「訪問リハビリってきついことあるの?」
「訪問リハビリはきついというけど、我慢できそうかな?」
このような疑問を解決する記事です。
訪問リハビリで働いてみたいけど、どんなきついことがあるのだろう?という悩みがある人に向けて、訪問リハビリの経験10年以上の理学療法士が解説します。
結論からお伝えしますと、訪問リハビリはきついこともありますが、楽しいこと・やりがいの方が沢山あります。この記事を読んで、「このくらいなら我慢ができそう!」と思っていただき、訪問リハビリの世界に足を踏み入れていただけると嬉しいです。
・訪問リハビリのきついこと
・どのくらいのことを我慢できれば訪問リハビリができるか?
訪問リハビリはきついこともある
訪問リハビリを行っていると、さまざまなきついこともあります。
今回は、10年以上訪問リハビリを経験した理学療法士の立場で訪問リハビリのきついことを9つに分類して説明をしていきたいと思います。
訪問リハビリのきついこと1:汚い・臭い
訪問リハビリはいろいろなお宅に訪問をしてそのお宅の環境でリハビリを実施します。
その時に、綺麗な家もあれば、汚い家や臭い家もあります。
潔癖症の人や臭いに敏感な人、自身の服や髪に臭いがつくことに抵抗があるひとはきついと感じるかもしれません。
その中でも、特にきついと感じる人が多い環境は「タバコを吸っている家」です。
その場でタバコを吸っていなくても、部屋に臭いが染み込んでいる場合が多いので、40〜60分間滞在しているだけで服や髪にタバコの臭いがついてしまいます。
その後に消臭スプレーをすれば、多少は対策になりますので車に消臭スプレーを常備しておくことをオススメします!
訪問リハビリのきついこと2:花粉・アレルギー
訪問リハビリは外を移動していろいろなお宅に訪問します。
都会では自転車やバイクのところも多いです。また、車で移動していても屋内で勤務するよりは外に出る機会は多くなります。
そのような職場環境で天敵となるのが、花粉です!
近年、花粉症の人が増えてきていると言われています。花粉症の人にとっては訪問リハビリがきついと感じる季節もあるかもしれませんね!
また、同じアレルギーできついことが猫アレルギーです。
訪問リハビリのお宅では、猫を飼っているお宅も少なからず存在します。
猫アレルギーの人も一定数以上いると思います。
そのような方にとっては、猫がいるお宅への訪問リハビリはきついかもしれません。
訪問リハビリのきついこと3:コミュニケーション
訪問リハビリでは、さまざまな人とコミュニケーションをとる機会があります。
例えば、利用者さん、ご家族さん、ケアマネジャー、他サービス事業所、医療機関、訪問リハビリ事業所内のスタッフなどとコミュニケーションを取ります。
医療介護の現場では、コミュニケーションを取ることが多いと思います。
しかし、訪問リハビリの現場では、病院や外来や施設などのリハビリより多くの人とコミュニケーションを取ることがあります。
時には話が噛み合わない人がいたり、理不尽なことを言われたり、上手く伝わらなかったりすることもあります。
コミュニケーションを取ることが得意&好きな人は大丈夫ですが、コミュニケーションを取ることが少し苦手な人にとっては、きついと感じることもあるかもしれません。
訪問リハビリのきついこと4:トイレ
訪問リハビリは1日に4〜7件程度訪問するところが多いです。
移動距離や移動手段は地域や事業所によって異なりますが、よく聞く悩みがトイレ問題です。
「移動時間が少なくてトイレに行く時間がない。」
「いろいろなお宅でお茶やコーヒーを出していただいてトイレが近くなる。」
「トイレが近くにない。」
このようなこともよくあります。
そのため、飲水量を調節したり、出されたものを断ったり、トイレの場所を把握する必要もあります。対策次第では問題ありませんが、きついと感じる人もいるかもしれませんね。
訪問リハビリのきついこと5:担当者交代・比較
訪問リハビリは一対一で関わります。
そして、担当制や主担当制(主に1人で訪問する)などをとっている場合も多くあります。(逆の場合を複数名担当制、複数名訪問制などという。)
人間ですから、相性などがあります。
また、何かの言動や行動で利用者さんやその家族を不快にさせてしまうこともあります。
そのような時に、事業所の管理者やケアマネジャーを通して「担当を交代してほしい。」「他の人に訪問してもらいたい。」などと言われる場合もあります。これは、注意していても結構誰もが経験したことがあることです。
このようなことを言われた時は結構傷つき、きついと感じます。
同じようなことでは、複数名のセラピストが訪問しているときは、比較されるということがよくあります。
例)
・ベテランの〇〇さんとの比較
・異性の〇〇さんとの比較
・知識豊富な〇〇さんとの比較
・コミュニケーションが上手な〇〇さんとの比較
「〇〇さんの方が良い。」「〇〇さんは△△をしてくれた。」など、比較されることがあり、意外と傷つききついです。そのようなきついことも訪問リハビリにはあります。
訪問リハビリのきついこと6:暑さ・寒さ
訪問リハビリは夏は暑く、冬は寒いです。
正直、想像している以上に大変です。
熱中症のことが理解されるようになり、家電製品が広まったことで、エアコンをつけてくれている家は昔よりは増えてきました。しかし、高齢者はエアコンが嫌いな場合が多いです。また、エアコンを使っていたとしても微風の場合が多いです。
冬の暖房も同様です。
また、夏の場合は「暑さ」→「エアコン」→「暑さ」→「エアコン」の繰り返しで体調が悪くなる人も多いです。
暑さの予防として、水分補給、塩分摂取、服装の工夫、冷汗スプレーなどもありますが暑さが苦手な人にとっては、きついと感じることも多いです。夏の時期の新型コロナウイルス対策はガウン+マスク+フェイスシールドのところもあるため、通常の夏よりきつい場合が多いです。
寒さが苦手な人は冬場の訪問リハビリがきついと感じるかもしれませんね。
訪問リハビリのきついこと7:飲み物・頂き物
訪問リハビリでは飲み物や頂き物をいただくこともあります。
基本的に頂き物はお断りすることがベターであるとされていますが、お断りできないケースも多々あります。
厳しい上司にお断りしなさいと言われていても、お断りできずに持ち帰ったら怒られたり…そんな理不尽なこともあるかもしれませんね。
また、コーヒーが嫌いなのにコーヒーを渡されたり、トイレを我慢しているのにカフェインが入ったお茶を渡されたり…色々といらないものも出してくれることがありきついこともあります。
訪問リハビリのきついこと8:雨・虫
訪問リハビリは屋外を移動します。
都会では自転車やバイクでも移動します。
移動中につきものなのが、雨です。
夏の雨は蒸れて暑いですし、冬の雨は寒さが厳しいです。
台風などの場合は、一瞬外に出ただけでもズブ濡れになってしまうこともあり、きついことの一つだと言えます。
また、屋外歩行をする時に夏場ですと蚊に刺されてしまったり、蜘蛛の巣に引っかかったりというリスクもあります。屋内であってもゴキブリがいたり、虫が飛んでいたりすることもあります。
雨や虫…。このようなことも訪問リハビリがきついと感じることには挙げられます。
訪問リハビリのきついこと9:プレッシャー・責任感
訪問リハビリは原則1人で訪問します。
1人で訪問するため、現場では1人で判断したり、情報収集したり、対応したりする必要があります。そのために知識をつけることはもちろん必要ですが、1人でさまざまなことに対応するため、プレッシャーや責任を感じることもあります。
そのプレッシャーや責任がきついと感じる訪問セラピストにもあったことがあります。
訪問リハビリのきついことのまとめ
今回は訪問リハビリのきついことについてお話ししました。
今回紹介した訪問リハビリのきついことは下記の通りです。
- 汚い・臭い
- 花粉・アレルギー
- コミュニケーション
- トイレ
- 担当者交代・比較
- 暑さ・寒さ
- 飲み物・頂き物
- 雨・虫
- プレッシャー・責任感
今回紹介した訪問リハビリのきついことは、人によって感じ方はさまざまです。
生まれ育った環境も異なるため、「とてもきついと感じる人」「きついと感じる人」「少しきついと感じる人」「平気と感じる人」がいて当然です。
最初にも話しましたが、訪問リハビリはきついことより、楽しいことややりがいの方が優っています。
現に、私自身、訪問リハビリできついことを感じながらも10年間以上訪問リハビリを継続しています!
もし、「今回紹介したことくらいなら我慢できそう!」と思えるのであれば訪問リハビリの世界に足を踏み込んでみてはいかがでしょうか?