介護医療院の加算一覧【2026年最新】単位数・要件を完全網羅
「介護医療院の加算って種類が多すぎて、結局どれが算定できるのか分からない」——施設の管理者や事務、相談員、看護・リハビリ職の方なら、一度はそう感じたことがあるはずです。介護医療院は医療と介護の両方を担う施設だからこそ、基本報酬も加算も複雑で、しかも令和6年度(2024年)改定と令和8年(2026年)6月の処遇改善加算の見直しで中身が大きく動きました。
この記事では、介護医療院で算定できる主な加算を「一覧表」でまるごと整理し、単位数・算定のポイント・注意点まで、厚生労働省の資料をもとに正確にまとめました。基本報酬の構造から、よく間違えやすい老健との違い、減算(マイナス)の落とし穴まで網羅しているので、ブックマークして実務の確認用に使ってください。
- 介護医療院の基本報酬(Ⅰ型・Ⅱ型・ユニット型)の構造
- 算定できる主な加算の一覧表(単位数つき)
- 令和6年度改定・令和8年6月改定で変わった加算のポイント
- うっかり食らうと痛い「減算」の一覧と回避策
- 老健・特養と混同しやすい加算の違い
介護医療院とは?加算を理解する前提知識
ちびウルフそもそも介護医療院って、老健や特養と何が違うの?
リハウルフひとことで言うと「長期療養+医療」がしっかりできる施設だよ。だから加算も医療色が強いんだ。まずはそこを押さえよう。
介護医療院は、長期にわたる療養が必要な要介護者に対し、医学的管理のもとで看護・介護・機能訓練・看取りまでを提供する介護保険施設です。2018年(平成30年)4月に創設され、廃止された介護療養型医療施設(介護療養病床)の役割を引き継ぎました。これにより、介護保険3施設は「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「介護医療院」の3つになっています。
加算を理解するうえで大切なのは、介護医療院が「住まい」と「医療提供施設」の両方の性格を持つという点です。そのため、医療系の加算(緊急時施設診療費、重度認知症疾患療養体制加算など)と、介護系の加算(科学的介護推進体制加算、自立支援促進加算など)の両方を算定できる構造になっています。
介護医療院の基本報酬(令和6年度改定後)
加算は「基本報酬に上乗せ」するものなので、まずは基本報酬の構造を押さえましょう。介護医療院サービス費は、Ⅰ型・Ⅱ型・特別・ユニット型に分かれ、さらに人員配置などに応じて(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)、居室タイプ(従来型個室/多床室/ユニット型個室)で細かく区分されます。1日あたりの単位数です。
代表的な区分の単位数を抜粋すると、次のとおりです(令和6年4月改定後)。
| 区分(多床室・代表例) | 要介護1 | 要介護3 | 要介護5 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅰ)(ⅱ) | 833単位 | 1,182単位 | 1,375単位 |
| Ⅱ型介護医療院サービス費(Ⅰ)(ⅱ) | 786単位 | 1,092単位 | 1,261単位 |
| ユニット型Ⅰ型介護医療院サービス費(Ⅰ) | 850単位 | 1,199単位 | 1,392単位 |
| ユニット型Ⅱ型介護医療院サービス費 | 849単位 | 1,173単位 | 1,353単位 |
上の表はあくまで代表例で、実際には従来型個室/多床室、(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)、特別サービス費などで単位数が細かく分かれます。自施設の区分は、必ず最新の厚生労働省告示(サービスコード表)で確認してください。
介護医療院の加算 一覧(単位数つき)
ちびウルフいよいよ加算の一覧だね!どれくらいあるの?
リハウルフかなりの数があるよ。ここでは「栄養・口腔」「医療・連携」「認知症」「自立支援(LIFE系)」「体制・処遇改善」のグループに分けて整理するね。
以下は、介護医療院で算定できる主な加算を機能別にまとめた一覧です(令和6年度改定・令和8年6月改定対応)。単位数は2024年1月22日公表の厚生労働省資料等にもとづくもので、要件の詳細は告示・解釈通知で必ず確認してください。
① 夜間体制・受入れに関する加算
| 加算名 | 単位数 | 区分・備考 |
|---|---|---|
| 夜間勤務等看護加算(Ⅰ) | +23単位/日 | 夜勤職員の配置・割合に応じ(Ⅰ)〜(Ⅳ) |
| 夜間勤務等看護加算(Ⅱ) | +14単位/日 | — |
| 夜間勤務等看護加算(Ⅲ) | +14単位/日 | — |
| 夜間勤務等看護加算(Ⅳ) | +7単位/日 | — |
| 若年性認知症入所者受入加算 | +120単位/日 | 受け入れ・個別支援計画の作成等が要件 |
| 初期加算(Ⅰ) | +60単位/日 | 入所日から一定期間。退院・退所からの直接入所等 |
| 初期加算(Ⅱ) | +30単位/日 | — |
② 栄養・口腔・療養食に関する加算
| 加算名 | 単位数 | 備考 |
|---|---|---|
| 栄養マネジメント強化加算 | +11単位/日 | 管理栄養士の配置・低栄養リスク者への対応等 |
| 経口移行加算 | +28単位/日 | 経管栄養から経口摂取への移行支援 |
| 経口維持加算(Ⅰ) | +400単位/月 | 摂食・嚥下機能の維持支援 |
| 経口維持加算(Ⅱ) | +100単位/月 | (Ⅰ)を算定している場合に上乗せ |
| 口腔衛生管理加算(Ⅰ) | +90単位/月 | 歯科衛生士による口腔ケア等 |
| 口腔衛生管理加算(Ⅱ) | +110単位/月 | LIFEへの情報提出等 |
| 療養食加算 | +6単位/回 | 1日3回を限度 |
| 退所時栄養情報連携加算 | +70単位/月 | 1月1回限度。栄養管理基準を満たすこと |
| 再入所時栄養連携加算 | +200単位/回 | 入所者1人につき1回限度 |
③ 医療・退所支援・連携に関する加算
| 加算名 | 単位数 | 備考 |
|---|---|---|
| 退所前訪問指導加算 | +460単位 | 入所中1回(又は2回)限度 |
| 退所後訪問指導加算 | +460単位 | 退所後1回限度 |
| 退所時指導加算 | +400単位 | 退所後の療養上の指導 |
| 退所時情報提供加算(Ⅰ) | +500単位 | 退所後の主治医へ診療情報等を提供 |
| 退所時情報提供加算(Ⅱ) | +250単位 | 退所後の医療機関の医師へ情報提供 |
| 退所前連携加算 | +500単位 | 居宅介護支援事業者と退所前から連携 |
| 訪問看護指示加算 | +300単位 | 入所者1人につき1回限度 |
| 協力医療機関連携加算 | +50単位/月 | 緊急時入院受入体制を確保等。令和7年3月末までは100単位 |
| 協力医療機関連携加算(上記以外) | +5単位/月 | — |
| 緊急時施設診療費(緊急時治療管理) | +518単位/日 | 1月1回・3日を限度。ほか特定治療 |
| 新興感染症等施設療養費 | +240単位/日 | 1月1回・連続5日を限度 |
| 高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅰ) | +10単位/月 | — |
| 高齢者施設等感染対策向上加算(Ⅱ) | +5単位/月 | — |
④ 認知症ケアに関する加算
| 加算名 | 単位数 | 備考 |
|---|---|---|
| 認知症専門ケア加算(Ⅰ) | +3単位/日 | 認知症介護に係る専門研修修了者の配置等 |
| 認知症専門ケア加算(Ⅱ) | +4単位/日 | — |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅰ) | +150単位/月 | 令和6年度新設。BPSDの評価・チームケア |
| 認知症チームケア推進加算(Ⅱ) | +120単位/月 | — |
| 認知症行動・心理症状緊急対応加算 | +200単位/日 | 入所後7日を限度 |
| 重度認知症疾患療養体制加算(Ⅰ) | 要介護1・2:+140単位/日 要介護3〜5:+40単位/日 | 専門医・体制要件あり |
| 重度認知症疾患療養体制加算(Ⅱ) | 要介護1・2:+200単位/日 要介護3〜5:+100単位/日 | — |
⑤ 自立支援・科学的介護(LIFE関連)の加算
| 加算名 | 単位数 | 備考 |
|---|---|---|
| 排せつ支援加算(Ⅰ) | +10単位/月 | 排尿・排便の自立支援。LIFE提出 |
| 排せつ支援加算(Ⅱ) | +15単位/月 | — |
| 排せつ支援加算(Ⅲ) | +20単位/月 | — |
| 自立支援促進加算 | +280単位/月 | 医師の医学的評価・計画・LIFE提出 |
| 科学的介護推進体制加算(Ⅰ) | +40単位/月 | LIFEへのデータ提出・フィードバック活用 |
| 科学的介護推進体制加算(Ⅱ) | +60単位/月 | — |
⑥ 安全・生産性・サービス提供体制の加算
| 加算名 | 単位数 | 備考 |
|---|---|---|
| 安全対策体制加算 | +20単位 | 入所者1人につき1回限度(入所時) |
| 生産性向上推進体制加算(Ⅰ) | +100単位/月 | 令和6年度新設。見守り機器等の活用 |
| 生産性向上推進体制加算(Ⅱ) | +10単位/月 | — |
| サービス提供体制強化加算(Ⅰ) | +22単位/日 | 介護福祉士の割合・勤続年数等 |
| サービス提供体制強化加算(Ⅱ) | +18単位/日 | — |
| サービス提供体制強化加算(Ⅲ) | +6単位/日 | — |
⑦ 介護職員等処遇改善加算【令和8年6月から】
処遇改善加算は令和8年(2026年)6月の期中改定で区分・加算率が変更され、加算ⅠとⅡに上乗せ区分「ロ」が新設されました。所定単位数(基本報酬+各種加算の合計)に率を乗じて算定します。
| 区分 | 加算率 | 備考 |
|---|---|---|
| 介護職員等処遇改善加算Ⅰイ | 所定単位数の6.2% | 旧加算Ⅰ相当 |
| 介護職員等処遇改善加算Ⅰロ | 所定単位数の6.6% | 令和8年6月新設(生産性向上等の要件) |
| 介護職員等処遇改善加算Ⅱイ | 所定単位数の5.8% | 旧加算Ⅱ相当 |
| 介護職員等処遇改善加算Ⅱロ | 所定単位数の6.2% | 令和8年6月新設 |
| 介護職員等処遇改善加算Ⅲ | 所定単位数の4.7% | — |
| 介護職員等処遇改善加算Ⅳ | 所定単位数の4.0% | — |
令和6年度・令和8年6月改定で変わった主なポイント
ちびウルフ結局、最近の改定で何が大きく変わったの?
リハウルフ「医療連携の強化」「自立支援・科学的介護」「生産性向上」「処遇改善」が大きな柱だよ。ポイントを押さえておこう。
近年の改定では、介護医療院の加算まわりで次のような動きがありました。
| 改定の柱 | 主な内容 |
|---|---|
| 医療・連携の強化 | 協力医療機関連携加算の整理、協力医療機関の確保(2027年4月から義務化)、退所時情報連携の評価 |
| 認知症ケアの充実 | 認知症チームケア推進加算の新設(BPSDの評価とチームでの対応を評価) |
| 自立支援・科学的介護 | 科学的介護推進体制加算・自立支援促進加算・排せつ支援加算の見直し(LIFE活用が前提) |
| 生産性向上 | 生産性向上推進体制加算の新設(見守り機器・ICT等の活用) |
| 処遇改善 | 3加算の一本化、令和8年6月に区分・加算率を見直し(Ⅰロ・Ⅱロを新設) |
Ⅰ型とⅡ型で何が違う?人員配置と算定の前提
同じ介護医療院でも、Ⅰ型とⅡ型では想定する利用者像と人員配置が異なり、それが基本報酬と算定できる加算の前提に影響します。
| 区分 | 想定する利用者像 | 特徴 |
|---|---|---|
| Ⅰ型 | 重篤な身体疾患・重度の身体合併症を持つ認知症高齢者など、比較的重医療が必要な方 | 介護療養病床相当。医師・看護職員の配置が手厚い |
| Ⅱ型 | Ⅰ型に比べ容体が比較的安定した方 | 老健相当に近い体制 |
このため、重度認知症疾患療養体制加算や緊急時施設診療費など医療色の強い加算は、Ⅰ型を中心とした体制でこそ算定が現実的になります。一方、自立支援・科学的介護系の加算は、Ⅰ型・Ⅱ型を問わず体制を整えれば算定できます。自施設の区分と利用者像を踏まえ、取りにいく加算の優先順位を決めるのが効率的です。
加算算定のイメージ(試算例)
加算がどの程度の収入インパクトを持つのか、ざっくりとした試算で感覚をつかんでおきましょう(あくまでイメージで、地域区分や単価により実額は変わります)。
リハビリ(理学療法・作業療法・言語聴覚療法)はどう算定する?
ちびウルフあれ?老健みたいな「短期集中リハビリ加算」が一覧にないよ?
リハウルフいいところに気づいたね。介護医療院のリハビリは「加算」ではなく特別診療費として、理学療法・作業療法・言語聴覚療法などを算定する仕組みなんだ。ここが老健との大きな違いだよ。
介護医療院では、療養病床の流れをくみ、理学療法・作業療法・言語聴覚療法・その他の医療行為を「特別診療費」として出来高的に算定する仕組みが設けられています。老健・通所リハ・訪問リハで使う「短期集中リハビリテーション実施加算」のような介護報酬上の“リハビリ加算”とは枠組みが異なる点に注意が必要です。
そのため、「介護医療院でリハビリの加算を取りたい」という場合は、まず特別診療費の対象となる療法と算定単位を確認するのが正解です。詳細は最新の厚生労働省の単位数表(特別診療費の項)で確認してください。
介護医療院でよくある「減算」一覧
加算で増やすことばかりに目が向きがちですが、基準を満たさないと適用される「減算」こそ経営上のダメージが大きいものです。代表的な減算を整理しました。
| 減算名 | 減算内容 |
|---|---|
| 夜勤職員基準を満たさない場合 | −25単位/日 |
| 入所者が定員を超える場合(定員超過) | ×70/100 |
| 医師・看護・介護・PT/OT/ST・介護支援専門員の員数が基準未満 | ×70/100 |
| 看護師が必要数の20/100未満 | ×90/100 |
| ユニットケア体制が未整備(ユニット型のみ) | ×97/100 |
| 身体拘束廃止未実施減算 | −10/100 |
| 安全管理体制未実施減算 | −5単位/日 |
| 高齢者虐待防止措置未実施減算 | −1/100 |
| 業務継続計画(BCP)未策定減算 | −3/100 |
| 栄養管理の基準を満たさない場合 | −14単位/日 |
| 療養環境(廊下)の基準を満たさない場合 | −25単位/日 |
| 療養環境(療養室)の基準を満たさない場合 | −25単位/日 |
老健・特養と混同しやすい加算の違い
介護医療院・老健・特養は同じ「介護保険施設」でも、算定できる加算に違いがあります。特に間違えやすいのが次の点です。
このように、ネット上の「施設系まとめ表」は老健と介護医療院の加算が混在していることがあります。最終判断は必ず厚生労働省の告示・サービスコード表で行ってください。
加算の届出・算定開始のタイミング
加算は「要件を満たせば自動で入る」ものではなく、事前に都道府県知事等への届出(体制届)が必要です。届出のタイミングを誤ると、算定開始が翌月以降にずれ込み、収入機会を逃してしまいます。
また、いったん算定を始めても、要件を満たさなくなった場合は速やかに変更(取り下げ)の届出が必要です。実地指導や監査で「要件を満たさないのに算定していた」と判断されると、過去にさかのぼっての返還を求められることがあります。届出と実態のズレを作らないことが、何よりのリスク管理です。
加算を取りこぼさないための実務チェック
現場で算定漏れ・返還を防ぐために、看護・リハビリ・栄養・相談・事務が連携して押さえたいポイントを手順にまとめました。
- 自施設のサービス費区分(Ⅰ型/Ⅱ型/ユニット型・(Ⅰ)〜(Ⅲ)・居室タイプ)を最新告示で確定する
- 算定中・未算定の加算を一覧で棚卸しし、要件・記録の有無をチェックする
- LIFE関連(科学的介護・自立支援・排せつ支援等)はデータ提出と移行作業の期限を管理する
- 減算リスク(人員・身体拘束・虐待防止・BCP・栄養)の体制整備状況を点検する
- 処遇改善加算は区分・配分ルール・計画書・実績報告まで一気通貫で確認する
よくある質問(FAQ)
介護医療院の加算の単位数は毎年変わりますか?
科学的介護推進体制加算とLIFEは必須ですか?
協力医療機関連携加算の単位数が資料によって違うのはなぜ?
介護医療院でリハビリの加算は取れますか?
処遇改善加算を取ると返還リスクがあると聞きました。
- 介護医療院は「長期療養+医療」の施設で、医療系・介護系の両方の加算を算定できる。
- 加算は「栄養・口腔」「医療・連携」「認知症」「自立支援(LIFE)」「体制・処遇改善」に大別して整理すると分かりやすい。
- 令和6年度改定で認知症チームケア推進加算・生産性向上推進体制加算などが新設、令和8年6月改定で処遇改善加算の区分・率が変わった。
- リハビリは“加算”ではなく特別診療費で算定するのが老健との違い。
- 身体拘束・虐待防止・BCP・栄養などの減算(割合減算)は影響が大きいので体制整備が最優先。
- 単位数・適用は必ず厚生労働省の最新告示・サービスコード表で確認すること。
参考:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」「第239回社会保障審議会介護給付費分科会資料(令和6年1月22日)」「令和8年度介護報酬改定について(老発0313第6号 令和8年3月13日)」ほか公的資料。単位数・要件は改定や自治体の取扱いにより変わる場合があるため、最新の一次情報をご確認ください。

