「理学療法士は50代からでも目指せる?」「40代・60代でこれから学校に通うのは無謀かな……」——人生100年時代、手に職をつけたいと考えて理学療法士(PT)を志す社会人は少なくありません。一方で、年齢・体力・お金・周囲との年の差など、不安の種も多いですよね。

結論からお伝えします。理学療法士は40代・50代・60代からでも目指せます。実際に養成校には社会人入学や定年後に入学した方もいます。ただし、若い頃にはなかった「大変さ」があるのも事実です。この記事では、何歳からでも可能な理由、養成校のルート、覚悟しておきたい7つの苦労、費用と給付金、そして年収のリアルまで、理学療法士の立場から正直に解説します。

この記事でわかること
  • 40代・50代・60代から理学療法士を目指せる理由
  • 資格取得までの養成校ルート(最短3年・夜間部あり)
  • 中高年で目指すときに大変なこと7つ
  • 学費・社会人向けの給付金・年収の現実

理学療法士は40代・50代・60代から目指せる【結論】

結論として、理学療法士は40代・50代・60代からでも十分目指せます。国家試験の受験に年齢制限はなく、養成校で必要な課程を修めれば誰でも受験できます。

勉強面では、年齢による差はそれほど大きくありません。むしろ社会人経験のある人は目的意識がはっきりしていて、計画的に学べる強みがあります。一方で20代の現役世代は遊びたい年頃で集中が続かないこともあり、結局は「本人のやる気と取り組み方次第」というのが実感です。

ちびウルフちびウルフ

50代から始めて、ついていけるのかな……?

リハウルフリハウルフ

大丈夫、実際にトップクラスの成績で合格した年配の同級生もいたよ。年齢より「続ける覚悟」と「学び方」が大事なんだ。

理学療法士になるルート(最短3年・夜間部あり)

理学療法士になるには、文部科学大臣・厚生労働大臣指定の養成校で3年以上学び、国家試験に合格する必要があります。養成校には次のような種類があります。

養成校の種類修業年限特徴
専門学校(昼間)3年または4年最短3年で受験資格。実技中心で就職サポートも手厚い
専門学校(夜間)3年または4年夜間部があるのは専門学校。日中働きながら通える
短期大学3年短大ルート。数は多くない
大学4年学士が取れる。卒業まで4年かかる

早く資格を取りたいなら最短3年の専門学校・短大、働きながら目指すなら夜間部のある専門学校が現実的な選択肢です。元記事では「4年間」と書いていましたが、専門学校なら最短3年で受験資格が得られます。

ポイント夜間部を設けているのは主に専門学校です。日中の仕事を続けながら学びたい中高年には、夜間部が有力な選択肢になります。

理学療法士を中高年で目指すと大変なこと7選

可能とはいえ、40代・50代・60代で目指すには相応の覚悟が要ります。実際につまずきやすいポイントを7つ紹介します。

①体育などの授業で体力を求められる

養成校には実技や体育系の授業があり、体力が必要です。若い同級生と同じペースで動くのは大変ですが、無理せず自分の限界を尊重し、他の科目で力を発揮する姿勢が大切です。

②教員や実習指導者が年下のことが多い

指導する側が自分より年下、というのはよくあります。心理的なプレッシャーを感じることもありますが、相互尊重の姿勢で素直に学ぶことが、結果的に学びを早めます。

③周囲がほとんど20代で馴染みにくい

クラスメイトの多くは20代です。世代の違うメンバーと打ち解けるには、オープンな姿勢で共通の話題を見つけることがコツ。社会人経験を共有すれば、年下の仲間からも頼られる存在になれます。

④移乗・歩行介助など現場で体力が必要

理学療法士の仕事は身体介助を伴う場面が多く、就職後も体力が求められます。在学中から筋力・持久力を維持し、健康的な生活習慣を保つことが長く働くカギになります。

⑤若い頃より記憶力が落ちている

解剖学や医学的知識を大量に覚える必要があり、記憶面の負担を感じる人もいます。ノートの整理、定期的な復習、学習計画の工夫など、「覚え方」を工夫することで十分カバーできます。

⑥在学中は収入が途切れる

養成校に通う3〜4年間は、フルタイムなら収入が大きく減ります。貯蓄・奨学金・給付金の活用、夜間部に通いながら働くなど、資金計画は入学前に必ず立てておきましょう。

⑦資格取得後も上司が年下のことがある

新人として入職すれば、上司や先輩が年下というケースは普通にあります。謙虚に学びつつ、社会人経験を強みとしてチームに貢献する姿勢があれば、年齢差は大きな問題になりません。

学費と社会人向けの給付金

気になるお金の話です。学費は学校・年限によって幅がありますが、4年制の夜間部で授業料+設備費などを見込むと、4年間で数百万円規模になるのが一般的です。入学金を含めるとさらに上乗せされます。

負担を軽くする制度として、雇用保険に一定期間加入している社会人が使える「専門実践教育訓練給付金」があります。厚生労働大臣の指定講座が対象で、受講費用の一部(条件により受講費用の50%・年間上限40万円など)が支給されるしくみです。対象講座や支給要件は変わることがあるため、最新情報をハローワークや学校に確認しましょう。

注意給付金は「指定された講座」「雇用保険の加入期間」などの条件を満たす必要があります。すべての養成校・コースが対象とは限らないため、出願前に必ず対象かどうかを確認してください。

理学療法士の年収の現実(中高年スタートの場合)

年収も正直にお伝えします。厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにすると、理学療法士・作業療法士などを含む区分の平均年収はおおむね440万円前後です(調査年により変動)。

注意したいのは、理学療法士の給与は「年齢が高いほど上がる」しくみではない点です。昇給額は年1,000〜2,000円程度の職場も多く、中高年からスタートした場合は他の新入職員と同じ給与体系になるのが一般的です。そのため、スタート時の年収は新卒同様、400万円弱からというケースが多いと見ておきましょう。

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年齢を重ねてれば、その分お給料も高くしてもらえるんじゃないの?

リハウルフリハウルフ

残念ながら、理学療法士は経験年数や役割で上がっていく世界。年齢だけで上がるわけじゃないんだ。だから「お金」より「やりたい」が原動力になる人が向いているよ。

中高年スタートでも活きる強みと将来性

不安要素ばかりに目が向きがちですが、中高年だからこその強みもあります。長い社会人経験で培ったコミュニケーション力・対人スキル・忍耐力は、患者さんやご家族と向き合うリハビリ職にそのまま活きます。高齢の患者さんにとって、同世代に近いセラピストのほうが安心して心を開けることも少なくありません。

将来性の面でも、高齢化の進行でリハビリの需要は底堅く、訪問リハビリや通所リハビリなど活躍の場は広がっています。体力面の負担が比較的少ない領域を選ぶこともできるため、働き方を工夫すれば長く続けられるのも魅力です。

後悔しないために入学前にやるべき準備

勢いだけで進むと、途中で資金や体力が続かず後悔しかねません。出願前に次の3つを具体的に詰めておきましょう。

  1. 在学中の生活費・学費を試算し、貯蓄・給付金・働き方で賄えるか確認する
  2. 通学可能な養成校(昼間・夜間・修業年限)を調べ、説明会やオープンキャンパスに参加する
  3. 卒業後に働きたい分野(訪問・病院・施設など)をイメージし、必要な体力・条件を確認する

家族がいる場合は、在学期間中の家計や役割分担についても事前に話し合っておくと安心です。準備が整っていれば、年齢はハンデではなく「決断できる強み」に変わります。

中高年から理学療法士を目指すのが向いている人

これまでの内容を踏まえると、中高年から目指して充実できるのは次のような人です。

  • 収入より「人を支える仕事がしたい」という思いが強い人
  • 在学期間の資金計画を現実的に立てられる人
  • 年下から学ぶことに抵抗がなく、素直に取り組める人
  • 体力維持や学習の工夫を、自分で続けられる人

「なぜその年齢で理学療法士になりたいのか」という動機がはっきりしている人ほど、困難を乗り越えやすい傾向があります。これまでの人生経験や前職で得た知識を、リハビリの現場で活かせる場面もきっとあるはずです。明確な理由と現実的な準備がそろっているなら、年齢を理由にあきらめる必要はありません。一歩を踏み出すかどうかは、最後は自分の覚悟次第です。

40代・50代・60代の理学療法士に関するよくある質問

国家試験に年齢制限はありますか?
ありません。指定養成校で必要な課程を修めれば、何歳でも受験できます。
働きながら理学療法士を目指せますか?
夜間部のある専門学校なら、日中働きながら通うことが可能です。ただし学習量は多く、両立には計画性が必要です。
最短で何年かかりますか?
専門学校・短大の3年制が最短です。大学は4年かかります。
中高年でも就職できますか?
資格取得後の就職は可能です。リハビリ職は需要があり、社会人経験を評価する職場もあります。ただし給与は年齢ではなく経験・役割で決まる点に留意しましょう。
まとめ
  • 理学療法士は40代・50代・60代からでも目指せる(国家試験に年齢制限なし)
  • 最短3年の専門学校・短大、夜間部のある専門学校など複数のルートがある
  • 体力・年下の指導者・在学中の収入減など、覚悟しておきたい苦労が7つ
  • 専門実践教育訓練給付金など、社会人向けの支援制度も活用できる
  • 年収は年齢でなく経験・役割で決まる。動機の明確さが成功のカギ

参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、公益社団法人 日本理学療法士協会「理学療法士になるには」、厚生労働省「教育訓練給付制度」関連情報

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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