訪問リハビリの靴は、脱ぎ履きしやすく、滑りにくく、運転の邪魔にならないものを選ぶのが基本です。1日に何度も利用者さんの家に上がり、屋外の歩行練習もあり、車やバイク、自転車で移動するからです。迷ったら、黒や紺など落ち着いた色の運動靴か、医療・介護職向けのシューズから選んでください。

この記事では、訪問リハビリで履く靴の選び方を6つの条件に分けて整理しました。メーカーの公式情報で確認したおすすめの靴と、利用者さんの家の玄関で気をつけたいマナーも紹介します。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリの靴が病院勤務と違う理由
  • 靴選びの6つの条件
  • 運転と履物のルール
  • 訪問リハビリにおすすめの靴
  • 利用者さん宅の玄関でのマナー
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訪問リハビリって、病院で履いていたナースシューズじゃダメなの?

リハウルフリハウルフ

ダメではないけど、訪問は外を歩くし、運転もするし、1日に何回も靴を脱ぎ履きするんだ。病院の中だけで使う前提の靴だと、雨の日や屋外の練習で困ることがあるよ。条件をそろえて選ぶと失敗しにくいんだ。

訪問リハビリの靴が病院勤務と違う理由

病院のリハビリでは、院内で履く靴が1足あれば十分でした。訪問リハビリでは、同じ靴で「移動」「利用者さん宅への出入り」「屋外での練習」をこなすことになります。

  • 1日に何件も訪問するので、そのたびに玄関で脱ぎ履きする
  • 屋外の歩行練習や、買い物・通院などの外出練習に付き添う
  • 車・バイク・自転車を運転して移動する
  • 雨や雪の日も訪問する
  • 事務所が土足なら、朝から夕方まで同じ靴で過ごす

1日の訪問件数は事業所によって違いますが、たとえば1日5件なら、それだけで靴を脱ぎ履きする回数は10回になります。屋外での練習が入れば、さらに増えます。1日の件数の目安は訪問リハビリの1日の件数で解説しています。

訪問リハビリの靴の選び方6つ

①脱ぎ履きしやすい

いちばん大切なのが、玄関で手早く脱ぎ履きできることです。ひもをきつく結ぶ靴や、革靴のように足に合わせて履く靴は、件数が多いと負担になります。かかとを踏んで履くとすぐに形が崩れるので、面ファスナーやゴムのひもで、かかとを踏まずに脱ぎ履きできる靴がおすすめです。

②滑りにくく、動きやすい

屋外の歩行練習では、利用者さんのすぐ横で支えることがあります。セラピストの足元が不安定だと、介助の安全も保てません。底がゴムでしっかり地面をつかみ、走ったり踏ん張ったりできる靴を選びましょう。ヒールのある靴や、底が硬くて滑りやすい靴は避けます。

③運転や自転車の操作に支障がない

道路交通法では、運転者が守る事項の一部を各都道府県の公安委員会が規則で定めることになっています。たとえば京都府道路交通規則では、「げたその他運転操作に支障のあるものをはいて、自動車又は原動機付自転車を運転しないこと」と定めています。かかとのないサンダルやスリッパのような靴は、運転には向きません。

規則の書き方は都道府県によって違うので、勤務先の地域の規則も確認しておきましょう。自転車で移動する事業所では、ペダルを踏み外しにくい靴底かどうかも見ておくと安心です。

④雨の日に困らない

雨の日に靴の中までぬれると、利用者さんの家に上がるときに床をぬらしてしまったり、靴下がぬれて不快なまま一日を過ごしたりすることになります。穴のあいたサンダルのような靴は避け、雨の日だけ防水の靴に履き替える方法もおすすめです。替えの靴下を車やかばんに入れておくと、急な雨でも困りません。

⑤長時間履いても疲れにくい

訪問リハビリでは、移動の時間も含めて一日中同じ靴を履いています。足の長さだけでなく、足の幅(ワイズ)に合った靴を選ぶと疲れにくくなります。靴を買うときは、仕事で履く靴下を履いて、夕方の足がむくんだ時間に試し履きするのがおすすめです。

⑥派手すぎない色を選ぶ

利用者さんやご家族の中には、身だしなみを気にする人もいます。白・黒・紺など落ち着いた色の靴を選びましょう。事業所によっては、白い靴に決めているところもあるので、まず職場のルールを確認してください。白い靴は清潔に見える一方で、雨の日や屋外の練習のあとに汚れが目立ちやすい面があります。

6つの条件を、場面ごとに整理すると次のとおりです。靴を買う前のチェックに使ってください。

場面靴に求めること確認するポイント
利用者さん宅の玄関脱ぎ履きしやすいかかとを踏まずに、すぐ履けるか
屋外の歩行練習滑りにくく、踏ん張れる底がゴムで、かかとがしっかりしているか
車・バイク・自転車運転操作に支障がないかかとがあり、ペダルを踏み外しにくいか
雨・雪の日水が入りにくい穴やメッシュの多い素材でないか
一日中疲れにくい足の長さと幅(ワイズ)が合っているか
身だしなみ落ち着いた色事業所のルールに合っているか

訪問リハビリにおすすめの靴

ここでは、メーカーの公式情報で特徴を確認できた靴を紹介します。サイズや足の形との相性は人によって違うので、できるだけ試し履きしてから選んでください。

アシックス ケアウォーカー700

アシックスのメディカルスタッフ向けのシューズです。公式ページでは、ローヒールで緊急時は脱ぎ履きしやすく、ふだん歩くときは脱げにくいつくりと紹介されています。甲の部分は人工皮革と合成繊維、底はゴム底で、中敷きは取り外せます。足の幅は2E相当です。脱ぎ履きの多い訪問に向いている一方で、屋外の歩行練習が多い日は、足首まわりまで包む運動靴のほうが動きやすいこともあります。

マルゴ 防水シューズ マンダム#56

丸五の防水スリッポンシューズです。公式通販では、丈が短いので長靴のような「いかにも」感がなく、雨の日の通勤にもすすめられると紹介されています。取り外しができるメッシュの中敷き付きで、色はブラック・ホワイト・カーキがあります。雨の日用の1足として持っておくと、靴の中がぬれる心配を減らせます。

以前この記事で紹介していたランニングシューズ2足は、メーカーの公式ページで現行品の仕様を確認できなかったため外しました。

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靴は1足あれば足りるのかな?

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2足あると安心だよ。ふだん用の動きやすい靴と、雨の日用の防水の靴を分けておくと、ぬれた靴を乾かしている間も困らないんだ。車に予備を1足置いているセラピストも多いよ。

利用者さん宅の玄関で気をつけたいマナー

訪問リハビリでは、靴そのものだけでなく、玄関での振る舞いも見られています。靴の選び方とあわせて、次の点に気をつけましょう。

  • 脱いだ靴はそろえて、出入りの邪魔にならない端に置く
  • 靴下の汚れや穴がないか、出かける前に確認する
  • 雨の日は、玄関に上がる前に足元の水気を拭く
  • 屋外の練習のあとは、靴底の泥を落としてから車に戻る
  • 利用者さんの靴が、屋外の練習に合っているかも一緒に見る

最後の点は、セラピストならではの視点です。利用者さんの靴のかかとがつぶれていたり、サイズが合っていなかったりすると、転倒の原因になります。自分の靴を整えるのと同じ目で、利用者さんの靴も確認しておきましょう。訪問に持っていく物は訪問リハビリの持ち物一覧でまとめています。

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玄関のマナーって、だれかに教わるものなの?

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病院ではあまり教わらないから、訪問を始めてから先輩を見て覚える人が多いんだ。だからこそ、最初に一度まとめて確認しておくと安心だよ。お宅ごとのルールがあるときは、それに合わせるのが基本だね。

靴の手入れと買い替えの目安

訪問リハビリの靴は、毎日の移動と脱ぎ履きで、思っている以上に早く傷みます。靴底がすり減った靴は滑りやすくなり、屋外の練習で自分が転ぶ原因にもなります。次のような状態になったら、買い替えを考えましょう。

  • 靴底の溝が浅くなり、ぬれた路面で滑りやすくなった
  • かかとの外側だけが大きくすり減っている
  • かかと部分がつぶれて、足が靴の中で動く
  • 中敷きがへたって、夕方に足が疲れやすくなった
  • 洗っても汚れやにおいが取れない

手入れとしては、雨の日のあとは中敷きを外してよく乾かし、同じ靴を毎日続けて履かないようにすると長持ちします。2足を交互に履くと、乾かす時間も取りやすくなります。足元の清潔さは、利用者さんやご家族からの信頼にもつながるので、汚れが目立つ前に手入れしておきましょう。

訪問リハビリを始める人におすすめの1冊

『リハコネ式! 訪問リハのためのルールブック 第2版』は、訪問セラピストの交流の場「リハビリコネクト」のメンバーが書いた本で、筆者が編著・監修を担当しています。版元ドットコムの目次によると、身だしなみの注意点、玄関でのお作法、和室のお作法、移動中に注意することなど、訪問ならではのマナーを第1章でまとめています。第2章以降では、訪問セラピストが知っておきたい介護保険・医療保険などの制度も扱っています。2021年7月の発行です。

ほかの本は訪問リハビリのおすすめ本で紹介しています。

よくある質問

訪問リハビリの靴は、どんなものを選べばいいですか?

脱ぎ履きしやすく、滑りにくく、運転の邪魔にならない靴を選ぶのが基本です。色は白・黒・紺など落ち着いたものにしましょう。

病院で使っていたナースシューズは使えますか?

使えます。ただし、屋外の歩行練習や雨の日には向かないものもあります。外での練習が多い日は運動靴に、雨の日は防水の靴に替えるなど、使い分けると安心です。

サンダルで運転してもいいですか?

都道府県の規則で、運転操作に支障のある履物での運転を禁止しているところがあります。たとえば京都府では、げたその他運転操作に支障のあるものを履いて自動車や原付を運転しないよう定めています。かかとのない靴は避けましょう。

白い靴と黒い靴、どちらがいいですか?

まず事業所のルールを確認してください。決まりがなければ、どちらでも構いません。白は清潔に見えますが、雨の日や屋外の練習で汚れが目立ちやすい面があります。

靴は何足用意すればいいですか?

ふだん用と雨の日用の2足があると安心です。ぬれた靴を乾かしている間も、もう1足で訪問できます。

利用者さんの家でスリッパを出されたら履くべきですか?

基本は、出されたものを使うのが礼儀です。ただし、リハビリの内容によってはスリッパだと滑りやすく危ないこともあります。その場合は理由を伝えて、靴下のまま行うなど、お宅ごとに相談しましょう。考え方は訪問看護のスリッパのマナーも参考になります。

靴の費用は事業所が出してくれますか?

事業所によって違います。制服の一部として支給するところもあれば、自分で用意するところもあります。入職前に確認しておきましょう。

靴はどのくらいで買い替えればいいですか?

期間よりも状態で判断しましょう。靴底の溝が浅くなった、かかとがつぶれて足が靴の中で動く、中敷きがへたったといった変化があれば、買い替えの時期です。

以前紹介されていた靴はどうなりましたか?

ランニングシューズ2足は、メーカーの公式ページで現行品の仕様を確認できなかったため外しました。

まとめ
  • 訪問リハビリの靴は、脱ぎ履き・滑りにくさ・運転のしやすさで選ぶ
  • 運転に支障のある履物は、都道府県の規則で禁止されていることがある
  • ふだん用と雨の日用の2足があると安心
  • 色は落ち着いたものにし、事業所のルールを確認する
  • 玄関でのマナーと、利用者さんの靴の確認もセットで考える
参考にした情報

※運転時の履物の規定は、京都府道路交通規則の条文を例として示したものです。規定の内容は都道府県によって異なるため、勤務地の公安委員会規則をご確認ください。靴の情報は2026年10月28日時点の各メーカー公式ページ・公式通販の記載にもとづいています。仕様や販売状況は変わる可能性があるため、購入時にご確認ください。『リハコネ式! 訪問リハのためのルールブック』は筆者が編著・監修した本です。靴の選び方やマナーの整理は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづくものです。本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

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この記事の内容は、YouTubeでも動画で解説しているよ!

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味