「訪問入浴介護の仕事に興味があるけれど、本当にきついのかが気になる」「実際に働き始めたものの、体力的につらくて辞めたいと感じている」——そんな悩みを抱えていませんか。

訪問入浴介護は、自力での入浴がむずかしくなった方の自宅に専用の浴槽を持ち込み、安全・清潔に入浴を支える大切なサービスです。利用者の尊厳と心身の健康を守るやりがいの大きい仕事である一方、力仕事や時間管理など「きつい」と感じる場面があるのも事実です。この記事では、現場で語られるきつい理由を5つに整理し、それぞれの具体的な対策と、向いている人の特徴までまとめて解説します。

この記事でわかること
  • 訪問入浴介護とはどんなサービスか(人員体制・対象者)
  • 訪問入浴介護が「きつい」と言われる5つの理由
  • きつさを和らげる具体的な対策
  • 訪問入浴介護に向いている人・やりがい

訪問入浴介護とは?まずは仕事内容を整理

訪問入浴介護とは、要介護状態などにより自宅の浴室での入浴がむずかしい方に対し、移動式の浴槽を居宅に持ち込んで入浴を援助する介護保険サービスです。厚生労働省は、利用者が可能な限り自宅で自立した生活を続けられるよう、入浴の援助を通じて身体の清潔保持と心身機能の維持等を図るもの、と位置づけています。

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訪問入浴って、どのくらいの人数で行くの?

リハウルフリハウルフ

基本は3人1組だよ。看護職員と介護職員がチームを組んで、体調確認から入浴、片付けまでを分担するんだ。

訪問入浴介護の人員基準では、事業所に看護職員(看護師または准看護師)を1名以上、介護職員を2名以上配置することが定められています。実際の訪問でも、原則として看護職員1名+介護職員2名の3名体制でうかがい、1名が利用者の健康チェック(血圧・体温・脈拍など)を行い、残りが入浴準備・介助・後片付けを担当します。なお、要支援者向けの介護予防訪問入浴介護では、看護職員1名+介護職員1名の2名体制で提供されることもあります。

ポイント3人1組という体制は「重労働だから」だけでなく、入浴という事故リスクの高い行為を安全に行うためでもあります。看護職員がそばにいる安心感は、訪問入浴の大きな強みです。

訪問入浴介護がきつい5つの理由

結論から言うと、訪問入浴介護がきついと言われる主な理由は次の5つです。

きつい理由どんな場面でつらい?
①浴槽の運搬重い簡易浴槽や給湯設備の運び込み・階段
②大きな車の運転ハイエースなど大型車の運転・駐車
③夏場の暑さ運搬と入浴介助で汗だく・熱中症リスク
④腰への負担移乗・体位変換でくり返す中腰姿勢
⑤少人数で休みづらい固定チームでシフトに余裕が出にくい

ひとつずつ、理由と対策を見ていきましょう。

①浴槽の運搬が大変

自宅での入浴を支えるには、移動式の簡易浴槽や給湯ボイラー、湯を張るための設備一式を毎回持ち込む必要があります。これらは大きく重たいうえ、玄関までの動線が狭かったり、エレベーターのない集合住宅の上階だったりすると、運搬の負担は一気に増します。

対策体に負担のかからない姿勢(膝を使い、腰だけで持ち上げない)を徹底し、複数人で声をかけ合って運ぶことが基本です。日頃から無理のない範囲で体力づくりをしておくと、ケガの予防につながります。

②大きな車の運転が大変

訪問入浴では浴槽・ボイラー・タオル類など多くの機材を運ぶため、ハイエースクラスの大型バンを使うのが一般的です。普通車に慣れた人にとっては、車両感覚や狭い住宅街での駐車が負担に感じられます。

対策3名チームのうち運転が得意な人に担当してもらう、最初は先輩に同乗してもらいルートと駐車のコツを覚える、といった役割分担が有効です。運転に自信がつくまでは無理をしないことが安全につながります。

③夏場だと汗だくになる

入浴介助は湯気と熱気のなかでの作業です。とくに夏場は、機材の運搬だけで汗だくになり、体力の消耗や熱中症のリスクが高まります。

対策こまめな水分・塩分補給と適宜の休憩を徹底しましょう。ネッククーラーや冷感タオル、経口補水液などの暑さ対策グッズを活用すると、体調管理がぐっと楽になります。事業所として熱中症対策のルールを決めておくことも大切です。

④様々な場面で腰に負担がかかる

ベッドから浴槽への移乗、体位変換、体を支える介助など、訪問入浴は中腰姿勢がくり返されます。寝たきりや重度の方を支える場面では、腰への負担がさらに大きくなります。

対策ボディメカニクス(てこの原理や重心移動を使った介助技術)を意識し、スライディングシートなどの福祉用具を使うことで腰の負担を減らせます。腰部サポーターの着用や、日常的なストレッチも予防に役立ちます。

⑤少人数で動くため休みづらい

訪問入浴は固定された少人数チームで1日に複数件を回るため、1人が休むとチーム全体が回らなくなることもあります。結果として、休みが取りにくい・連勤になりやすいと感じる人もいます。

対策これは個人ではなく事業所のシフト設計の課題です。応援に入れる人員のプール化、早めの休暇申請ルール、業務の標準化などで改善できます。面接の段階で「休みの取りやすさ」「人員に余裕があるか」を確認しておくと、入職後のギャップを防げます。

それでも訪問入浴介護にやりがいがある理由

きつい面がある一方で、訪問入浴介護には他では得られないやりがいがあります。「気持ちよかった」「さっぱりした」という利用者の笑顔を間近で受け取れること、寝たきりの方でも安心して入浴できる環境を自分たちの手でつくれること、そして看護職員と介護職員がチームで一人の利用者を支える一体感です。

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きついけど、人の役に立ってる実感は大きそうだね!

リハウルフリハウルフ

そうなんだ。入浴は「生活の質」に直結する行為だからね。利用者やご家族から感謝されることが多い仕事だよ。

また、令和6年度の介護報酬改定では、看取り期の利用者への対応を評価する看取り連携体制加算(64単位)が新設されるなど、人生の最終段階を支えるサービスとしての役割も広がっています。

訪問入浴介護に向いている人

向いている人理由
チームで動くのが好きな人3名連携が基本だから
体を動かす仕事が苦でない人運搬・介助の力仕事がある
段取り・時間管理が得意な人1日に複数件を効率よく回る
人の役に立つ実感を大切にする人感謝を直接受け取れる

訪問入浴介護のきつさを減らす働き方の工夫

  1. 入職前に人員体制とシフトの余裕を確認する(休みの取りやすさを面接でチェック)
  2. ボディメカニクスと福祉用具の使い方を早めに身につけ、体の負担を減らす
  3. 夏場は暑さ対策グッズと休憩・水分補給を徹底する
  4. 運転や運搬など、得意を活かした役割分担をチームで決める
  5. 不調や負担はためこまず、早めに管理者・チームに共有する
ポイント「きつい」と感じる原因の多くは、個人の頑張りではなく仕組みで解決できるものです。職場選びと工夫しだいで、負担は大きく変わります。

訪問入浴介護の1日の流れと「きつさ」が出やすい場面

「きつい」と感じるポイントは、1日のどの場面で負担がかかるかを知っておくと対策しやすくなります。訪問入浴介護のおおまかな流れは次のとおりです。

  1. 朝の準備・点検:浴槽やボイラー、タオル類を車に積み込み、機材の動作を確認する
  2. 利用者宅へ移動:大型車で住宅街を運転し、駐車スペースを確保する
  3. 体調チェック:看護職員が血圧・体温・脈拍を測り、入浴できる状態かを判断する
  4. 入浴準備:浴槽を室内に運び込み、湯を張る(運搬と中腰作業の負担が大きい)
  5. 入浴介助:移乗・洗体・洗髪を3名で分担して行う
  6. 片付け・記録:浴槽の排水・清掃・撤収を行い、次の訪問先へ移動する

このうち、とくに体力的な負担が集中するのは「運び込み」と「移乗・洗体」の場面です。逆に言えば、この2つの場面でボディメカニクスや福祉用具をうまく使えれば、1日の疲労感は大きく変わります。1件あたりの所要時間はおおむね1時間前後で、移動・準備・片付けまでを含めて段取りよく進めることが、無理なく続けるコツです。

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体調チェックを看護師さんがしてくれるのは安心だね!

リハウルフリハウルフ

そうなんだ。入浴は血圧変動などのリスクもあるから、医療職がそばにいる体制は訪問入浴ならではの強みだよ。

訪問入浴介護のよくある質問(FAQ)

訪問入浴介護は未経験・無資格でもできますか?
介護職員の枠であれば、無資格・未経験から始められる事業所もあります。ただし入浴介助の技術や安全管理は現場で身につける必要があります。看護職員の枠は看護師・准看護師の資格が必要です。
1日に何件くらい回りますか?
事業所やエリアによりますが、1チームで1日5〜8件程度を回ることが多いです。移動・準備・片付けを含めて1件あたり1時間前後が目安になります。
女性でも体力的に続けられますか?
続けている女性スタッフは多くいます。力任せではなくボディメカニクスや福祉用具を使えば、体格に関わらず負担を抑えられます。運搬はチームで分担するのが基本です。
きつくて辞めたいときはどうすればいい?
まずは負担の原因を「体力・人間関係・シフト」などに分けて整理しましょう。事業所側の工夫で解決できることも多いので、管理者に相談するのが第一歩です。それでも改善しない場合は、人員に余裕のある事業所への転職も選択肢になります。
まとめ
  • 訪問入浴介護は看護職員1名+介護職員2名の3名体制が基本。安全のための人員配置でもある
  • きつい理由は「浴槽の運搬・大型車の運転・夏場の暑さ・腰の負担・休みづらさ」の5つ
  • 対策の多くは、ボディメカニクス・福祉用具・暑さ対策・役割分担・シフト設計で解決できる
  • 利用者の笑顔や感謝を直接受け取れる、やりがいの大きいサービスでもある
  • 負担はためこまず、職場選びと工夫で「続けられる働き方」をつくることが大切

出典)厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」/同「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(訪問入浴介護)

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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