「言語聴覚士あるあるって、他のSTさんも同じなのかな?」「クスッと笑える話を読んで、明日もがんばる元気をもらいたい」——そんなふうに思って検索された方も多いのではないでしょうか。言語聴覚士(ST)は、PT・OTに比べて人数が少なく、職場に1人だけということも珍しくありません。だからこそ「この感覚、わかってもらえる!」という”あるある”には、特別な共感とホッとする力があります。

この記事では、現役の言語聴覚士が「思わずうなずく言語聴覚士あるある」を、食事・嚥下/コミュニケーション/職場・人間関係/キャリアの4テーマに分けて全12選紹介します。訪問リハビリや在宅の現場ならではのあるあるも加えました。クスッと笑いながら、肩の力を抜いて読んでくださいね。

この記事でわかること
  • 言語聴覚士あるあるをテーマ別に全12選(食事・発声・職場・キャリア)
  • 「嚥下音が気になる」「声が大きくなる」など、STならではの職業病的エピソード
  • 訪問リハ・在宅で働くSTにこそ刺さる”あるある”
  • PT・OT・STの人数比較(最新データ)と1人職場が多い理由

言語聴覚士あるある【食事・嚥下編】

言語聴覚士の専門領域のひとつが「摂食嚥下」。だからこそ、プライベートでも食事に関するアンテナが勝手に立ってしまいます。

近くにいる人の嚥下音が気になる

隣の席の人や家族の嚥下音(飲み込む音)が気になって仕方がないのは、ST最大のあるあるかもしれません。特に音が大きいと「口が閉じ切れていない? 口腔内圧が高まっていないのでは? そういえば咀嚼回数も少なくて早食いだな…」と、気づけば頭の中で評価を始めています。

家族のむせ込みが気になる

誰かがむせると、反射的に観察モードに切り替わります。「むせる直前に口に入れたものは何か」「しっかり喀出できているか」「声質に変化はないか」。気づけば食卓で嚥下評価。「高野豆腐を食べるときは気をつけてね!」と、つい決めゼリフを言ってしまう自分に苦笑します。

とろみ濃度がつい気になる

あんかけ中華のとろみ具合、自宅で片栗粉を使ったときのとろみ加減——「これは中間のとろみくらいかな」と濃度を分類してしまうのもSTあるある。スープを飲めば「何の食材でとろみをつけているんだろう」と考え込んでしまいます。

ちびウルフちびウルフ

STさんって、ごはんを食べてるときも仕事モードになっちゃうの?

リハウルフリハウルフ

そうなんだ。嚥下や食形態は毎日向き合う領域だから、目と耳が自然に反応しちゃうんだよ。職業病だけど、誤嚥のサインに早く気づける強みでもあるんだ。

言語聴覚士あるある【発声・コミュニケーション編】

「ことば」と「声」のプロだからこそ、人の話し方や声にも敏感になります。

他の人の発音が気になる

「いつもカ行が言いづらそう」「イ列音がひずんでいるのは舌の使い方かな」など、人の発音(構音)が気になり始めると会話に集中できなくなるのもあるあるです。アナウンサーやナレーションの滑舌までチェックしてしまう人もいます。

気づけば声が大きくなる

介護施設など高齢の方が多い現場では、難聴の利用者さんも少なくありません。補聴器をつけていても聞き返されることがあり、他の職員の声にかき消されないよう、自然と大きな声に。「家では聞こえないのに、施設だとみんな声が大きくて補聴器がいらないのよ」と言われた経験があるSTもいるはずです。

1つの返事に10個返したくなる

失語症の方とのやりとりでは、「ああ」「うん」というひと言や、うなずき・首振りといった反応に対して、つい会話をふくらませます。「それはこういう意味ですか? 実は私も似たことがあって…」と話すうちに相手が笑ってくれたら、心の中で「よっしゃ!」とガッツポーズ。「会話って楽しい」と感じてもらいたい一心なんですよね。

ポイントこうした”あるある”は、裏を返せば言語聴覚士が日々「相手の食べる・話すをよく観る」訓練を積んでいる証拠です。職業病のようでいて、利用者さんの小さな変化に気づく専門性そのものなのです。

言語聴覚士あるある【職場・人間関係編】

「リハ職だから移乗が上手」と思われる

同じリハビリ職というだけで、車いす⇔ベッドの移乗が得意だと期待されがち。ところが言語聴覚士は学生時代に移乗をほとんど学びません。働き始めてから覚えるので、毎日介助している看護師や介護職に比べると正直まだまだ。指示をもらいながら一緒に移乗することもよくあります。

「学生時代は何の運動を?」と聞かれがち

リハビリ職=体育会系のイメージがあるのか、「何かスポーツやってた?」と聞かれがち。「特に何も」と答えると残念そうな顔をされます。なぜか吹奏楽部出身のSTが多い気がする、というのもあるあるです。

栄養士・歯科衛生士と仲良くなる

食形態の相談や口腔ケアの連携で、栄養士さんや歯科衛生士さんと話す機会が多いST。気づけば多職種の中でも特に距離が近くなり、「あの笑い声の輪に混ざりたい!」と思うこともしばしばです。

昼ごはんの時間が遅くなる

食事評価や食事介助をして記録までつけると、休憩は13時半や14時になりがち。周囲の休憩が終わっていて休憩室が空いている、というささやかなメリット(?)もあります。

ちびウルフちびウルフ

移乗が上手って思われちゃうの、ちょっと困っちゃうね…!

リハウルフリハウルフ

そうだね。でも移乗や離床は安全に関わる大事な技術だから、苦手なら遠慮せず周りに声をかけて一緒にやるのが正解だよ。無理は禁物なんだ。

言語聴覚士あるある【キャリア・働き方編】

転職がわりとすぐ決まる

言語聴覚士は人数が少なく需要が高いため、転職活動がスムーズに進みやすいのもあるある。見学に行った病院や施設で、その場で給与提示されることも。「面接という名の、お茶を飲みながら条件を提示される会」になりがちで、返答に困って笑ってごまかした…という経験談もよく聞きます。

1人職場が多い

有資格者数が他のリハ職より少ないため、施設や事業所にST が自分1人だけという職場も珍しくありません。最新の有資格者数を比べると、その差は一目瞭然です。

職種おおよその有資格者数特徴
理学療法士(PT)約22万人リハ職で最多。職場に複数名いることが多い
作業療法士(OT)約11万人PTに次いで多い
言語聴覚士(ST)約4万人3職種で最少。1人職場が生まれやすい

※人数はいずれも概数です。理学療法士・作業療法士は近年の国家試験合格者数の推移、言語聴覚士は2024年時点の有資格者数を参考にした目安で、年度により変動します。

1人職場では相談相手がいない心細さもありますが、その分、院内の多職種や同じ地域のSTと積極的に連携することで学びを補えます。オンライン研修やSTのコミュニティを活用するのもおすすめです。

訪問リハビリ・在宅で働く言語聴覚士あるある

病院や施設だけでなく、訪問リハビリや在宅の現場で働く言語聴覚士ならではのあるあるもあります。生活の場に入るからこそのエピソードです。

利用者さんの食卓を見て食形態が気になる

ご自宅にうかがうと、台所やテーブルの上の食材・調理法がつい目に入ります。「このおかずの大きさは安全かな」「ご家族はとろみ剤を正しく使えているかな」と、生活に密着した嚥下の視点で観察してしまいます。

限られた道具で工夫する

病院のように訓練機材がそろっていない在宅では、家にあるものを使って訓練やリハを工夫するのが日常。新聞・チラシ・家族の写真・カレンダーなどが、立派なコミュニケーション訓練の教材に早変わりします。

家族指導の比重が大きい

在宅では、利用者さん本人だけでなくご家族への助言がとても重要。「むせたときの対応」「食事のとろみのつけ方」「会話のペース」などを、専門用語をかみ砕いて伝える機会が増えます。

注意在宅での嚥下・食事に関する助言は、利用者さんの全身状態や主治医の指示と切り離せません。リスクが高いと感じたときは自己判断で進めず、医師や看護師、ケアマネジャーと必ず連携しましょう。

言語聴覚士あるあるに関するよくある質問

言語聴覚士の「職業病」とは具体的にどんなもの?
人の嚥下音やむせ込み、発音、声の大きさが気になる、とろみ濃度を分類してしまう、などが代表例です。日々「食べる・話す・聞く」を専門的に観ている習慣が、プライベートでも出てしまうものです。マイナスに見えて、利用者さんの異変に早く気づける専門性の裏返しでもあります。
言語聴覚士は本当に1人職場が多いの?
有資格者数がPT・OTに比べて少ないため、施設や事業所にSTが1人だけというケースは実際によくあります。心細さはありますが、多職種連携や地域のST同士のつながり、オンライン研修などで補うことができます。
言語聴覚士は転職しやすいって本当?
需要に対して有資格者が少ないため、比較的スムーズに転職先が決まりやすい職種といわれます。ただし職場ごとに対象疾患や働き方は大きく異なるため、見学などで実際の現場を確認してから決めるのがおすすめです。
訪問リハビリで働く言語聴覚士のやりがいは?
生活の場に直接かかわり、利用者さんやご家族の「食べたい」「話したい」を支えられる点です。限られた環境で工夫する力や、家族指導のスキルも磨かれます。
まとめ
  • 言語聴覚士あるあるは「食事・嚥下」「発声・コミュニケーション」「職場・人間関係」「キャリア」の4テーマで全12選。
  • 嚥下音・むせ込み・とろみ濃度・発音・声の大きさが気になるのは、ST最大の”職業病あるある”。
  • 移乗が得意と思われがちだが、STは学生時代に移乗をほとんど学ばないため無理は禁物。
  • STはPT・OTに比べ有資格者が少なく(約4万人)、1人職場が生まれやすいが、連携で補える。
  • 訪問・在宅では食卓の観察や家族指導など、生活に密着したあるあるが増える。

共感できたり、クスッと笑ってリフレッシュできたりしたなら嬉しいです。明日からの現場も、無理せずいきましょう。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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