要介護認定には有効期間があり、新規は原則6か月、更新は原則12か月です。更新のときに介護度が変わらなければ、最長48か月(4年)まで延ばせます。

更新の申請は有効期間が終わる日の60日前から満了日までしかできません。この期間を逃すと認定が切れ、サービス費が全額自己負担になります。この記事では、介護保険法第27条〜第29条と施行規則第38条〜第42条の原文を確認して、有効期間の決まり方・更新の手順・区分変更との違いを整理しました。

この記事でわかること

  • 新規・更新それぞれの要介護認定の有効期間
  • 最長48か月になる条件
  • 更新申請ができる期間と、間に合わなかったときの例外
  • 有効期間の途中で区分変更を申請したときの扱い
  • 更新の時期に家族とケアマネが準備しておくこと

要介護認定の有効期間とは?

要介護認定は、決められた期間だけ効力を持ちます。介護保険法第28条で「要介護状態区分に応じて厚生労働省令で定める期間(以下この条において『有効期間』という。)内に限り、その効力を有する」と定められています。

体の状態は時間とともに変わるため、定期的に認定を見直すしくみです。有効期間が終わる前に更新の申請をして、改めて訪問調査と主治医意見書による審査を受けます。

有効期間は、被保険者証の「認定の有効期間」の欄で確認できます。

新規と更新の有効期間

有効期間は、施行規則第38条と第41条で次のように定められています。

認定の種類原則認定審査会の意見で設定できる範囲
新規認定6か月3〜12か月
更新認定12か月3〜36か月(介護度が前回と同じなら48か月まで)

介護保険法施行規則 第41条第2項(原文の要点)

更新認定では、第38条の「六月間」とあるのを「十二月間」と、「十二月間」とあるのを「三十六月間(要介護更新認定に係る要介護状態区分が現に受けている要介護認定に係る要介護状態区分と同一である場合にあっては、四十八月間)」と読み替える。

48か月になるのは、更新の前後で要介護度が同じだった場合です。たとえば要介護3から要介護3に更新された方は、状態が安定していると判断されれば最長4年の有効期間がつくことがあります。どの長さにするかは、認定審査会の意見をふまえて市町村が決めます。

新規の有効期間は「月の途中」から始まる

新規の認定は、申請した日にさかのぼって効力が生じます(法第27条第8項)。そのため、有効期間は次の2つを足した期間になります(施行規則第38条第1項)。

  • 認定の効力が生じた日(申請日)から、その月の末日まで
  • その翌月からの6か月間(認定審査会の意見で3〜12か月)

たとえば5月15日に申請して原則の6か月がつけば、有効期間は5月15日から11月30日までです。申請日が月の初日なら、その月から6か月になります。

更新認定の有効期間は、前の有効期間の満了日の翌日から始まります(法第28条第10項)。前の認定と切れ目なく続くしくみです。

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4年も認定が続くなら、更新の手間が減って楽だね。

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手続きは楽になります。ただ4年の間に状態が落ちても、認定は自動では変わりません。必要なら自分から区分変更を申請する必要があります。長い有効期間ほど、ケアマネが状態の変化に気づけるかが大事になります。

更新申請ができる期間

更新の申請ができる期間は、施行規則第39条で決まっています。

介護保険法施行規則 第39条(原文)

「要介護更新認定の申請は、当該要介護認定の要介護認定有効期間の満了の日の六十日前から当該要介護認定有効期間の満了の日までの間において行うものとする。」

多くの市町村では、満了日の60日前ごろに更新の案内と申請書を郵送しています。届いたらすぐに申請するのが基本です。

申請から結果が出るまでは、法律上は原則30日以内です(法第27条第11項)。ただし、調査の日程調整や主治医意見書の作成に時間がかかると延期されることがあり、実際には1か月以上かかる市町村も少なくありません。60日前に申請しておけば、満了日までに結果が出る見込みが高くなります。

更新の手順

  • 満了日の60日前ごろ、市町村から更新の案内が届く
  • 申請書に被保険者証を添えて市町村に申請する(ケアマネや地域包括支援センターが代行できる)
  • 認定調査員が自宅や施設を訪問して、心身の状態を聞き取る
  • 市町村が主治医に意見書を依頼する
  • 介護認定審査会で審査・判定される
  • 新しい介護度と有効期間が記載された被保険者証が届く

申請は、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターが本人に代わって行えます(法第27条第1項)。ケアマネジャーがついている方は、更新の時期をケアマネが管理していることがほとんどです。

期間内に申請できなかったとき

満了日を過ぎると、原則として更新の申請はできません。ただし、法第28条第3項に例外があります。

介護保険法 第28条第3項(原文)

「前項の申請をすることができる被保険者が、災害その他やむを得ない理由により当該申請に係る要介護認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかったときは、当該被保険者は、その理由のやんだ日から一月以内に限り、要介護更新認定の申請をすることができる。」

「うっかり忘れていた」は、やむを得ない理由には通常あたりません。その場合は新規の申請をやり直すことになり、前の認定が切れた日から新規申請の日までの間に使ったサービスは、全額自己負担になります。

途中で区分変更を申請したとき

状態が大きく変わったときは、有効期間の満了を待たずに区分変更(要介護状態区分の変更の認定)を申請できます(法第29条)。退院後に状態が落ちた、逆にリハビリで大きく改善した、といった場面です。

区分変更で新しい介護度が認定されると、その時点から新たな有効期間が始まります。区分変更の有効期間は、新規と同じく原則6か月(3〜12か月)とされています。

60日前の区分変更が「更新」とみなされる場合(施行規則第42条第4項の要点)

有効期間の満了日の60日前から満了日までの間に区分変更を申請し、審査の結果「要介護状態区分の変更を必要ないもの」と認めたときは、その申請を更新認定の申請とみなし、更新認定を行う。

満了の直前に区分変更を出して、結果が「変わらず」だったとしても、認定が切れることはありません。更新として扱われ、新しい有効期間がつきます。月の途中で介護度が変わったときの請求や限度額の扱いは月途中の区分変更とは?で解説しています。

更新の時期に準備しておくこと

更新の結果で介護度が下がると、使えるサービスの量や種類が変わります。ケアマネジャーとして更新に立ち会ってきた立場から、準備しておきたいことをまとめます。

  • 訪問調査の日は、ふだんの様子を知っている家族が同席する
  • 夜間のトイレ、転倒、もの忘れなど「できない日」の様子をメモにしておく
  • 主治医の診察で、最近の生活の困りごとを伝えておく(意見書に反映される)
  • 入院中に更新の時期が来る場合は、病院での調査が可能か市町村に確認する
  • 介護度が変わる可能性がある方は、ケアマネと結果が出た後のプランを話し合っておく

調査の当日に本人が「できます」と頑張ってしまい、実態より軽く判定されるのはよくある話です。普段の状態を正しく伝えることが、適切な介護度につながります。調査で伝えるコツは認定調査で介護度を上げるにはにまとめています。

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更新で介護度が下がったら、使っているサービスはどうなるの?

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支給限度額が下がるので、今のプランが枠に収まらないことがあります。要介護から要支援になると、ケアマネも地域包括支援センターに変わります。結果に納得できないときは、区分変更の申請や都道府県の審査請求という方法もあります。

よくある質問

要介護認定の有効期間はどれくらいですか?

新規は原則6か月(3〜12か月)、更新は原則12か月(3〜36か月)です。更新で介護度が前回と同じなら、最長48か月まで設定できます。

有効期間は何で確認できますか?

介護保険被保険者証の「認定の有効期間」の欄に記載されています。

更新申請はいつからできますか?

有効期間の満了日の60日前から満了日までです。市町村から案内が届いたら早めに申請してください。

更新を忘れて有効期間が過ぎたらどうなりますか?

認定が切れ、新規の申請をやり直すことになります。認定が切れていた期間に使ったサービスは全額自己負担です。災害などやむを得ない理由がある場合は、理由がやんだ日から1か月以内なら更新の申請ができます。

更新の申請は家族やケアマネが代わりにできますか?

できます。家族のほか、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターが申請を代行できます。

更新認定はいつから有効になりますか?

前の有効期間の満了日の翌日からです。切れ目なく続きます。

有効期間の途中で介護度を変えられますか?

状態が変わったときは、いつでも区分変更を申請できます。認定されると、新たな有効期間が始まります。

満了直前に区分変更を出して「変わらず」だったら認定は切れますか?

切れません。満了日の60日前から満了日までの区分変更で変更不要と判定された場合は、更新の申請とみなされ、更新認定が行われます。

入院中でも更新できますか?

できます。病院で訪問調査を行うことが多いですが、退院の見込みによって調査の時期を調整することもあるため、市町村に相談してください。

まとめ

  • 要介護認定の有効期間は、新規が原則6か月、更新が原則12か月
  • 更新で介護度が前回と同じなら最長48か月まで設定できる
  • 更新申請は満了日の60日前から満了日まで。過ぎると新規申請からやり直し
  • 満了直前の区分変更で「変わらず」なら、更新とみなされる
  • 調査には家族が同席し、ふだんの「できない日」の様子を伝える

参考にした情報

※本記事の有効期間・更新申請の期間・区分変更の扱いは、介護保険法および介護保険法施行規則の条文にもとづいて整理したものです。区分変更認定の有効期間は、施行規則の読み替え規定にもとづく整理です。実際の有効期間は認定審査会の意見をふまえて市町村が決定します。更新案内の送付時期、結果が出るまでの日数、入院中の調査の取扱いは市町村によって異なります。要支援認定にも同様の有効期間と更新のしくみがありますが、細部は異なる場合があります。制度に関する記述は2026年11月時点の内容として整理していますが、その後の改正により取扱いが変わる可能性があります。更新に向けた準備に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味