介護職員初任者研修とは?内容・時間数・取り方を解説

先に結論をお伝えします。介護職員初任者研修は、介護の仕事に必要な基本の知識と技術を学ぶ研修で、合計130時間のカリキュラムと、修了時の筆記試験(1時間程度)で構成されています。訪問介護(ホームヘルパー)として働くには、介護福祉士でなければ、この研修などの修了が必要です。
この記事では、初任者研修の内容・時間数・取り方・費用の考え方を、厚生労働省の告示と介護保険法施行令を確認して整理しました。介護福祉士へのステップアップについてもまとめています。
- 介護職員初任者研修とはどんな研修か
- カリキュラムの科目と130時間の内訳
- 初任者研修がないとできない仕事
- 研修の取り方と費用を抑える方法
- 介護福祉士までのステップ
介護職員初任者研修とは?
介護職員初任者研修は、介護保険法施行規則で定められた研修の課程です。「介護に従事する職員が行う業務に関する知識及び技術を習得することを目的」とした研修で、都道府県知事の指定を受けたスクールや事業者が実施しています(介護保険法施行規則第22条の23、平成24年厚生労働省告示第71号)。
以前の「ホームヘルパー2級」にあたる研修で、介護の仕事の入口となる資格です。年齢や学歴の条件はなく、未経験の人でも受講できます。
研修の方法は「講義及び演習」が基本で、講義は通信の方法で行うこともできます(介護保険法施行規則第22条の24)。そのため、自宅学習と通学を組み合わせたコースが多くあります。
初任者研修のカリキュラムと時間数
厚生労働省の告示で定められた科目と時間数は、次のとおりです。
| 科目 | 時間数 |
|---|---|
| 職務の理解 | 6時間 |
| 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
| 介護の基本 | 6時間 |
| 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
| 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
| 老化の理解 | 6時間 |
| 認知症の理解 | 6時間 |
| 障害の理解 | 3時間 |
| こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
| 振り返り | 4時間 |
| 合計 | 130時間 |
告示では、これとは別に「筆記試験による修了評価(一時間程度)を実施すること」とされています。全体の半分以上を占めるのが「こころとからだのしくみと生活支援技術」で、移動・食事・入浴・排せつなどの介助を演習で身につけます。
受講期間は、短期集中のコースや週1回の通学コースなど、スクールによって違います。仕事や家庭の都合に合わせて選べるよう、日程を比べておきましょう。
ちびウルフ試験って難しいの?落ちたらどうなるの?
リハウルフ修了評価の筆記試験は、研修で学んだ内容の確認です。国家試験のように大勢を落とすためのものではないので、授業にきちんと出ていれば心配しすぎなくて大丈夫です。再試験の扱いはスクールごとに決まっているので、申し込み前に確認しておくと安心ですよ。
初任者研修がないとできない仕事
介護の仕事には、資格がなくても始められるものと、資格が必要なものがあります。
訪問介護(ホームヘルパー)
介護保険法では、訪問介護を「介護福祉士その他政令で定める者」が行う介護と定めています(第8条第2項)。この「政令で定める者」が、初任者研修などの養成研修を修了して証明書の交付を受けた人です(介護保険法施行令第3条)。そのため、介護福祉士でない人が訪問介護で働くには、初任者研修などの修了が必要です。
施設の介護職
特養やデイサービスなどの施設の介護職は、無資格・未経験から始められる求人もあります。ただし、資格がある人のほうが応募できる求人が多く、資格手当がつく職場もあります。働き始めてから資格を取る人も多くいます。
生活援助従事者研修との違い
平成30年度から、生活援助(掃除・洗濯・調理など)が中心の訪問介護に従事するための「生活援助従事者研修」もできました。こちらは合計59時間と修了評価(30分程度)です。ただし、身体介護を含む訪問介護や施設の介護まで考えるなら、初任者研修のほうが働ける範囲が広くなります。生活援助と身体介護の違いは訪問介護の生活援助と身体介護の境界線で解説しています。
初任者研修の取り方
- 通える範囲で、都道府県の指定を受けたスクール・事業者を探す
- 受講料、通学日数、修了評価の再試験の扱いを比べる
- 費用を抑える方法(下の章)が使えないか確認する
- 申し込み・受講。講義の一部は自宅学習、演習は通学で行う
- 修了評価(筆記試験)に合格し、修了証明書を受け取る
修了証明書は、就職・転職のときに資格の証明として提出します。なくさないように保管してください。
初任者研修の費用を抑える方法
受講料はスクールによって大きく違います。次のような方法で、自己負担を減らせることがあります。
- 就職支援サービスの資格取得制度:介護の仕事に就くことを条件に、資格取得を支援してくれるサービスがある
- 職場の資格取得支援:働きながら受講費用を負担・補助してくれる事業所がある
- ハローワークの職業訓練:公共職業訓練や求職者支援訓練で介護のコースが設けられていることがある
- 教育訓練給付:雇用保険の加入期間などの条件を満たすと、指定講座の受講費用の一部が給付される
- 自治体の助成:介護人材の確保のため、受講費用を助成している市区町村や都道府県がある
職業訓練や給付は、受けられる条件や対象講座が決まっているため、利用したい場合は申し込み前にハローワークで確認してください。
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介護の資格を0円で取れる
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介護福祉士までのステップ
初任者研修のあとは、実務経験を積んで国家資格の介護福祉士を目指すのが一般的な流れです。社会福祉士及び介護福祉士法では、介護福祉士試験の受験資格の1つとして、「三年以上介護等の業務に従事した者」で、指定の養成施設で「六月以上」必要な知識と技能を修得した人を定めています(第40条第2項第5号)。この養成施設での課程が、いわゆる「実務者研修」です。
- 初任者研修を修了して、介護の仕事に就く
- 働きながら実務経験を積む(3年以上)
- 実務者研修を修了する
- 介護福祉士国家試験に合格し、登録を受ける
介護福祉士の資格を、資格手当などで処遇に反映している職場もあります。処遇改善の仕組みは介護職員等処遇改善加算とは?で解説しています。
よくある質問
初任者研修は何時間ですか?
厚生労働省の告示で、10科目・合計130時間と定められています。これとは別に、筆記試験による修了評価(1時間程度)があります。
初任者研修は通信だけで取れますか?
講義は通信の方法で行うことができますが、演習があるため、すべてを通信だけで終えることはできません。通学日数はスクールによって違います。
無資格でも介護の仕事はできますか?
施設の介護職などでは、無資格・未経験から始められる求人もあります。ただし、訪問介護は介護福祉士か、初任者研修などの研修修了者でなければ従事できません。
初任者研修とホームヘルパー2級は同じですか?
初任者研修は、ホームヘルパー2級に代わる研修として平成25年度から始まりました。ホームヘルパー2級を修了している人は、初任者研修修了者と同じように扱われることが一般的ですが、詳しくは勤務先や都道府県に確認してください。
初任者研修の受講料を無料にする方法はありますか?
就職支援サービスの資格取得制度、職場の資格取得支援、ハローワークの職業訓練、自治体の助成などで、自己負担を減らせることがあります。条件はそれぞれ違うので、事前に確認してください。
- 初任者研修は介護の基本を学ぶ研修で、130時間と修了評価(1時間程度)
- 講義は通信でも受けられるが、演習は通学が必要
- 訪問介護で働くには、介護福祉士でなければ初任者研修などの修了が必要
- 就職支援サービスや職場の支援、職業訓練で費用を抑えられることがある
- 実務経験3年以上と実務者研修で、介護福祉士の受験資格を得られる
- 介護保険法施行規則第二十二条の二十三第二項に規定する厚生労働大臣が定める基準(平成24年厚生労働省告示第71号)
- 介護保険法施行規則(e-Gov法令検索)第22条の23・第22条の24
- 介護保険法施行令(e-Gov法令検索)第3条
- 社会福祉士及び介護福祉士法(e-Gov法令検索)第40条
- 介護職員・介護支援専門員(厚生労働省)
※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。研修の科目・時間数・修了評価は厚生労働省告示の原文、訪問介護の従事者要件と介護福祉士の受験資格は法令の条文にもとづいて記載しています(2026年10月確認)。受講料・受講期間・再試験の扱いはスクールごとに異なります。職業訓練・給付・助成の条件はハローワークや自治体で確認してください。進め方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。





