「訪問介護や訪問看護、訪問リハビリの同一建物減算とは?」
「同一建物減算は2021年介護報酬改定でどのように変わったの?」
「同一建物減算を逃れる方法とは?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
この記事を読めば下記のことがわかります。
・訪問介護や訪問看護、訪問リハビリの同一建物減算とは?
・同一建物減算は2021年度介護報酬改定でどのように変わったか?
・同一建物減算を逃れる方法
・同一建物減算のQ&A
同一建物減算について学んでいきましょう!
同一建物減算とは?わかりやすく解説!【2021年介護報酬改定版】
同一建物減算とは、同一建物等の居住者に訪問リハビリ・訪問看護・訪問介護等を提供した場合、条件によっては減算されるというものです。
もう少し分かりやすく説明すると下記のようになります。
- 同じ建物の利用者に
- 効率よく沢山提供した場合
- 減算になります。
同一建物減算の算定要件(どのような時に減算?)
同一建物減算は条件によって、減算が異なります。
3つのパターンに分けて説明します。
同一建物減算パターン①
事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に居住する者(②に該当する場合を除く。)
概要
事業所と構造上又は外形上、一体的な建築物及び同一敷地内並びに隣接する敷地(事業所と建築物が道路等を挟んで設置している場合を含む。)にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能なものを指すもの
具体例
・1階部分に事業所がある場合
・建物と渡り廊下でつながっている場合
・同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物として、同一敷地内にある別棟の建築物や幅員の狭い道路を挟んで隣接する場合
同一建物減算パターン②
上記の建物のうち、当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり50人以上の場合
概要
同一敷地内建物等のうち、同一敷地内建物等における事業所の利用者が50人以上居住する建物の利用者全員に適用される。
注意点
利用者数は、1月間(暦月)の利用者数の平均を用いる。1月間の利用者の数の平均は、当該月における1日ごとの該当する建物に居住する利用者の合計を、当該月の日数で除して得た値とする。この平均利用者数の算定に当たっては、小数点以下を切り捨てるものとする。
同一建物減算パターン③
上記①以外の範囲に所在する建物に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり20人以上の場合)
概要
パターン①以外の効率的なサービス提供が可能である建物を指す。
同一敷地内建物等に該当しないものの例
・同一敷地であっても、広大な敷地に複数の建物が点在する場合
・隣接する敷地であっても、道路や河川などに敷地が隔てられており、横断するために迂回しなければならない場合
①同一建物(同一敷地内建物等)の定義
①:「同一敷地内建物等」とは、当該指定訪問介護事業所 と構造上又は外形上、一体的な建築物及び同一敷地内並びに隣接する敷地(当該指定訪問介護事業所と建築物が道路等を挟んで設置している場合を含む。)にある建築物のうち効率的なサービス提供が可能なものを指すものである。
具体的には、一体的な建築物として、当該建物の1階部分に指定訪問介護事業所がある場合や当該建物と渡り廊下でつながっている場合など、同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物として、同一敷地内にある別棟の建築物や幅員の狭い道路を挟んで隣接する場合などが該当するものであること。
②同一建物の定義(20人以上居住する建物)
②:同一の建物に20人以上居住する建物(同一敷地内建物等を除く。)の定義
イ 「当該指定訪問介護事業所における利用者が同一建物に20人以上居住する建物」とは、1に該当するもの以外の建築物を指すものであり、当該建築物に当該指定訪問介護事業所の利用者が20人以上居住する場合に該当し、同一敷地内にある別棟の建物や道路を挟んで 隣接する建物の利用者数を合算するものではない。
ロ この場合の利用者数は、1月間(暦月)の利用者数の平均を用いる。この場合、1月間の利用者の数の平均は、当該月における1日ごとの該当する建物に居住する利用者の合計を、当該月の日数で除して得た値とする。この平均利用者数の算定に当たっては、小数点以下を切り捨てるものとする。また、当該指定訪問介護事業所が、第1号訪問事業(旧指定介護予防訪問介護に相当するものとして市町村が定めるものに限る。以下同じ。)と一体的な運営をしている場合、第1号訪問事業の利用者を含めて計算すること。
③同一建物減算の対象外
③:当該減算は、指定訪問介護事業所と建築物の位置関係により、効率的なサービス提供が可能であることを適切に評価する趣旨であることに鑑み、本減算の適用については、位置関係のみをもって判断することがないよう留意すること。具体的には、次のような場合を一例として、サービス提供の効率化につながらない場合には、減算を適用すべきではないこと。
(同一敷地内建物等に該当しないものの例)
・ 同一敷地であっても、広大な敷地に複数の建物が点在する場合
・ 隣接する敷地であっても、道路や河川などに敷地が隔てられており、横断するために迂回しなければならない場合
④事業所が異なる場合でも同一建物減算の対象
④:①及び②のいずれの場合においても、同一の建物については、当該建築物の管理、運営法人が当該指定訪問介護事業所の指定訪問介護事業者と異なる場合であっても該当するものであること。
⑤同一建物の定義(50人以上居住する建物)
⑤:同一敷地内建物等に50人以上居住する建物の定義
イ 同一敷地内建物等のうち、当該同一敷地内建物等における当該指定訪問介護事業所の利用者が50人以上居住する建物の利用者全員に適用されるものである。
ロ この場合の利用者数は、1月間(暦月)の利用者数の平均を用いる。この場合、1月間の利用者の数の平均は、当該月における1日ごとの該当する建物に居住する利用者の合計を、当該月の日数で除して得た値とする。この平均利用者数の算定に当たっては、小数点以下を切り捨てるものとする。
同一建物減算逃れ
同一建物減算逃れとは、同一建物減算を逃れる方法です。
制度を正しく理解して、同一建物減算の対象となる場合はしっかりと減算し、逃れられる場合は逃れるという対応をしましょう!
同一建物減算のよくある質問Q&A
同一建物減算に関係するよくある質問を紹介します。
同一建物に団地や一般のマンションは含まれますか?
含まれます。
月途中に同一建物減算対象の建物に入居した場合や月途中に同一建物減算対象の建物から退居した場合はどのように計算するのか?
利用者が減算対象の建物に入居した日から退居した日までの間に受けたサービス費だけ減算となります。
同一建物減算のQ&A(厚生労働省)
厚生労働省から出されている同一建物減算のQ&Aは下記の通りです。
「同一建物に居住する利用者が1月あたり20人以上である場合の利用者数」とは、どのような者の数を指すのか。
この場合の利用者数とは、当該指定訪問介護事業所とサービス提供契約のある利用者のうち、該当する建物に居住する者の数をいう。(サービス提供契約はあるが、当該月において、訪問介護費の算定がなかった者を除く。)
集合住宅減算について、「同一の敷地内若しくは隣接する敷地内の建物」であっても「サービス提供の効率化につながらない場合には、減算を適用すべきではないこと」とされているが、具体的にはどのような範囲を想定しているのか。
集合住宅減算は、訪問系サービス(居宅療養管理指導を除く)について、例えば、集合住宅の1階部分に事業所がある場合など、事業所と同一建物に居住する利用者を訪問する場合には、地域に点在する利用者を訪問する場合と比べて、移動等の労力(移動時間)が軽減されることから、このことを適正に評価するために行うものである。
従来の仕組みでは、事業所と集合住宅(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅に限る。以下同じ。)が一体的な建築物に限り減算対象としていたところである。
今般の見直しでは、事業所と同一建物の利用者を訪問する場合と同様の移動時間により訪問できるものについては同様に評価することとし、「同一敷地内にある別棟の集合住宅」、「隣接する敷地にある集合住宅」、「道路等を挟んで隣接する敷地にある集合住宅」のうち、事業所と同一建物の利用者を訪問する場合と同様に移動時間が軽減されるものについては、新たに、減算対象とすることとしたものである。
このようなことから、例えば、以下のケースのように、事業所と同一建物の利用者を訪問する場合とは移動時間が明らかに異なるものについては、減算対象とはならないものと考えている。
・広大な敷地に複数の建物が点在するもの(例えば、UR(独立行政法人都市再生機構)などの大規模団地や、敷地に沿って複数のバス停留所があるような規模の敷地)
・幹線道路や河川などにより敷地が隔てられており、訪問するために迂回しなければならないもの
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所と連携した場合の報酬を算定する場合、同一建物に居住する利用者に対する減算は適用されるのか。
適用されない。
同一建物減算とは?について動画で解説
同一建物減算について動画でも解説しています。
ぜひ、視聴よろしくお願いいたします。