本がたくさんあって、どれを選べばいいのか分からないよ……。

リハウルフリハウルフ

「誰の・どの段階の食事か」を先に決めるのがコツだよ。次の4つのポイントで選べば失敗しにくいよ。

本を選ぶときは、価格や口コミより先に「自分の家族の飲み込みの段階」と「本の目的」を合わせることが大切です。下の表を目安に選んでみてください。

選び方のポイントチェックすること
① 嚥下レベルに合うか「きざみ・やわらか食」中心か、「ミキサー・ペースト」中心か。重い嚥下障害なら段階別に分かれた本が安心。
② 目的(作る/学ぶ)毎日のレシピが欲しいのか、仕組みや介助方法を学びたいのかで選ぶ本が変わる。
③ 写真・イラストの多さ仕上がりの硬さや盛り付けが写真で確認できると、家庭でも再現しやすい。
④ 続けやすさ近所で買える食材・電子レンジ・市販品の活用など、手間の少ないレシピだと長続きする。
ポイント

飲み込む力に不安が大きい場合は、自己流で進めず医師・歯科医師・言語聴覚士(ST)・管理栄養士に一度相談を。本は「専門家のアドバイスを家庭で実践するための道具」として使うと安全です。

家庭で作れる!嚥下食・介護食レシピ本のおすすめ4選

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まずは「毎日の食事づくり」に役立つレシピ本から。段階別・時短・グルメ志向と、目的別に選べる4冊だよ。

1. 決定版 かむ・飲み込むが難しい人のごはん

「嚥下調整食学会分類2013」の新コード分類に対応した、まさに決定版といえる一冊です。肉・野菜・寿司・デザートまで幅広いレシピが、飲み込む力の段階に合わせて紹介されています。市販品を活用した簡単レシピも多く、毎日の食事づくりを助けてくれます。「どの段階の食事を作ればいいか分からない」という方の最初の一冊に最適です。

2. 嚥下食革命 ― 料理人が叶える食べる幸せ

超高齢化社会の「食」ニーズに応えるべく、料理人の技術で「見た目もおいしさも妥協しない嚥下食」を追求した本です。介護食はどうしても見た目が地味になりがちですが、本書は「食べる幸せ」を取り戻すことに主眼を置いています。家族と同じ食卓を楽しみたい方、行事食やごちそうを安全に出してあげたい方におすすめです。

3. 噛む力が弱った人のおいしい長生きごはん

「誤嚥を防ぐ!」をテーマに、噛む力が弱くなった方でもおいしく食べられる長生きレシピをまとめた本です。栄養をしっかり取りながら、食べやすさと安全性を両立する工夫が満載。低栄養が心配な高齢のご家族に、無理なく続けられる家庭料理を探している方にぴったりです。

4. 家庭でできる高齢者ソフト食レシピ

「食べやすく飲み込みやすい」をコンセプトに、家庭の道具で作れるソフト食レシピを紹介した一冊です。特別な調理器具がなくても再現できるレシピが中心で、介護食づくりが初めての方でも取り組みやすい構成。まずは“やわらかい普通食”から始めたいというご家庭の入門書として重宝します。

注意

同じ「やわらか食」でも、本人の飲み込む力によって安全なレベルは変わります。新しいレシピを試すときは少量から始め、むせ・声がガラガラする・食後の疲れなどのサインがないか確認しましょう。

仕組みから学べる!摂食嚥下の知識・食事介助の本3選

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レシピ以外に、知っておいた方がいいことってあるの?

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「なぜむせるのか」「どう介助すると安全か」を知ると、レシピの効果が何倍にもなるよ。仕組みを学べる3冊を紹介するね。

5. 見える!わかる!摂食嚥下のすべて 改訂第2版

飲み込みの仕組み(摂食嚥下のメカニズム)から評価・対応までを、図解で視覚的に学べる定番の一冊です。専門職向けの内容ですが、イラストが豊富で「なぜむせるのか」「どこに問題があるのか」を理解したい家族にも役立ちます。リハ職・看護師が基礎を整理し直すのにも最適で、食支援に関わるなら手元に置いておきたい本です。

6. 「食べる」介護のきほん

誤嚥を防いで食の楽しみをキープするための、食事介助とお口のケアの基本をまとめた在宅介護シリーズの一冊です。栄養士資格を持つ歯科医師が著者で、食事中の姿勢・早食いへの対応・口腔ケアがイラスト付きで解説されています。介護を始めたばかりで「何に気をつければいいか」を最初に知りたい方にうってつけです。

7. 口から食べる幸せを守る

「生きることは食べる喜び」をテーマに、最後まで口から食べることを支えるための考え方と実践をまとめた本です。技術だけでなく、本人の意欲や尊厳に寄り添う食支援の姿勢を学べるのが特徴。胃ろうや食事量の低下に悩むご家族、ケアに関わる専門職に、視野を広げてくれる一冊です。

本とあわせてそろえたい!食事サポートグッズ

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本で知識を得たら、道具も少し見直すと食事がぐっと楽になるよ。よく相談される3ジャンルを紹介するね。

レシピや介助のコツを実践するうえで、道具の選び方も成果を左右します。リハウルフでは、本とあわせて次のアイテムもよく紹介しています。

毎日すべてを手作りするのは大変です。ミキサーで調理を時短し、レトルトの介護食を上手に取り入れ、食べやすい食器で自分で食べる力を引き出す——この3つを組み合わせると、介護する側の負担も無理なく減らせます。

本を活かす!家庭での嚥下食づくり3ステップ

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本を買ったら、どう使い始めればいいのかな?

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いきなり全部やろうとしなくて大丈夫。次の3ステップで、無理なく家庭に取り入れていこう。

  1. 段階を確認する:本人の飲み込む力に合う段階(やわらか食/きざみ/ペースト等)を、本の基準や専門職の助言で確認する。
  2. 定番を3品決める:まずは作りやすいレシピを3品だけ選び、家族の好みと安全性を見ながら定番化する。
  3. 食事中を観察する:むせ・残し・疲れ・声の変化を記録し、合わなければ段階や調理法を見直す。
リハ職からのひと言

食事は「栄養」だけでなく「楽しみ」でもあります。安全を確保しつつ、本人が好きだった味や食卓の雰囲気を大切にすることが、食べる意欲を保ついちばんの近道です。

よくある質問(FAQ)

嚥下食と介護食はどう違うの?
介護食は「噛む・飲み込む力が落ちた方向けの食事」全般を指す広い言葉で、嚥下食はその中でも特に「飲み込みやすさ」に配慮した食事を指します。本人の状態によってきざみ食・やわらか食・ペースト食などに分かれます。
本は1冊だけでも足りる?
まずは1冊で十分です。迷う場合は「決定版 かむ・飲み込むが難しい人のごはん」のような段階別レシピ本から始め、仕組みを深く知りたくなったら学習書を足すのがおすすめです。
市販のレトルト介護食でも大丈夫?
問題ありません。手作りにこだわりすぎず、市販品やレトルトを上手に組み合わせる方が長続きします。パッケージの「やわらかさの区分(ユニバーサルデザインフード等)」を本人の段階に合わせて選びましょう。
むせが多いときはどうすればいい?
むせは飲み込みのサインが出ている状態です。水分にとろみを付ける、ひと口量を減らす、姿勢を整えるなどで改善することもありますが、頻繁にむせる・発熱や痰が増える場合は、早めに医師・歯科医師・STへ相談してください。
とろみ調整食品はどこで買える?
ドラッグストアやネット通販で手に入ります。製品ごとにとろみの付き方が異なるため、まずは少量タイプで試し、本人がむせずに飲める固さを見つけるとよいでしょう。
まとめ
  • 嚥下食・介護食は「飲み込む力の段階」に合わせることが安全の基本。本は基準・手順・写真がそろっていて家庭で実践しやすい。
  • 毎日の食事づくりには段階別・時短・グルメ志向で選べるレシピ本4冊がおすすめ。
  • 「なぜむせるか」「どう介助するか」を知ると効果が倍増。摂食嚥下の知識・介助の本3冊もあわせて。
  • ミキサー・レトルト・食器も組み合わせて、介護する側の負担を無理なく減らそう。
  • 不安が強いときは自己流にせず、医師・歯科医師・ST・管理栄養士に相談を。

参考:日本摂食嚥下リハビリテーション学会「嚥下調整食学会分類」/各書籍の商品情報。最新の価格・在庫はリンク先(Amazon等)でご確認ください。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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